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TOYOTA

新型クラウンシリーズがレクサスに優れているのは維持費だけと言われる真相

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、大きな変革を遂げた新型クラウンシリーズと、不動のプレミアムブランドであるレクサスを比較検討し、果たして新型クラウンが優れているのは本当に「維持費」だけなのか、その真相が気になっているのではないでしょうか。

私も実際に新型クラウンシリーズと複数のレクサス車を所有している立場として、両者を比較したくなる気持ちは非常によくわかります。伝統と革新、それぞれの魅力がありますからね。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)

この記事を読み終える頃には、新型クラウンシリーズがレクサスに対して持つ独自の価値や魅力について、深くご理解いただけているはずです。

記事のポイント

  • 伝統からの脱却と革新的なコンセプト
  • 多様なライフスタイルに応える4つのボディタイプ
  • レクサスとは異なる走行性能の味付け
  • コストパフォーマンスとブランド体験の新しい関係
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新型クラウンがレクサスと一線を画す独自の魅力

「新型クラウンは、レクサスに比べて維持費が安いから選ばれる」という声、確かによく耳にします。燃料がレギュラーガソリンであること、タイヤサイズが比較的手頃であること、正規ディーラーでの車検やメンテナンス費用が抑えやすいこと。これらは紛れもない事実であり、クラウンの大きなメリットです。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)

しかし、もしクラウンの魅力がそれだけだとすれば、あれほどの人気を博すことはなかったでしょう。16代目にして大きな変革を遂げたクラウンは、維持費という経済的なメリット以上に、現代のユーザーを惹きつける多くの「価値」を備えています。ここでは、私がオーナーとして日々感じている、レクサスとは異なるクラウンならではの魅力を多角的に解説していきます。

新型クラウンシリーズの革新的なコンセプトとブランド戦略

まず最も大きな違いは、その成り立ちとコンセプトにあります。ご存知の通り、レクサスはトヨタが世界に誇るプレミアムブランドとして、一貫した世界観と妥協のない品質追求を続けてきました。どのモデルにも「レクサスらしさ」という明確な軸が存在します。

一方、16代目となった新型クラウンは、「これからのクラウン」を模索する中で、従来の高級セダンという一つの形に固執することをやめました。セダンとSUVを融合させた「クロスオーバー」を皮切りに、「スポーツ」「セダン」「エステート」という、まったく異なる個性を持つ4つのモデルを展開するシリーズへと生まれ変わったのです。

これは単なるモデルチェンジではありません。日本の自動車史を象徴する「クラウン」というブランドの再発明であり、ユーザーの価値観が多様化した現代へのトヨタからの回答です。特定の層に向けた高級車ではなく、様々なライフスタイルを持つ人々の選択肢となること。この「懐の深さ」こそ、レクサスとは根本的に異なる、新型クラウンシリーズの最初の魅力と言えるでしょう。

レクサスとは異なるデザインフィロソフィーの提示

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)

デザインは車の個性を最も雄弁に語る部分です。レクサスは「スピンドルボディ」に象徴されるように、一目でレクサスとわかる先鋭的で彫刻的なデザイン言語を持っています。どのモデルも非常に緻密に計算され、プレミアムブランドとしての威厳と品質感を巧みに表現しています。

対して新型クラウンシリーズのデザインは、より大胆で挑戦的です。特にクロスオーバーやスポーツに見られる、リフトアップされたシルエットやハンマーヘッドデザイン、バイトーンのボディカラーなどは、従来の高級車の概念を打ち破る意欲作です。

一部では「奇抜だ」という意見もありますが、私はこれを「攻めのデザイン」と評価しています。見慣れたセダンの形ではないからこそ、新鮮で、街中でも際立った存在感を放ちます。レクサスのデザインが「完成された様式美」であるならば、クラウンのデザインは「新しい価値観を提示する先進性」と言えるかもしれません。どちらが優れているかではなく、どちらの哲学に共感するか。デザインは、その人の感性を映す鏡なのです。

多様なライフスタイルに応える4つのボディタイプの存在価値

この点は、現在のレクサスラインナップに対するクラウンの明確なアドバンテージです。先述の通り、クラウンは4つの異なるボディタイプを用意しています。

  • クロスオーバー: セダンの快適性とSUVの見晴らしの良さ、走破性を両立した、シリーズの象徴的存在。都会からアウトドアまで、シーンを選ばない万能性が魅力です。
  • スポーツ: ドライビングの楽しさを追求した、俊敏な走りが持ち味のSUV。デザインも最もアグレッシブで、パーソナルなカーライフを謳歌したい方に最適です。
  • セダン: クラウンの伝統を継承し、ショーファードリブンにも応える正統派。乗り心地や静粛性を極めた、最もフォーマルな一台です。
  • エステート: 大容量のラゲージスペースを持つ、機能的なステーションワゴンタイプ。アクティブな趣味を持つファミリー層などには、まさに待望のモデルでしょう。

