お役立ちリンク集(緊急時)

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回は緊急時の連絡先についてまとめて解説します。

この記事を読んでいる方は、高速道路での突然のエンジントラブルや、慣れない土地でのバッテリー上がりなど、予期せぬ車のトラブルに見舞われた際に「一体どこに連絡すればいいんだ。 」と不安に思っているのではないでしょうか。 私も仕事柄、様々な車で全国を走り回っていますが、過去に何度か冷や汗をかくようなトラブルを経験したので、そのお気持ちは痛いほどよくわかります。 特に夜間や悪天候の中では、心細さもひとしおでしょう。

この記事を読み終える頃には、いざという時に本当に頼りになる連絡先と、それぞれのサービスの違いについての疑問がスッキリ解決しているはずです。

この記事のポイント

  • 自動車保険に付帯するロードサービスとJAFの違いがわかる
  • 主要な保険会社のロードサービス内容と連絡先がわかる
  • 自動車メーカーが提供するサポートサービスの内容と連絡先がわかる
  • JAF以外の独立系ロードサービスの特徴と連絡先がわかる

自動車保険に付帯するロードサービス

多くのドライバーにとって最も身近なのが、加入している自動車保険に自動で付帯してくるロードサービスでしょう。

私も普段、複数の車を所有していますが、それぞれの任意保険には当然ロードサービスが付帯しています。 これらのサービスは、保険料に含まれているケースがほとんどで、追加費用なしで利用できるのが最大の魅力です。

しかし、その内容は保険会社によって様々で、レッカーの無料距離や現場での応急処置の範囲などが異なります。 ここでは、まずロードサービスの代表格であるJAFについて解説し、その後、主要な損害保険会社が提供するサービスとの違いを比較しながら、それぞれの特徴と連絡先を詳しく見ていきましょう。

JAF

特徴

まず押さえておきたいのが、ロードサービスの草分け的存在であるJAF(日本自動車連盟)です。 JAFの最大の特徴は、サービス対象が「人(会員)」であるという点です。 これはどういうことかというと、会員であれば、自分の車はもちろん、友人から借りた車、レンタカー、会社の車、さらにはバイクであってもサービスを受けられるのです。 私のように複数の車両を乗り換える人間にとっては、この「人にかかる」システムは非常に心強い味方です。

また、JAFは利用回数に制限がありません。 保険付帯のロードサービスが「年間1回まで」といった制限を設けている場合があるのに対し、JAF会員であれば何度でも利用可能です。 バッテリー上がりを繰り返してしまう旧車や、パンクしやすい環境で車を使う方には大きなメリットと言えるでしょう。

さらに、JAFのサービス範囲は非常に多岐にわたります。 一般的なバッテリー上がりやパンク、キー閉じ込みはもちろん、雪道でのスタックやぬかるみからの引き上げ、タイヤのチェーン着脱など、保険付帯サービスでは対象外となることが多いトラブルにも対応してくれます。 自然災害(地震、噴火、津波など)に起因するトラブルに対応してくれるのもJAFならではの強みです。

もちろん、年会費(個人会員:4,000円、家族会員:2,000円/1名)と入会金(2,000円)が必要ですが、全国の様々な施設で優待割引が受けられるため、使い方次第では年会費以上のメリットを享受することも可能です。

JAF会員プラン 年会費 入会金 主な対象
個人会員 4,000円 2,000円 記名個人
家族会員 2,000円 無料 個人会員の同居家族
法人会員 2,000円/1台 2,000円 記名法人

連絡先

  • 電話番号(全国共通・年中無休・24時間)
    • ナビダイヤル:0570-00-8139
    • 短縮ダイヤル:#8139
  • ウェブサイト
    • JAF公式ウェブサイトの「ロードサービスを呼ぶ」ページから要請可能。
    • GPS機能を使えば、現在地を正確に伝えることができます。
    • 公式サイトURL: https://jaf.or.jp/common/call-road-service
  • スマートフォンアプリ
    • 「JAFデジタル会員証」アプリを利用すれば、会員証の提示から救援要請までスムーズに行えます。

東京海上日動「ロードアシスト」

特徴

東京海上日動の自動車保険「トータルアシスト自動車保険」に付帯するロードサービスが「ロードアシスト」です。 このサービスは、すべての契約に自動で付帯しており、無料で利用できます。

