モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は20系レクサスNXが気になっていると思います。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
私も実際に20系レクサスNXを所有し、日常の足から長距離ドライブまで1万キロ以上を共に過ごしてきました。
だからこそ、これから購入を検討している方が抱く不安や、納車後に「こんなはずではなかった」と後悔したくない気持ちは本当によく理解できます。
プレミアムSUVとして高い完成度を誇るNXですが、長く付き合うことで初めて見えてくる細かな弱点や不満点が存在するのも事実です。
この記事を読み終える頃には、20系レクサスNXのリアルな不満点や後悔ポイントに関する疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- 最小回転半径5.8メートルによる取り回しの難しさ
- 街中に溢れる人気車ゆえの特別感の薄れ
- 急加速時における直列4気筒エンジンの騒音
- 気密性の高さに起因する後席ドアの閉まりにくさ
車買い替えのご検討中の方へ
新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
CTN一括査定は自動車業界紙にも多数掲載されているので、安心してご利用できます。
- レクサスNXの不満点を徹底解剖!実際に所有して分かった気になるデメリット7選
- レクサスNXの不満点1:最小回転半径5.8mで意外と小回りが利かない取り回しの難しさ
- レクサスNXの不満点2:人気ゆえに街中で見かける頻度が高く特別感が薄れるジレンマ
- レクサスNXの不満点3:急加速時や踏み込んだ際に発生する直4エンジンの騒がしい唸り音
- レクサスNXの不満点4:気密性の高さが裏目に出る?後席ドアが1発で閉まらず半ドアになるストレス
- レクサスNXの不満点5:小ぶりなサンバイザーでは朝夕の強い日差しを遮りきれない設計
- レクサスNXの不満点6:美しさと引き換えに傷や埃が非常に目立つシフト周りのピアノブラック
- レクサスNXの不満点7:乗車するたびに毎回スイッチを押す必要があるオートブレーキホールドの不便さ
- レクサスNXの後悔ポイントを補足!オーナーが物足りなさを感じる番外編の弱点2選
- レクサスNXの購入で後悔しないための比較!ライバルSUVとのスペック・価格対比
- レクサスNXを後悔なく選ぶための購入ガイド!グレード別特徴とリセール動向
- まとめ
レクサスNXの不満点を徹底解剖!実際に所有して分かった気になるデメリット7選
20系レクサスNXは、デザイン、走行性能、質感のどれをとっても一級品のプレミアムSUVです。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
しかし、いかに優れた車であっても完璧な存在はありません。
ここでは、私が1年以上所有し、1万3,000キロ以上を走り込む中で感じた「あえて挙げる不満点7選」を、オーナー目線かつジャーナリストの冷徹な目で徹底的に解剖します。
レクサスNXの不満点1:最小回転半径5.8mで意外と小回りが利かない取り回しの難しさ
レクサスNXのボディサイズは、全長4,660mm、全幅1,865mmと、日本の道路環境においてはまさにベストマッチとも言えるミドルクラスSUVです。
しかし、その扱いやすいサイズ感に対して、取り回し性能を示す「最小回転半径」は5.8mとなっています。
この数値は、このクラスのSUVとしては意外なほど大きく、日常の運転で明確なデメリットとして感じられる場面が多々あります。
ミドルサイズながらハリアーやクラウンスポーツを下回る取り回し性能
実際に運転していると、スーパーの立体駐車場スロープを曲がる際や、狭い交差点での右左折、さらには自宅付近の細い路地での切り返しの場面で「あれ、一発で曲がりきれないかも」とヒヤリとすることがあります。
同じトヨタグループのミドルクラスSUVや最新モデルと比較すると、その差は一目瞭然です。
| 車種名 | 全長 (mm) | 全幅 (mm) | 最小回転半径 (m) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| レクサスNX (20系) | 4,660 | 1,865 | 5.8 | ミドルSUVとしては大回りな傾向 |
