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ランドローバー

ディフェンダーのオーナーはレンジローバーが買えなかった残念な人と思われがちな実態を解説

モータージャーナリスト兼コンサルタントの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、「ディフェンダーのオーナーは、本当はレンジローバーが欲しかったのに買えなかった残念な人だと思われないか?」という点が気になっているのではないでしょうか。私も実際にディフェンダーとレンジローバーの両方を所有し、多くのオーナー様と接する中で、そういった世間のイメージと実態のギャップを感じることがありますので、そのお気持ちはよくわかります。

引用 : ランドローバー公式HP (https://www.landrover.co.jp/defender/defender-octa/index.html)

しかし、結論から言えばその心配は全くの無用です。この記事を読み終える頃には、ディフェンダーを選ぶことがいかに明確な意志を持った「賢い選択」であるか、その疑問が解決し、自信に変わっているはずです。

記事のポイント

  • ディフェンダーとレンジローバーの根本的な思想の違い
  • 「残念な人」どころか本質を理解したオーナーの姿
  • 世間のイメージを覆すディフェンダーの資産価値
  • 妥協ではなくライフスタイルに合わせた積極的な選択
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ディフェンダーオーナーは「残念な人」なのか?そのイメージの真実

まず、核心からお話ししましょう。ディフェンダーのオーナーが「レンジローバーを買えなかった残念な人」と見られることは、まずありません。むしろ、車の本質を深く理解し、自身のライフスタイルと価値観を確立している「知的な選択ができる人」と見られることの方が多いのが実情です。なぜそう断言できるのか、多角的に解説していきます。

引用 : ランドローバー公式HP (https://www.landrover.co.jp/defender/defender-octa/index.html)

なぜ「レンジローバーが買えなかった」と思われがちなのか

この誤解が生まれる背景には、いくつかの単純な要因があります。

  1. 価格帯のイメージ: ランドローバーの頂点には常にレンジローバーが存在し、その価格は2,000万円を超えることも珍しくありません。一方で、ディフェンダーはエントリーモデルであれば700万円台から購入可能です。この価格差だけを見て、「安い方を選んだ」と短絡的に結びつける人がいるのは事実です。
  2. ブランドの顔: 長年にわたり、レンジローバーはランドローバーの「顔」として、ラグジュアリーSUVの象徴であり続けてきました。メディアでの露出も多く、セレブリティの愛車として紹介されることも多いため、「ランドローバー=レンジローバー」というイメージが先行しているのです。
  3. コンセプトの誤解: 「豪華で快適なのがレンジローバー、武骨でスパルタンなのがディフェンダー」という大雑把な区分けが、いつしか「上級と下級」というような序列のイメージにすり替わってしまった側面があります。

しかし、これらはすべて表面的な見方であり、両車の本質を理解していれば、全く異なる結論に至ります。

実際のオーナー層は?SNSから見えるリアルな姿

現代において、オーナーのリアルな姿を最も雄弁に物語るのはSNSです。InstagramやYouTubeで「#ディフェンダーのある生活」といったハッシュタグを検索してみてください。そこには、驚くほど多様で豊かなライフスタイルを送るオーナーたちの姿が映し出されています。

  • アクティブな趣味人: キャンプ用品を満載にして道なき道を進む冒険家、サーフボードをルーフキャリアに積んで海へ向かうサーファー、マウンテンバイクを積んで山へ分け入るアスリート。彼らにとってディフェンダーは、趣味を最大限に楽しむための最高の「相棒」です。
  • ファッション感度の高い層: オリジナルのスタイルを追求し、個性的なカスタムを施す人々。クラシックなデザインを現代的に解釈したディフェンダーは、ファッションアイテムとしても極めて高く評価されています。彼らは、あえて無骨なディフェンダーを乗りこなすことで、洗練されたスタイルを表現しています。
  • 本質を求める富裕層: 他にも複数の高級車を所有しながら、日常の足や休日のアクティビティのためにディフェンダーを選ぶ富裕層も少なくありません。彼らは、見せかけのステータスではなく、車の持つ歴史やストーリー、そして唯一無二の機能性に価値を見出しているのです。

これらのオーナー像のどこにも、「妥協」や「残念」といったネガティブな要素は見当たりません。むしろ、人生を積極的に楽しむための「目的を持った選択」であることがわかります。

コンサルタントが見るディフェンダーオーナーの共通点

私が日々のコンサルティング業務でお会いするディフェンダーオーナーの方々には、いくつかの共通する特徴があります。

  • 「本物」志向: 流行り廃りではなく、長く使える普遍的な価値を重視します。ディフェンダーの持つ70年以上の歴史と、その中で培われた機能美に強く惹かれています。
  • 個性の尊重: 他人と同じであることに価値を見出さず、自分自身のスタイルを大切にします。ありふれた高級車ではなく、ディフェンダーを選ぶこと自体が、彼らのアイデンティティの表現なのです。
  • 機能性への理解: 車を単なる移動手段やステータスシンボルとしてではなく、目的を達成するための「ツール(道具)」として捉えています。そのため、ディフェンダーの持つ圧倒的な悪路走破性や積載能力、堅牢性を正しく評価しています。