特筆すべきは、レッカーサービスの充実度です。 事故・故障現場から東京海上日動が指定する最寄りの修理工場までのレッカー移動距離が、なんと距離の制限なく無料となります。 これは業界最高水準の手厚いサービスと言えるでしょう。 もし契約者が希望する修理工場へ運びたい場合でも、180kmまで無料で対応してくれます。 遠方でのトラブルでも安心して任せられるのは、大きなメリットです。

また、現場での30分程度で完了する応急処置(バッテリー上がり、キー閉じ込み、パンク時のスペアタイヤ交換など)も無料です。 ガス欠時の燃料代(10リットルまで)も、保険期間中1回に限り無料で提供されます。

さらに、事故や故障で車が自力走行不能となった場合、移動や宿泊にかかる費用をサポートする「アシスタンスサービス」も充実しています。 当日の代替交通費や、やむを得ず宿泊する場合の宿泊費用、自宅までの帰宅費用などを一定の限度額内で補償してくれます。 これは、特に遠方へ出かける機会が多い方には心強いサポートです。

JAFとの違い

JAFが「人」にかかるサービスであるのに対し、東京海上日動のロードアシストは「契約車両」にかかるサービスです。 そのため、契約している車以外のトラブルでは利用できません。 また、利用回数に制限はありませんが、雪道でのスタックなど、一部のトラブルはサービスの対象外となる場合があります。 JAFは自然災害時のトラブルにも対応しますが、ロードアシストは原則として対象外です。 ただし、JAF会員が東京海上日動の保険に加入している場合、JAFを利用すると、保険のロードアシストでは対象外となる部分をJAFのサービスでカバーできるなど、両者を組み合わせることで、より手厚い補償を受けることが可能です。

連絡先

損保ジャパン「ロードアシスタンス」

特徴

損保ジャパンの「THE クルマの保険」に付帯するのが「ロードアシスタンス」です。 こちらもすべての契約に自動付帯し、保険料もかかりません。

このサービスの最大の特徴は、レッカー移動距離が150kmまで無料である点です。 これは業界でもトップクラスのサービスであり、多くのドライバーにとって十分な距離と言えるでしょう。 事故や故障の現場から自宅や最寄りの修理工場、あるいは契約者が指定する工場まで、150km以内であれば自己負担なしで搬送してもらえます。

また、損保ジャパンは独自のレッカーネットワーク「SJ-Net24」を全国に展開しており、約10,000ヶ所のサービス拠点から迅速に現場へ駆けつけてくれる体制が整っています。

現場での応急対応サービスも充実しており、バッテリー上がり、キー閉じ込み、パンク時のスペアタイヤ交換といった基本的なトラブルはもちろん、ガス欠時の燃料補給(10リットルまで、保険期間中1回)も無料です。 さらに、落輪時の引き上げ作業も、タイヤ1本までであれば無料で対応してくれます(クレーン作業など特殊作業を除く)。

事故や故障で車が動かなくなった際の宿泊費用や帰宅費用をサポートするサービスも付帯しており、遠出の際も安心です。

JAFとの違い

損保ジャパンのロードアシスタンスも、対象は「契約車両」に限られます。 JAFのように友人の車やレンタカーでは利用できません。 サービスの適用範囲も、JAFが対応するような雪道でのスタックや自然災害時のトラブルは対象外となるケースがほとんどです。 利用回数については、レッカー移動や現場での応急対応は原則として制限がありませんが、ガス欠時の燃料補給サービスは年1回までとなっています。 JAFと組み合わせることで、サービスの適用範囲を広げ、万全の体制を整えることができます。

連絡先

  • ロードアシスタンス専用デスク(フリーダイヤル・年中無休・24時間)
    • 0120-365-110
  • ウェブサイト・アプリ

三井住友海上「おクルマQQ隊」

特徴

三井住友海上の自動車保険「GK クルマの保険」に付帯するサービスが「おクルマQQ隊」です。 こちらもすべての契約に無料で自動セットされています。

「おクルマQQ隊」のレッカーサービスは、三井住友海上が指定する最寄りの修理工場への搬送であれば距離無制限で無料という、非常に手厚い内容になっています。 契約者が希望する工場への搬送も150kmまで無料と、こちらも業界最高水準です。 全国約9,600ヶ所のサービス拠点から、迅速に駆けつけてくれます。

