モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、新型プリウスを検討しているけれど、「シニア層には向かない」「乗ると後悔する」といったネット上の噂が気になっているのではないでしょうか。私も実際に新型プリウスを所有しており、視界の狭さやシートの低さといった指摘を試してきたので、その気になる気持ちはよくわかります。
引用 : トヨタHP (https://www.subaru.jp/forester)
デザインは魅力的だけど、本当に自分に合った車なのか、購入してから後悔しないか、不安になりますよね。
ご安心ください。この記事では、自動車ジャーナリストとして、そして一人のオーナーとして、新型プリウスがシニア層にとって本当に「後悔する車」なのか、噂の真相を徹底的にレビューします。この記事を読み終える頃には、新型プリウスに関するあなたの疑問や不安が解決しているはずです。
記事のポイント
- プリウスは本当にシニアに向かないのか
- 視界の悪さや乗降性の真実
- シニアにおすすめのグレードとオプション
- 後悔しないための競合車種との比較

新型プリウスがシニア層に後悔されると言われる5つの理由とその真相

引用 : トヨタHP (https://www.subaru.jp/forester)
センセーショナルなデザインで登場した新型プリウス。街で見かけるたびに、その未来的なスタイルに心惹かれる方も多いのではないでしょうか。しかし、その美しいデザインと引き換えに、シニア層にとっては見過ごせないデメリットがあるという声も聞こえてきます。
ここでは、購入後に「後悔した」という声に繋がる可能性のある5つのポイントをピックアップし、私が実際に所有して感じた「真相」を忖度なく解説していきます。
噂の真相①:視界が本当に悪いのか?【実車レビュー】
新型プリウスの購入をためらう最も大きな要因として挙げられるのが「視界の悪さ」でしょう。特に、これまで背の高いセダンやミニバンに乗られてきた方にとっては、大きな不安要素だと思います。
結論から言うと、確かに新型プリウスの視界は、万人向けとは言えません。しかし、いくつかのポイントを理解し、最新機能を活用することで、その不安は大幅に軽減できます。
前方視界:寝かされたAピラーの影響
[画像: プリウスの運転席から見たAピラー]
新型プリウスのスタイリッシュなデザインの要となっているのが、大きく寝かされたAピラー(フロントガラス横の柱)です。これが、交差点での右左折時に死角を生み出す原因となっています。特に、横断中の歩行者や自転車がピラーの影に隠れてしまう瞬間があり、ヒヤリとすることがあるかもしれません。
しかし、これはプリウスに限った話ではなく、近年のデザインコンシャスな車に共通する課題でもあります。大切なのは、「Aピラーの向こう側には何かいるかもしれない」と常に意識し、意識的に頭を動かして安全確認を行うことです。私も乗り始めは少し戸惑いましたが、数日で慣れ、今では自然と首を動かして確認する癖がつきました。
後方視界:デザイン重視のリアウィンドウ
後方視界も、決して良いとは言えません。クーペのような流麗なデザインのため、リアウィンドウは上下に狭く、Cピラー(後部座席横の柱)も太めです。これにより、駐車時や車線変更時に目で直接後方を確認するのは少し難しく感じます。
ここで絶大な効果を発揮するのが**「デジタルインナーミラー」**です。Zグレードに標準装備、Gグレードにオプション設定されているこの機能は、車両後方のカメラ映像をルームミラーに映し出すもので、後席に人が乗っていようが、荷物が満載であろうが、常にクリアな後方視界を確保してくれます。
最初は映像であることに違和感を覚えるかもしれませんが、慣れればその視界の広さと鮮明さに驚くはずです。夜間や雨天時でも驚くほど見やすく、一度使うと手放せなくなる装備と言えるでしょう。プリウスの視界に不安がある方には、必須のオプションです。
視界を補う先進安全装備
さらに、プリウスには視界の悪さを補って余りあるほどの先進安全装備が搭載されています。