彼らはレンジローバーの魅力も十分に理解した上で、自身の価値観とライフスタイルに合致する車として、確信を持ってディフェンダーを選んでいるのです。

ディフェンダーとレンジローバーの価格比較

「ディフェンダーは安い」というイメージが先行しがちですが、実際の価格帯を見てみると、一概にそうとは言えないことがわかります。

モデル ボディタイプ エンジン 新車価格帯(目安)
ディフェンダー 90 2.0L ガソリン / 3.0L ディーゼル 約729万円~
110 2.0L ガソリン / 3.0L ディーゼル / 5.0L V8 約807万円~
130 3.0L ディーゼル 約1,061万円~
レンジローバー スタンダード 3.0L ディーゼル / 4.4L V8 約1,747万円~
ロングホイールベース 3.0L ディーゼル / 4.4L V8 約1,829万円~
SV 4.4L V8 約2,601万円~

確かにエントリーモデルの価格には大きな開きがありますが、ディフェンダーの上級グレードやV8モデルは1,500万円を超え、レンジローバーのエントリーグレードに迫る価格帯になります。つまり、予算だけで見ても「ディフェンダーかレンジローバーか」という選択肢が十分にあり得るのです。高価格帯のディフェンダーを選ぶオーナーは、同等の予算でレンジローバーも購入できるにも関わらず、あえてディフェンダーの価値を選んでいることになります。

驚異的なリセールバリューが証明するディフェンダーの価値

車の真の価値を測る指標の一つに、リセールバリュー(再販価値)があります。ディフェンダーは、このリセールバリューが極めて高い車種として知られています。

中古車市場では常に品薄状態で、年式や走行距離によっては新車価格に近い、あるいはそれを上回る価格で取引されることも珍しくありません。これは、需要が供給を大幅に上回っていることの証明です。もしディフェンダーが「残念な人」の選ぶ車だとしたら、このような市場価値が維持されるはずがありません。

ランドローバー車のリセールバリューを比較すると、ディフェンダーの価値はさらに際立ちます。一般的に、高価格帯のラグジュアリーカーは値落ちが大きい傾向にありますが、ディフェンダーはその常識を覆すほどの人気を誇っているのです。これは、一過性の流行ではなく、普遍的な価値が市場に認められている証拠と言えるでしょう。

人気の高さゆえの長い納期

新型ディフェンダーの登場以来、その人気は衰えることを知らず、新車を注文してから納車されるまで1年以上かかることも珍しくありません。この長い納期も、ディフェンダーが多くの人々から熱望されている証拠です。

すぐに手に入らない希少性が、かえって所有する喜びを高めている側面もあります。街中でディフェンダーを見かけたときに「お、珍しいな」と感じるのは、単に生産台数が少ないからだけでなく、誰もが簡単には手に入れられない車であることを多くの人が知っているからです。

有名人も魅了するディフェンダーの個性

ファッションアイコンやクリエイティブな分野で活躍する著名人にも、ディフェンダーの愛好家は少なくありません。彼らがディフェンダーを選ぶ理由は、その唯一無二のデザインと、ライフスタイルを雄弁に物語るキャラクター性にあります。

彼らの選択は、ディフェンダーが単なるオフロード車ではなく、都会的なシーンにも映えるスタイリッシュな車であるというイメージを確立しました。こうした影響もあり、若い世代からも「格好いい車」「憧れの車」として認識されています。

比較でわかる!ディフェンダーとレンジローバーの決定的違い

ディフェンダーを選ぶことが「妥協」ではなく「目的を持った選択」であることを理解するために、両車のコンセプトがいかに異なるかを見ていきましょう。この2台は、同じブランドから生まれながら、目指す方向性が全く違うのです。

引用 : ランドローバー公式HP (https://www.landrover.co.jp/defender/defender-octa/index.html)

設計思想と歴史的背景:軍用車と高級SUVのルーツ

両車の違いを理解する鍵は、その成り立ちにあります。

  • ディフェンダーのルーツ: その祖先は1948年に登場した「ランドローバー・シリーズI」。第二次世界大戦後の英国で、農業や工事現場など、あらゆる過酷な環境で働く人々のための多目的作業車として開発されました。そのDNAは、軍用車としても活躍した歴史に裏打ちされた、究極のタフネスと信頼性です。「どこへでも行き、何でもできる」という設計思想は、現代のディフェンダーにも色濃く受け継がれています。
  • レンジローバーのルーツ: 1970年に登場した初代レンジローバーは、「オフロードを快適に走破できる高級車」という、それまでになかった全く新しいコンセプトを掲げていました。「砂漠のロールスロイス」と称されたように、その目的は富裕層がレジャー(狩猟など)を楽しむための快適な移動手段でした。悪路走破性とラグジュアリーを両立させるという思想は、高級SUVのパイオニアとして今も君臨し続けています。