現場での応急対応も充実しています。 バッテリー上がり、インロック、パンクといった基本的なトラブル対応に加え、ガス欠時のガソリンまたは軽油10リットルのお届けも保険期間中1回無料です。 さらに、最近の車に多いタイヤの応急修理キットの操作支援や、ボルトの増し締めといった細かなサポートも提供しています。

事故・故障により走行不能となった場合の宿泊・帰宅費用サポートも手厚く、特に「臨時宿泊費用サポート」では1名につき15,000円を上限に、実費が支払われます。 これは同乗者全員が対象となるため、家族や友人とのドライブでも安心です。

JAFとの違い

基本的な違いは他の保険付帯サービスと同様で、「おクルマQQ隊」は「契約車両」が対象です。 JAFのような「人」に対するサービスではありません。 雪道でのスタックや泥道からの引き出しなど、特殊な状況下でのトラブルは対象外となる場合があります。 利用回数に制限はありませんが、ガス欠時の燃料補給は年1回までです。 JAFと組み合わせることで、例えばJAFの優待施設を利用しつつ、万が一のレッカー移動は「おクルマQQ隊」の手厚いサービスを利用するといった賢い使い方が可能です。

連絡先

  • おクルマQQ隊デスク(フリーダイヤル・年中無休・24時間)
    • 0120-096-991
  • ウェブサイト・アプリ

あいおいニッセイ同和「ロードサービス」

特徴

あいおいニッセイ同和損保の「タフ・クルマの保険」に付帯するロードサービスは、正式名称を「ロードアシスタンスサービス」と言います。 このサービスもすべての契約に自動付帯しており、保険料の追加負担はありません。

レッカーサービスは、あいおいニッセイ同和損保が指定する修理工場までであれば、距離の制限なく無料で搬送してくれます。 契約者が希望する工場へ搬送する場合も、150kmまで無料という手厚い内容です。 これは、特に遠方でのトラブルにおいて非常に心強いサポートと言えるでしょう。

現場での応急対応サービスも一通り揃っています。 バッテリー上がり、キー閉じ込み、パンク時のスペアタイヤ交換作業はもちろんのこと、ガス欠時には最大10リットルの燃料を無料で届けてくれます(保険期間中1回)。 また、落輪時の引き上げ作業についても、タイヤ1本までの単純な引き上げであれば無料で対応してくれます。

さらに、事故や故障で車が動かなくなった際の付帯サービスも充実しています。 「宿泊費用サポート」や「帰宅・移動費用サポート」があり、予期せぬ出費をカバーしてくれます。 特にユニークなのが「ペット宿泊費用サポート」で、ペットを預けるための費用を1泊10,000円まで補償してくれます。 ペットと一緒に出かけることが多い方には、見逃せないポイントです。

JAFとの違い

こちらも他の保険会社と同様に、「契約車両」がサービスの対象となります。 JAFのように会員であればどの車でもOKというわけにはいきません。 サービスの適用範囲も、JAFが対応するような悪路からの引き出しや自然災害時のトラブルは対象外となる場合があります。 利用回数に制限はありませんが、無料の燃料補給サービスは年1回のみです。 JAFと組み合わせることで、JAFの幅広い対応力と、あいおいニッセイ同和の手厚いレッカーサービスやユニークなペット関連のサポートを両立させることができます。

連絡先

  • あんしんサポートセンター(フリーダイヤル・年中無休・24時間)
    • 0120-024-024
  • ウェブサイト・アプリ

メーカー・ディーラー系のサービス

新車や認定中古車を購入した際に、一定期間無料で付帯してくるのがメーカーやディーラーが提供するロードサービスです。 これらのサービスは、そのメーカーの車に精通したスタッフが対応してくれるという安心感が最大の魅力です。 また、ディーラーのネットワークを活かしたサポートが受けられることも特徴です。 ただし、サービスの提供期間が限られていたり、対象となるトラブルの範囲が保険付帯サービスとは異なる場合があるため、内容をよく確認しておくことが重要です。

トヨタ「ツーリングサポート」

特徴

トヨタが提供するロードサービスは、新車購入時に加入できる「T-Connect」や、中古車購入時の「T-Value」などに付帯する「ツーリングサポート」が中心となります。 「T-Connect」契約期間中であれば、24時間365日、専門のオペレーターが対応してくれます。

