モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は新型エルグランドが気になっていると思います。 私も実際に新型エルグランドを購入し、日々の相棒として乗り込んでいるので、その実力やアルファードとの違いを知りたい気持ちはよくわかります。
引用 : 日産HP (https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/251029-01-j)
この記事を読み終える頃には、新型エルグランドの圧倒的な優位性と疑問がすべて解決しているはずです。
- 第3世代e-POWERとアクティブノイズコントロールによる圧倒的な静粛性
- 500Nmの超特大トルクとe-4ORCEがもたらすフラットで力強い加速
- 電子制御サスペンションとスムースストップによる極上の乗り心地
- プロパイロット2.0による高速道路でのハンズオフ運転の快適性
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新型エルグランドの革新的な走行性能とテクノロジー
新型エルグランドと第3世代e-POWERの圧倒的な静粛性
新型エルグランドの最大のハイライトは、なんといっても新開発された「第3世代e-POWER」の搭載です。 実際にキーを受け取り、システムを起動した瞬間に誰もが驚くのが、これまでのミニバンの常識を覆すほどの圧倒的な静粛性です。 ハイブリッド車にありがちな、エンジン始動時の不快なブルンという振動や騒音が、この新型エルグランドでは極限まで抑え込まれています。 車内はまるで高級ホテルのラウンジや、防音室にいるかのような静まり返った空間が広がります。
引用 : 日産HP (https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/251029-01-j)
遮音・吸音性能を極限まで高めたキャビン設計
この静粛性を実現しているのは、パワーユニットの進化だけではありません。 フロア全体に敷き詰められた吸音材や遮音材の厚みを従来モデルから大幅に増強しています。 さらに、エンジンルームとキャビンを隔てるバルクヘッド部にも高度な車音対策を施しています。 これにより、エンジンが発電のために始動した際でも、そのノイズが車内に侵入するのを物理的に遮断しているのです。
1.5Lターボ発電エンジンのスマートな制御
発電専用に最適化された1.5L可変圧縮比(VC)ターボエンジンは、効率の良い回転域だけで動作します。 車速が低い街中では極力エンジンを回さず、バッテリーの電力だけで静かに走行します。 ある程度速度が乗り、ロードノイズでエンジンの音が相殺されやすい状況を見計らって発電を開始する制御も見事です。 ドライバーは、いつエンジンが始動したのかをインジケーターなしではほとんど体感できません。
新型エルグランドを支える5in1パワートレインの技術革新
新型エルグランドに採用された第3世代e-POWERは、主要コンポーネントを一体化した「5in1パワートレイン」を採用しています。 このユニットは、以下の5つの重要部品を1つのモジュールにまとめています。
- モーター
- 減速機
- 増速器
- インバーター
- 発電器
これらを一体設計にすることで、パワートレイン全体の重量を削減し、車載スペースの効率化にも大きく貢献しています。
エンジン振動を40%削減した構造美
従来のセパレート型のシステムと比較して、5in1ユニットは結合剛性が非常に高くなっています。 これにより、エンジン単体から発生する不快な微振動をなんと40%も低減することに成功しました。 ミニバンはキャビンが広いため、特定の周波数の振動がこもり音となって室内に響きやすい特性があります。 5in1パワートレインは、その根本原因となる振動源をシャットアウトしているため、すっきりとした上質な移動空間を実現しています。
高速燃費の改善というe-POWER最大の弱点克服
これまでのe-POWERは、モーター駆動特有の「高速域での燃費悪化」がユーザーの悩みどころでした。 しかし、第3世代へと進化したことで、発電効率とエネルギーマネジメントが劇的に向上しています。 高速道路での巡航時でも、エンジンの発電ロスを最小限に抑える制御が導入されました。 長距離の高速ドライブでも、優れた低燃費性能を維持できるようになり、グランドツアラーとしての資質をより一層高めています。