このように、ユーザーは自身のライフスタイルや価値観に合わせて、最適な「クラウン」を選ぶことができます。例えば、「レクサスRXのようなSUVは魅力的だが、もう少しパーソナルで運転が楽しい車がいい」という方にはクラウンスポーツが、「レクサスESのようなセダンが好きだが、たまには悪路も走りたい」という方にはクラウンクロスオーバーが、といった具合に、レクサスのラインナップの「隙間」を埋めるような選択肢を提供しているのです。この戦略的な多様性は、今のクラウンが持つ最大の強みと言っても過言ではありません。

走行性能における味付けの違いと「対話できる」走り

レクサス車の走りの真骨頂は、圧倒的な静粛性と、路面の凹凸を滑らかにいなす上質な乗り心地にあります。ドライバーをあらゆるストレスから解放し、快適な移動空間を提供することに重きを置いた「レクサス味」とも言えるセッティングです。

もちろん、新型クラウンも静粛性や乗り心地は非常に高いレベルにあります。しかし、私がオーナーとして感じるのは、レクサスよりも「車との対話感」が強いという点です。特にクロスオーバーの上級グレード「RS」やスポーツに搭載されている「2.4Lターボ デュアルブーストハイブリッドシステム」は、アクセル操作に対するレスポンスが非常にダイレクト。モーターのアシストとターボの力強さが一体となり、胸のすくような加速フィールを味わえます。

後輪をモーターで駆動する4WDシステム「E-Four Advanced」も相まって、コーナリングは実に軽快です。レクサスが「快適性の追求の先にある走り」だとしたら、クラウンは「運転の楽しさをダイレクトに感じられる走り」という味付け。どちらが良いというわけではなく、ドライバーが車に何を求めるかによって、評価は大きく変わってくるでしょう。私自身、長距離を安楽に移動したい時はレクサスを、ワインディングロードを積極的に楽しみたい時はクラウンスポーツを、というように乗り分けています。

インテリアの思想と質感の比較

内装の豪華さやマテリアルの質感において、レクサスが国産車トップクラスであることに異論を唱える人はいないでしょう。L-ANILINE本革や、匠の技が光るオーナメントパネルなど、随所にコストをかけた作り込みは、まさにプレミアムブランドの真骨頂です。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)

新型クラウンのインテリアも、もちろん高い質感を備えています。しかし、その思想はレクサスとは少し異なります。クラウンのインテリアは「アイランドアーキテクチャー」というコンセプトのもと、運転席と助手席がそれぞれ独立した空間のようにデザインされており、パーソナルな居心地の良さを重視しています。

また、華美な装飾は控えめに、水平基調でモダンなデザインを採用することで、先進的ですっきりとした印象を与えます。例えば、レクサスが「豪華なホテルのスイートルーム」だとすれば、クラウンは「機能的でセンスの良いデザイナーズホテル」といったところでしょうか。過度な装飾よりも、シンプルでモダンな空間を好む方にとっては、クラウンのインテリアの方が心地よく感じられる可能性は十分にあります。

先進安全装備と運転支援システムの現在地

安全装備に関しては、トヨタとレクサスで大きな差はありません。クラウンには最新の「トヨタセーフティセンス」が、レクサスには「レクサスセーフティシステム+」が搭載されており、基本的な機能(衝突被害軽減ブレーキ、レーダークルーズコントロール、レーントレーシングアシストなど)は同等です。

ただし、高度運転支援技術「アドバンストドライブ」に関しては、レクサスの一部モデル(LSやMIRAI)でより高度な「渋滞時ハンズオフ」機能が提供されているのに対し、クラウンでは高速道路での運転支援に留まるなど、一部機能で差がつけられています。

とはいえ、日常的な運転シーンにおける安全性や利便性は、どちらも世界トップレベル。安全装備を理由にどちらかを選ぶ、というほどの決定的な差はないと考えてよいでしょう。

ブランド体験とディーラーでの「おもてなし」

車そのものの性能とは別に、所有する満足度に大きく影響するのがブランド体験です。この点においては、現状レクサスに軍配が上がります。

レクサスディーラーは、ラウンジのような空間でオーナー専用のサービスが受けられたり、専門知識を持つスタッフによるきめ細やかな対応が受けられたりと、まさに「おもてなし」の精神が徹底されています。この特別な体験が、レクサスブランドの価値を形成している重要な要素です。

一方、クラウンはトヨタディーラーでの購入・メンテナンスとなります。もちろん、トヨタのサービスも非常に質が高いですが、レクサスのような「特別感」を求めるのは難しいかもしれません。しかし、見方を変えれば、全国どこにでも店舗があり、気軽に立ち寄りやすいというメリットもあります。このあたりは、ユーザーがディーラーに何を求めるかによって評価が分かれる部分と言えるでしょう。

維持費だけじゃない!それでも無視できないコストパフォーマンスの高さ

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)

ここまで、新型クラウンが持つ維持費以外の魅力を解説してきましたが、やはり経済合理性、つまりコストパフォーマンスの高さはクラウンを語る上で外せない重要な要素です。ペルソナの方がすでにご存知の部分も多いかと思いますが、改めて具体的な数値を交えて比較してみましょう。