特徴的なのは、オペレーターサービスとの連携です。 車載通信機「DCM」を搭載した車両であれば、エアバッグが展開するような事故の際には自動でオペレーターに接続され、状況に応じて警察や消防への連携、ロードサービスの手配を迅速に行ってくれます。 また、警告灯が点灯した際などにも、オペレーターに相談し、車両情報をもとに適切なアドバイスを受けることができます。

レッカーサービスについては、現場から最寄りのトヨタ販売店まで無料で搬送してくれます。 現場での応急処置(バッテリー上がり、ガス欠、スペアタイヤ交換など)にも対応しています。 トヨタの車を知り尽くしたスタッフが対応してくれるため、的確な診断と処置が期待できるのが大きな強みです。

JAFとの違い

トヨタのサービスは、当然ながらトヨタ車(レクサス含む)が対象です。 JAFのようにメーカーを問わず利用することはできません。 また、サービスの提供期間は「T-Connect」の契約期間などに準じるため、永続的なものではありません。 JAFは会員である限り継続してサービスを受けられます。 対応範囲も、JAFが得意とするようなぬかるみからの引き出しなど、特殊な作業は対象外となる可能性があります。

連絡先

  • T-Connectサポートセンター
    • 車載通信機から直接接続するか、スマートフォンアプリ「My TOYOTA+」から連絡します。
    • 電話番号:0800-123-8123(フリーコール・年中無休・24時間)
    • 公式サイトURL: https://toyota.jp/tconnectservice/service/helpnet.html

ホンダ「ホンダトータルケア」

特徴

ホンダの新車・中古車を購入した際に無料で加入できるのが「ホンダトータルケア」です。 このサービスは、事故や故障だけでなく、日常のちょっとした困りごとまでをサポートする総合的な会員サービスです。

緊急サポートセンターは24時間365日対応しており、専門オペレーターがトラブルの状況をヒアリングし、ロードサービスの手配や適切なアドバイスを行ってくれます。 レッカーサービスは、事故・故障現場から最寄りのホンダ販売店まで距離無制限で無料搬送という、非常に手厚い内容です。 これは業界でも最高レベルのサービスと言えるでしょう。

現場での応急処置サービスも充実しており、バッテリー上がりやパンク、キー閉じ込みなどに対応します。 ガス欠時には、燃料を10リットルまで無料で届けてくれます(年1回)。

さらに、ホンダトータルケア会員であれば、インターナビと連動した情報サービスや、点検・車検の案内など、カーライフをトータルでサポートする様々なサービスを受けられます。

JAFとの違い

ホンダトータルケアの対象は、会員登録したホンダ車に限られます。 JAFのように、どのメーカーの車でも利用できるわけではありません。 サービスの提供期間は、車を所有している限り継続しますが、中古車の場合は加入条件がある場合があります。 JAFが対応するような自然災害時のトラブルや、特殊な状況下での救出作業は対象外となる可能性があります。 しかし、ホンダ車オーナーであれば、距離無制限のレッカーサービスは非常に大きなメリットであり、JAFと併用する価値は高いと言えます。

連絡先

  • Honda Total Care 緊急サポートセンター(フリーダイヤル・年中無休・24時間)
    • 0120-995-999
  • アプリ

日産「日産エマージェンシーサポート」

特徴

日産が提供するロードサービスは、新車購入時に自動付帯する「日産エマージェンシーサポート」や、有料会員サービスの「日産カーライフ保険プラン」に含まれるロードサービスがあります。

「日産エマージェンシーサポート」は、新車登録から3年間(または走行距離60,000kmまで)無料で利用できます。 24時間365日対応のコールセンターが、故障や事故の際にレッカーサービスや応急処置の手配を行ってくれます。 レッカーサービスは、最寄りの日産販売会社まで無料で搬送。 現場での応急処置(バッテリー上がり、パンク時のスペアタイヤ交換など)にも対応します。

特筆すべきは、EV(電気自動車)への対応です。 日産リーフなどのEVで電欠(バッテリー切れ)を起こした場合、最寄りの充電スポットまで無料で搬送してくれるサービスがあります。 これはEVのパイオニアである日産ならではのサポートと言えるでしょう。