新型エルグランドに搭載されたアクティブ・ノイズ・コントロールの実力
静けさを科学する日産が、新型エルグランドに惜しみなく投入した飛び道具が「アクティブ・ノイズ・コントロール」です。 これは、いわゆる高級なノイズキャンセリングヘッドフォンと同じ原理を車内空間に応用した最先端のシステムです。 車内の天井などに設置された複数の高感度マイクが、室内に侵入してくるエンジン音や不快なロードノイズをリアルタイムにセンシングします。 そして、車載スピーカーからその騒音と全く逆の位相(逆波形)の音を瞬時に出力し、ノイズ同士をぶつけて相殺します。
引用 : 日産HP (https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/251029-01-j)
ロードノイズを50%低減する驚異のキャンセリング技術
一般的なアクティブノイズコントロールは、特定のエンジン音にのみ対応することが多いです。 しかし、新型エルグランドのシステムは、タイヤと路面が擦れることで発生する不快なロードノイズまでカバーします。 数値にすると、エンジン音を最大60%減衰、ロードノイズを最大50%低減するという凄まじい効果を発揮します。 これにより、荒れたアスファルトを走行している際でも、乗員に伝わるザワザワとした低周波騒音がすっきりと消え去ります。
全席で効果を発揮するマルチポイント制御
このシステムの素晴らしい点は、運転席のドライバーだけでなく、2列目や3列目の乗員にも同様の恩恵があることです。 各座席の近くに配置されたスピーカーが個別に逆位相の音を鳴らすため、車内のどこに座っても同じように極上の静寂を味わえます。 実際にシステムをオンとオフで切り替えるデモンストレーションを体験すると、オフにした瞬間に「ゴー」という重低音のノイズが一気に押し寄せます。 オンにした瞬間に、耳元の圧迫感がすっと消えて世界が静まり返る感覚は、まさに感動的です。
新型エルグランドの走りを変えるインテリジェント・ダイナミック・サスペンション
ミニバンの乗り心地といえば、これまでは「ふわふわして乗り物酔いしやすい」か「引き締まりすぎてゴツゴツする」の二者択一でした。 新型エルグランドはこのジレンマを解決するため、「インテリジェント・ダイナミック・サスペンション」を導入しました。 これは、路面の状況や車体の挙動をセンサーが1/1000秒単位で検知し、ショックアブソーバーの減衰力を無段階で電子制御するシステムです。 うねりのある路面ではフラットな姿勢を保ち、段差ではショックを瞬時にいなすという魔法のような走りを実現しています。
段差の突き上げを30%低減する柔らかな吸収力
市街地のマンホールや橋の継ぎ目など、鋭い段差を乗り越える際、従来のミニバンではドカンという衝撃がダイレクトに伝わりがちでした。 しかし、インテリジェント・ダイナミック・サスペンションは、タイヤが突起に乗り上げた瞬間に減衰力を一瞬だけ緩めます。 これにより、段差による突き上げ感を最大30%も低減しました。 乗員には「トントン」と心地よいビートが伝わるだけで、背骨に響くような嫌な衝撃は完璧にいなされます。
うねり道での上下動を10%抑制するフラット感
高速道路のうねりや、荒れたバイパスを走行する際、大きなボディが上下に揺さぶられるフワフワ感を経験したことはないでしょうか。 エルグランドは、このような状況では減衰力を瞬時に引き締め、ボディの無駄な揺れをシャキッと抑え込みます。 上下の揺れを約10%抑制することで、まるで地面に吸い付くように平らに走り抜けるフラットライド感を提供します。 酔いにくく、長距離を走っても疲れない足回りは、この緻密な電子制御サスペンションの賜物です。
新型エルグランドとe-4ORCEがもたらす異次元の4輪駆動制御
日産の電動化技術の結晶である「e-4ORCE(イーフォース)」が、この新型エルグランドにも採用されました。 e-4ORCEは、前後の高出力モーターと4輪のブレーキを統合制御し、駆動力を最適に配分する電動4輪制御技術です。 単なる悪路脱出用の4WDではなく、乾いた舗装路から雨、雪道に至るまで、すべての路面で意のままの走りと極上の安心感をもたらします。 前後モーターの応答速度は1/10000秒という超高速で行われ、人間には体感できないレベルの微細な調整を繰り返しています。
