モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、新型アクアでゴルフに行けるのか、バッグがしっかり積めるのかが気になっていると思います。 私自身、開発現場にいた人間として、また現在は愛車の一台として新型アクアを所有し、実際にゴルフ場へ足を運んでいるので、その「入るか入らないか」の絶妙な境界線に対する不安はよくわかります。
引用 : トヨタHP
この記事を読み終える頃には、新型アクアのゴルフバッグ積載に関するあらゆる疑問が完全に解決しているはずです。
- 後席を倒さない状態での積載は原則不可能
- 3名乗車時に最大3個のバッグを積載可能
- 2WDと4WDで積載容量に明確な差が存在
- 9.5インチバッグを基準とした最適な配置
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新型アクアの荷室サイズとゴルフバッグ積載の基本
新型アクア(MXPK11型)は、トヨタの最新プラットフォーム「TNGA-B」を採用し、先代モデルに比べて居住性と静粛性が飛躍的に向上しました。 しかし、コンパクトカーというセグメントにおいて、最もユーザーが懸念するのが「荷室の広さ」です。 特にゴルファーにとって、キャディバッグが積めるかどうかは、その車を購入する際の決定的な判断基準になります。 ここでは、新型アクアの荷室スペックと、ゴルフバッグ積載の基礎知識を深掘りしていきます。
引用 : トヨタHP
新型アクアのラゲージ容量スペック詳細
新型アクアの荷室容量は、通常時(5名乗車時)で約390L(2WD車、デッキボード下段時)を確保しています。 これは先代アクアの約305Lと比較すると大幅な進化であり、Bセグメントのハッチバックとしてはトップクラスの数値です。 具体的な寸法で見ると、開口部の幅は約1,000mm、荷室の最大幅は約1,150mm、奥行きは約650mmとなっています。
ただし、この「390L」という数字には注意が必要です。 ゴルフバッグのような長尺物を積む場合、単純な容積よりも「幅」と「奥行き」、そして「シートアレンジ」が重要になります。 新型アクアはタイヤハウスの張り出しを抑える設計がなされていますが、それでもゴルフバッグを横向きにそのまま置くには幅が足りません。 そのため、基本的には後部座席を倒すアレンジが必須となります。
| 駆動方式 | ラゲージ容量(通常時) | 特徴 |
|---|---|---|
| 2WD (FF) | 約390L | 底が深く、最大容量を確保できる |
| E-Four (4WD) | 約310L〜 | モーター搭載により床面が高くなる |
このように、駆動方式によっても容量が異なるため、4WDを検討している方はさらにシビアなパッキングが求められます。
ゴルフバッグの種類とサイズの目安
一口にゴルフバッグと言っても、そのサイズや形状によって積載の難易度は大きく変わります。 一般的に基準とされるのは「9.5インチ」のカートバッグです。 これはプロや本格的なアマチュアが使用するサイズで、フードを含めた全長は約1,200mm〜1,300mm程度になります。
最近主流になりつつある「8.5インチ」や「9.0インチ」のスリムなスタンドバッグであれば、新型アクアのようなコンパクトカーでも比較的柔軟に積み込めます。 しかし、注意すべきはバッグの「長さ」です。 特に46インチ以上の長尺ドライバーを使用している場合、ヘッド部分が荷室の壁面に干渉しやすくなります。 新型アクアに積み込む際は、バッグの口枠の大きさと、中に入っているクラブの長さを事前に把握しておくことが、ストレスのないパッキングへの第一歩です。
ゴルフバッグのサイズ別特徴
- 9.5インチ以上(プロモデル): 張り出しが大きく、新型アクアでは「2個以上」積む際にかなり工夫が必要。
- 9.0インチ(標準サイズ): 最も一般的なサイズ。後述する「3名乗車3個積み」の基準となる。
- 8.5インチ以下(軽量・スタンド型): スリムなため、隙間を縫うように積載可能。女性用もこのサイズが多い。
1名乗車時の積載レイアウト:プライベートゴルフの最適解
1名でゴルフ場に向かう場合、新型アクアは非常に広大な空間を提供してくれます。 このパターンでは、後部座席をすべて倒す「フルフラット状態」にするのが最も効率的です。 後席の両側を倒すと、荷室の奥行きは約1,500mm以上に拡大します。