JAFとの違い

対象は日産車に限定され、サービスの提供期間も新車登録から3年間と限られています。 (有料プランに加入すれば延長可能)。 JAFは会員である限り、どの車でも継続してサービスを受けられます。 対応範囲も、一般的なロードサービスの範囲内であり、JAFがカバーするような特殊なトラブルには対応できない場合があります。 しかし、特にEVオーナーにとっては、電欠時のサポートは心強い味方となるでしょう。

連絡先

  • 日産エマージェンシーコール(フリーダイヤル・年中無休・24時間)
    • 0120-193-233
  • NissanConnectサービス

マツダ「マツダ安心サポート」

特徴

マツダの新車・中古車を購入した際に加入できるのが「マツダ安心サポート」です。 これには、事故や故障に対応する「マツダ事故/故障受付センター」のサービスが含まれています。

このサービスは24時間365日、専門のオペレーターが対応。 事故や故障の状況に応じて、ロードサービスの手配やアドバイスを行ってくれます。 レッカーサービスは、最寄りのマツダ正規ディーラーまで無料で搬送されます。 マツダ車に精通したメカニックが待つディーラーへ直接運んでもらえるのは、オーナーにとって大きな安心材料です。

現場での応急処置(バッテリー上がり、スペアタイヤ交換、キー閉じ込みなど)にも対応しています。 また、事故や故障で車が動かなくなった場合には、帰宅費用や宿泊費用を一定額までサポートしてくれるサービスも付帯しています。

JAFとの違い

マツダ安心サポートの対象はマツダ車に限定されます。 JAFのようにメーカーを問わず利用することはできません。 サービスの提供期間も、新車保証期間などに準じることが多く、永続的なものではありません。 対応範囲は一般的なロードサービスの範疇であり、JAFが対応するような雪道でのスタックや、より専門的な技術を要する救出作業は対象外となる可能性があります。 しかし、マツダ車オーナーにとっては、購入したディーラーとの連携がスムーズであるというメリットがあります。

連絡先

独立系ロードサービス

自動車保険やメーカー系のサービスとは別に、ロードサービスを専門に提供している民間企業も存在します。 これらのサービスは、年会費を支払って会員になることで、必要な時にロードサービスを受けられるというものです。 多くの場合、JAFよりも年会費が安く設定されているのが特徴ですが、サービス内容や拠点数、対応エリアなどが異なるため、加入前によく比較検討する必要があります。 ここでは、代表的な独立系ロードサービスをいくつかご紹介します。

日本ロードサービス(NRS)

特徴

日本ロードサービス(NRS)は、比較的安価な年会費で充実したサービスを提供している独立系ロードサービスです。 個人会員の年会費は2,200円(税込)と、JAFの約半額で利用できるのが大きな魅力です。

レッカーサービスは、10kmまで無料。 それ以降は有料となりますが、日常的な利用であれば十分なケースも多いでしょう。 現場での応急処置は、バッテリー上がり、キー閉じ込み、パンク時のスペアタイヤ交換など、基本的なトラブルに30分以内の作業無料で対応してくれます。

ガス欠時の燃料補給サービスも付いており、燃料代実費のみで対応可能です。 また、自宅から100km以上遠方でのトラブルで自力走行不能となった場合には、宿泊費用や帰宅費用をサポートするサービスも付帯しています。 この価格で遠方でのサポートが付いているのは、コストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。

JAFとの違い

NRSもJAFと同様に「人」にかかるサービスなので、会員であればマイカー以外でもサービスを受けられます。 しかし、年会費が安い分、サービス内容にはいくつかの違いがあります。 最も大きな違いはレッカーの無料距離で、JAFが15kmまで無料なのに対し、NRSは10kmまでです。 また、JAFが対応するような雪道でのスタックやぬかるみからの引き上げ、自然災害時のトラブルはNRSでは対象外となります。 全国のサービス拠点数もJAFの方が多いのが実情です。 コストを抑えつつ、基本的なロードサービスを備えたいという方に向いているサービスです。

連絡先

  • ロードサービスデスク(フリーダイヤル・年中無休・24時間)

レスキュー24

特徴

レスキュー24は、株式会社ジャパンベストレスキューシステムが運営するロードサービスです。 同社は、鍵や水道、パソコンのトラブルなど、生活全般の「困った」を解決するサービスを展開しており、その一環としてロードサービスを提供しています。