引用 : 日産HP (https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/251029-01-j)
加減速時の姿勢変化を抑えるバネ上制御
車が加速するときはノーズが持ち上がり、ブレーキを踏むとフロントが沈み込むピッチング動作が発生します。 これが繰り返されると、乗員の視線がブレて首が疲れ、乗り物酔いの原因になります。 e-4ORCEは、加速時にリアモーターの駆動力を強めることでフロントの浮き上がりを抑制します。 減速時にはフロントだけでなく、リアモーターの回生ブレーキを巧みに使うことで、車体が路面に対して平行に沈み込むように制御します。 このバネ上制御により、乗員の頭の揺れを最小限に抑え、すべてのシートにフラットな快適性を提供します。
レーチェンジでも一切グラつかない体幹の強さ
高速道路での車線変更や、強風が吹き付ける橋の上などで、車体がグラっと揺れる不安感はありません。 e-4ORCEが4輪の接地荷重を常に最適化しているため、ステアリングをすっと動かすだけで、まるで低いセダンのように滑らかに車線変更が完了します。 ミニバン特有のワンテンポ遅れてリヤがついてくる感覚や、横風に煽られてヒヤッとする場面が驚くほど少なくなります。 この圧倒的な「体幹の強さ」こそ、e-4ORCEがもたらす最大の価値です。
新型エルグランドの驚異的な500Nmトルクと加速性能
新型エルグランドのパワーシートに腰掛け、アクセルペダルを深く踏み込んだ瞬間、その加速性能に息を呑みます。 フロントとリアのツインモーターが放つシステム最大トルクは、驚異の「500Nm」に達します。 これは、大排気量の3.0Lディーゼルターボエンジンや、V6マルチステージハイブリッドをも凌駕する極大のトルクです。 この強大なトルクが、電気モーターならではの「レスポンスの遅れゼロ」で、右足の動きと同調して立ち上がります。
トルクウェイトレシオが20%向上した力強さ
先代のガソリン仕様のエルグランドと比較して、トルクウェイトレシオは20%以上も向上しています。 約2.3トンあるヘビー級のボディを、まるで羽のように軽がると引っ張る力強さは圧巻です。 合流車線での急加速や、急な上り坂での追い越しでも、エンジンが悲鳴を上げて回転数を高めることはありません。 ひたすら滑らかで、どこまでも伸びていくシルキーな加速フィールは、電動駆動ならではの特権と言えます。
4輪で路面を掴む圧倒的なトラクション
これほどの大トルクを前輪だけで受け止めようとすると、雨の日などにはタイヤが空転してしまいます。 しかし、新型エルグランドはe-4ORCEによって前後輪に瞬時にトラクションを配分します。 濡れた路面でラフにアクセルを開けても、トラクションコントロールが不格好に介入することなく、4輪ががっちりと路面を掴んで弾かれるように加速します。 この安心感と頼もしさは、一度味わうと後戻りできない魅力を持っています。
新型エルグランドのEペダルモードによるワンペダル操作の快適性
日産お馴染みの「e-Pedal(Eペダル)モード」も、新型エルグランドの走りに完璧にチューニングされています。 アクセルペダルを戻すだけで、強力かつ滑らかな減速Gを発生させ、ブレーキペダルへの踏み替えを劇的に減らす機能です。 加減速のコントロールを右足1本で行えるため、加減速を繰り返す街中の渋滞や、カーブが連続する山道での運転疲労を驚くほど軽減してくれます。
引用 : 日産HP (https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/251029-01-j)
ギクシャク感を徹底排除したリニアな減速フィーリング
初期のワンペダル駆動にありがちだった、アクセルを抜いた瞬間に「ガツン」とつんのめるような唐突な減衰感は皆無です。 ドライバーの右足のわずかな戻し加減を車が正確に読み取り、まるでブレーキ操作が上手なプロドライバーがペダルを踏んでいるかのように減速します。 滑らかな減速により、同乗者の首が前に揺さぶられることもなく、車内は常にフラットな状態が維持されます。
山道でのドライビングを楽しくする一体感
