モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、30代や40代でレクサスに乗ることに対して、周囲から「生意気だ」と思われていないか、特に会社への通勤などでどう見られるかが気になっていると思います。 私も実際にレクサスを所有しており、若い頃には同様の視線を感じた経験があるので、その気になる気持ちはよくわかります。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
この記事を読み終える頃には、なぜそのように見られてしまうのか、そしてどうすれば堂々とレクサスライフを楽しめるのか、その疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- 若くしてレクサスに乗ると生意気と思われる心理的・社会的背景
- 会社にレクサスで通勤する際の注意点と具体的な対策
- 周囲の目を気にせずカーライフを楽しむための車種選びと振る舞い方
- レクサスオーナーになるための現実的な年収と維持費のシミュレーション

30代・40代がレクサスに乗ると「生意気」と思われる理由
念願のレクサスを手に入れた喜びも束の間、周囲からの何気ない一言や視線に、戸惑いを覚えた経験はありませんか。 特に30代や40代という働き盛りの世代がレクサスに乗ると、なぜか「生意気だ」「身の丈に合っていない」といったネガティブな反応をされることがあります。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
私自身も、これまで数々の車を乗り継いできましたが、レクサスに乗り始めた当初は、他のどの車とも違う種類の視線を感じたものです。 これは単なる個人の感情論だけではなく、日本の社会構造や文化的背景、そしてレクサスというブランドが持つ特有のイメージが複雑に絡み合った結果と言えるでしょう。 ここでは、その理由を多角的に深く掘り下げて解説していきます。
理由1:高価格帯ブランドとしての確固たるイメージ
まず最も大きな理由として挙げられるのが、レクサスが紛れもない「高級車ブランド」であるという事実です。 トヨタ自動車が世界に誇るプレミアムブランドとして誕生したレクサスは、その開発当初からメルセデス・ベンツやBMWといったドイツの高級車ブランドを徹底的に研究し、それらを凌駕する品質と静粛性、そして日本ならではの「おもてなし」の精神を追求してきました。
その結果、新車価格は最もコンパクトなモデルでも400万円台から、フラッグシップセダンのLSや大型SUVのLXにもなれば1,000万円を軽々と超えてきます。 この価格帯は、一般的な国産車と比較して明らかに一線を画しており、「成功者の証」「富裕層の乗り物」というイメージが世間一般に広く浸透しています。
そのため、まだ社会的地位を確立している途上と見なされがちな30代や40代がオーナーであることに対し、「その若さでどうやって手に入れたんだ?」という疑問や、「分不相応ではないか」という先入観が生まれやすいのです。
理由2:年功序列の価値観を持つ世代からの嫉妬
日本社会に根強く残る「年功序列」の価値観も、この問題に大きく影響しています。 特にバブル期を経験し、企業の役職や収入が年齢と共にある程度比例して上昇するのが当たり前だった世代にとって、若者が自分たちと同じか、それ以上の高級車に乗ることは、既存の秩序を揺るがす行為のように映ることがあります。
彼らの時代では、「クラウンは部長クラスになってから」「センチュリーは役員以上」といった暗黙の了解が存在しました。 そのような価値観を持つ人々から見れば、30代でレクサスに乗る姿は、まるで序列を飛び越えていくようで、面白くないと感じるのでしょう。
この感情は、直接的な言葉で表現されることもあれば、「若いのにすごいね(棒読み)」といった皮肉めいた称賛や、あるいは無言の圧力となって現れます。 これは単なる妬みというよりも、自分たちが信じてきた価値観が相対化されてしまうことへの戸惑いや抵抗感の表れと解釈することもできます。
理由3:「身の丈に合っていない」という偏見
「身の丈に合う」「分相応」といった言葉は、日本人が好んで使う価値基準の一つです。 これは、自分の収入や社会的地位に見合った消費をすることが美徳であるとする考え方に基づいています。 この価値観自体を否定するものではありませんが、こと高級車の所有に関しては、やや画一的な見方がなされがちです。
