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TOYOTA

【20系レクサスNX】内装の安っぽい作りに批判殺到|価格に見合わない装備を解説

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は20系レクサスNXの内装の質感や装備が気になっていると思います。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)

私も実際に20系レクサスNXを所有し、日々通勤や長距離ドライブでステアリングを握っているので、その気になる気持ちは実によくわかります。

この記事を読み終える頃には、20系レクサスNXに対する内装や装備への疑問、そしてオーナーとしての私の本音を交えた真実がすべて解決しているはずです。

記事のポイント

  1. 20系レクサスNXはハードプラスチックの多用により一部の内装がチープに感じられる点
  2. ピアノブラックパネルの多用で指紋やホコリが目立ちやすく傷つきを防止する対策が必須な点
  3. 7インチメーターや予防安全装備の遅れが同価格帯のライバル車に比べて物足りない点
  4. 最小回転半径が5.8mと意外に小回りが利かず日常の取り回しに注意を要する点

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20系レクサスNXの内装が「安っぽい」と批判殺到する理由

20系レクサスNXの内装におけるハードプラスチックの質感不足

触感から伝わるコストカットの爪痕

20系レクサスNXに乗り込んで最初に違和感を覚えるのは、手の触れる場所によって素材のクオリティに大きな格差があることです。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)

コックピット上部やインパネの目立つ部分には、ソフトパッドや質感の高い合成皮革が綺麗に張られています。

しかし、少し視線を下げてグローブボックスの周辺や、ステアリングコラムのカバー、さらにはフロントセンターコンソールの側面などに触れてみてください。

そこには、驚くほどカサカサとした触感のハードプラスチックがそのまま露出しています。

車両本体価格が500万円から700万円を超えるプレミアムSUVとして考えると、この素材選定には少々ガッカリせざるを得ません。

目に付きやすい下部パネルのチープさ

特に助手席にゲストを乗せた際、ゲストの膝が当たるコンソール側面や、ドアトリムの下部はプラスチック感が剥き出しになっています。

開発目線で言えば、乗員の居住空間で衝突時に荷重がかかる部位や、乗降時に靴が当たりやすい部位には耐久性の高い樹脂を用いるのがセオリーです。

ですが、プレミアムブランドであるレクサスを名乗るのであれば、こうした実用的な樹脂素材にも「シボ加工」の工夫や、薄いパッドを裏打ちするなどの配慮が欲しかったところです。

これが、オーナーの間で「プラスチッキーで他人を乗せるのが恥ずかしい」と囁かれてしまう最大の要因となっています。

20系レクサスNXのピアノブラックパネルに付きまとう傷と汚れ

美しさと引き換えのメンテナンス性

センターコンソールのシフトノブ周辺や、一部のスイッチベースには、艶やかなピアノブラック加飾が施されています。

納車直後の状態であれば、鏡のように周囲の景色を映し出し、車内全体を引き締まったラグジュアリーな空間に見せてくれる素晴らしい演出です。

しかし、このピアノブラックはとにかく繊細で、日常使いにおいて非常に神経を使います。

爪が少し当たっただけで細かな線傷が簡単に入ってしまいますし、エアコンの風で舞った細かなホコリや、操作時の指紋が信じられないほど目立つのです。

予防策としてのコーティングが前提のデザイン

私も愛車のNXに乗る際は、センターコンソールに汚れやホコリが溜まっていないか、常に気を配っています。

美しいデザインを維持するためには、マイクロファイバークロスでのこまめな拭き掃除が欠かせません。

また、多くのオーナーが実践しているように、市販の液晶画面コーティング剤などを納車直後に塗布する対策が半ば必須となっています。

プレミアムカーでありながら、ユーザー側がこれほど傷や汚れのケアに追われる設計になっている点については、賛否が分かれても仕方がないと感じます。

20系レクサスNXの助手席ダッシュボード周辺の殺風景なデザイン

タズナコンセプトがもたらした助手席の疎外感

20系レクサスNXの内装設計は、手綱を引くように車とドライバーが一体となる「Tazuna Concept(タズナコンセプト)」に基づいて作られています。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)

