モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、メルセデス・ベンツGLBの購入を検討しており、実際にかかる総額や維持費が気になっていると思います。私も実際にGLB 200 d 4MATICを所有し、日々の足として、また長距離取材の相棒として使い倒しているので、皆さんが抱く「輸入車維持への不安」や「グレード選びの迷い」は手に取るようにわかります。
引用 : メーカーHP
この記事を読み終える頃には、GLBの各グレード別乗り出し価格から、数年先の車検費用、そして日々のガソリン代に至るまで、具体的な数字がすべてクリアになっているはずです。
- グレード別車両本体価格と諸費用を含めたリアルな乗り出し価格
- 残価設定ローンと通常ローン利用時の月々支払額シミュレーション
- 燃料代やタイヤ代など所有後に発生する年間維持費の徹底解剖
- 3年目から11年目までディーラー車検にかかる具体的な費用目安
車買い替えのご検討中の方へ
新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
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メルセデス・ベンツGLBのグレード展開と乗り出し価格のリアル
メルセデス・ベンツのSUVラインナップの中で、最も「ちょうどいい」サイズ感と3列シートの利便性を両立しているのがGLBです。 2020年の日本上陸以来、爆発的な人気を博し、現在では中古車市場でも高い残価率を誇る一台となっています。 しかし、いざ新車で購入しようとすると、車両本体価格に加えてオプション代や諸費用が重なり、最終的な「乗り出し価格」が見えにくいのが輸入車の特徴でもあります。
引用 : メーカーHP
現在、日本で展開されている主なグレードは以下の通りです。
- GLB 180:1.4L ガソリンターボエンジン(マイルドハイブリッド搭載)
- GLB 200 d 4MATIC:2.0L ディーゼルターボエンジン + 四輪駆動
- Mercedes-AMG GLB 35 4MATIC:高出力2.0L ガソリンターボ + AMG専用装備
ここでは、各グレードの最新価格(2025年モデル想定)と、一般的に選択されるオプションを盛り込んだ乗り出し価格を算出します。
GLB 180の乗り出し価格目安
GLB 180は、FF(前輪駆動)レイアウトを採用し、軽快な走りとコストパフォーマンスを重視したモデルです。 1.4Lエンジンとはいえ、最新のマイルドハイブリッドシステムにより、街乗りでは十分なトルクを感じさせてくれます。
| 項目 | 金額(税込) |
|---|---|
| 車両本体価格 | 6,440,000円 |
| AMGラインパッケージ | 500,000円 |
| アドバンスドパッケージ | 350,000円 |
| 諸費用(税金・登録代行等) | 約300,000円 |
| 合計乗り出し価格 | 約7,590,000円 |
※諸費用には、自動車税種別割、重量税(エコカー減税適用前)、自賠責保険、リサイクル料金などが含まれます。
GLB 200 d 4MATICの乗り出し価格目安
日本市場で最も売れているのが、この「200 d」です。 強力なトルクを持つクリーンディーゼルと、安心の四輪駆動「4MATIC」の組み合わせは、家族旅行やアウトドアに最適です。 私もこのグレードを所有していますが、高速道路での安定感と燃費の良さは群を抜いています。
| 項目 | 金額(税込) |
|---|---|
| 車両本体価格 | 6,970,000円 |
| AMGラインパッケージ | 500,000円 |
| アドバンスドパッケージ | 350,000円 |
| メタリックペイント | 100,000円 |
| 諸費用(重量税減税込み) | 約250,000円 |
| 合計乗り出し価格 | 約8,170,000円 |
ディーラー車の場合、クリーンディーゼル車は重量税の免税や減税対象となるため、ガソリン車よりも諸費用が安く抑えられるメリットがあります。
AMG GLB 35 4MATICの乗り出し価格目安
走りに妥協したくない方への選択肢が、この AMGモデルです。 300馬力を超えるパワーと専用の足回りは、もはやSUVの域を超えたスポーツ走行を可能にします。
| 項目 | 金額(税込) |
|---|---|
| 車両本体価格 | 9,000,000円 |
| AMGアドバンスドパッケージ | 450,000円 |
| 諸費用 | 約400,000円 |
| 合計乗り出し価格 | 約9,850,000円 |
AMGモデルは、標準で多くの装備が付帯しているものの、やはり乗り出しでは1,000万円近い予算が必要となります。
残クレ(残価設定型ローン)と通常ローンのシミュレーション比較
メルセデス・ベンツを購入する方の多くが利用するのが「ウェルカムプラン(残価設定型ローン)」です。 数年後の下取り価格をあらかじめ車両価格から差し引くことで、月々の支払いを大幅に抑えることができます。
