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ベントレー

ベントレーを残クレで買ったら破産すると言われる真相|恐るべき月々の支払額

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、ベントレーを残価設定クレジット(残クレ)で購入した場合の具体的な支払額や、「破産する」といった少し過激な噂の真相が気になっているのではないでしょうか。

引用 : ベントレーHP

私自身も複数のベントレーを所有し、購入の際には様々な支払いプランを検討した経験がありますので、そのように情報を集めて慎重になるお気持ちは非常によくわかります。 夢のベントレーライフを実現するためには、現実的な資金計画が不可欠です。

この記事を読み終える頃には、ベントレーを残クレで購入する際の具体的な費用感と、後悔せずに賢く乗りこなすためのポイントについての疑問が、きっと解決しているはずです。

記事のポイント

  • ベントレー残クレ破産のカラクリ
  • 車種別ローン+維持費の衝撃的な月額
  • 見落とし厳禁の年間維持費詳細リスト
  • 賢くベントレーオーナーになるための鉄則
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【シミュレーション】ベントレーを残クレで購入した場合の驚愕の月額費用

「ベントレーを残クレで買うと破産する」という言葉、一度は耳にしたことがあるかもしれません。 これは単なる脅し文句なのでしょうか、それとも真実なのでしょうか。 結論から言えば、計画性のないまま残クレを利用すると、経済的に極めて厳しい状況に陥る可能性は否定できません。

引用 : ベントレーHP

このセクションでは、その真相を解き明かし、具体的なシミュレーションを通して、ベントレーオーナーになるために必要なリアルな月額費用を明らかにしていきます。 夢の実現には、まず現実を直視することが最も重要な第一歩です。

なぜ「ベントレーを残クレで買うと破産する」と言われるのか?3つの真相

多くの人が憧れるベントレーですが、その一方でネガティブな噂が囁かれるのはなぜでしょうか。 そこには、残価設定クレジットという仕組みの特性と、ベントレーという超高級車ならではの事情が複雑に絡み合っています。 ここでは、破産という最悪のシナリオに繋がりかねない3つの大きな要因を、私の経験も交えながら解説します。

真相①:車両価格だけではない「維持費」という見えない巨人

残クレの月々の支払額だけを見て、「これなら払える」と判断するのは非常に危険です。 ベントレーのオーナーになるということは、車両のローンとは別に、もう一台別の高級車を維持するのに匹敵するほどの「維持費」を払い続けることを意味します。

  • 税金:排気量6.0LのW12エンジンモデルなら、自動車税だけで年間110,000円。 4.0LのV8モデルでも65,500円です。
  • 任意保険:車両保険を付ければ、年齢や等級にもよりますが年間50万円~100万円以上になることも珍しくありません。 車両価格が高額なため、保険料も必然的に高騰します。
  • メンテナンス費用:オイル交換一回で5万円~10万円、年次点検では20万円以上、車検時には消耗品の交換が重なれば100万円を超えるケースも覚悟しなければなりません。

これらの維持費は、ローンの支払いとは別に毎月コンスタントに発生します。 月々のローン支払額に加えて、これらの維持費を月割りした金額(例えば年間維持費120万円なら月10万円)が上乗せされることを忘れてはいけません。 この「見えない巨人」の存在を軽視した結果、支払いが立ち行かなくなるケースが後を絶たないのです。

真相②:3〜5年後の悪夢「残価割れ」のリスク

残クレは、数年後の下取り価格(残価)をあらかじめ設定し、それを差し引いた金額を分割で支払う仕組みです。 これにより月々の支払いを抑えられますが、契約終了時に大きな落とし穴が待っていることがあります。 それが「残価割れ」です。

契約時に設定された残価は、あくまでも「保証された価格」ではありません。 契約終了時の車両査定で、走行距離が規定を超えていたり、内外装に傷があったりすると、保証された残価から減額されてしまいます。 その差額は、オーナーが追加で支払わなければなりません。