車両本体価格の戦略的な設定

まず、入り口となる車両価格です。ここでは、人気のSUVモデルで比較してみます。

車種 グレード エンジン 駆動方式 価格(税込)
クラウン クロスオーバー G “Advanced” 2.5L HEV 4WD 5,100,000円
レクサス NX NX350h “version L” 2.5L HEV 4WD 6,350,000円
クラウン スポーツ SPORT Z 2.5L PHEV 4WD 7,650,000円
レクサス RX RX450h+ “version L” 2.5L PHEV 4WD 8,720,000円

このように、近いパワートレインやボディサイズのモデルで比較すると、クラウンシリーズの方が戦略的に抑えられた価格設定になっていることがわかります。もちろん、細かな装備や内外装の仕立てに違いはありますが、この価格差は購入時の大きな判断材料となるでしょう。

燃料費(レギュラーガソリンの恩恵)を再確認

これも重要なポイントです。クラウンシリーズのハイブリッド車(2.5L HEV、2.4LターボHEV)がレギュラーガソリン仕様であるのに対し、レクサスの多くのモデルはハイオクガソリン仕様です。

仮に、年間10,000km走行し、燃費が15km/L、ガソリン価格をレギュラー170円/L、ハイオク180円/Lと仮定して計算してみます。

年間ガソリン消費量 ガソリン単価 年間燃料費
クラウン(レギュラー) 約667L 170円/L 約113,390円
レクサス(ハイオク) 約667L 180円/L 約120,060円

年間で約6,670円、5年間乗り続けると3万円以上の差になります。これはあくまで一例ですが、走行距離が伸びる方ほど、この差は大きくなっていきます。

タイヤ価格と選択肢の広さ

タイヤは消耗品であり、数年に一度は必ず交換が必要になるパーツです。ここでも両者には違いが見られます。

車種 標準タイヤサイズの一例 タイヤ1本あたりの参考価格 4本セット参考価格
クラウン クロスオーバー 225/55R19 25,000円~ 100,000円~
レクサス NX 235/50R20 35,000円~ 140,000円~

一般的に、タイヤはインチが大きくなるほど、また偏平率が低くなる(タイヤの厚みが薄くなる)ほど高価になる傾向があります。クラウンも大径タイヤを装着していますが、レクサスで採用されることの多い、より大きく特殊なサイズのタイヤと比較すると、交換費用を抑えることができ、選べるタイヤブランドの選択肢も広がる傾向にあります。

車検・メンテナンス費用の実態

法定費用(重量税、自賠責保険料、印紙代)はどちらも同クラスであれば大差ありませんが、ディーラーに支払う整備費用や部品代は異なってきます。

レクサスは、独自の厳しい基準に基づいた点検整備(レクサス・パーフェクト・メンテナンス)が行われ、高品質なサービスが提供される反面、工賃や使用される純正部品も高価になる傾向があります。

対してトヨタディーラーでのクラウンのメンテナンスは、より標準的で費用も比較的リーズナブルです。もちろん、整備の質が低いわけではなく、全国均一の安心できるサービスが受けられます。このあたりは、前述のブランド体験とトレードオフの関係にあると言えるかもしれません。

リセールバリューの将来予測

車を乗り換える際、売却価格、つまりリセールバリューは非常に重要です。これまで「クラウン」も「レクサス」も、国産車の中ではトップクラスのリセールバリューを維持してきました。

新型クラウンシリーズがこの先どうなるかは未知数な部分もありますが、これだけの話題性と人気、そして4つのボディタイプで幅広い需要に応える戦略を考えると、今後も高いリセールバリューを維持する可能性は高いと私は予測しています。特に、デザイン性の高いスポーツや、希少性の高いセダンなどは、数年後も中古車市場で高い人気を保つのではないでしょうか。レクサスと遜色ない、あるいはモデルによっては上回るリセールが期待できるかもしれません。

まとめ

今回は、「新型クラウンシリーズがレクサスより優れているのは維持費だけなのか」というテーマについて、私の見解を詳しく解説してきました。

結論として、その答えは明確に「No」です。

もちろん、維持費を含めたコストパフォーマンスの高さは新型クラウンの大きな魅力です。しかし、それ以上に、

  • 伝統を打ち破り、多様な価値観に応えようとする革新的なコンセプト
  • ライフスタイルに合わせて選べる4つの個性的なボディタイプ
  • 快適性だけでなく、運転の楽しさを追求した独自の走行性能
  • 豪華さとは異なる、モダンで先進的な内外装デザイン

といった点で、レクサスとは異なる、新しい時代の高級車としての価値を明確に提示しています。

レクサスが追求する「究極の品質とおもてなし」という世界観もまた、非常に魅力的です。どちらが上でどちらが下か、という単純な比較ではなく、それぞれのブランドが持つフィロソフィーや世界観を理解し、自分のライフスタイルや価値観にどちらがよりフィットするかを考えることが、最も満足度の高い選択に繋がるはずです。

新型クラウンシリーズの登場によって、日本の高級車の選択肢は、間違いなくより豊かで面白いものになりました。ぜひ一度、両方の車をじっくりと試乗し、その違いを肌で感じてみてください。きっと、ご自身の心に響く一台が見つかるはずです。