- パノラミックビューモニター:車を真上から見たような映像をディスプレイに表示し、駐車時の周囲の状況をひと目で確認できます。白線のない駐車場や、狭いスペースでの車庫入れで絶大な威力を発揮します。
- ブラインドスポットモニター:車線変更時に、隣の車線を走る車両を検知するとドアミラーのインジケーターが点灯。さらにウインカーを出すと点滅して注意を促してくれます。斜め後方の死角をカバーしてくれる、非常に心強い機能です。
これらの機能を積極的に活用することで、プリウスの視界に関するネガティブな要素は、ほぼ解消できると言っても過言ではありません。
噂の真相②:シートが低くて腰を痛める?【乗降性の徹底検証】
次に多く聞かれるのが、「シートが低すぎて乗り降りが大変」「腰痛持ちには辛い」という声です。これもデザインと大きく関係しており、スポーティな低いシルエットを実現するために、着座位置(ヒップポイント)が低く設定されています。

引用 : トヨタHP (https://www.subaru.jp/forester)
この点は、正直に言って、身長や体格、そして腰や膝の状態によっては、大きなデメリットになり得ます。
具体的なシート高と乗り降りの感覚
新型プリウスのヒップポイントは、先代モデルと比較してもさらに低くなっています。感覚としては、地面に「よっこいしょ」と腰を下ろすイメージに近いです。降りる際は、逆に「どっこいしょ」と体を持ち上げる動作が必要になります。
普段からSUVやミニバンのように、椅子に座るような感覚で乗り降りできる車に慣れている方にとっては、この低い姿勢は間違いなく負担に感じるでしょう。特に、腰や膝に不安を抱えている方は、購入前に必ず実車で何度も乗り降りを確認することをおすすめします。
乗り降りの負担を軽減する工夫
では、対策はないのでしょうか。いくつか工夫できる点があります。
- ドアを大きく開ける:当たり前のことですが、ドアをできるだけ大きく開けることで、体を乗り入れやすくなります。
- 体を預ける場所を作る:乗り込む際は、まずお尻からシートに滑り込ませ、その後で足を入れるようにするとスムーズです。降りる際は、サイドシル(ドア下の敷居部分)やステアリングに軽く手を添えて、体を支えながら立ち上がると負担が軽減されます。
- アシストグリップの活用:助手席にはアシストグリップが標準で装備されています。同乗者の方には、これを活用してもらうと良いでしょう。
- シートクッションの活用:社外品になりますが、少し厚めのシートクッションを敷くことで、着座位置を物理的に高くすることができます。これにより、乗り降りの際の屈伸運動が少し楽になります。様々な種類があるので、カー用品店などで試してみるのも良いでしょう。
私自身も長距離運転後は、低いシートから立ち上がる際に少し体にこわばりを感じることがあります。しかし、上記の点を意識することで、日常的な使用で「腰が痛くて辛い」と感じたことはありません。
結論として、プリウスの乗降性は、シニア層にとって快適とは言えないかもしれません。しかし、工夫次第で負担は軽減できます。最終的には、ご自身の身体と相談し、ディーラーでの試乗を通じて慎重に判断することが何よりも重要です。
噂の真相③:後席が狭くて人を乗せられない?【室内空間の実測値】
「デザインは良いけど、後部座席が狭いらしい」という噂もよく耳にします。特にお孫さんや友人を乗せる機会がある方にとっては、気になるポイントでしょう。
この点については、「頭上空間は狭いが、足元空間は意外と広い」というのが私の評価です。
頭上空間(ヘッドクリアランス)
[画像: プリウスの後部座席の様子]
流麗なルーフラインのため、後席の頭上空間には余裕がありません。身長175cmの私が座ると、髪が天井に触れるか触れないか、といったところです。身長が180cmを超える方だと、少し窮屈に感じることは間違いないでしょう。
また、乗り込む際に頭をぶつけやすいという欠点もあります。ドアの開口部がルーフラインに沿って下がっているため、意識して頭を下げないと、コツンとやってしまいます。同乗者の方には、一声かけてあげると親切です。
足元空間(レッグルーム)