例えば、残価1,500万円で設定されていても、査定でマイナス100万円と評価されれば、その100万円は自己負担となるのです。 超高級車であるベントレーは、少しの傷や不具合でも査定額に大きく影響します。 「普通に乗っていただけ」のつもりが、予期せぬ出費に繋がるリスクを常に孕んでいるのです。

真相③:最終回の選択肢「再ローン地獄」と「一括返済の壁」

残クレの契約終了時、オーナーには通常3つの選択肢が与えられます。

  1. 車両を返却する
  2. 残価を一括で支払って買い取る
  3. 残価を再度ローンで組んで乗り続ける(再ローン)

1の「返却」を選んだ場合、前述の残価割れがなければ追加の支払いはありませんが、手元に車は残りません。 2の「一括返済」は、例えば1,500万円といった大金を現金で用意する必要があり、多くの人にとって現実的ではありません。

そこで多くのが検討するのが3の「再ローン」ですが、ここに大きな罠があります。 再ローン時の金利は、当初の残クレの金利よりも高く設定されることがほとんどです。 また、支払いが終わっていない車に対してさらにローンを組むため、いわゆる「ローン地獄」に陥りやすくなります。 月々の支払額は乗り始めた当初より楽になるどころか、さらに厳しくなる可能性すらあるのです。 この最終回の選択肢の厳しさが、計画の甘さを露呈させ、経済的な破綻を招く引き金となります。

そもそも残価設定クレジット(残クレ)とは?ベントレーでの利用価値

では、残クレは絶対的に「悪」なのでしょうか。 そんなことはありません。 仕組みを正しく理解し、計画的に利用すれば、ベントレーのような超高価格帯の車を手に入れるための有効な手段となり得ます。 ここでは、残クレの基本的な仕組みと、ベントレーを購入する上でのメリット・デメリットを整理してみましょう。

引用 : ベントレーHP

メリット:月々の支払いを抑え、憧れの車に乗りやすくなる

残クレ最大のメリットは、何と言っても月々の支払額を抑えられる点です。 車両本体価格から残価を差し引いた分だけを支払うため、同じ期間のフルローンに比べて毎月の負担は大幅に軽減されます。

例えば、3,000万円の車を5年(60回)払いのローンで購入する場合と、残価率40%(1,200万円)の残クレで購入する場合を単純計算で比較してみましょう(金利は無視します)。

  • フルローン:3,000万円 ÷ 60回 = 月々50万円
  • 残クレ:(3,000万円 – 1,200万円)÷ 60回 = 月々30万円

このように、月々の負担を大きく下げることができるため、「手が届かない」と思っていた価格帯の車も購入の選択肢に入ってきます。 また、数年ごとに最新モデルに乗り換えたいと考えている人にとっても、契約満了時に車両を返却して新しい残クレ契約を結ぶ、という乗り方がしやすいのが特徴です。

デメリット:金利負担、所有権、各種制限

一方で、デメリットも明確に存在します。

  • 金利の総支払額が多くなる:残クレの金利は、差し引かれているはずの残価部分にもかかります。 つまり、車両本体価格の全額に対して金利が発生するため、同じ金利のフルローンと比較して金利の総支払額は高くなる傾向にあります。
  • 所有権はディーラーや信販会社にある:ローンを完済するまで、車の所有者はディーラーや信販会社です。 そのため、自由に売却したり、過度なカスタマイズをしたりすることはできません。
  • 走行距離制限:契約時に年間の走行距離が定められており(例:年間10,000kmなど)、超過すると契約終了時に追加の精算金が発生します。 日常的に長距離を運転する人には不向きです。
  • 車両の損耗に関する規定:内外装の傷や凹み、事故歴はもちろん、ペットの毛やタバコの臭いなども査定時の減額対象となります。 常に車両を綺麗に保つ気遣いが求められます。