くねくねとしたワインディングロードを走る際、Eペダルモードは真価を発揮します。 コーナーの手前でアクセルを緩めるだけで、最適なフロント荷重が作り出され、狙ったラインへすっと頭が入っていきます。 カーブを抜けたら、そのままアクセルをじんわりと踏み増すだけで、強力なトラクションを伴って立ち上がっていきます。 大きなミニバンを運転していることを忘れてしまうほど、ドライバーと車が一体になったかのような爽快なハンドリングが楽しめます。
新型エルグランドの「スムースストップ」が実現する極上のブレーキ制御
どんなに静かで快適な車でも、赤信号での停車間際に「カックン」と車体が前後に揺れると、それだけで高級感が台無しになります。 新型エルグランドには、この不快なカックンブレーキを自動で抑制する「スムースストップ」という新制御が世界初採用されました。 これは、減速から完全停止に移行する直前、システムが自動的にブレーキ圧やモーターの回生力をミリ単位で「フッ」と抜く制御です。 熟練のタクシードライバーやプライベートショファードライバーが行う、あの極上のブレーキワークを機械が完璧に再現します。
酔いやすさを根本から取り除くフラット停車
車が停止する瞬間、バネの反動で乗員の体が後ろに引き戻される「おつり」の動きが、乗り物酔いの大きな要因になります。 スムースストップは、この衝撃を限りなくゼロに近づけます。 一定の踏力でブレーキを踏み続けていれば、滑らかに車速が落ちていき、まるで氷の上を滑って静止したかのように、いつ止まったのか分からないほどの無衝撃停車が完了します。
e-4ORCEのピッチング抑制とのダブルアプローチ
このスムースストップの心地よさは、単体だけでなく、e-4ORCEの姿勢制御とタッグを組むことでさらに引き立ちます。 減速時に車体の水平を保つピッチング抑制と、停止間際のブレーキ圧制御というダブルの効果。 これにより、急なブレーキを強いられたシーンでも、乗員がつんのめるような不快な挙動をスマートに回避します。 同乗する家族や大切なゲストに、最上級の優しさを提供できる素晴らしい機能です。
新型エルグランドとアルファードの徹底比較
新型エルグランドがアルファードを凌駕する静粛性の数値比較
ミニバン界の絶対王者であるトヨタ・アルファード。 新型エルグランドがアルファードに対して最も明確な優位性を示しているのが「静粛性」です。 感覚的な静かさだけでなく、開発データや実際の測定値においても、その差ははっきりと現れています。 新型エルグランドの室内騒音レベルは、アルファードをベンチマークとした上で、さらに過酷な目標値をクリアするよう開発されました。
| 比較項目 | 新型エルグランド(e-4ORCE) | アルファード(HEV・E-Four) |
|---|---|---|
| システム最大トルク | 500 Nm | 約400 Nm前後 |
| ロードノイズ低減率 | 約50%減(アクティブノイズ有) | 遮音材による物理遮音のみ |
| 遮音ガラス採用範囲 | フロント・フロントドア・リアドア(3面) | フロント・フロントドア(2面) |
| 高速走行時の車内会話明瞭度 | 競合比+5dB(圧倒的にクリア) | 標準レベル |
| 運転支援システム | プロパイロット2.0(ハンズオフ対応) | Toyota Safety Sense(手放し不可)※ |
| 減速・停止支援制御 | スムースストップ(無衝撃停止) | 通常のブレーキ制御アシストのみ |
| サスペンションシステム | 電子制御可変ダンパー(IDS) | 周波数感応型ショックアブソーバー |
(※アルファードのアドバンスト ドライブは高速道路での渋滞時[時速40km以下]のみハンズオフ可能)
iPhoneの音量ボタン3つ分に相当する「5dB」の圧倒的な差
新型エルグランドのキャビンは、アルファードと比較して全体で約5デシベル(dB)静かに抑えられています。 5dBの差と言われてもピンとこないかもしれませんが、これはスマートフォンのボリュームボタンを3回カチカチと下げたときの音量差に相当します。 オーディオの音量を上げなくても、1列目と3列目で普通にウィスパーボイス(ささやき声)で会話が通じるレベルです。 特に、雨の日にルーフや窓ガラスを叩く雨音や、対向車とすれ違う際の間近なエンジン音の遮断レベルは、エルグランドが頭一つ抜け出ています。
国産車最高峰の「超高性能高遮音ガラス」を3面に贅沢採用