| トヨタ ハリアー | 4,740 | 1,855 | 5.5〜5.7 | NXより全長が長いが小回りが利く |
| トヨタ クラウンスポーツ | 4,720 | 1,880 | 5.4 | 後輪操舵(DRS)により抜群の小回り |
| レクサスRX (新型) | 4,890 | 1,920 | 5.9 (DRS車は5.5) | ひと回り大きいが取り回しは同等以上 |
表を見ると分かる通り、NXより全長が長く全幅も広いクラウンスポーツが5.4mという圧倒的な小回り性能を実現しているのに対し、NXは5.8mと、ひと回り大きな上位モデルのレクサスRX(標準仕様5.9m)とほぼ同等の大回り性能になってしまっています。
これはプラットフォームの設計や、フロントのサスペンションジオメトリ、舵角の限界などが影響していると考えられます。
試乗の際には普段使いのルートでの切り返し確認を推奨
これからNXの購入を検討されている方に強くおすすめしたいのが、試乗の際の取り回し確認です。
ディーラー周辺の広い道路を15分程度走るだけでは、この小回り性能の弱点はなかなか掴めません。
営業スタッフの方に許可をいただき、できれば30分以上のロング試乗を申し出てください。
そして、ご自身が日常的に利用する狭いスーパーの駐車場や、自宅周辺の切り返しが必要な路地を実際に走ってみるのが、後悔を防ぐ最も確実な方法です。
レクサスNXの不満点2:人気ゆえに街中で見かける頻度が高く特別感が薄れるジレンマ
レクサスNXは、現在のレクサスラインナップにおいて最も売れている「主役」と言えるモデルです。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
そのため、納車が進むにつれて街中での遭遇率が爆発的に向上しています。
これは車としての完成度が高く、多くの方に支持されている証拠なのですが、プレミアムブランドを所有するオーナーとしては、少し複雑な気持ちになるのも事実です。
販売好調によるプレミアムモデルとしての希少性の変化
私が購入した2023年当初は、まだ街中で新型(20系)とすれ違うことは比較的珍しく、駐車場に停めていてもどこか特別な視線を感じるような「特別感」や「プチ優越感」がありました。
しかし、2024年の年次改良以降、生産体制が強化されて納車スピードが上がったこともあり、今やどこのコインパーキングに行っても、隣や数台先に別のNXが停まっているという状況が珍しくありません。
信号待ちで前後左右をNXに囲まれるような場面に遭遇することもあり、かつての「知る人ぞ知る最新プレミアムSUV」という尖ったキャラクターは薄れ、良くも悪くも「定番の高級SUV」としての地位が定着したと感じます。
安定した人気がもたらす高いリセールバリューという好循環
この「街中に溢れている」という現象は、プレミアム感という情緒的な価値においてはマイナスに働くかもしれません。
しかし、実利的な側面においてはこれ以上ないメリットでもあります。
人気がこれだけ安定しているということは、中古車市場での需要も極めて高い状態が維持されるため、数年後に手放す際のリセールバリュー(残価率)が非常に高く安定するからです。
特別感を何よりも重視する方にとっては不満点になり得ますが、資産価値を含めたトータルパッケージとして捉えれば、決して悪いことばかりではないと言えます。
レクサスNXの不満点3:急加速時や踏み込んだ際に発生する直4エンジンの騒がしい唸り音
レクサスNXは、静粛性に関して非常に高いレベルに達しています。
日常の街乗り領域や、高速道路での一定速クルージングにおいては、ロードノイズや風切り音がシャットアウトされ、極めて静かで上質な空間が保たれています。
それだけに、深くアクセルを踏み込んだ瞬間の音質変化に、やや興ざめしてしまう部分があります。
高い静粛性と引き換えに際立ってしまう加速時のエンジンノイズ
特に私が所有しているNX350h(ハイブリッドモデル)は、日常域がEV走行や極めて静かなエンジン稼働で済むため、そのギャップが際立ちます。
合流車線や急な坂道でアクセルを踏み込んでエンジン高回転域に入ると、2.5L直列4気筒エンジンが「ブォーーン」と唸りを上げて室内に主張してきます。