一方で、驚くべきは足元空間の広さです。運転席を私のドライビングポジション(身長175cm)に合わせた状態で後席に座っても、膝の前には拳が2つ以上入るスペースがあります。これは、見た目のスタイリッシュさからは想像できないほどの広さで、長時間のドライブでも足元が窮屈に感じることはないでしょう。
総合的な評価
後席の快適性は、「誰を乗せるか」によって評価が大きく分かれます。
- 小学生くらいまでのお子様:全く問題ありません。むしろ、未来的なデザインに喜んでくれるかもしれません。
- 成人男性(特に高身長の方):長距離の移動は少し厳しいかもしれません。頭上空間の圧迫感が気になる可能性があります。
- 成人女性や平均的な身長の男性:短時間であれば、問題なく快適に過ごせるでしょう。
家族4人で頻繁に長距離旅行に出かける、といった使い方にはあまり向いていませんが、夫婦2人での利用がメインで、たまにお孫さんや友人を乗せる程度であれば、十分な実用性を備えていると言えます。
噂の真相④:デジタルインナーミラーが見にくい?【慣れと調整法】
先ほど「視界の悪さを補う必須装備」として紹介したデジタルインナーミラーですが、「かえって見にくい」「距離感が掴めない」といった声もあります。
これは、従来の鏡のミラーと映像とでは、見え方が根本的に異なるために起こる現象です。しかし、これも「慣れ」と「適切な調整」で解決できる問題です。
映像ならではの違和感
デジタルインナーミラーの映像は、非常に広角でクリアです。しかし、その分、後続車が実際よりも少し遠くにいるように見えたり、映像の奥行き感に慣れるまで少し時間がかかったりします。特に、夜間は後続車のヘッドライトが少し滲んで見えることもあります。
また、視線をミラーに合わせた際に、ピントが合うまでに一瞬のタイムラグを感じる方もいるようです。これは、鏡のように無限遠にピントが合っているわけではなく、ディスプレイの映像にピントを合わせる必要があるためです。
快適に使うためのポイント
- 明るさと角度の調整:デジタルインナーミラーは、明るさや上下の角度を調整できます。自分の見やすいように細かく設定することが重要です。
- 通常ミラーとの切り替え:レバー一つで、いつでも通常の鏡のミラーに切り替えることができます。どうしても映像に慣れない場合や、後席の子供の様子を確認したい時など、状況に応じて使い分けるのが賢い使い方です。
- とにかく使ってみる:最初は違和感があっても、1週間も使えばほとんどの方が慣れてしまうようです。食わず嫌いをせず、まずは積極的に使ってみることをお勧めします。
私自身、最初は少し戸惑いましたが、今ではその圧倒的な情報量と視界の広さの虜です。雨の日や夜間の後方確認は、もはやデジタルインナーミラーなしでは不安に感じるほどです。
噂の真相⑤:価格が高い?【グレード別の価格と装備を比較】
「プリウスも高くなったな」と感じる方は多いのではないでしょうか。確かに、新型プリウスの価格は、先代モデルや他のハイブリッドカーと比較すると、少し高めの設定になっています。
しかし、その価格には、進化した走行性能やデザイン、そして何よりも充実した先進安全装備が含まれていることを考慮する必要があります。
グレード別価格一覧
グレード | エンジン | 駆動方式 | 燃費(WLTC) | 車両本体価格(税込) |
---|---|---|---|---|
X | 1.8L HEV | 2WD | 32.6km/L | 2,750,000円 |
E-Four | 30.7km/L | 2,970,000円 | ||
G | 2.0L HEV | 2WD | 28.6km/L | 3,200,000円 |
E-Four | 26.7km/L | 3,420,000円 | ||
Z | 2.0L HEV | 2WD | 28.6km/L | 3,700,000円 |
E-Four | 26.7km/L | 3,920,000円 |
※KINTO専用のUグレードは除く
最も安価なXグレードでも275万円からと、コンパクトカーや一世代前のセダンからの乗り換えを考えると、決して安い買い物ではありません。
価格に見合った価値はあるか?