これらのデメリットを理解せず、目先の月々の安さだけで契約してしまうと、後々「こんなはずではなかった」と後悔することになるのです。

【車種別シミュレーション】ベントレーの月々支払額と年間維持費

お待たせしました。 ここからは、ベントレーの主要3モデル(ベンテイガ、コンチネンタルGT、フライングスパー)について、残クレを利用した場合の月々の支払額と、それに上乗せされる年間維持費を具体的な数字でシミュレーションしていきます。 ご自身の経済状況と照らし合わせながら、現実的なイメージを掴んでみてください。

対象モデルの紹介

  • ベンテイガ (Bentayga):ベントレー初のSUV。 圧倒的なラグジュアリーと、あらゆる路面を走破するパフォーマンスを両立したモデル。 ファミリーユースからアクティブな趣味までこなす万能性が魅力です。
  • コンチネンタルGT (Continental GT):ベントレーを象徴する美しきグランドツアラー。 エレガントなクーペスタイルと、W12またはV8エンジンがもたらすパワフルな走りが融合。 二人で楽しむ優雅な長距離ドライブに最適です。
  • フライングスパー (Flying Spur):究極のラグジュアリーセダン。 後席の快適性はショーファードリブン(運転手付きの車)としても一級品でありながら、自らステアリングを握っても楽しめる走行性能を兼ね備えています。

シミュレーションの前提条件

今回のシミュレーションは、より現実に近い数値を算出するため、以下の共通条件を設定します。

  • 支払回数:5年(60回)
  • 金利(実質年率):2.9% (近年のベントレー・ファイナンシャル・サービスの金利を参考)
  • 頭金:車両本体価格の約20%
  • 残価率:5年後の残価を車両本体価格の40%に設定
  • ボーナス払い:なし

※車両本体価格はオプションを含まない基本的な価格です。 実際にはオプション費用が数百万円単位で加算されることが一般的です。 ※維持費はあくまで目安であり、使用状況や地域、加入する保険内容によって大きく変動します。

ベンテイガ V8 の月額トータルコスト(ローン+維持費)

SUVであるベンテイガは、ファミリー層からの人気も高く、リセールバリューが比較的安定しているモデルです。

  • 車両本体価格(目安):2,500万円
  • 頭金(20%):500万円
  • ローン元金:2,000万円
  • 残価(40%):1,000万円
  • 残価を除いた支払対象額:1,000万円

【残クレ月額支払額】 | 項目 | 金額 | 備考 | | :— | :— | :— | | 月々のローン支払額 | 約197,000円 | 金利を含む計算 | | 最終回の支払額 | 10,000,000円 | (残価) |

【年間維持費(目安)と月額換算】 | 項目 | 年間費用 | 月額換算 | 備考 | | :— | :— | :— | :— | | 自動車税 | 65,500円 | 約5,500円 | 4.0L V8 | | 任意保険料 | 600,000円 | 50,000円 | 30歳以上、車両保険あり | | 車検・メンテ費用 | 480,000円 | 40,000円 | 2年で96万と仮定 | | 燃料代 | 360,000円 | 30,000円 | 年1万km、燃費6km/L、ハイオク180円/L | | 駐車場代 | 600,000円 | 50,000円 | 都心部月極 | | 維持費合計 | 2,105,500円 | 約175,500円 | |

【ベンテイガV8の月額トータルコスト】 ローン 約197,000円 + 維持費 約175,500円 = 約372,500円

コンチネンタルGT V8 の月額トータルコスト(ローン+維持費)

ベントレーのアイコンとも言えるコンチネンタルGT。 クーペという特性上、中古車市場での需要はやや限定的になる可能性がありますが、その美しさは唯一無二です。

  • 車両本体価格(目安):3,000万円
  • 頭金(20%):600万円
  • ローン元金:2,400万円
  • 残価(40%):1,200万円
  • 残価を除いた支払対象額:1,200万円

【残クレ月額支払額】 | 項目 | 金額 | 備考 | | :— | :— | :— | | 月々のローン支払額 | 約237,000円 | 金利を含む計算 | | 最終回の支払額 | 12,000,000円 | (残価) |