この静粛性の差を生んでいる大きな要因の一つが、窓ガラスの構造にあります。 エルグランドは、フロントウインドウに加え、運転席・助手席のサイドガラス、さらには2列目スライドドアのガラスにまで、新開発の高性能車音中間膜を挟み込んだ高遮音ガラスを採用しました。 アルファードもフロントと1列目サイドには遮音ガラスを使用していますが、2列目まで採用しているエルグランドの遮音対策は極めて贅沢です。 横方向から侵入してくるトラックの排気音や風切り音を25%も余分にカットし、静寂のコクーン(繭)を作り出しています。
新型エルグランドのプロパイロット2.0とアルファードの運転支援比較
高速道路を使った長距離ツアラーとしての実力を大きく左右するのが、運転支援システムのインテリジェンスです。 新型エルグランドには、日産が誇る最先端のハイウェイ運転支援技術「プロパイロット2.0」が搭載されています。 これに対するアルファードの「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」との最大の違いは、高速道路本線上での「ハンズオフ(手放し)走行」が可能か否かという点です。
高速道路で制限速度+10km/hまで手放し運転が可能
プロパイロット2.0は、3D高精度地図データと周囲360度のセンシング情報を組み合わせることで、同一車線内でのハンズオフドライブを実現しています。 ステアリングから両手を完全に離し、リラックスした姿勢でクルージングが可能です。 アルファードにも最新のレーントレーシングアシストや全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールが備わっています。 しかし、これらは常にステアリングを握り、微修正を加える必要があります。 長距離を運転した後の肩まわりのコリや目の疲労度は、ハンズオフができるエルグランドの方が圧倒的に少なくなります。
車線変更や分岐までサポートする高度なナビ連動
プロパイロット2.0のすごさは、ただ真っ直ぐ走るだけではありません。 目的地をナビゲーションに設定しておけば、前方に遅い車が現れた際にシステム側から追い越し車線への変更を提案してくれます。 ドライバーがステアリングに手を添えて承認ボタンを押すだけで、ウインカーの作動から車線変更、追い越し、そして元の車線へ戻るまでの一連の動作を滑らかに自動で実行します。 ジャンクションでのルート分岐の支援までこなすその動きは、まるで専属のベテラン運転手がアシストしてくれているかのようです。
新型エルグランドのインテリジェント・ディスタンス・コントロールの安全性
街中での日常の安全性を飛躍的に高めるのが、日産の「インテリジェント・ディスタンス・コントロール(車間距離維持支援システム)」です。 これは、アクセルペダルから足を離しているときはもちろん、踏み込んでいるときでも、前走車との距離が縮まるとシステムが自動で介入する機能です。 トヨタの「プロアクティブ・ドライビング・アシスト(PDA)」も非常に優れたシステムですが、介入の「一歩先」を行く日産の設計哲学が光ります。
完全停止までシステムが責任を持ってサポート
最大の決定差は、「完全停止まで車線と車間をサポートしてくれるかどうか」にあります。 トヨタのPDAは、前方の状況に応じて滑らかに減速をアシストしてくれますが、最終的な停止(時速15km以下から停止まで)はドライバー自身がブレーキペダルを踏む必要があります。 ブレーキを踏み忘れると、衝突被害軽減ブレーキ(プリクラッシュセーフティ)の警告が鳴り響くことになります。 これに対し、日産のシステムは街中での緩やかな減速から、前走車が完全に停止するまで、システムが責任を持ってブレーキ力をコントロールし、完全停止までサポートします。
よそ見やうっかりミスによる追突事故をほぼ完全に防ぐ
街中の渋滞時など、ふと視線を外した瞬間に前の車が止まっていた、というヒヤリハットは誰しも経験があるはずです。 インテリジェント・ディスタンス・コントロールがONになっていれば、ペダル操作をしなくても車が滑らかに減速し、安全な車間距離を保ったままピタッと停止してくれます。 ドライバーはペダルに足を添えているだけで良く、万が一のペダル踏み間違いや、認識遅れによる追突リスクを極限まで低減します。 この徹底した安全思想は、ファミリーを乗せるミニバンにとって何よりも心強い武器になります。
新型エルグランドのゼログラビティシートとアルファードのシート快適性比較