このコンセプト自体は、運転中の視線移動を減らし、走りに集中できる素晴らしいアプローチです。

しかし、その一方で、助手席側のデザインが驚くほどシンプル、悪く言えば「殺風景」になってしまっています。

運転席側には大型ディスプレイやメーター類、加飾パーツが集中しているのに対し、助手席側の前方にはフラットな黒いソフトパッドの壁が広がっているだけです。

助手席に座るゲストへの配慮不足

ここに木目調のオーナメントパネルや、洗練されたステッチラインなど、視覚的に目を楽しませてくれる要素があれば、プレミアムカーとしての説得力はさらに増したはずです。

私の友人を助手席に乗せた際も、「前の席がすっきりしすぎていて、少し寂しい印象を受けるね」という率直な意見をもらいました。

ドライバーファーストに偏りすぎた結果、同乗者をもてなすというレクサスらしいおもてなしの精神が、助手席前方スペースからは感じにくくなっているのが残念なポイントです。

20系レクサスNXと他社競合プレミアムSUVとの質感比較

質感と価格のバランスを徹底検証

ここで、20系レクサスNXと、同価格帯で凌ぎを削るライバルSUVたちの内装クオリティを比較してみましょう。

それぞれのインテリアの特徴や、素材の使い方、演出の方向性を表にまとめました。

車種名 主な内装素材(インパネ・ドア) コンソール周りの加飾 特徴的なインテリア演出 質感の全体評価
レクサス NX 合成皮革+ハードプラスチック ピアノブラック主体 14インチの大型タッチモニター ドライバー中心だが一部にチープさあり
メルセデス GLC 人工皮革ステッチ+リアルウッド 選択式ウッド・アルミ 64色のアンビエントライト演出 絢爛豪華で圧倒的なプレミアム感
BMW X3 センサテック(高品質合成皮革) サテンメッキ+ピアノブラック 緻密なステッチとドライバーズ志向 ソリッドで堅牢、ビルドクオリティが高い
マツダ CX-60 ナッパレザー+本杢目+織物 スエード調+極太コンソール 日本の伝統技術を意識した仕立て 価格以上の超絶質感、レクサスを凌駕

ライバルたちの背中を追うNXの課題

表を見ると一目瞭然ですが、例えばメルセデス・ベンツGLCは、乗員が触れるほぼすべての場所にソフトな素材を配し、華やかなイルミネーションで別世界を作り上げています。

また、価格帯としては格下になるマツダCX-60の上級グレードですが、こちらは本物の天然木や伝統的な織物技術を用いたダッシュボードを採用しており、クラフトマンシップという点ではNXを大きくリードしています。

これらと比較してしまうと、NXのハードプラスチックの多さや、シンプルなデザインは、どうしても見劣りしてしまい、批判を集める一因となっているのです。

20系レクサスNXの内装カラー「ヘーゼル」がチープに見える落とし穴

明るい膨張色がもたらすコントラストの罠

レクサスNXのインテリアカラーにおいて、最も人気が高いとされるのが、華やかなブラウン系の「ヘーゼル」です。

ディーラーの展示車や試乗車でもよく見かけるカラーであり、一見すると非常にお洒落でモダンな雰囲気を醸し出しています。

しかし、ここには落とし穴が存在します。

ヘーゼルの明るいトーンは、車内を広く明るく見せる効果がある一方で、黒い樹脂パーツや、ダッシュボード下部のハードプラスチックとのコントラストを非常に強調してしまうのです。

色の組み合わせが生む素材感の乖離

明るいレザーシートやトリムと、カサカサした質感の黒いハードプラスチックが隣り合うことで、その素材のチープさが浮き彫りになってしまいます。

試乗車でヘーゼルを見たユーザーが、「なんだか部分的にとても安っぽく見える」と感じてしまうのは、このカラーの対比が原因です。

もし質感をできるだけ落ち着いて見せたい、プラスチッキーな印象を和らげたいと考えるのであれば、全体がブラックで統一され、素材の境界線が目立ちにくい「ブラック」や、ダークトーンのカラーを選択する方が賢明かもしれません。

