モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、レクサスのフラッグシップSUVである「LX」の購入を真剣に検討されているのだと思います。 私も実際にLX600を所有し、日々の足として、時には長距離のグランドツーリングの相棒として愛用していますが、購入前に一番気になるのは「結局、いくら払えば乗れるのか」「維持費で生活が圧迫されないか」という現実的な数字ですよね。 車両価格が2,000万円に迫るクルマですから、その悩みは痛いほどよくわかります。
引用 : メーカーHP
この記事を読み終える頃には、レクサスLXのグレード別乗り出し価格から、ローン・残クレの支払いシミュレーション、そして10年先を見据えた維持費の全貌まで、すべての疑問が解決しているはずです。
- グレード別車両本体価格と諸費用を含めた総支払額の全貌
- 残価設定ローンと通常ローンの月々支払額シミュレーション
- 燃費やハイオクガソリン代、高額なタイヤ代などの年間維持費
- ディーラーでの11年目までの車検費用とメンテナンスサイクル
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レクサスLXの最新グレード構成と車両価格
レクサスLXは、2021年のフルモデルチェンジ以降、圧倒的な人気を誇り一時は受注停止となるほどの反響を呼びました。 2024年後半にはマイナーチェンジが発表され、待望のハイブリッドモデル「LX700h」の追加や、オフロード性能をさらに高めた「OVERTRAIL+」グレードの設定など、ラインナップがさらに強化されています。 まずは、現在ラインナップされている主要グレードの車両本体価格を確認しておきましょう。
引用 : メーカーHP
| グレード | エンジン / 駆動方式 | 乗車定員 | 車両本体価格 (税込) |
|---|---|---|---|
| LX600 | 3.5L V6 ツインターボ / 4WD | 5名/7名 | 14,500,000円 |
| LX600 “OVERTRAIL+” | 3.5L V6 ツインターボ / 4WD | 5名/7名 | 14,900,000円 |
| LX600 “EXECUTIVE” | 3.5L V6 ツインターボ / 4WD | 4名 | 20,000,000円 |
| LX700h (参考) | 3.5L V6 ハイブリッド / 4WD | 5名/7名 | 15,900,000円 |
| LX700h “EXECUTIVE” | 3.5L V6 ハイブリッド / 4WD | 4名 | 21,000,000円 |
乗り出し価格を左右する「諸経費」の内訳
車両本体価格だけを見て予算を組むのは危険です。 LXのような大排気量、高重量のSUVは、税金や諸経費もそれなりの金額になります。 一般的に、LXの乗り出し価格は車両本体価格にプラス「100万円〜150万円」程度を見込む必要があります。
具体的には以下の費用が発生します。 ・環境性能割(取得税に代わるもの):車両価格の約3%(LX600の場合) ・重量税:車両重量2.5トン超のため高額 ・自動車税:3.5Lエンジンのため、月割り分を納付 ・自賠責保険料 ・リサイクル預託金:約2万円 ・登録諸費用、代行手数料:5万〜10万円 ・レクサスオーナーズカード等のサービス料
おすすめオプションと総支払額の目安
レクサスLXは標準装備が非常に充実していますが、それでも多くの方が選ぶメーカーオプションがいくつかあります。 代表的なものは以下の通りです。
・マークレビンソン・リファレンス3Dサラウンドサウンドシステム:約27万円 ・リアシートエンターテインメントシステム(EXECUTIVE以外):約28万円 ・ヒッチメンバー:約10万円 ・有償ボディカラー(マンガンラスター等):16.5万円
これらを考慮した、リアルな「乗り出し価格」の目安をまとめました。
| グレード | 車両本体価格 | オプション+諸費用目安 | 合計乗り出し価格 |
|---|---|---|---|
| LX600 (ベース) | 1,450万円 | 約130万円 | 約1,580万円 |
| LX600 “OVERTRAIL+” | 1,490万円 | 約140万円 | 約1,630万円 |
| LX600 “EXECUTIVE” | 2,000万円 | 約160万円 | 約2,160万円 |