その音は決していなせなスポーツサウンドではなく、どこか「実用エンジンが頑張って回っている」というニュアンスを含んだノイズに近いものです。
静粛性が非常に高いプレミアムカーだからこそ、この「直4エンジン特有の雑味のある高回転音」が、実物以上にうるさく感じられてしまうのです。
プラグインハイブリッドモデル450h+が誇る卓越した静粛性
もし車内のプレミアムな静粛性に徹底的にこだわりたい、あるいは電気の力強い加速をノイズレスで楽しみたいという方であれば、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルである「NX450h+」の選択を強く推奨します。
450h+であれば、よほどの急加速を行わない限りエンジンが始動せず、大容量バッテリーによる高出力モーターだけで圧倒的にリニアで静かな加速を提供してくれます。
予算は上がりますが、この静粛性の不満を根本から解決してくれる唯一無二のグレードです。
レクサスNXの不満点4:気密性の高さが裏目に出る?後席ドアが1発で閉まらず半ドアになるストレス
この不満点は、納車された初日から今に至るまで、同乗者を乗せるたびに発生する地味ながらもリアルなストレスポイントです。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
20系NXのドア、特に後席ドアは、普通に閉めようとすると驚くほど高い確率で「半ドア」になってしまいます。
高級車に求められるドアイージークローザー非設定の惜しさ
半ドアになりやすい原因は、20系NXの車体剛性と気密性が極めて高いレベルで設計されていることにあります。
ドアを閉める際、車内の空気が逃げ場を失って抵抗(空気圧)となり、ドアが閉まりきる寸前で減速してしまうのです。
これを防ぐためには、オーナー自身や同乗者が、意識して「バチン!」と強めの力でドアを叩きつけるように閉める必要があります。
しかし、愛車を大切に扱いたいオーナーとしては、高級車のドアを毎回大きな音を立てて乱暴に閉めたくはありません。
また、ゲストを後席に乗せた際、スマートに降りてもらったはずが「ピーピー」と半ドアの警告音が鳴り響き、もう一度閉め直してもらうという気まずい瞬間が何度も発生しています。
上位モデルのRXですら「ドアイージークローザー(半ドア状態から自動で吸い込む機能)」が装備されていないため、NXに非採用なのは致し方ない部分もありますが、レクサスブランドを名乗る以上、せめて有償オプションでも良いので設定してほしかった装備です。
アフターパーツによる解決と施工費用の現実的なハードル
どうしてもこの半ドア問題を解決したい場合、社外のアフターパーツメーカーが開発している「イージークローザー後付けキット」を導入するという力技が存在します。
インターネットで検索すると、いくつかの専門ショップで施工事例が見つかります。
ただし、パーツ代と取付工賃を合わせると、前後4席分で15万〜20万円前後の費用がかかることが多く、またメーカー純正保証の対象外となるリスクも伴うため、導入には相応の覚悟が必要です。
レクサスNXの不満点5:小ぶりなサンバイザーでは朝夕の強い日差しを遮りきれない設計
これは乗員の体格やシートポジションに大きく依存するポイントですが、私にとっては非常に頭を悩ませるポイントの1つです。
レクサスNXの運転席サンバイザーは、フロントガラスの傾斜やルーフ形状に合わせてデザインされているためか、縦方向の幅がやや小ぶりに作られています。
シートポジションと乗員の体格で変化する直射日光の影響
私は身長がやや高く、ドラポジ(ドライビングポジション)を合わせるとヘッドクリアランスに余裕を持たせるためにシートポジションを低めに設定する傾向があります。
この状態で、秋口や冬場の強い西日、あるいは早朝の鋭い朝日が差し込んできた際、眩しさを凌ぐためにサンバイザーを下ろすのですが、バイザーの縦幅が足りず、遮れるのはおでこのあたりまでとなってしまいます。
日差しがちょうど目の高さを直撃し、視界を遮られる状況に陥るのです。
だからといってシート高を限界まで上げると、今度は頭上空間が非常にタイトになり、SUVらしい開放感が失われてしまいます。
実用性をカバーするためのサングラス常備という対策