【年間維持費(目安)と月額換算】 | 項目 | 年間費用 | 月額換算 | 備考 | | :— | :— | :— | :— | | 自動車税 | 65,500円 | 約5,500円 | 4.0L V8 | | 任意保険料 | 720,000円 | 60,000円 | 車両価格が高いため保険料も上昇 | | 車検・メンテ費用 | 540,000円 | 45,000円 | 2年で108万と仮定 | | 燃料代 | 360,000円 | 30,000円 | ベンテイガと同条件 | | 駐車場代 | 600,000円 | 50,000円 | 都心部月極 | | 維持費合計 | 2,285,500円 | 約190,500円 | |

【コンチネンタルGT V8の月額トータルコスト】 ローン 約237,000円 + 維持費 約190,500円 = 約427,500円

フライングスパー V8 の月額トータルコスト(ローン+維持費)

最高級セダンであるフライングスパー。 法人需要も多いですが、個人で所有するには相応の覚悟が必要です。

  • 車両本体価格(目安):2,800万円
  • 頭金(20%):560万円
  • ローン元金:2,240万円
  • 残価(40%):1,120万円
  • 残価を除いた支払対象額:1,120万円

【残クレ月額支払額】 | 項目 | 金額 | 備考 | | :— | :— | :— | | 月々のローン支払額 | 約221,000円 | 金利を含む計算 | | 最終回の支払額 | 11,200,000円 | (残価) |

【年間維持費(目安)と月額換算】 | 項目 | 年間費用 | 月額換算 | 備考 | | :— | :— | :— | :— | | 自動車税 | 65,500円 | 約5,500円 | 4.0L V8 | | 任意保険料 | 660,000円 | 55,000円 | | | 車検・メンテ費用 | 540,000円 | 45,000円 | コンチネンタルGTと同等と仮定 | | 燃料代 | 386,000円 | 約32,000円 | 車重があるため燃費を5.6km/Lと仮定 | | 駐車場代 | 600,000円 | 50,000円 | 都心部月極 | | 維持費合計 | 2,251,500円 | 約187,500円 | |

【フライングスパー V8の月額トータルコスト】 ローン 約221,000円 + 維持費 約187,500円 = 約408,500円

結論:ベントレーオーナーになるために必要な「本当の年収」の目安

シミュレーションの結果、どのモデルを選んだとしても、月々のトータルコストは40万円前後になることがわかりました。 これを年間に換算すると、約480万円もの金額がベントレー1台のために必要になる計算です。

一般的に、無理のないカーローンの目安は年収の10%~20%と言われています。 この基準に当てはめると、ベントレーを維持するためには、単純計算で年収2,400万円~4,800万円が一つの目安となります。 もちろん、これはあくまで目安であり、他の生活費をどれだけ切り詰められるかにもよります。

しかし、ベントレーを残クレで購入し、破産せずに乗り続けるためには、少なくとも年収2,000万円以上、そして何よりも突発的な出費(数十万円~百万円単位)にも対応できる十分な貯蓄がなければ、極めて困難であると言えるでしょう。

後悔しないベントレー購入計画!オーナーが教える重要ポイント

さて、前章ではベントレーを所有するための厳しい現実を数字で見てきました。 しかし、ここで諦める必要はありません。 ポイントを押さえて賢く計画を立てれば、ベントレーは人生をこの上なく豊かにしてくれる最高のパートナーになります。

このセクションでは、残クレ以外の選択肢や、見落としがちな費用の詳細、そして私自身の経験から得た、ベントレーと末永く付き合うための秘訣をお伝えします。

引用 : ベントレーHP

残クレ以外の購入方法との比較|あなたに最適なプランは?