年会費はプランによって異なりますが、基本的なプランであれば比較的安価に設定されています。 サービス内容は、レッカー移動、バッテリー上がり、キー閉じ込み、パンク時のスペアタイヤ交換など、標準的なものが揃っています。

特徴的なのは、全国に広がる提携ネットワークです。 様々なジャンルのプロフェッショナルと提携しているため、幅広いトラブルに迅速に対応できる体制を整えています。 ロードサービスだけでなく、他の生活トラブルに関するサービスも会員価格で利用できる場合があります。

JAFとの違い

レスキュー24も「人」にかかるサービスですが、JAFと比較すると、サービスの範囲や内容は限定的です。 レッカーの無料距離や、特殊な状況(雪道、悪路など)での対応力はJAFに軍配が上がります。 また、JAFのような会員優待施設のネットワークはありません。 ロードサービスを専門に長年提供してきたJAFと比較すると、実績やノウハウの蓄積にも差があるかもしれません。 あくまで基本的なトラブルに備えるための、手頃な選択肢の一つと考えるのが良いでしょう。

連絡先

  • コールセンター(電話番号は会員証に記載)
    • 会員になると専用の連絡先が案内されます。
    • 公式サイトURL: https://www.jbr.co.jp

カーレスキュー365

特徴

カーレスキュー365は、プレミアアシスト株式会社が提供する会員制ロードサービスです。 このサービスも、比較的リーズナブルな年会費で、24時間365日のサポートを提供しています。

サービス内容は、レッカーサービス(指定距離まで無料)、バッテリージャンピング、鍵開け、スペアタイヤ交換、ガス欠時の燃料配達など、一通りのトラブルに対応しています。 全国の提携ネットワークを通じて、迅速に現場へ駆けつける体制を整えています。

また、オプションでさらに手厚いサービスを追加することも可能です。 例えば、レッカーの無料距離を延長したり、遠方での宿泊・帰宅費用サポートを充実させたりすることができます。 自分のカーライフに合わせてサービスをカスタマイズできるのが魅力です。

JAFとの違い

基本的な違いは他の独立系サービスと同様です。 年会費が安い分、JAFに比べてレッカーの無料距離が短かったり、対応できるトラブルの範囲が狭かったりする場合があります。 特に、雪道でのスタックや、クレーン作業が必要になるようなケースでは、別途高額な費用が発生する可能性があります。 JAFはこれらの作業にも一定の範囲内で対応してくれるため、ウインタースポーツやアウトドアによく出かける方は、JAFの方が安心感が高いと言えるでしょう。 コストを重視し、基本的なトラブルにのみ備えたい方向けのサービスです。

連絡先

  • コールセンター(電話番号は会員証に記載)

まとめ

今回は、いざという時に頼りになる車の緊急連絡先について、様々なロードサービスを比較しながら解説してきました。

  • 自動車保険付帯のロードサービスは、追加費用なしで利用でき、特にレッカーサービスの無料距離が長いなど、非常に手厚い内容のものが多いのが魅力です。 ただし、サービス対象は「契約車両」に限られます。
  • JAFは年会費が必要ですが、「人」にかかるサービスなので、どの車に乗っていても安心です。 利用回数制限がなく、雪道や自然災害時など、保険付帯サービスでは対象外となりがちなトラブルにも対応してくれる対応力の広さが最大の強みです。
  • メーカー・ディーラー系のサービスは、そのメーカーの車に精通したスタッフが対応してくれるという専門性の高さが魅力です。 新車購入時などには無料で付帯することが多いですが、期間が限定されている場合があります。
  • 独立系ロードサービスは、JAFよりも安価な年会費で基本的なサービスを提供してくれる、コストパフォーマンスの高さが魅力です。 ただし、サービス内容はJAFに比べて限定的です。

私自身の経験から言うと、自動車保険付帯のロードサービスを基本とし、JAFにも加入しておくのが、最も安心できる組み合わせだと考えています。 保険付帯サービスの手厚いレッカーサービスと、JAFの幅広い対応力を組み合わせることで、ほとんどのトラブルをカバーできるからです。

この記事が、あなたのカーライフの「お守り」として役立つことを願っています。 万が一の事態に備え、連絡先をスマートフォンに登録したり、車検証入れにメモを挟んだりしておくことを強くお勧めします。 安全で快適なドライブを楽しみましょう。

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