引用 : メーカーHP
GLB 200 d 4MATIC(乗り出し817万円)でのシミュレーション
ここでは、頭金を200万円入れ、ボーナス払いなしで5年間(60回払い)利用した場合の目安を算出します。
残価設定型ローン(ウェルカムプラン)の場合
- 金利:2.9%(キャンペーン時想定)
- 据置額(5年後の残価):約35%(約244万円)
| 支払い項目 | 金額(目安) |
|---|---|
| 頭金 | 2,000,000円 |
| ローン元金 | 6,170,000円 |
| 月々支払額 | 約75,000円 |
| 最終回(据置額) | 約2,440,000円 |
残価設定を利用すれば、800万円オーバーの車両でも月々7万円台で維持することが可能です。 ただし、最終回には「返却」「乗り換え」「買い取り(再ローン)」の選択を迫られる点に注意が必要です。
通常ローン(均等払い)の場合
- 金利:3.5%
- 期間:5年(60回)
| 支払い項目 | 金額(目安) |
|---|---|
| 頭金 | 2,000,000円 |
| ローン元金 | 6,170,000円 |
| 月々支払額 | 約112,000円 |
通常ローンの場合、月々の支払いは11万円を超えます。 しかし、支払いが終われば車両は完全に自分のものとなり、残価を気にする必要がありません。 長く乗り続ける予定であれば、金利手数料の総額を比較してこちらを選ぶ方も多いです。
グレード別・月々支払額のクイック比較(頭金なし・5年残クレ)
「頭金を用意せず、今の貯金を残したまま乗り出したい」というニーズも多いでしょう。 その場合のシミュレーションは以下の通りです。
| グレード | 乗り出し総額 | 月々支払額(頭金0) |
|---|---|---|
| GLB 180 | 7,590,000円 | 約105,000円 |
| GLB 200 d | 8,170,000円 | 約113,000円 |
| AMG 35 | 9,850,000円 | 約138,000円 |
輸入車のローン金利は時期によって大きく変動します。 「0.1%特別金利」などのキャンペーンを狙うことで、月々の支払額を数千円単位で減らすことができるため、ディーラーとの交渉時期も重要です。
GLBの年間維持費を徹底解剖!燃料代・税金・保険料の目安
乗り出し価格と同じくらい気になるのが、維持費ではないでしょうか。 「ベンツは維持が大変」というイメージを持たれがちですが、現行のGLBは非常に効率的な設計がなされています。 私が実際に支払っている金額ベースで、年間のランニングコストを算出します。
引用 : メーカーHP
ガソリン代・燃料代の比較
GLB 180(ガソリン)と200 d(ディーゼル)では、燃料の種類だけでなく燃費も大きく異なります。 年間走行距離を10,000kmと仮定し、現在の燃料価格(ハイオク180円/L、軽油150円/L)で計算します。
| 項目 | GLB 180 (ガソリン) | GLB 200 d (ディーゼル) |
|---|---|---|
| 油種 | ハイオク | 軽油 |
| 実燃費(目安) | 約11km/L | 約15km/L |
| 年間燃料代 | 約163,600円 | 約100,000円 |
| 月額換算 | 約13,600円 | 約8,300円 |
さらに、ディーゼルモデル(200 d)には「AdBlue(アドブルー)」という尿素水の補充が必要です。 10,000km走行ごとに約10L(数千円程度)の補充が必要ですが、それを加味してもディーゼルの経済性は圧倒的です。
タイヤ代と交換費用の罠
GLBの多くのグレードには「AMGライン」が装着されています。 これを選択するとホイールサイズが19インチ(または20インチ)となり、タイヤ交換時の出費が跳ね上がります。
- 18インチ(標準): 4本で約12万〜16万円
- 19インチ(AMGライン): 4本で約18万〜24万円
- 20インチ(AMG 35等): 4本で約25万円〜
輸入車の純正指定タイヤは「MO(メルセデス承認タイヤ)」と呼ばれるもので、耐久性と静粛性に優れています。 走行距離によりますが、3年〜4年に一度はこの金額が発生することを覚悟しておくべきでしょう。
任意保険料の相場
メルセデス・ベンツは安全装備が充実しているため、料率クラスが極端に高いわけではありません。 しかし、車両価格が高いため「車両保険」は必須です。
- 30代・ゴールド免許・20等級の場合:年間 約10万〜15万円
- 20代・新規契約・車両保険ありの場合:年間 約20万〜30万円
最新のGLBは先進安全機能「インテリジェントドライブ」が搭載されているため、自動ブレーキ割引などの適用で、少しでも安く抑えることが可能です。
ディーラー車検の費用相場|3年目から11年目までの推移
メルセデス・ベンツには「メルセデス・ケア」という、新車購入から3年間(または6万km)のメンテナンスと保証が無料で付帯する制度があります。 そのため、最初の車検までは大きな出費がありません。問題は、その後の延長保証や経年変化による部品交換です。