ここで重要なのは、**「何に価値を見出すか」**です。
新型プリウスは、単なる「燃費の良い実用車」ではありません。
- 第5世代ハイブリッドシステム:2.0Lモデルは、従来のプリウスのイメージを覆すほどパワフルで、高速道路の合流や追い越しでも全くストレスを感じさせません。それでいて、実燃費は25km/L前後を軽々とマークします。
- TNGAプラットフォーム:低重心で剛性の高いボディは、吸い付くようなコーナリングと、しなやかで上質な乗り心地を両立しています。長距離を運転しても疲れにくいのは、この優れたプラットフォームのおかげです。
- 最新のトヨタセーフティセンス:後述しますが、衝突回避支援や運転支援機能は、もはや「安全装備」の域を超え、「運転が楽になる装備」へと進化しています。
これらの要素を総合的に考えると、新型プリウスの価格は、決して不当に高いものではないと私は考えています。むしろ、この性能と装備内容を考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。
後悔しない!シニア層が新型プリウスを選ぶべき8つの魅力

引用 : トヨタHP (https://www.subaru.jp/forester)
ここまで、新型プリウスのネガティブな側面に焦点を当ててきましたが、もちろん、それらを補って余りあるほどの素晴らしい魅力が数多く存在します。私が実際に所有し、日々感じている「プリウスにして良かった」と思えるポイントを8つご紹介します。
魅力①:圧倒的な低燃費でガソリン代を節約
プリウスの代名詞とも言えるのが、その驚異的な燃費性能です。特にガソリン価格が高止まりしている昨今、給油のたびにその恩恵を実感できます。
私の所有する2.0Lモデル(Zグレード・2WD)でも、街乗り中心で23〜25km/L、少し遠出して郊外を走れば28km/Lを超えることもしばしばです。1.8Lモデルであれば、コンスタントに30km/L近い燃費を記録することも難しくないでしょう。
月に1,000km走行すると仮定した場合、燃費15km/Lの車と比較すると、年間のガソリン代で数万円単位の節約になります。これは、年金で生活されている方々にとっても、非常に大きなメリットではないでしょうか。
魅力②:最新の安全性能「トヨタセーフティセンス」で安心ドライブ
シニア層の車選びにおいて、最も重要な項目の一つが「安全性」です。その点、新型プリウスはクラストップレベルの先進安全装備「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備しており、絶大な安心感を提供してくれます。
プロアクティブドライビングアシスト(PDA)
特に私が素晴らしいと感じているのが、この**「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」**です。これは、従来の衝突被害軽減ブレーキよりも一歩手前で、運転操作をさりげなくサポートしてくれる機能です。
例えば、
- 前方のカーブに対して速度が速いと判断すると、アクセルをオフにした際に穏やかに減速してくれる。
- 前方の車両や歩行者に近づきすぎると、緩やかにブレーキをかけてくれる。
- ウインカーを出さずに車線をはみ出しそうになると、ステアリングを制御して車線内に戻してくれる。
といったように、「かもしれない運転」を車が実践してくれるのです。あくまでドライバーの操作が優先ですが、このさりげないアシストがあるだけで、運転の疲労が格段に軽減され、ヒヤリハットの場面を未然に防ぐことができます。
ドライバー異常時対応システム
万が一、運転中にドライバーが急病などで運転操作ができなくなった場合、車が緩やかに減速し、ハザードランプとホーンで周囲に異常を知らせながら、車線内に停車。さらに、ヘルプネットに自動で接続し、救急要請まで行ってくれるシステムです。自分自身や同乗者、そして周囲の安全を守る、究極のセーフティネットと言えるでしょう。
魅力③:静粛性が高く快適な乗り心地
ハイブリッドカーの魅力は燃費だけではありません。モーター走行時の圧倒的な静かさは、一度体験すると病みつきになります。早朝や深夜の住宅街でも、気兼ねなく車を動かすことができるのは、精神的にも非常に楽です。
また、新型プリウスはボディ剛性が非常に高いため、ロードノイズや風切り音もよく抑えられています。エンジンがかかった際の音も、先代モデルより格段に静かになりました。この高い静粛性と、前述したしなやかな乗り心地が相まって、非常にリラックスできる快適な移動空間を提供してくれます。
魅力④:洗練されたデザインで所有する喜び

引用 : トヨタHP (https://www.subaru.jp/forester)