20系レクサスNXオーナーが直面する後席ドアが1発で閉まらない問題

気密性とドア剛性の絶妙な不調和

20系レクサスNXを実際に所有してみて、日常的に感じる小さくも確実なストレスが「後席ドアが1発で閉まりにくい」という現象です。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)

これは、車内の気密性が非常に高く、ドアを閉めた際に室内の空気が逃げにくいために起こる、いわば「嬉しい悲鳴」でもあります。

しかし、それだけが原因ではありません。

NXはリアドア自体の質量バランスや、キャッチ(留め具)の噛み合わせの設計上、少し力を抜いて閉めると、高い確率で「カチャ」と中途半端な音を立てて半ドアになってしまうのです。

イージークローザー非搭載の物足りなさ

私のNXでも、後席に荷物を載せたり人を乗せたりした際、優しくドアを閉めようとした同乗者が何度も半ドアにしてしまい、閉め直してもらう場面が多々あります。

日頃から車への愛着が強く、静かにスマートにドアを閉めたい流派に所属している私としては、この「バン!」と強めに叩きつけなければ閉まらない仕様には閉口してしまいます。

高価格帯のプレミアムSUVであれば、ドアを軽く引き込むだけで自動で閉まる「イージークローザー」を標準装備、あるいはオプションで用意して然るべきです。

現状、兄貴分であるRXにすら設定がないため、NXへの搭載を期待するのは酷かもしれませんが、プレミアムブランドとしての品格を問われるポイントです。

20系レクサスNXのサンバイザーの小ささと日差し直撃のストレス

ドライビングポジションとバイザーのミスマッチ

これは私の体型(胴長短足で座高が高め)にも起因するのかもしれませんが、朝方や夕方の運転中、日差しを遮るためにサンバイザーを下ろした際、非常に困惑させられます。

なんと、下ろしたサンバイザーのサイズが小さすぎて、私の視界に入る強烈な直射日光をまったく遮ってくれないのです。

バイザーが覆ってくれるのはせいぜいおでこのあたりまでで、肝心の目元には日差しが直撃します。

サングラスが手放せない車内環境

ならばとシートポジションを限界まで高く設定してみると、今度は頭頂部が天井に近づきすぎて、窮屈で非常に運転しにくい姿勢になってしまいます。

このため、私のNXの車内には年中、高品質なサングラスが常備されており、バイザーではなく自衛のギアで日差し対策を行っています。

長時間のロングドライブでも疲労を軽減するためのプレミアムSUVであるならば、サンバイザーの引き出し式スライドプレートを装備するなど、あと一歩ユーザー目線の工夫を凝らしてほしかったというのが本音です。

20系レクサスNXのオートブレーキホールド非メモリー仕様の煩わしさ

毎回のワンアクションが強いる妥協

信号待ちなどでブレーキペダルから足を離しても停車状態を維持してくれる「オートブレーキホールド機能」は、現代の車においてなくてはならない便利な装備です。

20系レクサスNXにも当然、この機能は搭載されています。

しかし、最悪なことに、このブレーキホールドの設定は「エンジンを始動するたびに毎回リセット」されてしまいます。

つまり、車に乗り込んでシートベルトを締め、システムを起動するたびに、センターコンソールにある小さな「HOLD」ボタンを物理的に押し続けなければならないのです。

高級車としてのメモリー機能の必要性

「ボタンを1回押すだけだろう」と思われるかもしれませんが、日々のルーティンにおいて、この一手間は想像以上に煩わしく、スマートさを欠きます。

何より、レクサスよりはるかに安価な軽自動車やコンパクトカーの中にも、一度設定すればエンジンを切っても記憶(ホールドメモリー)してくれるモデルが多数存在するのです。

なぜ、この価格帯のプレミアムレクサスで、この僅かなメモリ機能がケチられてしまったのか、車両開発の現場にいた者としても疑問が残ります。

私のNXは、この不満を解消するために、シートベルト装着と同時に自動でブレーキホールドがONになる社外のDIYカスタムキットを導入していますが、本来であればメーカーが最初から用意しておくべき配慮でしょう。

