モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、新型RAV4を残価設定ローン(残クレ)で購入することを検討しつつも、支払いが滞って手放すことにならないか不安を感じているのではないでしょうか。 私も実際に様々な車種で残クレを利用し、メリットとリスクの両面を経験してきたので、その気になる気持ちはよくわかります。

引用 : メーカーHP
この記事を読み終える頃には、RAV4を残クレで購入する際の適正な年収や維持費、そして失敗しないためのポイントが明確に解決しているはずです。
- 残クレでの新型RAV4購入における月々の支払額と返済プランの現実
- アルファード同様に返済破綻で手放す人に共通する資金計画の甘さ
- RAV4各グレード別の維持費とライフスタイルに合わせた必要年収
- 残価設定ローンの仕組みを逆手に取った賢い乗り換えとリスク回避術
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残クレで新型RAV4を手放す人の特徴
新型RAV4は非常にリセールバリューが高い車種ですが、それでも一定数、支払いが苦しくなり手放してしまう人がいます。 これはアルファードなどの高級車でも見られる現象ですが、RAV4ならではの要因も存在します。 まずは、どのような人が陥りやすいのか、その特徴を深掘りしていきましょう。
引用 : メーカーHP
手放す人の特徴:身の丈に合わないグレード選択
RAV4にはガソリン車、ハイブリッド車、そしてプラグインハイブリッド(PHEV)の3つのパワートレインがあります。 最も安価なガソリンモデルとPHEVでは、車両本体価格だけで200万円以上の差があります。
「残クレなら月々の支払いが抑えられるから」と、本来の予算を超えた上位グレードやフルオプション車両を選択してしまう人が後を絶ちません。 月々の支払額だけを見て、ボーナス払いの重みや、最終回の残価に対するプレッシャーを軽視してしまうのが典型的な失敗パターンです。
手放す人の特徴:走行距離制限の超過と減価リスク
残クレには必ず「走行距離制限」が設けられています。 一般的には月間1,000kmや1,500kmといった制限がありますが、RAV4のようなSUVはレジャーでの利用が多くなりがちです。
キャンプやスノーボード、長距離ドライブを頻繁に楽しむユーザーにとって、距離制限は大きな足かせとなります。 「少しぐらい大丈夫だろう」と走り込み、最終的な査定時に多額の追い金が発生することを知り、返却や乗り換えを断念して手放す決断をするケースが見られます。
距離超過による精算金の目安
| 超過距離 | 一般的な精算金(目安) |
|---|---|
| 1,000km未満 | 0円〜1万円 |
| 5,000km | 5万円〜10万円 |
| 10,000km | 10万円〜20万円 |
※メーカーや契約条件により異なりますが、1kmあたり10円〜20円程度のペナルティが課されるのが一般的です。
手放す人の特徴:ライフイベントの変化を予測していない
残クレの期間は3年〜5年が一般的です。 この期間中に、結婚、出産、住宅購入、転職といった大きなライフイベントが重なることは珍しくありません。
購入当初は独身で余裕があったとしても、家族が増えてミニバンへの乗り換えが必要になったり、住宅ローンの審査のために借入を整理しなければならなくなったりすることがあります。 残クレは実質的に「数年後の自分への借金」であるため、将来の支出増加を考慮していない人は、生活の維持が困難になり車を手放すことになります。
手放す人の特徴:メンテナンス費用の蓄えがない
「新車だから故障しない」というのは事実ですが、SUV特有の消耗品コストを忘れてはいけません。 RAV4はタイヤサイズが大きく、交換費用は1回で10万円を超えることもあります。
また、ハイブリッド車やPHEVの場合、特定の点検項目や専用油脂類が必要になることもあります。 車検費用や自動車税、保険料の更新タイミングで「一括での支払いが苦しい」と感じ、それがきっかけでローンの継続を諦めるケースも多いのです。
新型RAV4の残クレ購入に必要な年収の目安
次に、多くのユーザーが最も気にする「年収」について解説します。 RAV4を所有するために、どれくらいの稼ぎがあれば「破綻」せずに済むのでしょうか。
引用 : メーカーHP
必要年収の算出:返済比率からのアプローチ
一般的に、自動車ローンの年間返済額は年収の25%〜30%以内が健全と言われています。 しかし、これは住宅ローンなど他の借入がない場合の話です。 実際には、可処分所得を圧迫しないよう、15%〜20%程度に抑えるのがジャーナリストとしての私の推奨です。
グレード別の必要年収シミュレーション(残クレ5年・頭金なし)
| グレード | 車両本体価格 | 月々の支払(目安) | 推奨年収 |
|---|---|---|---|
| X (ガソリン) | 約290万円 | 約3.5万円 | 400万円以上 |