引用 : メーカーHP
3年目(初回車検):新車保証の恩恵
初回車検は「メルセデス・ケア」の期間内、あるいは終了直後に行われます。 このタイミングで「メンテナンス プラス(2年間のメンテナンス延長プログラム)」に加入するのが一般的です。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 法定費用(重量税・自賠責等) | 約4万〜6万円 |
| 車検整備工賃 | 約5万〜8万円 |
| 部品交換代(油脂類など) | メンテナンスプラスでカバー(0円) |
| 合計 | 約10万〜15万円 |
この時点では故障も少なく、消耗品の交換も最低限で済むため、国産車とそれほど変わらない金額で収まります。
5年目(2回目車検):消耗品交換の始まり
保証が完全に切れる時期であり、バッテリーやブレーキパッド、ワイパーブレードなどの交換が必要になるケースが増えます。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 法定費用 | 約4万〜6万円 |
| 車検整備工賃 | 約7万〜10万円 |
| 消耗品交換(バッテリー・パッド等) | 約10万〜15万円 |
| 合計 | 約25万〜35万円 |
特にAGMバッテリー(高性能バッテリー)の交換だけで5万〜8万円かかるため、一気に見積もりが高くなります。
7年目〜9年目:重整備の可能性
この走行距離(5万km〜8万km)になると、サスペンションのブッシュ類、ウォーターポンプ、あるいはセンサー類の不具合が出てくる可能性があります。
- 7年目車検目安:30万〜45万円
- 9年目車検目安:35万〜50万円以上
ディーラーで「予防整備(壊れる前に替える)」を徹底すると、50万円を超える見積もりが出ることも珍しくありません。 長く乗る場合は、信頼できる輸入車専門の整備工場(一般工場)を見つけておくと、工賃を抑えることができます。
11年目:大きな分岐点
10年を超えると、ゴム類や樹脂パーツの劣化が顕著になります。 メルセデスのエンジン自体は10万km、20万kmと耐えられる設計ですが、周辺パーツの交換にまとまった費用が必要です。
- 11年目車検目安:50万円〜
このタイミングで乗り換えるか、あるいはしっかり直して愛着を持って乗り続けるか、オーナーとしての判断が分かれる時期です。
メルセデス・ベンツGLBを所有するということの満足度
ここまでは具体的な「お金」の話をしてきましたが、車は数字だけで語れるものではありません。 私がGLBを所有して最も感じるのは、その「安心感」と「ブランドがもたらす心の余裕」です。
優れた安全性と運転支援システム
GLBには、Sクラス譲りの運転支援システムが惜しみなく投入されています。 長距離の高速道路走行では、車間距離の維持からステアリングアシストまで、車が完璧にサポートしてくれます。 「疲れない」ということは、家族との時間をより楽しく過ごせるということに直結します。
三列目シートの「お守り」的価値
普段は三列目を使わなくても、いざという時に「あと2人乗れる」という安心感は、他の5人乗りSUVでは得られない魅力です。 お子様の友人を急に乗せることになった際や、親戚との食事など、GLBのパッケージングには何度も助けられました。
資産価値(リセールバリュー)の高さ
GLB、特にディーゼルモデルの200 dは、中古車市場での人気が非常に高く、値落ちが緩やかです。 「高い買い物」ではありますが、数年後に手放す際の手残り金額を考えると、実は実質的なコスト(総支払額 – 売却価格)は、手頃な国産ミニバンより安く済むケースすらあります。
まとめ
メルセデス・ベンツGLBの購入にあたっては、以下の3点を意識することが大切です。
- グレード選び: 街乗り中心なら「180」、長距離や多人数乗車が多いなら「200 d」、刺激が欲しいなら「AMG 35」。
- 支払い計画: 残クレを賢く使い、月々の負担と数年後の出口戦略(乗り換えか買い取りか)をセットで考える。
- 維持費の確保: 3年目までは無料だが、5年目以降の車検・メンテナンスには年間20万〜30万円程度の「ベンツ貯金」を持っておく。
GLBは、その武骨な外観とは裏腹に、極めて合理的で家族思いな一台です。 この記事で紹介した数字を参考に、ぜひ最高のメルセデスライフへの一歩を踏み出してください。
筆者情報
二階堂 仁(にかいどう ひとし) モータージャーナリスト兼コラムニスト。慶應義塾大学卒業後、大手自動車メーカーにて新型車の車両開発・企画に携わる。その後、幼少期からの憧れであった出版業界へ転身し、現在は独立。現場での開発経験を活かした「ユーザー目線かつ理論的な車両評価」に定評がある。 現在のガレージには、開発のベンチマークとしても名高い「レクサスLFA」や「日産 スカイラインGT-R R34」、そして日常の足として愛用する「メルセデス・ベンツGLB 200 d 4MATIC」など、国内外の名車が並ぶ。趣味はサーキット走行と、愛車でのキャンプ。