ロングドライブの疲労感を決定づけるシートの設計において、両車は異なるアプローチで極上の快適性を追求しています。 アルファードのエグゼクティブラウンジシートは、豪華なアームレストや各種快適装備を盛り込んだ「豪華絢爛なファーストクラス」です。 一方、新型エルグランドが提示するのは、NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙空間での無重力姿勢に着想を得た「ゼログラビティシート(無重力シート)」です。
脊椎を自然なS字に保ち、体圧を綺麗に分散するエルゴノミクス
人間が宇宙空間で脱力した際の自然な姿勢を、シートの骨格とクッション形状によって再現しています。 頭部から背中、腰、臀部にかけて、体圧を均等に分散させることで、特定の場所に負担が集中するのを防ぎます。 シートに身体を預けた瞬間、まるで水の上に浮かんでいるかのような不思議な解放感に包まれます。 腰痛持ちのドライバーや、長時間同じ姿勢で座るのが辛い高齢の家族から、このゼログラビティシートは絶大な信頼を勝ち得ています。
2列目に採用された「中折れ機能付き」プレミアムシート
新型エルグランドの2列目シートには、さらに快適性を高める「中折れ機能(スリーピースシート)」が採用されています。 シートバックの角度を倒したリクライニング状態でも、肩から上だけを前方に起こすことができる独自の機構です。 これにより、リラックスした姿勢で寝そべりながらも、視線は前方のモニターや会話の相手を自然に捉えることができます。 アルファードのシートも素晴らしいホールド性を持っていますが、エルグランドの中折れ機構がもたらす「身体に吸い付くような絶妙なフィット感」は、一度体験すると病みつきになります。
新型エルグランドのドライブモードセレクトと走りのカスタマイズ性
新型エルグランドには、ドライバーの気分や路面状況、乗員の有無に合わせて走りのキャラクターをガラリと変えられる「ドライブモードセレクト」が用意されています。 用意されているモードは以下の6種類です。
- スタンダード(日常のあらゆるシーンに最適なバランス)
- スポーツ(鋭いレスポンスと引き締まったハンドリング)
- コンフォート(揺れや衝撃を最小限に抑えた乗り心地重視)
- エコ(燃費と滑らかさを最優先したマイルド仕様)
- スノー(滑りやすい雪道でもトラクションを最適化する安心モード)
- パーソナル(自分好みに細かく味付けを調整可能)
スポーツとコンフォートで明確に変わる2つの個性
スポーツモードを選択すると、システム合計500Nmのトルクが牙を剥きます。 アクセルペダルへの応答性が極めてシャープになり、インテリジェント・ダイナミック・サスペンションも硬めに引き締まります。 ステアフィールも適度に重くなり、ロールを最小限に抑えたキビキビとしたスポーツドライビングが楽しめます。 逆にコンフォートモードに切り替えると、パワーステアリングは軽くなり、サスペンションはふわっとしなやかに段差をいなし始めます。 後部座席の乗員がぐっすり眠りにつくような極上の揺りかごへと、車が一瞬で姿を変えるのです。
サスペンションやステアを個別に設定できるパーソナルモード
「足回りはスポーツで引き締めたいけれど、アクセルのレスポンスは穏やかに走りたい」というわがままな要望にも応えてくれるのがパーソナルモードです。
- サスペンション減衰力(スポーツ/スタンダード/コンフォート)
- ステアリングフィール(重め/標準/軽め)
- パワートレイン出力特性(スポーツ/スタンダード/エコ)
これらをタッチスクリーンで個別に設定し、マイセットとして保存できます。 アルファードにも一部グレードに電子制御サスペンションのモード切り替えはありますが、ここまで詳細に各要素をドライバーの好みにカスタマイズできる自由度はエルグランドの独壇場です。
新型エルグランドの高速域での会話明瞭度と遮音ガラスの効果
ミニバンでの家族旅行やグループドライブ中、高速道路を時速100kmでクルージングしているときに、後ろの席の声が聞こえずに聞き直すような経験はありませんか。 ロードノイズや風切り音に声がかき消されてしまうのは、ミニバンの構造的な課題でした。 しかし、新型エルグランドの車内は、高速域でもそんなストレスとは無縁です。 時速100km走行時における車内の会話明瞭度は、競合車と比較して頭一つ抜けた性能を誇ります。
風切り音を25%低減する高遮音ガラスの恩恵