特に最高級のEXECUTIVEの場合、乗り出しで2,000万円を軽く超えてきます。 これは都心のマンションの頭金にも匹敵する金額ですが、その分、所有満足度とリセールバリューは国産車最高峰と言えます。
レクサスLXを「残クレ」で購入する場合の月々支払額
これほど高額な車両を全額キャッシュで購入できる方は限られています。 そこで多くの方が利用するのが、レクサスの「残価設定型プラン(スマートバリューローン)」、いわゆる残クレです。 LXのリセールバリュー(再販価格)は異常なほど高く設定されているため、実は月々の支払額は車両価格から想像するよりも抑えられる傾向にあります。
引用 : メーカーHP
残価設定ローンの仕組みとLXの強み
レクサスLXの3年後の残価率は、市場状況にもよりますが60%〜70%程度という驚異的な数字が設定されることがあります。 つまり、1,500万円の車であっても、3年後に900万円で買い取ることを保証(条件あり)してくれるため、残りの600万円分を分割して支払えば良いという計算になります。
【シミュレーション】3年プラン(36回払い)
以下の条件でシミュレーションしてみましょう。 ・頭金:300万円 ・ボーナス払い:なし ・金利:4.4%(標準的なディーラー金利)
| グレード | 乗り出し価格 | 据置額 (残価) | 月々の支払額 |
|---|---|---|---|
| LX600 (ベース) | 1,580万円 | 約950万円 | 約135,000円 |
| LX600 “OVERTRAIL+” | 1,630万円 | 約1,000万円 | 約142,000円 |
| LX600 “EXECUTIVE” | 2,160万円 | 約1,300万円 | 約185,000円 |
月々13万円〜18万円という金額は決して安くはありませんが、年収1,500万円以上の層であれば十分に現実的な選択肢に入ってきます。
5年プラン(60回払い)の場合
さらに支払期間を延ばすとどうなるでしょうか。 5年後の残価率は40%〜50%程度に下がりますが、分割回数が増えるため月々の負担はさらに軽減されます。
・LX600(ベース):月々 約110,000円 ・LX600 “EXECUTIVE”:月々 約155,000円
残クレの最大のメリットは、数年ごとに最新のLXへ乗り換え続けられることです。 特に故障リスクが高まる5年以降を待たずに乗り換えるスタイルは、レクサスオーナーの間では定番となっています。
レクサスLXを「通常ローン」で購入する場合の月々支払額
残価設定をせず、最終的に自分のものとして完走する「通常ローン(フルローン含む)」でのシミュレーションです。 こちらの場合、据置額がないため、車両価格全額を回数で割ることになり、月々の支払額は跳ね上がります。
引用 : メーカーHP
【シミュレーション】7年(84回)払い・頭金なしの場合
金利を優遇して3.9%と仮定し、フルローンでの現実を見てみましょう。
| グレード | 乗り出し価格 | 月々の支払額 | 年間の総支払額 |
|---|---|---|---|
| LX600 (ベース) | 1,580万円 | 約215,000円 | 約258万円 |
| LX600 “OVERTRAIL+” | 1,630万円 | 約222,000円 | 約266万円 |
| LX600 “EXECUTIVE” | 2,160万円 | 約294,000円 | 約353万円 |
フルローンの場合、EXECUTIVEでは月々約30万円の支払いが必要となります。 これはもはや高級住宅のローン支払額に近いレベルです。 そのため、通常ローンを利用される方は、500万円〜1,000万円程度の頭金を入れるか、法人契約で経費として処理されるケースがほとんどです。
銀行マイカーローンという選択肢
ディーラーローン(4.4%前後)に対して、銀行のマイカーローンは1%〜2%台の低金利が適用されることがあります。 1,500万円以上の借り入れとなると、金利の数パーセントの差が、総支払額で100万円単位の差になって現れます。 手間はかかりますが、通常ローンを検討されるなら銀行への相談は必須と言えます。
レクサスLXの年間維持費:ガソリン代と油種
LXを購入した後、真っ先に直面するのがランニングコストです。 3.5L V6ツインターボエンジンはパワフルですが、それに見合う燃料消費も覚悟しなければなりません。