車の性能はもちろん重要ですが、やはり毎日乗るものだからこそ、「見ていて飽きない」「所有しているだけで嬉しくなる」ようなデザイン性も大切にしたいものです。
その点、新型プリウスのデザインは、これまでのプリウスが持っていた「エコカー」「実用車」というイメージを完全に覆しました。低く構えたスポーティなシルエット、無駄を削ぎ落としたシンプルな面構成は、まるでヨーロッパのスポーツカーのようです。
この美しいデザインは、間違いなく所有する喜びを満たしてくれます。「今日はどこへ行こうか」と、運転するモチベーションを高めてくれる、そんな力を持ったデザインだと私は感じています。
魅力⑤:取り回しの良いボディサイズと最小回転半径
スポーティな見た目に反して、新型プリウスは日本の道路事情にマッチした、非常に取り回しの良い車です。
新型プリウス (60系) | 旧型プリウス (50系) | カローラセダン | |
---|---|---|---|
全長 | 4,600mm | 4,575mm | 4,495mm |
全幅 | 1,780mm | 1,760mm | 1,745mm |
全高 | 1,430mm | 1,470mm | 1,435mm |
最小回転半径 | 5.3m (19インチ) / 5.4m (17インチ) | 5.1m (17インチ) | 5.0m |
全幅が1,780mmと3ナンバーサイズになったことで、狭い道でのすれ違いを心配される方もいるかもしれません。しかし、実際に運転してみると、車両感覚は非常につかみやすく、大きさを意識させられる場面はほとんどありません。最小回転半径も、19インチタイヤ装着車で5.3mと、このクラスとしては標準的な数値を確保しています。
スーパーの駐車場や市街地の細い路地でも、ストレスなく運転できるでしょう。
魅力⑥:KINTOなら月々定額で乗れる手軽さ
「まとまった購入資金を用意するのが大変」「数年後に免許返納を考えているので、車の所有はためらわれる」といった方におすすめなのが、トヨタのサブスクリプションサービス**「KINTO」**です。
KINTOは、車両代金はもちろん、任意保険、自動車税、メンテナンス費用、車検費用などがすべてコミコミで、月々定額の支払いで新車に乗れるサービスです。
KINTOのメリット
- 初期費用を抑えられる:頭金なしで乗り始められます。
- 急な出費がない:車検や税金、故障修理などでまとまったお金が必要になる心配がありません。
- 保険料が割安:年齢や等級に関わらず、誰が運転しても保険料は一定です。運転にブランクがある方や、お孫さんが運転する可能性がある場合に大きなメリットとなります。
- 手続きが楽:契約から納車まで、Webや販売店で簡単に行えます。
特に、KINTO専用グレードの「Uグレード」は、月額料金も抑えられており、納期も比較的早い傾向にあります。数年後のライフプランに合わせて3年、5年、7年と契約期間を選べるのも、シニア層にとっては嬉しいポイントではないでしょうか。
魅力⑦:豊富な給電機能で災害時も安心
新型プリウスは、万が一の災害時に「走る蓄電池」として活躍します。アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)を車内に2箇所設置しており、ハイブリッドシステムが作動していれば、さまざまな家電製品を使用することができます。
1500Wもあれば、スマートフォンの充電はもちろん、電気ポットでお湯を沸かしたり、テレビを見たり、小型の暖房器具を使ったりすることも可能です。
さらに、外部給電アタッチメントを使えば、車のドアや窓を閉めたまま、車外へ電源コードを引き出すことができます。これにより、停電時に家の中の電化製品を動かすことも可能になります。
「もしも」の時の備えとして、これほど心強い機能はありません。
魅力⑧:高いリセールバリューで将来もお得
プリウスは、世界中で人気のある車種のため、中古車市場での価値が非常に高い、いわゆる「リセールバリュー」が高い車です。これは、将来的に車を乗り換える際や、手放す際に、高く買い取ってもらえる可能性が高いことを意味します。
購入時の価格は少し高くても、数年後の売却価格を考慮すると、実質的な負担額は他の車種よりも少なくなるケースも珍しくありません。長期的な視点で見ても、プリウスは非常に経済的な選択と言えるでしょう。
【徹底比較】プリウスと迷うシニア向け車種5選
ここまで新型プリウスの魅力を語ってきましたが、「やはり乗降性や視界が気になる」「他にもっと自分に合った車があるのでは?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
