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国産車

日産車をやめた方が良い理由がリセールの悪さが原因のワケを解説

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、「日産セレナが気になっているけれど、”日産車はリセールが悪いからやめた方がいい”という噂が本当なのか心配だ」と感じているのではないでしょうか。私も実際に日産のセレナを所有しており、購入前には同様の情報を耳にした経験があるので、その気になる気持ちはよくわかります。

引用 : 日産公式HP (https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/ariya-details/interior.html)

「本当に日産車のリセールは悪いのか?」「人気のセレナやノートオーラは、トヨタのライバル車と比べてどれくらい差があるのか?」そんな具体的な疑問が頭をよぎりますよね。しかし、ご安心ください。この記事を読み終える頃には、日産車のリセールに関するあなたの疑問がすべて解決しているはずです。

記事のポイント

  • 日産車のリセールが悪いと言われる構造的な理由
  • 人気車種セレナとライバル車の残価率をデータで徹底比較
  • リセールで損をしないための日産車の賢い選び方と売却術
  • 数字だけでは測れない日産車ならではの体験的価値
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なぜ?日産車のリセールが悪いと言われる5つの理由

「日産車はリセールが悪い」という言葉は、自動車業界では半ば定説のように語られています。もちろん、全ての車種がそうだというわけではありませんが、全体的な傾向としてトヨタ車と比較した際に下取りや買取価格が低くなりやすいのは事実です。

引用 : NISSAN HP (https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/sakura.html)

私自身も多くのメーカーの車を乗り継いできましたが、この傾向は肌で感じてきました。では、なぜこのような状況が生まれてしまうのでしょうか。単なるイメージだけでなく、そこには構造的な理由が複数存在します。ここでは、その主な5つの理由を深掘りして解説していきます。

理由①:海外市場での圧倒的な需要の差

車の買取価格、すなわちリセールバリューを決定づける最も大きな要因の一つが「海外での需要」です。日本で役目を終えた中古車の多くは、海外へ輸出され第二の人生を歩みます。特に、東南アジア、アフリカ、中東などの新興国では、信頼性が高く頑丈な日本車が絶大な人気を誇ります。

この海外市場で圧倒的なブランド力を持っているのが、トヨタです。特にランドクルーザーやハイエース、カローラといった車種は「壊れない」「修理がしやすい」「悪路に強い」というイメージが定着しており、高値で取引されています。この強力な海外需要が、日本国内での買取価格を底上げしているのです。

一方、日産車も海外で人気がないわけではありません。例えばエクストレイルやパトロール(日本ではサファリとして知られた)などは特定の地域で高い評価を得ています。しかし、トヨタの持つような世界規模での盤石な需要と比較すると、どうしても見劣りしてしまいます。この海外での需要の差が、リセールバリューの差として明確に表れているのです。

理由②:過去のブランドイメージと経営状況の影響

ブランドイメージは、リセールバリューに直接的な影響を与えます。残念ながら、日産は1990年代後半に深刻な経営危機に陥り、ルノーの傘下に入ったという歴史があります。この出来事は多くの人々の記憶に残り、「日産は大丈夫なのか?」という漠然とした不安感を植え付けました。

もちろん、その後のV字回復や近年のe-POWER、プロパイロットといった先進技術の開発は目覚ましく、技術力のあるメーカーであることは間違いありません。しかし、一度失った信頼やブランドイメージを完全に回復するには長い時間が必要です。「安心と信頼のトヨタ」という盤石なイメージと比較されると、中古車市場において少し不利な立場に置かれやすいのが現状です。

理由③:フリート販売(レンタカー・社用車)の多さ

日産車は、法人向けのフリート販売(レンタカーや企業の社用車など)が多い傾向にあります。これは、日産の営業努力の賜物でもありますが、リセールバリューにとってはマイナスに働く側面があります。

フリート販売された車両は、数年後に一斉に中古車市場へ放出されます。すると、同じ車種の供給量が一時的に急増し、「供給過多」の状態に陥ります。市場の原理として、供給が増えれば価格は下がります。つまり、中古車市場での相場が崩れやすくなるのです。

一般のユーザーが大切に乗ってきた車を売却しようとした際に、市場に同車種のレンタカー上がりや社用車上がりの車両が溢れていると、どうしても買取価格は伸び悩んでしまいます。これがリセールバリューを押し下げる一因となっています。