例えば、親からの援助や資産運用、あるいは他の全てを切り詰めてでも車に情熱を注ぐなど、レクサスを購入するに至った背景は人それぞれです。 しかし、他人の懐事情や価値観は外からは見えません。 そのため、単純に「30代の平均年収」といった物差しで測られ、「無理してローンを組んでいるに違いない」「見栄を張っているだけだろう」といった偏見の目で見られてしまうのです。
特に地方や昔ながらのコミュニティでは、こうした相互監視的な風潮が強く、目立つ消費はネガティブな評価に繋がりやすい傾向があります。
理由4:過去の「高級車=怖い人」というイメージの残滓
ひと昔前、特に1980年代から90年代にかけて、黒塗りの高級セダンはいわゆる「反社会的勢力」の象徴として見られる時代がありました。 当時の映画やドラマの影響も大きく、威圧感のある大型セダンに対して、一般市民が恐怖心や嫌悪感を抱くのも無理はなかったでしょう。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
レクサスブランドが日本で本格展開されたのは2005年以降ですが、その源流であるセルシオ(海外名:レクサスLS)やアリスト(海外名:レクサスGS)は、まさにその時代を象徴する車種でした。 もちろん、現在のレクサスオーナーの大多数は、そのようなイメージとは無縁のクリーンな人々です。
しかし、年配の世代の中には、未だにその頃のイメージを引きずっており、「黒いレクサス=近寄りがたい、怖い」という短絡的な思考回路が出来上がってしまっているケースが少なくありません。 これもまた、若い世代がレクサスに乗ることへの抵抗感を生む一因となっています。
理由5:日本特有の「出る杭は打たれる」文化
他者との調和を重んじ、横並び意識が強いとされる日本社会。 この「出る杭は打たれる」という言葉に象徴される文化も、若きレクサスオーナーにとっては逆風となり得ます。 レクサスという車は、良くも悪くも「目立つ」存在です。 その洗練されたデザイン、静かで滑らかな走り、そして何よりエンブレムが放つ存在感は、否が応でも周囲の注目を集めます。
この「目立つ」という行為が、集団の和を乱すものとしてネガティブに捉えられ、「生意気だ」という評価に繋がることがあります。 特に、組織の中で働くサラリーマンの場合、同僚や上司と同じような車に乗ることが「無難」とされ、突出した高級車を選ぶことは、協調性がない、あるいは野心家であるといったレッテルを貼られるリスクを伴います。 これは非常に理不尽な話ですが、日本社会で生きていく上で無視できない、一種の同調圧力と言えるでしょう。
理由6:車に興味がない層からの無理解
現代社会において、車は単なる移動手段と捉える人が増えています。 特に都市部では公共交通機関が発達しており、車を所有しないライフスタイルも珍しくありません。 そうした人々にとって、数百万円、時には1,000万円以上もする高価な「鉄の塊」にお金をつぎ込む行為は、理解の範疇を超えています。
彼らからすれば、レクサスもカローラも「同じトヨタの車」であり、その価格差に見合う価値を見出すことができません。 そのため、「なぜそんな無駄遣いをするのか」「もっと他に使い道があるだろう」といった、ある種の正義感に基づいた批判が生まれることがあります。 これは悪意や嫉妬からというよりも、純粋な価値観の違いから生じるギャップであり、ある意味で最も根深い問題かもしれません。 車への情熱やこだわりを語ったところで、彼らにとっては「マニアの戯言」としか聞こえないのです。
会社にレクサスで通勤するのはアリ?ナシ?徹底考察
レクサスオーナーになった多くの方が一度は頭を悩ませるのが、「この車で会社に通勤しても大丈夫だろうか?」という問題です。 前述したように、レクサスは周囲の注目を集めやすい車です。 それが毎日通う職場となれば、上司や同僚、部下など、様々な立場の人の目に触れることになります。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
「生意気だと思われないか」「仕事の評価に影響しないか」「 괜な噂を立てられないか」といった不安がよぎるのも当然です。 私自身も会社員経験がありますが、やはり乗り換えた当初は少なからず気を遣ったものです。 ここでは、レクサスでの通勤について、様々な角度から考察し、現実的な対処法を探っていきます。
結論:基本的には問題ないが、配慮は必要