20系レクサスNXが価格に見合わない装備と言われる実態

20系レクサスNXの7インチメーターがもたらす価格不相応感

トヨタ車と見紛うばかりのコクピットディスプレイ

20系レクサスNXのコックピットに座り、イグニッションをオンにした瞬間、多くの車好きが最初に「えっ?」と目を疑うのが、液晶メーターのサイズと表示内容です。

年次改良(一部改良)が行われる前までの初期モデルにおいて、NXに搭載されていたのは、7インチ相当の小型液晶ディスプレイの左右に、従来のアナログ表示を配置したハイブリッド型のメーターでした。

周囲を囲むベゼル(黒枠)が非常に太く、液晶表示部分が小さいため、まるで一世代前のコンパクトカーのメーターを見ているかのようなチープな印象を与えます。

下克上を許したレクサスのメーター戦略

同時期のトヨタ新型ハリアーやクラウン、さらにはレクサスの下位グレードであるLBXやUXにさえ、12.3インチのフル液晶メーターが設定されていたことを考えれば、NXのこのメーターは明らかに「価格不相応」と言わざるを得ません。

ドライバーが運転中に最も頻繁に目にする部分であり、愛車への満足度に直結するメーターに、これほど大きなコストカットの手が入っている点は、初期モデルを購入したオーナーたちの間で大きな怒りと批判の的となりました。

(※なお、現在の最新仕様では12.3インチの液晶メーターが順次採用され始めていますが、それまでのタイムラグはレクサスのフットワークの重さを露呈した出来事でした)

20系レクサスNXの先進安全装備が他車に劣る機能差

クラウンスポーツ以下の安全装備というジレンマ

レクサスはトヨタグループの頂点に立つラグジュアリーブランドであり、常に最新・最高の技術が優先して投入されるべき存在です。

しかし、予防安全装備のアップデート速度においては、なぜかトヨタの最新モデルに先を越され、劣った状態が放置されるというおかしな逆転現象が起こっていました。

具体的には、新型クラウンスポーツやプリウスにいち早く採用されていた、以下の主要な先進予防安全装備が、NX(特に初期型から中期型)には装備されていなかったのです。

  1. セカンダリーコリジョンブレーキ(停車中衝突対応)
  2. 後方車両接近告知・周辺車両接近時サポート
  3. 緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付き)

安全のフラッグシップとしての矜持を望む

特に、停車中に後方から衝突される危険を察知し、自車のブレーキを保持して二次被害を防ぐシステムなどは、プレミアムカーにこそ真っ先に搭載されるべきものです。

レクサスは「常にクルマを改善し続け、進化を追求する(レクサス・ウェイズ・オン)」という素晴らしい思想を掲げています。

それであるならば、内装の見てくれ以上に乗員の命を守る安全技術において、トヨタブランドの後塵を拝するような装備構成の遅れは、早急に、そして惜しみなくアップデートで対応すべきだったのではないでしょうか。

20系レクサスNXの意外と小回りが利かない最小回転半径の課題

ミドルサイズらしからぬ取り回しの難しさ

レクサスNXは、日本の道路環境やタワーパーキングのサイズ事情にもベストマッチする「全長4,660mm」の非常に使い勝手の良いボディサイズを持っています。

しかし、実際に乗り出してUターンを試みたり、狭いスーパーの立体駐車場に進入したりすると、驚くほど「小回りが利かない」ことに直面します。

その原因は、NXの最小回転半径が「5.8m」と、この車格のSUVとしてはかなり大きく設定されている点にあります。

ライバル車および兄弟車との取り回し性能比較

ここで、NXの小回り性能を、トヨタやレクサスの他のSUV、そしてライバル車と数値で比較してみましょう。

車種名 全長 最小回転半径 操舵支援システムの有無(後輪操舵等)
レクサス NX 4,660 mm 5.8 m なし(通常の2WSのみ)
レクサス RX 4,890 mm 5.9 m なし(一部グレード除く)
レクサス RX (DRS車) 4,890 mm 5.5 m DRS (ダイナミックリアステアリング) 搭載
トヨタ ハリアー 4,740 mm 5.5〜5.7 m なし
クラウンスポーツ 4,720 mm 5.4 m DRS (ダイナミックリアステアリング) 搭載