指定燃料は「ハイオク(プレミアム)」
LX600の指定燃料は無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)です。 レギュラーガソリンを使用することも不可能ではありませんが、エンジンのノッキング防止や本来の出力を発揮するためには、ハイオクの使用が絶対条件です。
実燃費と年間ガソリン代の計算
LX600のカタログ燃費(WLTCモード)は 8.0km/L です。 しかし、都心でのストップ&ゴーが多い環境では 5km/L 前後、高速道路を巡航しても 9km/L 程度が現実的な数字です。
以下の条件で計算してみましょう。 ・年間走行距離:10,000km ・平均実燃費:6.0km/L ・ハイオク単価:185円/L
10,000km ÷ 6.0km/L × 185円 = 約308,300円
月々に直すと、約25,000円〜26,000円がガソリン代として消えていく計算です。 週末だけの利用であればもっと抑えられますが、毎日通勤で使うとなると相応の負担になります。
レクサスLXのタイヤ代:22インチは高額の象徴
LXの足元を支えるタイヤは、グレードによって20インチまたは22インチが採用されています。 特にベースグレードのオプションやEXECUTIVEに標準装備される「265/50R22」という巨大なタイヤは、維持費の中でも大きなウェイトを占めます。
タイヤ交換費用の目安
22インチタイヤは、選べる銘柄が限られており、ディーラーで交換する場合、1本あたりの価格は驚くほど高価です。
・純正指定タイヤ(1本):約8万円〜12万円 ・4本交換時の工賃込み合計:約35万円〜50万円
走行状況にもよりますが、3万km〜4万kmで交換時期を迎えると考えると、3年に一度は50万円近い出費が発生することになります。 20インチであれば1本4万円〜6万円程度に抑えられますが、それでもSUV専用の高荷重対応タイヤが必要なため、一般的な乗用車とは比較にならないコストがかかります。
レクサスLXの自動車税と保険料
毎年来る「自動車税」の負担
LX600の排気量は3,444ccです。 日本の自動車税区分では「3.0L超〜3.5L以下」に該当します。
・自動車税(年額):57,000円 ※2019年10月以降の新車登録のため、減税後の価格です。
毎年5月に支払うこの税金は、維持費としては比較的計算しやすい部分です。
任意保険料:盗難リスクによる高騰
LXを所有する上で、最も神経を使うのが任意保険です。 LXは残念ながら「日本で最も盗まれやすい車」の一つであり、保険会社によっては車両保険の加入を断られたり、非常に高い料率が設定されたりします。
・年間保険料目安:15万円〜30万円 (車両価格が高いことに加え、盗難リスク係数が高いため)
車両保険を「一般条件」でフルにかけることは必須ですが、その分コストは嵩みます。 また、レクサス正規ディーラーで購入する場合、強固なセキュリティシステム(G-Link)が付帯しますが、それでも保険料が劇的に安くなるわけではありません。
ディーラーでの車検費用:11年目までのスケジュール
レクサスには「レクサスケア・メンテナンスプログラム」があり、新車購入から3年間(初回車検前まで)の点検やオイル交換代は車両価格に含まれています。 そのため、最初の3年間の維持費は驚くほど安く済みますが、問題はそれ以降です。
初回車検(3年目):実質負担は少ない
初回車検時は、まだ多くの部品が新しく、メンテナンスプログラムの恩恵も残っているため、諸費用+最低限の整備代で済みます。
・法定費用(重量税、自賠責等):約6万円 ・検査手数料・整備代:約7万〜10万円 ・合計:約13万円〜17万円
2回目車検(5年目):消耗品の交換開始
5年目になると、ブレーキパッドやバッテリー、タイヤなどの高額な消耗品が交換時期を迎えます。
・法定費用:約6万円 ・整備代+部品代(バッテリー、パッド、オイル類):約15万〜25万円 ・合計:約25万円〜35万円 (タイヤ交換が含まれる場合は+40万円)
3回目以降(7年、9年、11年目):重整備の増加
7年目以降は、各部のゴムブッシュ類や電子制御サスペンション(AHC)の点検、場合によっては部品交換が必要になります。 LXは耐久性が非常に高い設計ですが、パーツ代そのものが高価なため、1回の車検で50万円を超えることも珍しくありません。
| 車検時期 | 予想費用目安 (ディーラー) | 主な交換・整備内容 |