この不満に対する私の現実的な解決策は、サンバイザーに頼るのを諦め、偏光レンズを採用したサングラスを車内に常時配備しておくことです。
特に偏光サングラスは、直射日光だけでなく、フロントガラスへのダッシュボードの映り込みも大幅に低減してくれるため、NXを運転する上でのマストアイテムとなっています。
これからNXを購入される高身長の方、あるいはシートを低めにセットしたい方は、このバイザーのカバー範囲についても事前に確認しておくことをおすすめします。
レクサスNXの不満点6:美しさと引き換えに傷や埃が非常に目立つシフト周りのピアノブラック
近年のプレミアムカーのトレンドに漏れず、20系レクサスNXの内装にも、センターコンソールやシフトノブ周辺、ドアスイッチパネルなどに艶やかな「ピアノブラック(漆黒のグロス塗装)」が贅沢にあしらわれています。
展示車や納車直後の状態では、漆黒の輝きが素晴らしい高級感を演出してくれるのですが、この美しさを維持するのは至難の業です。
日常使いで避けられない指紋汚れと微細な線傷への気配り
ピアノブラックは、指先が少し触れただけでも指紋や皮脂汚れがはっきりと目立ちます。
さらに、空気中の埃が静電気で吸い寄せられるため、こまめに掃除をしないとすぐに白く汚れたような印象になってしまいます。
厄介なのは、その埃を拭き取ろうとして一般的なマイクロファイバークロスなどで少し強めに擦るだけでも、光の加減によって無数の「ヘアライン傷(微細な擦り傷)」が簡単についてしまう点です。
シフト周りはスマートフォンや鍵、財布などの小物を置く機会が多い場所だけに、細心の注意を払っていても、気がつけば細かな傷が増えていってしまいます。
個人的には、バージョンLに採用されている木目オーナメントや、F SPORTの持つスポーティなアルミパネルのような質感を、シフト周りにも統一感を持って展開してほしかったと感じています。
高級感を維持するためのコーティング剤や液晶保護フィルムの活用
このピアノブラックの傷問題を解決するために、多くのオーナーが実践しているのが「スマホまもる君」などのスマホ用・自動車用ガラスコーティング剤の塗布です。
納車直後の無傷の状態でコーティングを重ね塗りしておくことで、表面に硬度の高い保護膜を形成し、擦り傷の発生を大幅に防ぐことができます。
また、最近ではサードパーティからシフト周りの形状にカットされた専用の傷防止透明フィルム(PPF)も販売されているため、傷がつく前にこれらの保護対策を施すことが、美しさを長く維持するための最大の秘訣です。
レクサスNXの不満点7:乗車するたびに毎回スイッチを押す必要があるオートブレーキホールドの不便さ
信号待ちなどでブレーキペダルから足を離しても停車状態を維持してくれる「オートブレーキホールド」は、現代の車においてなくてはならない超便利機能です。
しかし、レクサスNXのブレーキホールドシステムには、非常に惜しい仕様上の制限があります。
メモリー機能非搭載による日々のルーティンの煩わしさ
それは、「エンジン(システム)を始動するたびに、毎回手動でブレーキホールドボタンを押してオンにする必要がある」という点です。
多くのヨーロッパ車や、国産車でも一部の新型車では、一度ブレーキホールドをオンに設定すれば、次回エンジンをかけた際にもその設定が維持される「メモリー機能」が備わっています。
しかし、20系NXにはこのメモリー機能がありません。
乗車してシートベルトを締め、スタートボタンを押し、そしてセンターコンソールの「HOLD」ボタンを押す。
この一連の流れが毎回のルーティンとなり、押し忘れて信号待ちでうっかり足を離してクリープ現象で車が動き出し、冷っとする場面があります。
レクサスという最高峰のプレミアムブランド、かつシステム構成が極めて先進的な車であるからこそ、こうした日常の細かな作法の自動化・メモリー機能は標準で装備してほしかったポイントです。
DIYパーツを活用した自動化カスタムの可能性と注意点
私はこの不満を解消するため、シートベルトを装着した時点で自動的にブレーキホールドがオンになる「オートブレーキホールドキット(カプラーオン設計)」をDIYで装着しています。
これにより不満は完全に解消され、極めて快適なドライブ環境を手に入れました。