まず結論から申し上げると、現代の多くの企業において、従業員がどのような車で通勤するかを規定しているケースは稀です。 就業規則で明確に禁止されていない限り、レクサスで通勤すること自体が懲戒の対象になることはまずありません。 法的には何の問題もない、というのが大前提です。
しかし、法律や規則で許されているからといって、人間関係や職場の空気を全く無視して良いわけではありません。 特に日本企業では、論理よりも感情や「空気」が優先される場面が多々あります。 重要なのは、自分の権利を主張することではなく、周囲への配慮を忘れずに、いかにして円滑な人間関係を保ちながら、自分の愛車との生活を楽しむかという視点です。 「問題ない」と「配慮は必要」はセットで考えるべきだと、私は考えています。
職場の雰囲気や人間関係の見極め方
レクサスでの通勤に踏み切る前に、まずはご自身の職場のカルチャーを冷静に分析することが重要です。
経営者や役員の考え方
トップが車好きで、従業員の個性や成功を歓迎するような社風であれば、全く問題ないでしょう。 むしろ、良い車に乗ることをステータスとして奨励するような経営者もいます。 一方で、質実剛健を重んじ、華美なものを嫌うようなトップであれば、少し慎重になった方が良いかもしれません。
上司や同僚の車種
直属の上司やチームメンバーがどのような車に乗っているかは、一つの重要な指標になります。 もし、上司が国産のコンパクトカーに乗っている状況で、部下であるあなたがレクサスの新車で乗りつければ、人によっては快く思わない可能性は否定できません。 もちろん、だからといって車を買い替える必要はありませんが、少なくとも上司への配慮ある言動は心がけるべきです。
業績や会社の状況
会社の業績が厳しい時期や、リストラが行われているような状況で、自分だけが高価な車に乗り換えるのは、賢明とは言えません。 たとえ自己資金で購入したものであっても、「会社の経費で遊んでいるのでは?」といったあらぬ疑いをかけられたり、「空気が読めないやつ」というレッテルを貼られたりするリスクがあります。 会社の置かれている状況を客観的に把握することも、社会人としての重要なスキルです。
上司や同僚へのスマートな伝え方・振る舞い方
もしレクサスでの通勤を決めたなら、周囲への伝え方にも一工夫したいところです。 自慢と受け取られないよう、謙虚かつスマートに振る舞うことがポイントになります。
事前に軽く相談する
特に直属の上司には、「今度、車を買い替えることになりまして。少し目立つ車かもしれませんが、通勤で使わせていただいてもよろしいでしょうか?」と、事前に一声かけておくと良いでしょう。 許可を求めるというよりは、「ご報告と確認」というスタンスです。 この一言があるだけで、上司は「自分は尊重されている」と感じ、心象が大きく変わります。
聞かれるまでは自分から話さない
納車されたからといって、職場で自分から車の話を大々的にするのは避けるべきです。 興味のない人にとっては自慢話にしか聞こえません。 誰かから「車、買い替えたんだね」と声をかけられた時に、初めて「ええ、実は。昔から憧れていた車で、思い切って…」と、少し照れながら話すくらいがちょうど良いでしょう。
車の購入理由を語れるようにしておく
もし深く聞かれた場合は、その車を選んだ理由をロジカルに説明できると、「ただの見栄っ張りではない」という印象を与えられます。 例えば、「長距離の出張が多いので、安全性能と静粛性を重視して選びました」とか、「ハイブリッドモデルなので、燃費や環境性能も考慮したんです」といった具合です。 レクサスの持つ本質的な価値を理解していることを伝えられれば、相手も納得しやすいはずです。
駐車場の問題と対策(役員用駐車場など)
意外と見落としがちなのが、駐車場の問題です。 会社によっては、役職に応じて駐車スペースが決められている場合があります。 役員専用スペースの隣に、若手社員のピカピカのレクサスが停まっていたら、どう見えるでしょうか。 もし駐車場所が自由な場合でも、出入り口に一番近い場所や、特に目立つ場所に停めるのは避けた方が無難かもしれません。 少し離れた、目立たない場所にそっと停めておく。 そんな奥ゆかしさも、時には必要です。
【車種別】通勤で使いやすいレクサスモデルの選び方
もし、これからレクサスの購入を検討していて、通勤での使用も視野に入れているのであれば、車種選びの段階から少し戦略的に考えることをお勧めします。 同じレクサスでも、モデルによって周囲に与える印象は大きく異なります。