理由④:比較的長めなモデルライフサイクル

近年、各メーカーは競争が激化する中で、4~6年周期でフルモデルチェンジを行うのが一般的です。しかし、日産は一部の車種においてモデルライフサイクルが長くなる傾向が見られます。

モデルライフサイクルが長いと、モデル末期には設計の古さが目立ってきてしまい、商品としての魅力が低下します。当然、新型が登場すれば旧型の価値は大きく下落します。売却するタイミングがモデルチェンジの直前や直後になってしまうと、リセールは大きく落ち込んでしまいます。

このサイクルが比較的短いトヨタ車に比べ、日産車は「いつ売っても比較的新しい型」という状況を維持しにくい点が、リセールにおいて不利に働くことがあります。

理由⑤:先進技術が中古車市場で評価されにくい現実

日産の大きな魅力は、e-POWERやプロパイロットといった先進技術にあります。新車で購入するユーザーにとっては、これらが大きな購入動機となるでしょう。私自身、セレナのe-POWERの静かで力強い走りと、プロパイロット2.0の高速道路でのハンズオフ機能には非常に満足しています。

引用 : NISSAN HP (https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/sakura.html)

しかし、これらの先進技術は中古車市場では必ずしもプラスに評価されるとは限りません。中古車を購入する層が最も重視するのは「信頼性」と「維持費」です。複雑な電子制御システムや駆動用バッテリーは、「故障のリスクがある」「修理代が高くつくかもしれない」と敬遠される傾向があるのです。

特にe-POWERの要であるバッテリーは、経年による性能低下が懸念されます。まだ長期的な耐久性のデータが市場に十分蓄積されていないため、中古車として購入するには少し不安が残る、と考えるバイヤーが多いのも事実です。このような先進技術への懸念が、中古車価格の上値を抑える要因となっています。

【例外あり】リセールが高い日産車も存在する

ここまで日産車のリセールが厳しい理由を解説してきましたが、もちろん例外も存在します。特定のモデルは、トヨタ車に引けを取らない、あるいはそれ以上の高いリセールバリューを誇ります。

  • GT-R、フェアレディZ 言わずと知れた日産を代表するスポーツカーです。これらは単なる移動手段ではなく、趣味性の高いコレクターズアイテムとしての側面も持ち合わせています。生産台数が限られており、国内外に熱狂的なファンがいるため、年式が古くなっても価格が落ちにくく、状態によってはプレミア価格で取引されることもあります。
  • エクストレイル SUVの中でも特にタフなイメージで独自のポジションを築いているエクストレイルは、海外でも人気が高く、安定したリセールを維持しています。特に4WDモデルや防水シートなどの独自装備が評価されています。

このように、日産車と一括りにするのではなく、車種ごとの特性を見極めることが重要です。

【徹底比較】人気車種のリセールバリューと賢い選び方

さて、ここからはより具体的に、読者の皆様が最も気になっているであろう人気車種のリセールバリューを、ライバル車と比較しながら見ていきましょう。今回は、ファミリー層に絶大な人気を誇るミニバンの「セレナ」と、上質なコンパクトカー「ノートオーラ」を取り上げ、それぞれの賢い選び方まで踏み込んで解説します。

【ミニバン頂上決戦】日産 セレナ vs トヨタ ヴォクシー/ノア

ミニバン市場で常に販売台数上位を争う最大のライバル、セレナとヴォクシー/ノア。私も所有するセレナは、e-POWERによる静かで滑らかな走りや、ミニバントップクラスの室内の広さ、そして「プロパイロット2.0」による高度な運転支援が魅力です。一方のヴォクシー/ノアは、アグレッシブなデザインとトヨタブランドの絶大な信頼感、そして何より高いリセールバリューが強みです。

引用 : 日産公式HP (https://global.nissannews.com/ja-JP/channels/serena?selectedTabId=serena-releases)

では、実際にリセールバリューにはどれほどの差があるのでしょうか。一般的な買取市場のデータを基に、3年後と5年後の残価率を見てみましょう。

車種 グレード例 新車価格(約) 3年後残価率(目安) 5年後残価率(目安)
日産 セレナ e-POWER ハイウェイスターV 370万円 55%~65% 45%~55%
トヨタ ヴォクシー S-Z HYBRID 374万円 70%~80% 60%~70%
トヨタ ノア S-Z HYBRID 374万円 68%~78% 58%~68%

※上記はあくまで一般的な市場データに基づく目安であり、車両の状態、走行距離、ボディカラー、オプション等で大きく変動します。

なぜこれほどの差がつくのか?