この状態であれば、9.5インチのバッグを縦方向に置くことができ、最大で4個以上のバッグを余裕を持って積載可能です。 助手席を一番前までスライドさせれば、さらにスペースは広がります。 1人での移動なら、バッグ以外にも着替えのボストンバッグ、シューズケース、さらには練習用の器具まで、何不自由なく積み込むことができるでしょう。 私自身、1人で練習場に行く際は、このフルフラットスタイルを活用しています。
2名乗車時の積載レイアウト:夫婦や友人と行く定番スタイル
2名でゴルフに行くパターンは、新型アクアにとって「最も推奨される運用形態」と言えます。 この場合、後部座席の片側、もしくは両側を倒して積載します。
おすすめは、後部座席を両方とも倒してしまうスタイルです。 これにより、運転席と助手席の後ろすべてが広大なラゲージスペースになります。 バッグ2個を並列に置いても、その上や横に2人分のボストンバッグを置くスペースが十分に確保できます。 また、バッグを互い違い(ヘッドを前後逆)に置くことで、重量バランスも安定し、走行中の荷崩れも防ぎやすくなります。 新型アクアは静粛性が高いので、荷物がしっかりと固定されていれば、移動中の車内での会話も弾むこと間違いありません。
3名乗車時の積載レイアウト:新型アクアの限界への挑戦
ここが新型アクアの「限界点」かつ「腕の見せ所」です。 3名で1台の車に乗ってゴルフに行くには、後部座席の「6:4分割」機能を最大限に活用する必要があります。
具体的には、後部座席の広い側(6側、通常は右側)を倒します。 これにより、左側の後部座席に1名が座り、右側のスペースに3個のゴルフバッグを縦、もしくは斜めに積み込む形になります。 トヨタの公式データでも、この「6側倒し」によって9.5インチバッグ3個の積載が可能とされています。 ただし、3個積みの場合、バッグを重ねる必要があるため、下に置くバッグには硬めの素材(エナメルなど)を選び、上のバッグは軽量なものにするなどの配慮が必要です。 また、3人分のボストンバッグは、ゴルフバッグの隙間や、残された左側の足元などに分散させる工夫が求められます。
4名乗車時の積載レイアウト:物理的限界と対策
正直に申し上げますと、新型アクアで大人4名が乗車し、かつ4個のゴルフバッグを積載するのは「不可能」に近いです。 4名乗車するということは、後部座席を一切倒せないことを意味します。 新型アクアの荷室幅は約1,000mm程度であり、46インチのクラブが入った1,200mm以上のバッグは、どう足掻いても横向きには入りません。
もし強引に載せるのであれば、宅急便などでバッグを事前にゴルフ場へ送るか、屋根にルーフボックスを設置するしかありません。 「4人で行けるだろう」と安易に考えて当日集合すると、出発できなくなる可能性が非常に高いです。 4名でのゴルフを前提とするなら、アクアではなくカローラツーリングやノア・ヴォクシーといった上位クラスの検討をおすすめします。
5名乗車時の積載レイアウト:実用上の留意点
4名乗車時と同様、5名乗車でゴルフバッグを積むことは物理的にできません。 5名フル乗車の状態では、荷室にはせいぜいボストンバッグが2〜3個入る程度のスペースしか残されていません。 アクアは5人乗りではありますが、後部座席の横幅はコンパクトカー相応です。 大人3人が後席に座るだけでもかなりタイトであり、そこにゴルフバッグの積載まで求めるのは酷というものです。 この状況でゴルフに行く場合は、必ずバッグを別送するか、もう一台車を出す必要があります。
E-Four(4WD)モデルの荷室の注意点と克服法
雪国にお住まいの方や、雨の日の山道を走るゴルフ場へのアクセスを考えてE-Four(4WD)を選択する方も多いでしょう。 しかし、積載性という観点では2WD車に劣ることを覚悟しなければなりません。
E-Fourモデルは後輪を駆動するためのモーターを荷室下に搭載しているため、ラゲージの床面が2WD車よりも高くなっています。 具体的には、2WDにある「底の深さ」が失われ、その分、高さのある荷物を積む際に天井との余裕がなくなります。 これにより、ゴルフバッグを3個重ねて積もうとした際、バックドアの内張りに干渉してドアが閉まらない、といったトラブルが起こりやすくなります。 4WDを選ぶ場合は、バッグをスリムなものにするか、積み方をより緻密にシミュレーションしておく必要があります。