| Adventure (ガソリン) | 約370万円 | 約4.5万円 | 500万円以上 |
| Hybrid G | 約430万円 | 約5.5万円 | 600万円以上 |
| PHEV | 約560万円 | 約7.5万円 | 800万円以上 |
※金利3.9%、ボーナス払いなしの概算です。
年収400万円以下でのRAV4所有は可能か
結論から言えば、不可能ではありませんが「生活の優先順位」を大幅に車へ寄せる必要があります。 年収400万円の場合、手取りは月額20万円〜25万円程度です。 ここから3.5万円のローン、さらに後述する維持費(3万円〜4万円)を支払うと、残るのは13万円〜17万円。 家賃や食費を考えると、かなりタイトな生活になります。
独身と既婚で異なるハードル
独身であれば、趣味に全振りしてRAV4を楽しむことは十分可能です。 しかし、扶養家族がいる場合、年収400万円でRAV4を維持するのはリスクが非常に高いと言わざるを得ません。 その場合は、中古車や、より安価なカローラクロスなどへ視点を移す方が賢明な判断となるでしょう。
残クレの「審査」を通るための年収ライン
トヨタのディーラー系ファイナンスの場合、審査基準は比較的柔軟ですが、年収200万円台だと連帯保証人を求められるケースが増えます。 安定して審査を通過し、かつ支払いに余裕を持てるのは、やはり年収450万円〜500万円の層です。 このクラスになると、RAV4の中でも人気の「Adventure」グレードを無理なく検討できるようになります。
新型RAV4の維持費を徹底解説
車は「買った後の支出」が本番です。 RAV4はミドルサイズSUVであり、軽自動車やコンパクトカーからの乗り換え組が最も驚くのが維持費の差です。
引用 : メーカーHP
維持費の内訳:税金と保険
まず、避けて通れないのが固定費です。 RAV4の排気量は、ガソリン車・ハイブリッド車ともに2.0L〜2.5Lクラスに該当します。
- 自動車税:36,000円〜43,500円(年1回)
- 重量税:新車購入時は免税または減税措置がある場合が多いですが、継続車検時は数万円単位で発生します。
- 任意保険:車両保険を付帯すると、年齢にもよりますが年間8万円〜15万円程度は見ておくべきです。特に残クレの場合、万が一の全損時にローンを清算するためにも、車両保険への加入は「必須」と言えます。
維持費の内訳:燃料代と走行コスト
RAV4の燃費性能はパワートレインによって大きく異なります。 WLTCモード燃費を参考に、月間1,000km走行した場合のガソリン代(レギュラー170円/L想定)を比較してみましょう。
| パワートレイン | WLTC燃費 | 月間ガソリン代 |
|---|---|---|
| ガソリン(2.0L) | 15.2km/L | 約11,180円 |
| ハイブリッド(2.5L) | 20.6km/L | 約8,250円 |
| PHEV | (ハイブリッド走行時)22.2km/L | 約7,650円 |
ガソリン車とハイブリッド車では、月々約3,000円、年間で3.6万円の差が出ます。 走行距離が多ければ多いほど、ハイブリッドの恩恵は大きくなります。
維持費の内訳:消耗品とSUV特有のコスト
RAV4に乗るなら覚悟しておかなければならないのがタイヤ代です。 Adventureグレードなどは19インチの大型タイヤを装着しています。 有名ブランドのタイヤを新調する場合、工賃込みで12万円〜18万円ほどの出費になります。 3年〜4年に1回とはいえ、この金額を月々の積立なしで捻出するのは大変です。
また、4WDシステム(ダイナミックトルクベクタリングAWDなど)のオイル交換など、SUV特有のメンテナンスもディーラー推奨の頻度で行うと、数千円〜1万円程度の加算があります。
月間の合計維持費シミュレーション
結局、月々いくら用意すればいいのか。 平均的なユーザー(30代、車両保険あり、月1,000km走行)の場合を想定します。
維持費の内訳(月換算)
- 燃料代:10,000円
- 任意保険:10,000円
- 自動車税(積立):3,500円
- 車検・メンテナンス(積立):5,000円
- 駐車場代:10,000円(地域差あり)
- 合計:約38,500円
これにローンの支払額(例:40,000円)を加えると、月間約8万円弱が車関連で消えていく計算になります。 これを高いと感じるか、妥当と感じるかが運命の分かれ道です。
新型RAV4を残クレで購入するメリット・デメリット
残クレを「借金」と嫌う人もいますが、現代の車の買い方としては非常に合理的です。 ジャーナリストの視点から、RAV4におけるメリットとデメリットを整理します。
メリット:高い残価設定による月額負担の軽減
RAV4は世界的に人気のあるSUVであり、トヨタ車の中でも残価率が非常に高いのが特徴です。 5年後の残価率が40%〜50%に設定されることも珍しくありません。