表を見ると、残念ながらセレナはヴォクシー/ノアに対して10%以上の差をつけられているのが現実です。370万円の車で10%の差は37万円。これは決して小さな金額ではありません。

この差が生まれる最大の要因は、前述した「海外需要」です。ヴォクシー/ノア(特にヴォクシー)は東南アジアなどで非常に人気が高く、状態の良い中古車は高値で輸出されていきます。この海外からの強い買い支えがあるため、国内の買取相場も高値で安定しているのです。

一方、セレナも国内での人気は非常に高いですが、海外での需要はヴォクシー/ノアほどではありません。そのため、リセールバリューは主に国内の中古車市場の動向に左右され、結果としてこのような差が生まれています。

セレナでリセールを維持するための賢い選び方

では、セレナの購入を諦めるべきかというと、決してそうではありません。選び方次第で、リセールバリューの落ち込みを最小限に抑えることは可能です。

  • グレード選び:「ハイウェイスター」系一択 セレナのリセールを語る上で、エアロパーツをまとったスポーティな「ハイウェイスター」系グレードは必須条件です。標準グレードと比較して、買取価格には数十万円の差が出ます。特に最上級の「e-POWER LUXION」や人気の「e-POWER ハイウェイスターV」がおすすめです。
  • ボディカラー:定番の白・黒を選ぶ これはどの車種にも言えることですが、リセールで最も有利なのは「ホワイトパール」と「ブラック」です。個性的なカラーも魅力的ですが、数年後の売却を考えるなら、万人受けするこの2色を選ぶのが最も堅実です。
  • 駆動方式:4WDの価値 雪国でなくとも、4WDは中古車市場でプラス査定の対象となります。特にSUV人気の影響もあり、ミニバンでも4WDの需要は安定しています。予算が許せば検討する価値は十分にあります。
  • オプション:三種の神器は必須 メーカーオプションの「純正ナビゲーション」「両側パワースライドドア(ハイウェイスターは標準装備)」「アラウンドビューモニター」は必須と考えましょう。そして、日産ならではの「プロパイロット2.0」(LUXIONに標準装備)も、先進性をアピールできる大きな武器になります。

【プレミアムコンパクト対決】日産 ノートオーラ vs トヨタ アクア/ヤリスクロス

次に、コンパクトカー市場を見てみましょう。日産のノートオーラは、標準のノートをベースに内外装の質感を大幅に高め、静粛性やオーディオにもこだわったプレミアムコンパクトカーです。その上質な乗り味は、クラスの常識を超えるものがあります。

引用 : 日産公式HP (https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/ariya-details/interior.html)

対するトヨタ勢は、圧倒的な燃費性能を誇る「アクア」と、SUVスタイルで人気の「ヤリスクロス」です。こちらもリセールバリューの高さには定評があります。

車種 グレード例 新車価格(約) 3年後残価率(目安) 5年後残価率(目安)
日産 ノートオーラ G 269万円 50%~60% 40%~50%
トヨタ アクア Z 259万円 60%~70% 50%~60%
トヨタ ヤリスクロス Z HYBRID 260万円 65%~75% 55%~65%

※上記はあくまで一般的な市場データに基づく目安であり、車両の状態、走行距離、ボディカラー、オプション等で大きく変動します。

コンパクトカー市場でも同様の傾向

ここでも、やはりトヨタ勢に軍配が上がります。特にヤリスクロスは、世界的なSUVブームの波に乗り、非常に高いリセールバリューを維持しています。

ノートオーラは、その「プレミアム性」が中古車市場では評価されにくいという側面があります。内外装の質感や静粛性といった付加価値は、中古車になると価格に反映されにくく、ベースとなったノートの相場に引っ張られてしまう傾向があります。また、e-POWERのバッテリーに対する懸念も、セレナと同様に存在します。

ノートオーラでリセールを意識した選び方

ノートオーラの魅力を享受しつつ、リセールも意識するなら以下のポイントを押さえましょう。

  • グレード:「G leather edition」や「NISMO」 上質さを追求するなら本革シートを備えた「G leather edition」、走りの良さを求めるなら専用チューンが施された「NISMO」がおすすめです。これらの特徴的なグレードは、中古車市場でも指名買いが入りやすく、標準グレードよりも高い価値を維持します。
  • ボディカラーと内装色 ここでも白・黒が基本ですが、ノートオーラはデザイン性が高いモデルなので、イメージカラーの「ガーネットレッド/スーパーブラック 2トーン」なども人気があります。内装色も選択可能ですが、ブラック系が最も無難です。
  • オプション:「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」 ノートオーラの大きな魅力の一つであるBOSEサウンドシステムは、装着率も高く、中古車市場でもアピールポイントになります。これはぜひ選びたいオプションです。