残クレは月々の支払いを抑える強力なツールですが、万能ではありません。 ご自身のライフプランや車の使い方に合わせて、他の選択肢も検討することが重要です。

購入方法 メリット デメリット こんな人におすすめ
残価設定クレジット ・月々の支払額が安い ・乗り換えがしやすい ・金利総額が高い ・走行距離や改造に制限 ・所有権がない ・3~5年で新車に乗り換えたい人 ・初期費用と月々の支払いを抑えたい人
銀行オートローン ・金利が比較的低い ・最初から所有権が自分になる ・カスタマイズや売却が自由 ・審査が厳しい ・残クレより月々の支払額が高い ・一台の車を長く乗りたい人 ・金利の総支払額を抑えたい人 ・車を自由に扱いたい人
ディーラーローン ・審査が比較的通りやすい ・手続きがワンストップで楽 ・金利が比較的高め ・銀行ローンの審査に不安がある人 ・手続きの手間を省きたい人
リース ・税金やメンテナンス費用が込みのプランも多い ・経費計上しやすい(法人の場合) ・原則として中途解約が難しい ・残クレ同様に各種制限がある ・車の維持管理をシンプルにしたい人 ・法人名義での購入を検討している人

特に、一台のベントレーを長く大切に乗りたいと考えているのであれば、多少月々の支払額が上がったとしても、低金利の銀行オートローンを探して組む方が、総支払額を抑えられ、かつ所有の満足度も高くなる可能性があります。

見積もりだけでは分からない「維持費」のリアルな内訳

シミュレーションでも触れましたが、維持費はベントレーライフの質を左右する最も重要な要素です。 ここでは、各項目をさらに深掘りして解説します。

自動車税・重量税

これらは法律で定められた税金であり、避けることはできません。 特にW12気筒モデルは排気量が5,950ccのため、自動車税は最高税率の110,000円となります。 毎年5月に納付通知が届くことを念頭に置き、資金を準備しておく必要があります。

任意保険料

ベントレーの任意保険が高額になる理由は主に3つです。

  1. 車両料率クラスが高い:高級車は盗難リスクや、事故時の修理費用が高額になるため、保険料の算出基準となる「料率クラス」が最高ランクに設定されています。
  2. 車両保険金額が高い:車両価格が2,000万円を超えると、それだけで保険料は跳ね上がります。 万が一の全損事故に備え、車両保険への加入は必須と考えるべきです。
  3. 修理費用の高騰:バンパーを少し擦っただけでも、修理費は数十万円に達します。 保険を使う頻度が高まる可能性も、保険料に反映されています。

少しでも保険料を抑えるためには、複数の保険会社から見積もりを取る「相見積もり」が効果的です。 また、運転者を限定したり、年齢条件を高く設定したりすることでも、保険料を下げることが可能です。

車検・メンテナンス費用

ベントレーのコンディションを維持するためには、正規ディーラーでの定期的なメンテナンスが不可欠です。

  • 年次点検:基本的な点検とエンジンオイル・フィルター交換だけでも、15万円~25万円程度はかかります。
  • 車検:法定費用に加えて、ブレーキフルード、エアフィルター、スパークプラグなどの消耗品交換が推奨されます。 交換部品が多くなると、50万円~100万円を超えることもあります。 私の経験では、大きなトラブルがなくても、車検時には70万円程度の請求が来たことがあります。

これらの費用は「壊れたから直す」のではなく、「最高の状態を維持するためにかける」費用です。 この価値観を受け入れられるかどうかが、ベントレーオーナーの資質とも言えるかもしれません。

消耗品費用(特にタイヤ)

ベントレーの維持費で、多くの人が驚くのがタイヤの価格です。 なぜこれほど高額なのでしょうか。

  • 大口径・特殊サイズ:21インチや22インチといった大口径ホイールが標準装備されており、タイヤサイズも特殊なため、量産されておらず高価です。
  • 認証タイヤの存在:ベントレーは、その性能を100%発揮するために、特定のタイヤメーカーと共同開発した「認証タイヤ(ピレリなど)」の使用を推奨しています。 これらはグリップ性能や静粛性に優れる反面、非常に高価です。
  • 価格:認証タイヤの場合、4本セットで50万円~80万円以上することも珍しくありません。 車重が重く、ハイパワーなためタイヤの摩耗も早く、20,000km~30,000kmでの交換が必要になることもあります。

タイヤ交換という、一般的な車では数万円で済む作業が、ベントレーでは一つの大きなイベントになることを覚えておく必要があります。

ベントレーの「リセールバリュー」は高いのか?