そこで、プリウスの購入を検討しているシニア層が、よく比較対象として挙げる5つの車種をピックアップし、それぞれの特徴とプリウスとの違いを比較してみました。ご自身のライフスタイルや価値観と照らし合わせながら、最適な一台を見つける参考にしてください。
車種名 | ボディタイプ | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
トヨタ プリウス | セダン | 圧倒的な燃費性能、先進的なデザインと安全装備 | 燃費と先進性を最優先し、スポーティな走りを求める人 |
トヨタ ヤリスクロス | コンパクトSUV | 優れた乗降性と視界、運転しやすいサイズ感 | 街乗りがメインで、乗り降りのしやすさを重視する人 |
トヨタ カローラクロス | コンパクトSUV | 広い室内空間と荷室、万人向けの乗り味 | 家族や友人を乗せる機会が多く、実用性を重視する人 |
ホンダ ヴェゼル | コンパクトSUV | 上質で洗練された内外装、ユニークなシートアレンジ | デザイン性を重視し、おしゃれに乗りこなしたい人 |
日産 ノートオーラ | コンパクトカー | プレミアムな内外装、モーターならではの静かで力強い走り | 上質な乗り心地と静粛性を求め、運転を楽しみたい人 |
スバル クロストレック | クロスオーバーSUV | AWDによる高い走行安定性、優れた視界と乗降性 | 降雪地域に住んでいる、またはアクティブな趣味を持つ人 |
比較①:トヨタ ヤリスクロス|SUVならではの乗降性と視界
[画像: トヨタ ヤリスクロスの写真]
プリウスと同じトヨタのコンパクトSUVであるヤリスクロスは、シニア層から絶大な人気を誇る一台です。
最大の魅力は、SUVならではの高いヒップポイントによる乗降性の良さです。プリウスのように腰をかがめる必要がなく、自然な姿勢でスッと乗り降りできます。また、アイポイントが高いため、運転席からの見晴らしも良く、周囲の状況を把握しやすいのも大きなメリットです。
一方で、後席の広さや乗り心地の上質さという点では、プリウスに軍配が上がります。ヤリスクロスはあくまでコンパクトカーがベースのため、長距離移動では少し疲れを感じるかもしれません。
「燃費も大事だけど、何よりも毎日の乗り降りが楽な方が良い」という方には、ヤリスクロスが最適な選択肢となるでしょう。
比較②:トヨタ カローラクロス|広い室内と使い勝手
[画像: トヨタ カローラクロスの写真]
ヤリスクロスよりも一回り大きなサイズのカローラクロスは、室内空間の広さと荷室の使い勝手が光ります。後席も大人がゆったり座れるスペースが確保されており、頭上空間にも余裕があります。荷室も広大で、ゴルフバッグや旅行カバンなども楽に積み込めます。
乗り味も非常に穏やかで、誰が運転しても安心感のある、トヨタらしい優等生な車です。
デザインや走りにおける「特別感」はプリウスに及びませんが、家族や友人と出かける機会が多い方、荷物をたくさん積む機会がある方にとっては、これ以上ないほど頼もしいパートナーとなってくれるはずです。
比較③:ホンダ ヴェゼル|デザイン性と先進機能
[画像: ホンダ ヴェゼルの写真]
洗練されたクーペライクなデザインと、上質なインテリアで人気のホンダ ヴェゼル。プリウスとはまた違った方向性のスタイリッシュさが魅力です。
ヴェゼルの特徴は、内外装のデザイン性の高さと、センタータンクレイアウトによる多彩なシートアレンジです。後席の座面を跳ね上げれば、背の高い荷物を積むこともできます。また、後席の足元空間も非常に広く、快適性はプリウスに匹敵します。
ハイブリッドシステム「e:HEV」による、モーター走行を中心とした滑らかな走りも魅力ですが、燃費性能ではプリウスに一歩譲ります。
「実用性だけでなく、デザインにもこだわりたい」「おしゃれな車でカーライフを楽しみたい」という方には、ヴェゼルが響くかもしれません。
比較④:日産 ノートオーラ|上質な内外装と力強い走り
[画像: 日産 ノートオーラの写真]
コンパクトカーでありながら、内外装の質感はクラスを超えたものを持つノートオーラ。**「小さな高級車」**と呼ぶにふさわしい一台です。
最大の特徴は、第2世代「e-POWER」による、100%モーター駆動ならではの静かで力強い加速フィールです。アクセルを踏んだ瞬間からスムーズに、そしてパワフルに加速する感覚は、一度味わうと癖になります。
静粛性も非常に高く、乗り心地も上質です。室内空間はプリウスやSUV勢と比較すると広くはありませんが、夫婦2人での利用がメインであれば、全く不満はないでしょう。
「車のサイズは小さい方が良いが、走りや内装の質感には妥協したくない」という本物志向の方におすすめです。
比較⑤:スバル クロストレック|AWDによる安定した走り
[画像: スバル クロストレックの写真]