これは、「車両価格の半分を5年間で払えばいい」ということを意味します。 現金一括で買う余裕があっても、あえて低金利キャンペーンの残クレを利用し、浮いた現金を運用に回す賢いオーナーも存在します。
メリット:ライフスタイルに合わせた「出口」の選択
3年後や5年後に、以下の3つから選択できる柔軟性があります。
- 新しい車に乗り換える(RAV4を下取りに出し、残債を相殺)
- 車を返却して終了する
- 残価を支払って(または再ローンして)買い取る
RAV4の場合、市場価値が設定残価を上回ることが多いため、1のケースで「お釣り」が出て、それを次の車の頭金に充てられるパターンが多いのが最大の魅力です。
デメリット:金利負担が総額を押し上げる
残クレは「据え置いた残価」に対しても金利がかかります。 通常のローンよりも借入元金が減るスピードが遅いため、最終的に支払う金利の総額は大きくなりがちです。 3.9%や4.9%といった金利でフルローンを組むと、5年間で数十万円の金利を支払うことになります。
デメリット:傷や凹み、事故に対するシビアさ
自分の所有物ではない(所有権はディーラーやクレジット会社にある)ため、傷や事故には非常に神経を使います。 大きな事故で修復歴がつくと、返却時に多額の追い金が発生し、当初の計画が完全に崩れます。 「オフロードを楽しみたい」という目的でRAV4を買う場合、枝による擦り傷や下回りの打ち付けは残価減少の要因になるため、残クレとの相性は実はあまり良くありません。
失敗しないための新型RAV4購入戦略
ここまでの情報を踏まえ、後悔しないための具体的なアクションプランを提案します。
戦略1:頭金を100万円以上用意する
「頭金なし」でも買えるのが残クレの魅力ですが、あえて頭金を入れることで月々の支払いを劇的に楽にできます。 また、借入総額を減らすことで金利負担も抑えられます。 初期費用として100万円ほど用意できれば、月々の支払いは2万円台に抑えることも可能になり、生活の余裕が生まれます。
戦略2:人気カラーとオプションを厳選する
残クレ後の「乗り換え」を有利にするためには、リセールバリューに徹底的にこだわるべきです。
- カラー:ホワイトパールクリスタルシャイン、ブラック
- オプション:パノラミックビューモニター、デジタルインナーミラー、パワーバックドア
これらは査定時にプラス評価になりやすく、設定残価以上の価値を生む可能性を高めてくれます。
戦略3:任意保険の特約を活用する
万が一の事故で全損になった際、残クレの残債を全てカバーできる「車両全損時諸費用特約」や「新車買替補償特約」には必ず加入しておきましょう。 車を失った上にローンだけが残るという最悪の事態を避けるため、保険代をケチることは厳禁です。
RAV4の競合車種との比較から見る独自性
RAV4を検討しているなら、ハリアーやエクストレイル、CX-5といったライバル車との比較も重要です。
ハリアーとの比較
同じプラットフォームを使うハリアーですが、リセールバリューはハリアーの方が若干安定して高い傾向にあります。 しかし、RAV4の「タフで道具感のあるデザイン」はハリアーにはない魅力です。 ラグジュアリーさを求めるならハリアー、遊びの相棒を求めるならRAV4という明確な使い分けができます。
エクストレイルとの比較
日産のエクストレイル(T33型)はe-POWERによる滑らかな走行が魅力ですが、残価設定ローンの設定残価率では、依然としてトヨタのRAV4に軍配が上がることが多いです。 つまり、月々の支払額を抑えるという目的においては、RAV4の方が有利に働くケースが目立ちます。
まとめ
新型RAV4を残クレで購入し、最終的に手放してしまう人の多くは、「月々の支払額」という一点のみに注目し、維持費やライフスタイルの変化、そして走行距離制限といったリスクを軽視しています。
RAV4は素晴らしい車です。 特にそのタフな外見とは裏腹に、最新のハイブリッドシステムや安全装備は、家族とのドライブを最高に快適なものにしてくれます。 しかし、その豊かさを享受するためには、冷静な資金計画が不可欠です。
- 年収は最低でも450万円、できれば600万円以上あることが望ましい。
- 月々のローン以外に、維持費として約4万円を見込んでおく。
- 残価設定ローンの仕組みを理解し、出口戦略(乗り換えか返却か)を最初から描いておく。
これらを意識すれば、あなたは「手放す人」ではなく、RAV4と共に人生を豊かにする「楽しむ人」になれるはずです。
筆者情報
二階堂 仁(にかいどう じん) モータージャーナリスト兼コラムニストとして活動。慶應義塾大学卒業後、大手自動車会社に就職。車両開発の最前線でサスペンションやシャシーのセッティングに携わり、その後出版業界へ転身。現場での開発経験を活かした「数値と感覚の融合」を信条とするレビューに定評がある。現在は独立し、YouTubeや雑誌、WEBメディアでの執筆の傍ら、多くの車購入相談に乗っている。愛車はレクサスLFA、日産GTR R34、そして最新のRAV4 PHEVを含む数台を所有。