威圧感が少なくスマートなモデル
- レクサス IS: スポーティなセダンで、サイズも手頃。アクティブな印象で、嫌味なく乗りこなせます。
- レクサス UX/LBX: コンパクトなSUV。都会的でスタイリッシュなイメージが強く、特に女性からの評判も良いモデルです。
- レクサス CT(中古): 既に生産終了していますが、ハッチバックタイプでカジュアルな印象。中古市場で手頃な価格で見つかることも魅力です。
少し注意が必要かもしれないモデル
- レクサス LS/LX: ブランドのフラッグシップモデル。その圧倒的な存在感と価格から、どうしても「役員クラスの車」というイメージがつきまといます。
- 黒塗りの大型モデル: 車種に関わらず、黒塗りの大型セダンやSUVは、どうしても威圧感を与えがちです。通勤で使うなら、ホワイトやシルバー、グレーといったクリーンな色を選ぶのも一つの手です。
最終的には、ご自身の好きな車に乗るのが一番です。 しかし、少しだけ周囲への配慮というスパイスを加えることで、より快適でストレスのないレクサスライフを送ることができるはずです。
「生意気」と言われないためのレクサスとの付き合い方
レクサスは、ただの移動手段ではありません。 それはオーナーのライフスタイルや価値観を映し出す鏡のような存在です。 だからこそ、車だけでなく、オーナー自身の振る舞いが問われる場面も多くなります。 周囲から「生意気だ」と思われるのではなく、「素敵な車にふさわしい、素敵な人だ」と思われるために。 ここでは、私が日頃から心がけている、レクサスとのスマートな付き合い方についてお話しします。 これは単なる処世術ではなく、真のレクサスオーナーとして品格を保つための心構えでもあります。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
謙虚な姿勢を忘れない
最も大切なことは、何よりも「謙虚さ」です。 レクサスに乗っていることを、決して自慢したり、ひけらかしたりしないこと。 高価な車に乗っているからといって、自分が偉くなったわけでは決してありません。 むしろ、「良い車に乗せていただいている」くらいの気持ちでいるのが丁度良いでしょう。
職場で車の話題になった時も、「いやいや、身分不相応なんですけどね」「ローンを返すために必死ですよ」などと、少し自虐的なユーモアを交えながら話すと、相手も嫌な気はしないものです。 謙虚な姿勢は、相手の嫉妬心を和らげ、むしろ好感度を高める効果があります。
車の話題は相手を選んでから
車好き同士であれば、朝まで語り明かせるほど楽しい車の話。 しかし、一歩間違えれば、それは単なる自慢話やマニアックな独り言になってしまいます。 車の話をする際は、まず相手が車に興味があるかどうかを慎重に見極めましょう。
相手から車のことを聞かれたり、相手自身も車好きであることが分かったりした場合にのみ、少しずつ話すのが賢明です。 その際も、自分の車の自慢ばかりするのではなく、相手の愛車の良い点を褒めたり、共通の話題を探したりと、コミュニケーションのキャッチボールを意識することが大切です。 一方的に自分の知識や情熱を押し付けるのは、最も避けたい行為の一つです。
TPOに合わせた服装や言動を心がける
レクサスという車は、その佇まいからフォーマルな印象を与えます。 もちろん、毎日スーツを着る必要はありませんが、あまりにもラフすぎる格好(例えば、ジャージやサンダル履き)で乗り降りしていると、車とのギャップが生まれ、悪目立ちしてしまうことがあります。 「車は立派なのに、乗っている人は…」と思われては、車にとっても失礼です。
TPO、つまり時・場所・場合に応じた、清潔感のある服装を心がけるだけで、周囲に与える印象は格段に良くなります。 同様に、言葉遣いや立ち居振る舞いも、レクサスオーナーとしての品格を意識したいものです。 大声で話したり、乱暴な言葉を使ったりするのは厳に慎みましょう。 車から降りた後も、あなたは「レクサスに乗っている人」として見られているのです。
レクサスの魅力を語れる知識を身につける
なぜ、数ある高級車の中からレクサスを選んだのか。 その理由を自分の言葉で語れるようになると、周囲の見方は大きく変わります。 単に「カッコいいから」「ステータスだから」という理由だけでは、「中身のない見栄っ張り」と思われても仕方ありません。