ただし、配線を分岐させるようなDIYカスタムは、配線ミスによる車両エラーのリスクや、ディーラーでの車検・整備時の取り扱いにおいて自己責任となる側面があるため、誰にでも手放しでおすすめできるわけではありません。
メーカー純正でのシステムアップデートを強く望む部分です。
レクサスNXの後悔ポイントを補足!オーナーが物足りなさを感じる番外編の弱点2選
ここからは、実際に1年以上所有して走行距離を重ねる中で、「あえて言うならば、ここも少し時代遅れになってきているのではないか」と感じる番外編の弱点・不満点を2つお伝えします。
特に最新のライバル車種や、新世代のトヨタ・レクサス車と比較した際に浮かび上がってくるポイントです。
レクサスNXの弱点1:ライバル車に遅れをとる12.3インチフル液晶メーター採用の遅れ
20系レクサスNXの運転席前方に鎮座するメーターパネルは、中央に液晶画面、左右に物理的なインジケーターを配したハイブリッド構成(実質7インチ相当の液晶表示エリア)が基本となっています。
購入当初は大きな不満は感じていませんでしたが、時間の経過とともに、この仕様に物足りなさを感じるオーナーが増えています。
先進性を追求するプレミアムセグメントでのメーターデザインの格差
なぜなら、レクサスの同世代モデルであるRXや、コンパクトSUVのLBX、さらには価格帯が下回るトヨタのハリアー、クラウンシリーズなどには、メーター全体がグラフィカルに表示を切り替えられる「12.3インチ大型フル液晶メーター」が続々と採用されているからです。
最も売れ筋であり、先進性をアピールするNXにおいて、メーター中央の小さな表示エリアだけで情報をやり取りする旧世代的なデザインが残されている点には、レクサスファンとしても「なぜNXだけ後回しにされているのか」と、フットワークの重さを感じざるを得ません。
視線移動を減らすヘッドアップディスプレイの実用的なサポート
ただし、このメーターへの不満を実質的にカバーしてくれているのが、F SPORTやversion Lに標準装備(一部オプション)されている「カラーヘッドアップディスプレイ(HUD)」です。
フロントガラスに必要な情報のほとんど(車速、レーンキープ状況、ナビの方向指示など)が投影されるため、運転中に視線をメーターまで落とす必要性がそもそもありません。
そのため、実用面におけるメーターへの不満は限定的ですが、高額なプレミアムSUVとしての「コックピットの先進感・見栄え」という観点では、どうしても一世代古い印象を抱いてしまう後悔ポイントとなり得ます。
レクサスNXの弱点2:クラウンスポーツ等の最新車種に劣る先進予防安全装備のアップデート不足
レクサスNXには「Lexus Safety System +」が全車に搭載されており、衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付レーダークルーズコントロールなど、最高水準の予防安全機能が備わっています。
しかし、自動車の安全技術は日々進化しており、NXがデビューした2021年末以降に登場した新しいトヨタ・レクサス車と比較すると、細かな機能面で後れをとっています。
トヨタ・レクサス群における予防安全技術の世代交代によるギャップ
具体的に、最新のクラウンシリーズや新型RX、LBXなどに搭載されているものの、初期〜中期型の20系NX(年次改良前モデルなど)に搭載されていない、あるいは制限されている主な先進機能は以下の通りです。
- セカンダリーコリジョンブレーキ(停車中後突対応) 自車が停車中、後方から追突された際に自動でブレーキを作動させて前方への押し出しを防ぎ、多重事故(二次衝突)を軽減する機能。
- 後方車両接近告知 後方から急速に接近する車両がある場合、インナーミラーでの表示やブザー音でドライバーに注意を促す機能。
- 周辺車両接近時サポート(録画機能・通報提案機能) あおり運転などの執拗な接近を受けた際、ドライブレコーダーへの自動録画やヘルプネットへの通報を提案する防犯機能。
これらの機能は、最新のセーフティパッケージには当然のように含まれていますが、NXの初期〜中期モデルを所有しているオーナーにとっては、「最新プレミアムカーなのに、最新の安全装備がハリアーやクラウンに劣っている」という、スペック上の悔しさを感じる部分です。
「Always On」の思想に基づく継続的な商品力改善への期待