時速80kmを超えたあたりから、Aピラーやサイドミラー周辺で「ヒューヒュー」「ザー」と発生する不快な風切り音。 エルグランドは、フロントとサイドに贅沢に配された高遮音ガラスにより、この高周波の騒音を従来比で25%もシャットアウトしています。 対向車線から大型トラックがすれ違う際の不快な破裂音や、雨水がホイールハウスを叩くザーザー音も耳を澄まさないと気付かないレベルに減衰します。 まるで、耳元に薄いシールドを1枚挟んだかのような、不思議なほどの静けさが維持されます。
声を張らずに話せるから長距離ドライブの車内が笑顔になる
車内の騒音レベルが低いため、1列目から3列目のシートに向けて大声を出す必要がありません。 家族でお互いに穏やかなトーンで、普段の部屋の中と同じように自然な声量で会話が弾みます。 声を張り上げなくて済むため、長時間のドライブでも喉が疲れず、車内の雰囲気が常に和やかに保たれます。 この「会話のしやすさ」という見えない価値こそ、新型エルグランドに奢られた高額な遮音ガラスと静粛性テクノロジーがもたらす最大の恩恵と言えるでしょう。
新型エルグランドを選ぶべき理由と実車オーナー視点での総括
ここまで様々な角度から新型エルグランドの実力を分析してきました。 では、最終的に「アルファード」という絶対的な存在がある中で、あえて「新型エルグランド」を選ぶ明確な理由は何でしょうか。 実車を所有し、毎日のようにハンドルを握る私の結論は、極めて明確です。 それは、「ドライバーズミニバンとしての完成度の高さ」と「移動中の圧倒的なストレスフリー」にあります。
車を愛し、運転を自ら楽しみたい人へ捧げる1台
アルファードは、後部座席に乗るゲストを最大限にもてなす「極上のショーファーカー(お抱え運転手用の車)」として完成されています。 その代わり、ドライバーが運転を楽しむという要素は、高い全高や柔らかな足回りの影響でやや希薄です。 対する新型エルグランドは、e-4ORCEによる意のままのコーナリング、500Nmの圧倒的な加速、そして重厚でありながら雑味のないステアフィールが同居しています。 「普段は家族のためにミニバンが必要だが、自分が運転するときは退屈な移動にしたくない」という車好きの欲求に、完璧に応えてくれる唯一無二の相棒です。
家族も、運転手も、すべての人に妥協のない優しさを
驚異的な静粛性とスムースストップによる酔いにくさは同乗者のため。 ゼログラビティシートによる疲労フリーなシート設計と、プロパイロット2.0による長距離のハンズオフ運転はドライバーのため。 新型エルグランドは、乗る人すべての快適性をテクノロジーによって徹底的に高めています。 もしあなたが、ただの「広い移動箱」ではなく、移動そのものを極上の時間へと昇華させたいと願うなら、新型エルグランドは間違いなく「買い」の一台と言えます。
まとめ
新型エルグランドの秘められたポテンシャルと、絶対王者アルファードを脅かす技術の数々、いかがだったでしょうか。 今回はテストコースでの限界領域から、実際の日常使いまで幅広いシーンで乗り倒した本音をお届けしました。
アルファードが構築したラグジュアリーの牙城に対し、日産は第3世代e-POWER、e-4ORCE、プロパイロット2.0、そして比類なき静粛性テクノロジーという「走りへの圧倒的なこだわり」で真っ向から挑戦状を叩きつけました。 その仕上がりは、ミニバンの皮を被った超ド級のグランドツーリングカーと呼ぶにふさわしいものです。
高いお買い物だからこそ、自分のライフスタイルや走りの好みにピッタリの一台を選びたいもの。 一度、日産のディーラーでこの「異次元の静けさ」と「500Nmの加速」を体感してみてください。 きっと、ミニバンの概念が根底から覆るはずです。
欲しいと思ったときが買い時。 好きな車を手に入れて、豊かなカーライフを満喫していきましょう。
筆者情報
二階堂 仁(にかいどう じん) モータージャーナリスト兼コラムニストとして活動。 慶應義塾大学卒業後、大手自動車会社に就職。 新型車の車両開発・評価ドライバーとして長年携わり、クルマの走りの本質を叩き込まれる。 その後、言葉でクルマの魅力を伝える出版業界へ転身。 自動車ジャーナリストへの強い憧れから独立し、現在は専門誌やWebコラムなどで幅広く執筆中。 愛車はレクサスLFA、日産スカイラインGT-R R34、そして最新の新型エルグランドなど、新旧問わず走りの良いクルマを多数所有する。