例えば、 「レクサスの静粛性は本当に素晴らしくて、長距離運転でも全く疲れないんです。これも、日本の職人技が生んだ技術の賜物なんですよ」 「このモデルのハイブリッドシステムは、環境性能だけでなく、モーターアシストによる滑らかな加速感も魅力なんです」 といったように、デザインやブランドイメージだけでなく、その背景にある技術や哲学、そして自分がどこに価値を感じているのかを具体的に伝えられるようにしておきましょう。 車への深い愛情と理解が伝われば、それはもはや自慢ではなく、魅力的なプレゼンテーションになります。
安全運転を徹底し、品位を保つ
最後に、そして最も重要なことですが、常に安全で紳士的な運転を心がけることです。 どんなに素晴らしい車に乗っていても、運転マナーが悪ければ全てが台無しです。 レクサスのような高性能車に乗っていると、ついスピードを出したくなったり、強引な割り込みをしたくなったりする気持ちが芽生えるかもしれません。 しかし、それこそが「生意気なドライバー」の典型です。
法定速度を守り、車間距離を十分にとる。 ウインカーは早めに出し、歩行者や他の車に道を譲る。 サンキューハザードをスマートに使いこなす。 こうした当たり前のことを徹底するだけで、「レクサスに乗っている人は、運転もスマートだ」という良い印象を与えることができます。 レクサスのエンブレムを背負っているという自覚を持ち、他のドライバーの模範となるような運転を心がけましょう。 それこそが、周囲からの尊敬を勝ち得る一番の近道なのです。
それでも乗りたい!30代・40代におすすめのレクサスモデル
周囲の目も気になるけれど、やはり憧れのレクサスに乗りたい。 その気持ちは、車好きとして痛いほどよく分かります。 幸いなことに、現在のレクサスには、様々なライフスタイルや価値観に応える多彩なラインナップが揃っています。 威圧感を与えすぎず、それでいてレクサスならではの上質さや駆けぬける歓びを存分に味わえるモデルも少なくありません。 ここでは、自動車ジャーナリストの視点から、特に30代・40代の方々にお勧めしたいレクサスモデルを、それぞれの魅力と共にレビューしていきます。 これから購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【エントリーモデル】UX/LBX – スタイリッシュな都市型SUV
レクサスUX
「Creative Urban Explorer」をコンセプトに持つUXは、その名の通り、都会を颯爽と駆け抜けるのに最適なコンパクトSUVです。 立体駐車場にも収まる扱いやすいボディサイズでありながら、レクサスらしい彫りの深い大胆なデザインが目を引きます。 インテリアも、ドライバーを中心に考え抜かれた設計で、上質な素材と相まって、乗り込むたびに満足感を得られるでしょう。 ハイブリッドモデル(UX250h)やEVモデル(UX300e)もラインナップされており、燃費や環境性能を重視する方にもぴったりです。 「初めてのレクサス」として、気負わずに乗れる一台と言えます。
レクサスLBX
「本物を知る人が、素の自分に戻れるクラスレスコンパクト」という新しいコンセプトのもと、2023年末に登場した全く新しいモデルです。 レクサス史上最もコンパクトなサイズでありながら、その内外装の質感は兄貴分たちに全く引けを取りません。 オーダーメイド感覚で内外装の仕様を選べる「Bespoke Build」も用意されており、自分だけの個性的な一台を作り上げる楽しみもあります。 運転のしやすさはもちろんのこと、その凝縮された高級感は、所有する喜びを日々感じさせてくれるはずです。 価格も比較的手頃なため、若い世代からの注目度が非常に高いモデルです。
【定番セダン】IS – スポーティさと快適性の両立
レクサスのラインナップの中でも、特に「走り」に定評があるのがFR(後輪駆動)スポーツセダンのISです。 低く構えたシャープなスタイリングは、見るからにスポーティ。 実際にステアリングを握れば、その意のままに操れるハンドリング性能と、FRならではの気持ちの良い加速感に魅了されることでしょう。 それでいて、ひとたびクルージングに入れば、レクサスならではの静粛性と快適な乗り心地もしっかりと両立させています。 「運転が好きだ」という方にこそ選んでほしい一台です。 セダンという落ち着いたボディタイプでありながら、その走りは実に情熱的。 このギャップが、大人の余裕を感じさせます。
【人気SUV】NX – 最新技術と使い勝手の良さ