新型アクアでの快適なゴルフライフと利便性向上テクニック
ここからは、実際に新型アクアをゴルフ仕様として使い倒すための、より実践的なアドバイスをお届けします。 単に「載るかどうか」だけでなく、いかにスマートに、そして車を傷つけずにゴルフを楽しむかが、真のカーライフの醍醐味です。
引用 : トヨタHP
効率的な積み込みのコツと手順の徹底解説
新型アクアにゴルフバッグを複数積み込む際、適当に放り込んではいけません。 特に3個積む場合は、以下の手順を守ることでスムーズに収まります。
- 後席の右側(6側)を倒す: 最大の開口面積を確保します。
- 1個目は一番奥へ: バッグのボトム(底)を車両前方(運転席の後ろあたり)に向け、ヘッドをバックドア側に置きます。
- 2個目は互い違いに: 1個目の横に、今度はヘッドを車両前方に向け、ボトムをバックドア側に置きます。これにより、バッグの太い部分同士が重ならず、幅を節約できます。
- 3個目は上に重ねる: 1個目と2個目の間にできた「溝」に置くようなイメージで重ねます。
この「交互積み」は、コンパクトカーの積載術における基本中の基本です。 新型アクアの荷室形状を最大限に活かすことができます。
荷室の汚れを防ぐおすすめアクセサリーとメンテナンス
ゴルフ場は意外と砂や芝生、そして雨の日は泥が付きものです。 新型アクアの標準の荷室フロアはカーペット素材のため、一度汚れが入り込むと掃除が大変です。
そこで私が強く推奨するのが、純正、もしくは社外品の「ラゲージトレイ(樹脂製)」です。 縁が高くなっている防水タイプを選べば、芝生が散らばっても取り外して丸洗いするだけで済みます。 また、後部座席を倒して使うことが多いゴルファーには、シート背面までカバーする「ロングラゲージマット」も非常に有効です。 キャディバッグがシートの裏側に直接触れないため、毛羽立ちや汚れを防ぎ、リセールバリューの維持にもつながります。
さらに、トランクの開口部(バンパーの上部)に傷がつくのを防ぐ「リアバンパーステップガード」の装着も検討してください。 バッグを積み下ろしする際、どうしても重いバッグの底がバンパーに当たってしまうことがありますが、金属製や樹脂製のガードがあれば安心です。
ライバル車(ヤリス・ノート)との詳細積載比較
新型アクアを検討する際、必ず候補に上がるのがトヨタ「ヤリス」と日産「ノート」でしょう。 これらと比較した際のアクアの積載性は以下の通りです。
| 車種 | 特徴 | ゴルフバッグ積載性 |
|---|---|---|
| 新型アクア | ホイールベースが長い | 奥行きがあり、3個積みが比較的安定する |
| ヤリス | リアオーバーハングが短い | 荷室が狭く、ゴルフバッグ積載はかなり厳しい |
| ノート | e-POWERのバッテリー配置 | 荷室の深さはあるが、アクアほどの奥行き感はない |
ヤリスはデザイン重視で後部座席と荷室が非常にタイトなため、ゴルフ用としてはアクアに軍配が上がります。 ノートも健闘していますが、トータルの使い勝手とシートアレンジのしやすさでは、アクアの方が一歩リードしている印象です。 特にアクアは「非常時給電システム」を全車標準装備しているため、ゴルフ場での待ち時間や災害時にも役立つという付加価値があります。
長尺物の積み込み方法と傷防止の注意点
最近のドライバーは長尺化が進んでおり、45.75インチや46インチが標準となっています。 これにヘッドカバーをつけた状態だと、バッグの全長は1,300mmを超えます。
新型アクアの荷室長(後席倒し時)には余裕がありますが、斜めに積む際に「Cピラー(後ろの柱)」付近の内張りをガリッと削ってしまうことがよくあります。 これを防ぐためには、バッグを積み込む前に、あらかじめ内張りに養生テープを貼るか、厚手のタオルでバッグのヘッド部分を包むのが鉄則です。 また、どうしても入りきらない場合は、ドライバーだけ抜いてバッグの横に添えるという裏技もあります。 手間はかかりますが、愛車を傷つけないためには有効な手段です。
リアシートの分割可倒機能を活かすプロの技
新型アクアのリアシートは、多くのグレードで「6:4分割」が採用されています。 この分割比率が絶妙で、「6」側を倒せば長尺物(ゴルフバッグ)を載せつつ、「4」側に人が座るという運用が可能です。