リセール価格差 vs 所有する満足度

ここまでデータを見てくると、「やっぱり日産はリセールが厳しいな」と感じたかもしれません。確かに、売却時の価格だけを見れば、トヨタ車を選ぶ方が経済的な合理性は高いでしょう。

引用 : 日産公式HP (https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/ariya-details/interior.html)

しかし、私は自動車ジャーナリストとして、そして一人のドライバーとして、車選びは「リセールバリューが全てではない」と断言します。

例えば、私が所有するセレナ e-POWER。静かでモーター駆動ならではの滑らかな加速は、ガソリン車のミニバンでは決して味わえません。特に、ストップ&ゴーの多い街中や、静かな住宅街を走る際の快適性は格別です。この「走りの質」が、毎日の運転のストレスをどれだけ軽減してくれることか。

また、高速道路でのプロパイロット2.0によるハンズオフ運転は、長距離移動の疲労を劇的に変えてくれます。先日も家族を乗せて片道300kmほどのドライブをしましたが、この機能のおかげで運転の負担が大幅に減り、目的地に到着してからも元気に活動できました。

これらの「体験価値」は、売却時の数十万円の差額で測れるものでしょうか? 私は、所有している期間中に得られる満足度や快適性、安全性を考えれば、その差を埋めて余りある価値が日産車にはあると考えています。

車は、人生の多くの時間を共にするパートナーです。リセールという未来の損得勘定も大切ですが、それ以上に「今、乗りたい車に乗る」「毎日の運転が楽しくなる車を選ぶ」という視点も忘れないでほしいと思います。

少しでも高く売るためのテクニック

とはいえ、どうせ手放すなら少しでも高く売りたいのが人情です。日産車を売却する際に、損をしないための簡単なテクニックを伝授します。

複数社への一括査定は必須

ディーラーでの下取りは、手続きが楽というメリットはありますが、最高額が提示されることは稀です。必ず、複数の買取専門店に査定を依頼する「一括査定」を利用しましょう。業者間で競争させることで、買取価格は確実に上がります。特に、海外への販路を持つ業者は、車種によって思わぬ高値をつけてくれることがあります。

売却のタイミングを見極める

車が最も高く売れるのは、需要が高まる1~3月と7~9月と言われています。また、フルモデルチェンジの情報が出ると旧型の相場は下落し始めるので、その前に売却するのも一つの手です。日頃から愛車のモデルチェンジサイクルを意識しておくと良いでしょう。

日頃のメンテナンスと清掃

査定時に最も見られるのは内外装の状態です。定期的な洗車や車内清掃を心がけ、清潔な状態を保つことが高価買取の基本です。また、定期点検記録簿(メンテナンスノート)がしっかり残っていると、車の信頼性が増し、査定額アップにつながります。

まとめ

今回は、「日産車をやめた方が良い理由がリセールの悪さ」というテーマについて、構造的な理由から具体的な車種比較、そしてリセール以外の価値まで、深く掘り下げてきました。

結論として、**「日産車のリセールバリューがトヨタ車に比べて低い傾向にあるのは事実」**です。これは海外需要の差やブランドイメージなど、複数の要因が絡み合った結果であり、すぐに覆るものではありません。

しかし、「だから日産車をやめた方がいい」とはならないのが、車選びの面白いところであり、難しいところでもあります。

  • e-POWERの先進的で静かな走り
  • プロパイロットによる高度な運転支援技術
  • クラスを超えた内外装の質感(ノートオーラなど)
  • ライバルにはない独自のコンセプト(エクストレイルなど)

これらの日産ならではの魅力に強く惹かれ、その「体験価値」を重視する方にとっては、日産車は最高のパートナーになり得ます。リセールでの差額は、その体験価値を得るための対価と考えることもできるでしょう。

最終的に車を選ぶのは、他の誰でもないあなた自身です。リセールバリューという一つの重要な指標を理解した上で、ぜひご自身の価値観やライフスタイルに合った、心から満足できる一台を見つけてください。このレビューが、そのための判断材料となれば幸いです。

テキストのコピーはできません。