リセールバリュー、つまり再販価値は、車を資産として考えた場合に非常に重要な指標です。 ベントレーのリセールバリューは、モデルや年式、そして何よりその車の状態によって大きく左右されます。

  • リセールが高い傾向にあるモデル:SUV人気の影響で「ベンテイガ」は比較的高いリセールバリューを維持しています。 また、限定モデルや特別な仕様の車両も価値が落ちにくいです。
  • リセールが厳しい傾向にあるモデル:一方で、コンチネンタルGTやフライングスパーといったセダン・クーペ系は、中古車市場での供給が需要を上回ることもあり、年式が古くなると大きく値崩れする傾向にあります。

残クレの残価は、このリセールバリューを元に設定されていますが、あくまで数年後を予測した「見込み価格」です。 市場の動向によっては、設定された残価よりも実際の買取価格が下回る「残価割れ」のリスクは常に存在します。 リセールバリューを高く維持するためには、正規ディーラーでの点検記録を確実に残し、内外装を美しく保ち、丁寧な運転を心がけることが何よりも重要です。

私が実践するベントレーとの賢い付き合い方【コラム】

最後に、一人のオーナーとして、私がベントレーと付き合う上で心がけていることを少しお話しさせてください。 私が初めてコンチネンタルGTのステアリングを握った日、その圧倒的なトルクと静粛性、そして英国車ならではのクラフトマンシップに深く感動したことを今でも覚えています。 この車は単なる工業製品ではなく、芸術品に近い存在なのだと。

引用 : ベントレーHP

だからこそ、私はベントレーを所有することを「コスト」ではなく「投資」だと考えています。 もちろん、経済的な投資ではありません。 自分の人生の豊かさや、仕事へのモチベーションを高めるための「自己投資」です。

そのために実践しているのは、徹底した「計画性」です。 私は、毎月のローンや維持費はもちろん、2年後の車検費用や、起こりうるかもしれない突発的な修理費用までを想定した「ベントレー専用口座」を用意しています。 毎月決まった額をそこに入金し、ベントレーに関する支払いはすべてその口座から行うようにしています。 こうすることで、精神的な余裕が生まれ、「維持費が怖い」というネガティブな感情ではなく、「いつでも最高の状態に保ってあげられる」というポジティブな気持ちでいられるのです。

ベントレーは、乗り手を選ぶ車です。 経済力はもちろんですが、それ以上に、その車の持つ歴史や哲学をリスペクトし、最高のコンディションを維持するための努力を惜しまない「覚悟」が求められます。 その覚悟さえあれば、ベントレーは間違いなくあなたの人生に、他の何にも代えがたい彩りと感動を与えてくれるはずです。

まとめ

今回は、「ベントレーを残クレで買ったら破産する」という噂の真相について、具体的なシミュレーションとオーナーとしての視点から深く掘り下げてきました。

シミュレーションの結果、ベントレーを所有するためには、ローンの支払いに加えて高額な維持費が必要となり、月々のトータルコストは40万円前後、それを維持するためには最低でも年収2,000万円以上が一つの目安になることがわかりました。

「破産する」と言われる背景には、

  1. 車両価格以外にかかる高額な「維持費」の見落とし
  2. 契約終了時に追加支払いが発生する「残価割れ」のリスク
  3. 「再ローン」や「一括返済」という最終回の厳しい選択肢 という3つの大きな要因が存在します。

しかし、残価設定クレジットの仕組みを正しく理解し、ご自身の経済状況とライフプランに合わせた綿密な資金計画を立てることで、これらのリスクは十分に回避可能です。 ベントレーは、けっして簡単にて手に入れられる車ではありません。 しかし、その分、オーナーにしか見ることのできない特別な景色を見せてくれます。

この記事が、あなたの夢の実現に向けた、冷静かつ情熱的な第一歩となることを願っています。

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