ここで一つテクニック。 ゴルフバッグを積む際は、後席のヘッドレストを外しておくと、よりフラットな面が作れ、バッグの安定感が増します。 外したヘッドレストは、バッグの隙間に挟んでおけばクッション代わりにもなります。 こうした細かい配慮が、道中の快適性を大きく左右します。
また、荷室のアンダーボックス(デッキボード下の収納)も活用してください。 ここには予備のボールやシューズケースなど、汚れやすい小物を収納しておくのに最適です。
キャディバッグを傷つけないためのパッキング術
高級なキャディバッグを使っている場合、車内での擦れは気になるところです。 特にバッグ同士を重ねて積む際は、摩擦でエナメルが剥げたり、刺繍がほつれたりすることがあります。
これを防ぐには、バッグ一つひとつに「アイアンカバー」をかけることが重要です。 アイアンのヘッド同士がぶつかる音も抑えられますし、何よりバッグの口枠付近へのダメージを最小限に抑えられます。 また、バッグを積み重ねる際は、間に薄手の毛布やバスタオルを挟むだけでも効果は絶大です。 プロのツアーバンでも行われているこの手法は、一般のゴルファーも積極的に取り入れるべきでしょう。
遠征ゴルフでの宿泊荷物と配置のコツ
1泊2日のゴルフ旅行など、宿泊が伴う場合は荷物がさらに増えます。 3名乗車の場合、新型アクアのキャパシティはまさに「満員御礼」状態になります。
コツは、ボストンバッグの代わりに「ソフトタイプのボストン」や「トートバッグ」を活用することです。 ハードなキャリーケースは形が変わらないため、隙間に押し込むことができませんが、ソフトバッグならゴルフバッグの上や隙間のデッドスペースに柔軟に配置できます。 また、シューズはバッグの中に収納できるタイプのものを選ぶか、メッシュのシューズ袋に入れて、シートの下などのデッドスペースを活用するのも良いでしょう。
購入前に確認すべき実車チェックポイントとディーラー交渉術
この記事を読んで「よし、アクアにしよう」と思ったあなた、最後に必ずディーラーで「自分のバッグ」を持って行って確認してください。 スペック上の数字と、実際の感覚には必ず差があります。
特に確認すべき点は以下の3つです。
- バックドアの閉まり具合: バッグを3個積んだ状態で、内張りに干渉せずスムーズに閉まるか。
- 後方視界の確保: バッグを積み上げた際、ルームミラーから後ろがどの程度見えるか。もし不安なら「デジタルインナーミラー」のオプション装着を強くおすすめします。
- デッキボードの有無: Zグレードなどに標準の「アジャスタブルデッキボード」がある場合、上段と下段で積載性が劇的に変わります。
ディーラーの営業担当者に「ゴルフバッグを載せてみたい」と伝えれば、快く応じてくれるはずです。 その際、実際の積み下ろしのしやすさ(開口部の地上高など)もチェックしておくと、腰への負担などもイメージしやすくなります。
まとめ
新型アクアは、そのコンパクトな見た目からは想像できないほどの高い実用性を秘めています。 ゴルフバッグの積載についても、2名乗車なら余裕、3名乗車でも工夫次第で十分に対応可能です。 「燃費が良いからアクアにしたい、でもゴルフに行けるか不安」という悩みは、この記事で解説した積載パターンをマスターすれば、もはや悩みではなくなるはずです。
引用 : トヨタHP
低重心なTNGAプラットフォームによる安定した走りは、ゴルフ帰りの疲れた体にも優しく、ハイブリッドシステムの恩恵による圧倒的な低燃費は、遠くのゴルフ場へのハードルを下げてくれます。 新型アクアという賢い選択で、あなたのゴルフライフがより軽快で豊かなものになることを願っています。
筆者情報
二階堂 仁 (Jin Nikaido) モータージャーナリスト兼コラムニストとして活動。慶應義塾大学卒業後、国内大手自動車メーカーに就職し、車両パッケージングや走行性能の開発に携わる。その後、幼少期からの憧れであった出版業界へ転身。現場仕込みの鋭い視点と、ユーザーに寄り添ったリアルな評価に定評がある。現在は独立し、数多くのメディアで執筆中。愛車はレクサスLFA、日産スカイラインGT-R(R34)、そして日常の足として新型アクアを愛用。年間30回以上コースを回る熱狂的なゴルファーでもある。