レクサスの中核を担うSUVとして、絶大な人気を誇るのがNXです。 2021年にフルモデルチェンジした2代目は、洗練されたエクステリアデザインはもちろんのこと、インテリアでは大型のタッチディスプレイを中心とした先進的なコクピットが特徴です。 パワートレインも、高効率なハイブリッド(NX350h)に加え、レクサス初のPHEV(プラグインハイブリッド、NX450h+)も設定。 日常のほとんどをEV走行でカバーできるPHEVモデルは、経済的かつ環境にも優しい選択肢として非常に魅力的です。 ボディサイズも日本の道路事情にジャストフィットで、日常使いからレジャーまで、あらゆるシーンで活躍してくれるオールラウンダーと言えるでしょう。
【ファミリー向け】RX – 広々とした室内と高級感
NXよりも一回り大きなボディサイズを持つRXは、ファミリー層から絶大な支持を集めるラグジュアリーSUVです。 後席の足元空間は広々としており、大切な家族や友人を乗せても、ゆったりと快適に過ごしてもらえます。 ラゲッジスペースも大容量で、ゴルフバッグやキャンプ用品なども楽に積み込めます。 もちろん、その乗り味は極めて上質。 路面の凹凸をしなやかにいなし、どこまでも滑るように走る感覚は、まさに高級車そのものです。 家族との時間を大切にしながら、自分自身の運転する楽しみも妥協したくない。 そんな欲張りな願いを叶えてくれるのがRXです。 少し大きく見えるかもしれませんが、その分、周囲に与える安心感やステータス性も高いモデルです。
中古車という選択肢:賢くレクサスオーナーになる方法
新車には手が届かないけれど、どうしてもレクサスに乗りたい。 そんな方には、認定中古車「CPO(Certified Pre-Owned)」をはじめとする、質の良い中古車を探すという選択肢も非常におすすめです。 レクサスは元々の作りが良い上に、歴代オーナーが大切に乗っているケースが多いため、中古車でも高い品質が期待できます。
特にCPOは、レクサスが定めた厳格な基準をクリアした車両のみが認定され、新車同様の手厚い保証やメンテナンスプログラムが付帯します。 これなら、初めての中古車選びでも安心です。 型落ちのモデルであれば、新車時に比べてかなりリーズナブルな価格で手に入れることができ、浮いた予算をカスタムや旅行に充てることもできます。 新車にこだわらず、賢く中古車を選ぶ。 これもまた、スマートなレクサスとの付き合い方の一つです。
レクサスオーナーになるために知っておきたい年収と維持費
憧れのレクサスライフを実現するためには、車両価格だけでなく、購入後の維持費についてもしっかりと計画を立てておくことが不可欠です。 「無理して買ったものの、維持できなくなってしまった」ということになれば、元も子もありません。 ここでは、レクサスオーナーになるための現実的な年収の目安と、具体的な年間維持費について、分かりやすくシミュレーションしていきます。 ご自身の経済状況と照らし合わせながら、無理のないカーライフプランを考えてみましょう。
モデル別に見る車両価格と目標年収の目安
一般的に、無理なく車を所有するための車両価格の目安は「年収の半分程度」と言われています。 もちろん、これはあくまで一般的な目安であり、住宅ローンの有無、家族構成、ライフスタイルなどによって大きく変動します。 しかし、一つの基準として参考になるはずです。 以下に、人気モデルの新車価格と、それに基づいた目標年収の目安をまとめてみました。
モデル名 | 新車価格帯(目安) | 目標年収(目安) |
---|---|---|
レクサス LBX | 約460万円~580万円 | 900万円~ |
レクサス UX | 約450万円~640万円 | 900万円~ |
レクサス IS | 約550万円~900万円 | 1,100万円~ |
レクサス NX | 約500万円~770万円 | 1,000万円~ |
レクサス RX | 約670万円~900万円 | 1,300万円~ |
レクサス LS | 約1,090万円~1,790万円 | 2,000万円~ |
※上記はあくまで目安です。中古車を狙う場合や、頭金を多く用意できる場合は、この限りではありません。
この表を見ると、やはりレクサスオーナーになるには、ある程度の経済的基盤が必要であることが分かります。 しかし、夫婦共働きであったり、他の支出を抑えたりすることで、目標年収に達していなくても十分に所有は可能です。 重要なのは、数字に惑わされず、ご自身のキャッシュフローを正確に把握することです。
税金(自動車税、重量税)はいくらかかる?