レクサスには「Always On(常に車を改善し続け、進化を追求する)」という素晴らしい開発精神があります。
この精神に則り、年次改良のタイミングや、有償・無償のソフトウェアアップデートなどを通じて、既存オーナーの車両であっても安全装備を常に最新世代へ引き上げられる仕組みを構築してほしいと強く願っています。
レクサスNXの購入で後悔しないための比較!ライバルSUVとのスペック・価格対比
購入後の後悔を防ぐためには、レクサスNXが市場においてどのような立ち位置にあるのか、類似するライバルSUVと客観的な数字で比較検討することが極めて重要です。
ここでは、競合としてよく名前が挙がる3車種をピックアップし、実用スペックや取り回し、コストパフォーマンスの観点から表を用いて詳しく比較します。
レクサスNXとトヨタ・ハリアーのサイズ・最小回転半径・価格の比較
最も比較検討されやすいのが、同じプラットフォーム(GA-K)をベースに持ちながら、異なるブランド価値を提供する「トヨタ・ハリアー」です。
| 比較項目 | レクサスNX (20系・350h version L) | トヨタ ハリアー (Z “Leather Package”) |
|---|---|---|
| 全長 / 全幅 / 全高 | 4,660mm / 1,865mm / 1,640mm | 4,740mm / 1,855mm / 1,660mm |
| ホイールベース | 2,690mm | 2,690mm |
| 最小回転半径 | 5.8m | 5.5〜5.7m |
| 主要パワートレイン | 2.5L HEV (システム出力 244ps) | 2.5L HEV (システム出力 218ps) |
| 新車価格帯 | 約617万円〜 (仕様による) | 約430万円〜 (仕様による) |
| 静粛性 / 乗り心地 | 非常に静か・フラットで芯のある硬さ | 静か・マイルドでソフトな乗り味 |
構造を共有しつつも味付けと取り回しは大きく異なる
ハリアーはNXに対して全長が80mm長く、より大柄に見えますが、最小回転半径は最大でも5.7m、18インチ装着車であれば5.5mに抑えられており、街中での小回り性能はハリアーの圧勝です。
一方で、NXは高出力なモーターを用いた新しいハイブリッドシステムを搭載しており、アクセルを少し踏み込んだ際のレスポンスや俊敏な加速感はハリアーを大きく凌駕します。
価格差は約150万円〜200万円近くありますが、レクサスというブランドホスピタリティや走りの質感を求めるならNX、コストパフォーマンスと日常の扱いやすさを重視するならハリアーという明確な住み分けができます。
レクサスNXとトヨタ・クラウンスポーツの走行性能・予防安全装備の比較
次に比較するのは、スポーティなプレミアム路線を突き進み、NXの牙城を脅かす存在である「トヨタ・クラウンスポーツ」です。
| 比較項目 | レクサスNX (20系・F SPORT) | トヨタ クラウンスポーツ (SPORT Z) |
|---|---|---|
| 全長 / 全幅 / 全高 | 4,660mm / 1,865mm / 1,640mm | 4,720mm / 1,880mm / 1,565mm |
| 最小回転半径 | 5.8m | 5.4m (DRS搭載) |
| サスペンション形式 | F: マクファーソンストラット / R: ダブルウィッシュボーン | F: マクファーソンストラット / R: マルチリンク |
| DRS (後輪操舵機能) | なし | 標準装備 |
| 新車価格帯 (HEV) | 約617万円〜 | 約590万円〜 |
スポーティな走りと圧倒的な取り回しを誇るクラウンの脅威
クラウンスポーツは全幅が1,880mmとNXより広く、駐車環境を選びますが、DRS(ダイナミックリアステアリング:後輪操舵システム)を標準装備しているため、最小回転半径5.4mという圧倒的な小回りを誇ります。
さらにサスペンションもより走りに振ったリヤ・マルチリンク式を採用しており、山道でのロール(車体の傾き)を極限まで抑えた走りのキレは、NXのF SPORT以上です。
先進安全装備についても、クラウンスポーツの方が世代が新しく、安心感が高いのも魅力です。
ラグジュアリーな「レクサスらしさ」やプレミアムな内装のおもてなし感を重視するならNX、走りの楽しさとアグレッシブなスタイリング、そして取り回しの良さを重視するならクラウンスポーツが最有力候補となります。