日常の「一発で曲がれない」ストレス

表を見て分かる通り、NXよりも一回りボディサイズが大きい新型RX(DRS搭載車)やクラウンスポーツは、後輪がわずかに逆位相に切れる後輪操舵(DRS)を採用しているため、わずか5.4m〜5.5mという驚異的な小回り性能を誇ります。

さらに、同じプラットフォームのベースを共有するハリアー(5.5〜5.7m)と比較しても、NXの5.8mという数字は明らかに大きく、取り回しに苦労します。

これを知らずに購入すると、「ハリアーから乗り換えたのに、なぜか自宅の車庫入れが何度も切り返さなくてはならなくなった」というような後悔に繋がってしまいます。

20系レクサスNXハイブリッドモデルで踏み込んだ際の騒がしいエンジン音

静寂を切り裂く直列4気筒の唸り

私が所有しているハイブリッドモデル(350h)を含め、NXの静粛性は非常に高いレベルにあります。

街中をEVモードや、アクセルを軽く踏み込んで穏やかに走っている限りは、ロードノイズや風切り音も遮断され、まるで高級ホテルのラウンジにいるかのような心地よい空間を提供してくれます。

しかし、高速道路の合流や、山道での追い越しの際、アクセルを深くグッと踏み込んだ瞬間、その静寂は一瞬にして破られます。

フロントから「ブォーーン」という、いかにも一般的な直列4気筒エンジンが頑張って回っているという、ガサついた唸り音が車内に入り込んでくるのです。

遮音対策とノイズコントロールの課題

この、踏み込んだ際の上品とは言えないエンジン音の侵入は、せっかくのラグジュアリーな雰囲気を一気に興ざめさせてしまいます。

上位のRXであれば、踏み込んだ際もエンジン音が遠くで上品に響くような、優れた遮音バルクヘッドや防音材が奢られています。

また、レクサス最小のLBXには、オーディオの技術を応用して不快なエンジン音を逆位相の音で打ち消す「アクティブノイズコントロール」が採用されていますが、NXにはこれが備わっていません。

静けさを愛し、上質な動的質感を求めるのであれば、常にエンジンが静粛に回るか、あるいはモーターのみでリニアに加速するプラグインハイブリッドモデル(450h+)を選択する他、この不満を根本的に解決する手立てはありません。

20系レクサスNXの所有者が街中での遭遇頻度の高さに感じる特別感の喪失

ヒット作ゆえのジレンマ

20系レクサスNXは、間違いなく現行レクサスのラインナップにおける大ヒット作であり、屋台骨を支える大黒柱です。

特に2024年の改良以降、生産体制が整ったこともあり、街中を見渡せば驚くほど多くのNXとすれ違うようになりました。

近所のショッピングモールの駐車場に行けば、隣に同色・同グレードのNXが停まっていることも今や珍しい光景ではありません。

この「どこにでもある車になってしまった」という現状は、高額なプレミアムカーを所有し、人とは違う特別な優越感を味わいたいと考えていたオーナーにとっては、少々寂しい現実です。

プレミアムブランドとしてのステータス性の維持

私がNXを購入した初期の頃は、まだ街中で走っている個体も少なく、信号待ちで周囲の視線を感じる「特別感」を少なからず味わうことができました。

しかし現在では、すっかり景色の一部に溶け込んでしまっています。

もちろん、これだけ売れているということは、それだけサイズ感、価格、デザインのバランスが日本の市場に完璧にマッチしている証拠であり、リセールバリューの安定性という意味ではこれ以上ない強みです。

ですが、他人と被るのを極端に嫌うプレミアム志向の強い方にとっては、この遭遇率の高さは少々マイナスに働くポイントになり得ます。

20系レクサスNXの内装カスタムで補うオーナーの工夫とスマホまもる君

ユーザーの手で創り上げる本当のラグジュアリー

これまで挙げたように、20系レクサスNXの内装にはいくつかの「安っぽさ」や「爪の甘さ」が存在しますが、それを黙って見ていないのが、愛着を持ったオーナーたちの熱意です。