車を所有する上で、避けては通れないのが税金です。 レクサスの場合、排気量や車両重量が大きめのモデルが多いため、税額も比較的高くなる傾向があります。
自動車税(種別割)
毎年4月1日時点の所有者に課せられる税金です。 排気量によって税額が決まります。
- 1.5L超~2.0L以下(NX350hなど): 36,000円
- 2.0L超~2.5L以下(IS300h、RX350hなど): 43,500円
- 3.0L超~3.5L以下(LS500hなど): 57,000円
自動車重量税
車両の重さに応じて課せられる税金で、通常は車検時に2年分をまとめて支払います。
- ~1.5t(UX200など): 24,600円(2年)
- ~2.0t(IS300h、NX350hなど): 32,800円(2年)
- ~2.5t(RX500h、LS500hなど): 41,000円(2年)
※エコカー減税の対象となるモデルは、税額が減免される場合があります。
保険料(任意保険)の相場
自賠責保険(強制保険)に加えて、任意保険への加入は必須です。 レクサスは車両保険価額が高額になるため、保険料も高くなる傾向があります。 年齢や等級、車両保険の有無、補償内容によって大きく異なりますが、30代で初めてレクサスに乗る場合、年間10万円~20万円程度は見ておくと良いでしょう。 複数の保険会社から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
メンテナンス費用
レクサスならではの手厚いサービスとして「レクサスケアメンテナンスプログラム」があります。 新車登録から3年間(または走行距離60,000kmまで)は、半年ごとの点検とオイル交換などが無償で受けられます。 これは非常に大きなメリットです。
しかし、4年目以降や、タイヤ、バッテリー、ブレーキパッドといった消耗品の交換は有償となります。 特にタイヤは、高性能な大径タイヤを装着しているモデルが多いため、4本交換で15万円~30万円以上かかることも珍しくありません。 日々の洗車代や、突発的な修理費用なども考慮し、年間で5万円~10万円程度のメンテナンス費用を予算として確保しておくと安心です。
年間維持費のシミュレーション(NX350hの場合)
では、具体的なモデルを例に、年間の維持費をシミュレーションしてみましょう。 ここでは人気のSUV、レクサスNX350h F SPORT(車両価格 約630万円)を例にとります。
- 自動車税: 43,500円
- 自動車重量税: 16,400円(32,800円 ÷ 2年)
- 自賠責保険料: 約10,000円(24ヶ月契約の1年分)
- 任意保険料: 150,000円(30代、新規、車両保険ありと想定)
- ガソリン代: 約80,000円(年間1万km走行、燃費20km/L、ガソリン価格160円/Lで計算)
- メンテナンス費用: 50,000円(消耗品、洗車代など)
- 駐車場代: 120,000円(月額1万円と想定)
年間維持費 合計: 約469,900円
これに加えて、2年に一度の車検費用(法定費用+整備費用で約10万円~)や、数年に一度のタイヤ交換費用などが必要になります。 やはり、レクサスを維持するには、それなりのコストがかかることがお分かりいただけたかと思います。 しかし、事前にこれを把握し、しっかりと資金計画を立てておけば、何も恐れることはありません。 むしろ、このコストを支払ってでも乗りたいと思える魅力が、レクサスにはあるのです。
まとめ
今回は、「30代・40代がレクサスに乗ると生意気だと思われる」という、多くの若いオーナーが抱える悩みについて、その理由から具体的な対策、そしてレクサスとのスマートな付き合い方まで、多角的に掘り下げてきました。
「生意気だ」という言葉の裏には、年功序列の価値観や、出る杭は打たれる文化、そして何より「羨ましい」という嫉妬の感情が隠されています。 しかし、そのネガティブな視線を気にして、乗りたい車を諦めてしまうのは、あまりにもったいないことです。
大切なのは、レクサスという素晴らしい車に乗ることに誇りを持ちつつも、決して驕ることなく、常に謙虚な姿勢と周囲への配慮を忘れないことです。 そして、安全で紳士的な運転を心がけ、車の持つ本質的な価値を理解し、語れる知識を身につけること。 そうすれば、あなたは単なる「高級車乗り」ではなく、周囲からも尊敬される「真のレクサスオーナー」になれるはずです。
会社への通勤も、職場の空気を読み、スマートに振る舞うことで、無用な軋轢を避けることは十分に可能です。 車種選びの段階から少し戦略的に考えるのも良いでしょう。
レクサスは、あなたの人生を間違いなく豊かにしてくれる素晴らしいパートナーです。 周りの目を気にしすぎるあまり、その喜びを半減させてしまう必要はどこにもありません。 しっかりと維持費の計画を立て、マナーを守り、自信を持ってステアリングを握ってください。 あなたのレクサスライフが、最高に輝かしいものになることを、同じ車を愛する者として心から願っています。