レクサスNXと上位モデルであるレクサスRXの車格・静粛性・室内の広さ比較
最後に、NXを検討する上で「もう少し予算を頑張ってRXにした方が後悔しないのではないか」という悩みに答えるべく、上位のレクサスRXと比較します。
| 比較項目 | レクサスNX (20系) | レクサスRX (新型) |
|---|---|---|
| 全長 / 全幅 / 全高 | 4,660mm / 1,865mm / 1,640mm | 4,890mm / 1,920mm / 1,695mm |
| 最小回転半径 | 5.8m | 5.9m (DRS車は5.5m) |
| 車室内の静粛性 | 高い (加速時は直4音が目立つ) | 極めて高い (吸遮音材が圧倒的に贅沢) |
| 後席・荷室の広さ | ファミリー利用に十分な広さ | 余裕たっぷりで広大な空間 |
| 新車価格帯 | 約485万円〜約753万円 | 約667万円〜約910万円 |
予算と駐車環境が許せばRXがもたらす極上の世界観
RXは全長4.9mに迫る大柄なボディで、日本の標準的な機械式立体駐車場にはほぼ入りません。
しかし、その車格が生み出す室内の静粛性と乗り心地の重厚感は、NXとは明確に一線を画す「グランドツーリングカー」の世界です。
NXで気になった加速時のエンジン音の透過も、RXでは厚い遮音材によって遥かに上品に抑えられています。
もし、ご自宅の駐車環境が広く、約150万円以上の予算差をクリアできるのであれば、RXを選ぶことで「最初から最上級を所有している」という揺るぎない満足感が得られ、NX購入後のあらゆる細かな不満から解放されることになります。
レクサスNXを後悔なく選ぶための購入ガイド!グレード別特徴とリセール動向
レクサスNXの購入後に「やっぱりあっちのエンジンにしておけばよかった」「あのグレードにすればよかった」という後悔をなくすため、自動車ジャーナリストの知見から、賢いグレード選びとリセールの動向を網羅的に解説します。
レクサスNXのパワートレイン選び:ハイブリッド・PHEV・ターボのどれがおすすめか
20系レクサスNXには、主に4種類のパワートレインが用意されており、それぞれ全く異なるキャラクターを持っています。
NX250 (2.5L自然吸気ガソリン)
エントリーモデルでありながら、必要十分な動力性能を持ちます。
レクサスの世界観を最もリーズナブルに味わえるため、予算重視の方におすすめですが、プレミアムSUVに期待する「余裕の加速」という点では少し物足りなさを感じるかもしれません。
NX350 (2.4Lガソリンターボ)
AWD(4輪駆動)専用で、非常にパワフルで野性味溢れる加速を楽しめるスポーツ仕様です。
「走りのレクサス」を体現した素晴らしいグレードですが、ハイオク仕様で実燃費が街乗り8〜10km/L前後となるため、維持費やガソリンスタンドへ行く頻度を気にする方は後悔する可能性があります。
NX350h (2.5Lハイブリッド)
最も人気が高く、販売の主流となっているグレードです。
実燃費が18〜20km/Lと極めて優秀で、リセールバリューも非常に安定しています。
今回指摘した「踏み込んだ時のエンジン音」が許容できるのであれば、間違いなく最もバランスの取れた大本命の選択肢です。
NX450h+ (2.5Lプラグインハイブリッド)
EV走行可能距離が長く、走りは極めて滑らかで、NXラインナップ中で最高の静粛性とパワーを誇ります。
自宅に200Vの充電設備を用意できる環境があり、予算に余裕があるならば、不満点が極めて少ない「究極のNX」として強く推薦します。
レクサスNXのグレード別装備差:F SPORTとversion Lの選択基準
パワートレインを決めた後、多くのオーナーを悩ませるのが「F SPORT」にするか、あるいは「version L」にするかという二者択一です。
この2つは外観だけでなく、乗り味(サスペンション)のセッティングが全く異なります。
F SPORT (エフ・スポーツ)
専用のメッシュグリルや20インチホイール、スポーツシートを備え、引き締まったシャープな足回りが特徴です。
コーナリング時のロールを抑えてキビキビと走るのが得意ですが、路面の段差を拾った際の突き上げが「version L」よりも硬めに伝わってきます。