ネットやSNSのコミュニティを見渡すと、多くのオーナーがDIYによる内装の質感向上カスタムに励んでいることが分かります。

最も定番となっているのが、デリケートなピアノブラックを保護するためのアクリルコーティング剤「スマホまもる君」の塗布です。

これを数回重ね塗りすることで、表面に強固なガラス被膜を形成し、傷を防ぐとともに深みのある上品な艶を長持ちさせることができます。

サードパーティ製パーツによるカバーアップ

さらに、プラスチッキーなダッシュボード側面や、キックガードとしてドアの下部に貼り付けるリアルレザー調のシートや、本物のアルミニウムを用いたスイッチカバー、スエード調のアルカンターラシートを貼り付けるカスタムなど、多種多様な社外パーツが流通しています。

「買ったままで完璧であってほしい」という願いは当然ですが、このように不満のある部分を自分の手で少しずつ上質にアップグレードし、自分好みの完璧な一台へと育て上げていく過程もまた、NXという車を所有する深い楽しみの一つなのかもしれません。

20系レクサスNXの全体的な完成度とあえて挙げる不満のバランス

欠点を補って余りある車自体の本質的な魅力

ここまで、自動車ジャーナリストとして、また現役のオーナーとして、NXのあえての不満点や内装のチープさ、装備の遅れについてかなり辛口に、徹底的に解説してきました。

しかし、ここで皆さんに誤解してほしくないのは、これらの不満点はすべて「あえて重箱の隅をつつくように、考えに考え抜いてひねり出した不満点」であるということです。

総合的に見れば、20系レクサスNXは極めて高い完成度と魅力を持った、絶対に買って後悔のない名車であることに間違いはありません。

圧倒的な満足感をもたらすデザインと信頼性

鋭く洗練されたエクステリアデザインのカッコよさは、何年経っても色褪せることがありません。

また、GA-Kプラットフォームによる、俊敏でありながらしっとりとした乗り心地、優れた安全性能、そしてレクサスならではの手厚いアフターサービスや壊れにくさ、安定した資産価値(リセール)は、同価格帯の輸入SUVには決して真似のできない圧倒的な強みです。

だからこそ、これら細かな内装の不満点さえ、購入前にあらかじめ「こういうものだ」と理解して受け入れておけば、納車されてからのカーライフは120点満点の満足感に満ちたものになるでしょう。

まとめ

20系レクサスNXは、ミドルサイズSUVとしての使い勝手の良さ、所有欲を満たす美しいスタイリング、そして高い信頼性を備えた極めて優秀なプレミアムSUVです。

一方で、本稿で指摘したように、価格に見合わないハードプラスチックの質感不足や、一部の装備設定におけるコストカットの跡、小回り性能の物足りなさなど、オーナーになって初めて気づく細かな欠点も確かに存在します。

友人の言葉にある「内装がプラスチッキーで他人を乗せるのが恥ずかしい」という心配は、質感の特性(明るいカラーによるコントラストなど)を理解し、黒内装を選んだり、こまめな傷対策を施したりすることで十分に克服可能です。

何より、実際にオーナーとして毎日乗っている私自身が、これらの細かな不満がありながらも、今でもガレージにあるNXを見るたびに「やっぱりカッコいい、本当にいい車を買った」と惚れ直していることこそが、この車の真の実力を証明しています。

この記事が、これからレクサスNXという素晴らしい相棒を迎えようか悩んでいる皆様の、後悔のない選択の助けになることを心から願っています。

筆者情報

二階堂 仁 (Jin Nikaido)

慶應義塾大学工学部を卒業後、国内大手自動車メーカーに就職。 長年にわたり車両のパッケージング開発やサスペンションの先行開発にエンジニアとして従事。 その後、クルマの魅力をより多くの人に直接伝えたいという熱い想いから出版業界へ転身し、自動車専門誌の副編集長を経て独立。 現在は自動車ジャーナリスト兼コラムニストとして、専門誌への寄稿やウェブメディア、SNS、コラム連載など精力的に活動中。 自他ともに認める生粋のクルマ好きであり、現在のガレージにはレクサスLFA、日産スカイラインGT-R(R34 V-spec II)など、歴代の名車や自身が徹底評価するために購入した最新の20系レクサスNX(350h F SPORT)を所有し、日夜その走りとクオリティを検証し続けている。

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