|---|---|---|
| 3年目 | 15万円前後 | 基本点検、オイル交換等 |
| 5年目 | 30万円前後 | バッテリー、ブレーキ、ワイパー等 |
| 7年目 | 40万円前後 | 各種油脂類、ベルト類、点検項目増 |
| 9年目 | 50万円前後 | 足回りブッシュ、マウント類、冷却系 |
| 11年目 | 60万円〜 | 大規模整備、予防整備含む |
11年乗り続けると、累計の車検・点検代だけで200万円を超える計算になります。 これがレクサスの「おもてなし」をディーラーで受け続けるためのコストです。
レクサスLXならではの「隠れたコスト」と「安心感」
ここまで数字を並べてきましたが、LXを所有する喜びは、こうしたコストを上回る価値があることも事実です。 特にLXオーナーだけが受けられる特別な体験や、安全に対する投資としての側面も無視できません。
セキュリティ対策費
標準のセキュリティだけでは不安なオーナーは、後付けのセキュリティ(パンテーラやゴルゴなど)を導入します。 これにさらに20万円〜40万円程度の初期投資がかかります。 「盗まれないためのコスト」は、LXオーナーにとっては必要経費と言えるでしょう。
レクサスオーナーズデスクとラウンジ
全国のレクサスディーラーにある「オーナーズラウンジ」の利用、24時間365日のコンシェルジュサービス「オーナーズデスク」。 これらは年会費等の直接的な徴収はありませんが、高い車検代や点検代に含まれているサービスと言えます。 出先でラウンジを利用し、質の高いコーヒーを飲みながら休憩できる体験は、他のブランドではなかなか味わえない特権です。
リセールバリューから逆算する「本当の維持費」
LXの最大の魅力は、その鉄壁とも言えるリセールバリューです。 例えば、2,160万円で購入したLX EXECUTIVEを5年後に売却したとしましょう。 一般的な高級車であれば価値は40%程度(約860万円)まで落ちますが、LXの場合は、状況次第で60%〜70%(約1,300万円〜1,500万円)の価値が残ることも珍しくありません。
・5年間の実質負担 =(購入価格 + 維持費総額)ー 売却価格
この計算式でいくと、実は月々の実質的な持ち出し額は、格下のSUVを乗り潰すのと大差ない、あるいはLXの方がお得になるという逆転現象さえ起こり得ます。 「高いけれど、価値が落ちない」 これがLXが投資的な側面を持つと言われる理由です。
故障リスクと保証の考え方
LX600は最新の電子機器の塊です。 アクティブハイトコントロール(AHC)や最新の安全支援システムなど、修理が必要になった際のパーツ代は非常に高額です。 レクサスには「レクサス延長保証」があり、5年目以降も保証を継続することができます。 維持費を計算する際は、この保証料(数万円)をケチらずに予算に組み込んでおくことを強くお勧めします。 一箇所のセンサー故障で10万円、サスペンション故障で30万円といった出費を未然に防ぐことができます。
まとめ
レクサスLXの購入は、単なる移動手段を手に入れることではなく、最高峰の安全性と、圧倒的な社会的ステータス、そして将来的な資産価値を手に入れることに他なりません。
乗り出し価格は1,500万円から2,200万円。 年間の維持費はガソリン代や税金、保険、メンテナンスを合わせて最低でも100万円以上は見込んでおく必要があります。 しかし、その高い壁を越えた先には、砂漠からホテルの車寄せまで、地球上のあらゆる道を制覇できる喜びが待っています。
もしあなたが「いつかはLX」と考えているのであれば、現在のリセールバリューが強い時期に、残クレを駆使してでもオーナーになる価値は十分にあると言えるでしょう。
H2 まとめ
今回のレビューでは、レクサスLXのグレード別価格から維持費の詳細まで解説してきました。 フラッグシップSUVとしての品格と実力を兼ね備えたLXは、所有するだけで人生のステージを一つ上げてくれるような、そんな魔力を持った一台です。 この記事を参考に、あなたのライフスタイルに最適な一台を選んでいただければ幸いです。
筆者情報
筆者:モータージャーナリスト兼コラムニストとして活動。慶應大学卒業後、大手自動車会社に就職。車両開発に携わり、その後出版業界へ転身。自動車ジャーナリストへの憧れから独立し、現在に至る。愛車はレクサスLFA、日産GTR R34、そして今回紹介したレクサスLX600など。