スバル独自のシンメトリカルAWD(四輪駆動)を全車に標準装備するクロストレックは、走行安定性の高さが最大の武器です。雨の日や雪道、高速道路など、あらゆる路面状況でドライバーに安心感を与えてくれます。
また、最低地上高が高めに設定されており、視界も良好。乗り降りのしやすさもSUVならではの美点です。
燃費性能ではハイブリッド専用車に劣りますが、その差を補って余りあるほどの安全・安心性能を備えています。
降雪地域にお住まいの方や、山道などを走る機会が多い方、天候を問わず安心して運転したい方にとっては、クロストレックが最も信頼できる選択肢となるでしょう。
シニア向けプリウス購入ガイド|後悔しないためのグレード・オプション選び
もし、あなたがプリウスを選ぶと決めたなら、次に悩むのがグレードとオプション選びです。ここでは、シニア層が後悔しないための、私なりのおすすめの組み合わせをご紹介します。
おすすめグレードは「G」|価格と装備のバランスを解説
結論から言うと、私がシニア層に最もおすすめしたいグレードは**「G」**です。
最上級グレードの「Z」は、19インチタイヤや合成皮革シート、運転席パワーシートなど、魅力的な装備が満載ですが、その分価格も370万円〜と高価になります。また、19インチタイヤは乗り心地が少し硬くなる傾向があり、見た目にこだわらなければ17インチの方が快適です。
一方で、法人向けの性格が強い「X」は、装備が簡素で、パワーユニットも1.8Lのみとなります。
その点、「G」は、2.0Lのパワフルなエンジンを搭載し、快適装備も充実していながら、価格は320万円〜と、Zよりも50万円も安価です。シニア層に必要な装備はオプションで追加できるため、価格と装備のバランスが最も優れていると言えるでしょう。
必須オプション①:デジタルインナーミラー
前述の通り、プリウスの視界に不安がある方には、デジタルインナーミラーは必須のオプションです。Gグレードでは約46,200円で装着できます。これがあるだけで、後方確認のストレスが劇的に軽減されます。
必須オプション②:パノラミックビューモニター&ブラインドスポットモニター
これも視界を補助する重要な装備です。
- パノラミックビューモニター:駐車が苦手な方、自宅の駐車場が狭い方には特におすすめです。
- ブラインドスポットモニター:高速道路をよく利用する方には、車線変更時の安全確認の補助として非常に有効です。
これらはセットオプションになっている場合が多いです。価格は少し張りますが、安全・安心のためには、ぜひとも装着したい装備です。
必須オプション③:ドライブレコーダー(前後方)
もはや現代の必須装備とも言えるドライブレコーダー。万が一の事故の際の証拠になるだけでなく、煽り運転の抑止力にもなります。ディーラーオプションで純正品を選ぶのが最も手軽ですが、カー用品店などで高性能な社外品を選ぶのも良いでしょう。必ず、前方と後方の両方を録画できるタイプを選んでください。
納期はどれくらい?最新情報をディーラーに聞くのが確実
大人気の新型プリウスは、残念ながら現在も長い納車待ちが続いています。グレードやボディカラー、オプションの組み合わせによっては、注文から1年以上かかるケースもあるようです。
ただし、生産状況は常に変動しており、販売店によってはキャンセル待ちや、見込み発注している在庫車がある場合もあります。最新の納期情報については、お近くのトヨタディーラーに直接問い合わせてみるのが最も確実です。
まとめ
今回は、「シニア層がプリウスを買うと後悔する」という噂の真相について、私の実体験を交えながら徹底的にレビューしてきました。
結論として、新型プリウスは、視界の狭さや乗降性の低さといった、シニア層にとって明確なデメリットが存在する車です。この点を理解せずに購入すると、「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性は十分にあります。
しかし、その一方で、圧倒的な低燃費、クラスを超えた走行性能、そして何よりも最新の先進安全装備がもたらす絶大な安心感という、それを補って余りあるほどの素晴らしい魅力を持っているのも事実です。
デジタルインナーミラーやパノラミックビューモニターといった便利な機能を活用し、低い着座位置に身体が順応できれば、これほど快適で、経済的で、そして運転が楽しい車は他にないかもしれません。
最終的に大切なのは、ネット上の評判や私のレビューを鵜呑みにするのではなく、あなたご自身が実際にディーラーに足を運び、見て、触って、そして必ず試乗してみることです。その際には、ぜひこの記事で指摘したポイント、特に乗り降りのしやすさや視界の感覚を、ご自身の身体でじっくりと確かめてみてください。
あなたのカーライフが、新型プリウスと共に、より豊かで素晴らしいものになることを心から願っています。