運転の楽しさを求めるアクティブな方に最適なキャラクターです。
version L (バージョン・エル)
本革シートや贅沢なウッド調オーナメントを奢り、しっとりとした上質でマイルドな乗り心地を追求した大人のためのラグジュアリーグレードです。
長距離ドライブでの疲れにくさや、後席に乗せる家族の快適性を最優先にするのであれば、迷わずversion Lを選択するのが正解です。
レクサスNXの資産価値:高いリセールバリューを維持するための必須オプション
レクサス車を所有する最大のメリットの1つが、数年後に売却する際の手元に残る金額の多さ(高リセール)です。
しかし、中古車市場で高く評価されるためには、購入時に特定の「リセール必須オプション」を選択しておく必要があります。
これをケチってしまうと、売却時に数十万円単位で損をしてしまい、大きな後悔に繋がりかねません。
1. 三眼フルLEDヘッドランプ
NXの顔つきを決定づける超重要オプションです。
標準の単眼LEDと三眼LEDでは、フロントマスクの男前度が全く異なります。
中古車市場でも三眼ヘッドランプの有無は査定評価を大きく左右するため、絶対に装着すべき必須パーツです(最新の年次改良で全車標準化が進みましたが、年式によってはオプション扱いのため要注意です)。
2. パノラミックビューモニター (PVM)
クルマを真上から見下ろしたような映像をナビ画面に映し出す機能です。
今回不満点として挙げた「最小回転半径5.8mで小回りが利かない」という弱点を、このPVMが視覚的に強力にサポートしてくれます。
狭い駐車場での切り返しや幅寄せが劇的に楽になるため、実用面でもリセールの観点でも必須装備です。
3. パノラマルーフ (またはムーンルーフ)
ガラス屋根がもたらす車内の圧倒的な開放感は、特に海外の中古車バイヤーから絶大な支持を受けています。
装着にかかるオプション費用以上のプラス査定となって売却時に返ってくることが多いため、予算に都合がつく限りは必ず選択しておきましょう。
まとめ
20系レクサスNXを1年5ヶ月、1万3,000キロにわたり生活の相棒として使い込んできた中で感じた、リアルな不満点7選と後悔ポイントを包み隠さずお伝えしました。
小回り性能や、後席ドアの半ドア問題、オートブレーキホールドのメモリー機能なしといった、日々乗るからこそ直面する細かなウィークポイントは存在します。
しかし、これらの不満点を並べ立てた上で、私は声を大にしてお伝えしたいことがあります。
それは、「レクサスNXは、これらの不満をすべて帳消しにするほど、圧倒的に完成度が高く、素晴らしい満足感をもたらしてくれる名車である」ということです。
まず何よりも、駐車場で我が身を振り返った瞬間に「なんてかっこいいSUVなんだ」と惚れ直すほどの美しいエクステリアデザインを持っています。
そして一歩乗り込めば、上質なレザーとデジタルが調和した極上のコックピットがドライバーを迎えてくれます。
日々のおもてなし感、高い安全性、そして数年後も価値が落ちにくい圧倒的なリセールバリュー。
これらが極めて高い次元でバランスしているからこそ、NXはこれほど多くの人に愛され、売れ続けているのです。
今回ご紹介した不満点は、購入前にあらかじめ「こういう特性があるんだな」と知っておき、対策を立てておけば、後悔することなど一切ありません。
ぜひこの記事を参考に、あなたにとって最適なレクサスNXのグレードやオプションを見極め、素晴らしいプレミアムカーライフを手に入れてください。
筆者情報
二階堂 仁 (にかいどう じん) モータージャーナリスト兼コラムニストとして活動。 慶應義塾大学を卒業後、国内大手自動車メーカーに就職。 新型車の車両開発・企画に深く携わり、サスペンションのセッティングやパッケージング開発の現場を経験する。 その後、車が持つエモーショナルな魅力をより多くの人に伝えるべく出版業界へ転身。 自動車専門誌の編集長を経て、フリーランスの自動車ジャーナリストとして独立し現在に至る。 理論的な技術解説から日常使いに寄り添ったライフスタイル視点でのレビューに定評があり、自社ガレージには「レクサス LFA」や「日産 スカイラインGT-R R34」といった後世に残る名車から、日々のテストを兼ねた最新プレミアムSUVまで多数の車両を所有・維持している。