つまり、ディフェンダーは「機能性」を突き詰めた結果として生まれ、レンジローバーは「快適性」を追求する中で生まれた車なのです。出発点が全く異なるため、そこに優劣は存在しません。

エクステリアデザインの比較:機能美とエレガンス

デザインは、それぞれの設計思想を最もわかりやすく表現しています。

引用 : ランドローバー公式HP (https://www.landrover.co.jp/defender/defender-octa/index.html)

  • ディフェンダー: 全体的にスクエアで直線的なシルエット。これは、悪路での視界確保や車体感覚の掴みやすさ、そして室内空間の最大化という機能的な要求から生まれた形です。アルパインライトウィンドウ(屋根に近い部分の小窓)や背面タイヤなど、歴代モデルへのオマージュが散りばめられており、そのヘリテージ(遺産)を強く感じさせます。
  • レンジローバー: 流れるような美しいキャラクターラインと、無駄を削ぎ落としたシームレスな面構成が特徴です。ドアハンドルや窓枠の段差をなくし、まるで一つの塊から削り出したかのような滑らかなボディは、エレガンスと洗練の極みです。フォーマルな場にも相応しい、威風堂々とした佇まいを持っています。

インテリアと装備の比較:実用性と豪華絢爛

車内に乗り込んでも、両車のコンセプトの違いは明確です。

  • ディフェンダー: あえて構造材(マグネシウム合金のクロスカービーム)を剥き出しにしたダッシュボードや、耐久性の高い素材、汚れても掃除がしやすいラバー製フロアなど、徹底して「ギア感(道具感)」が追求されています。もちろん、大型タッチスクリーンや最新の運転支援システムも搭載されていますが、その根底にあるのは実用性です。
  • レンジローバー: 上質なセミアニリンレザー、手触りの良いウッドパネル、精巧な金属加飾など、考えうる最高の素材で誂えられています。シートにはマッサージ機能が備わり、後席はまるで旅客機のファーストクラスのような快適性。静粛性も極めて高く、車外の喧騒とは無縁のプライベートな空間が広がっています。

走行性能の比較:究極のオフロードと至高のオンロード

走行性能においても、得意とするステージが異なります。

性能項目 ディフェンダー レンジローバー
得意な路面 悪路、オフロード、雪道 高速道路、市街地
サスペンション エアサスペンション(耐久性重視) エアサスペンション(快適性重視)
悪路走破性 ◎ 非常に優れる(渡河水深900mm) 〇 優れる(渡河水深900mm)
オンロード快適性 〇 優れる ◎ 非常に優れる(魔法の絨毯と評される)
静粛性 〇 良い ◎ 非常に高い

ディフェンダーは、いかなる地形にも対応する電子制御システム「テレインレスポンス2」を備え、その走破能力は他の追随を許しません。岩場や泥濘地、砂漠など、普通の車では到底進めない場所へも躊躇なく入っていけます。

一方、レンジローバーの真骨頂はオンロードでの圧倒的な快適性です。電子制御エアサスペンションは路面の凹凸を巧みにいなし、まるで雲の上を滑るかのような乗り心地を実現します。長距離移動における疲労度の少なさは、他のどんなSUVとも比較になりません。

ボディバリエーションの多様性

ディフェンダーは、ライフスタイルに合わせて選べる3つのボディタイプ(90/110/130)を展開しているのも大きな特徴です。

  • 90(ショート): 3ドアのコンパクトなボディ。取り回しが良く、スタイリッシュな印象で、パーソナルユースやカップルに最適。
  • 110(ミドル): 5ドアのスタンダードモデル。居住性と積載性のバランスが良く、ファミリーユースからアウトドアまで幅広く対応。最も人気の高いモデルです。
  • 130(ロング): 110のリアを延長し、3列シート8人乗りを実現したモデル。大人数での移動や、広大な荷室を必要とする用途に応えます。

この多様性は、レンジローバーにはないディフェンダーならではの魅力であり、より多くの人々のニーズに応える懐の深さを示しています。

維持費と故障リスクは?オーナーが語る現実

ランドローバー車に対して、「壊れやすい」「維持費が高い」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。確かに、かつてのモデルには電子系統のトラブルなどが散見されたことも事実です。

しかし、JLR(ジャガー・ランドローバー)グループの品質は近年劇的に向上しており、特に新型ディフェンダーの信頼性は非常に高くなっています。私の経験や、多くのオーナー様の声を聞いても、深刻なトラブルはほとんど報告されていません。

もちろん、輸入車である以上、部品代や整備費用が国産車に比べて高額になる傾向はあります。しかし、正規ディーラーで購入すれば手厚い新車保証が付きますし、メンテナンスパックに加入することで、一定期間の維持費を平準化することも可能です。

燃費に関しては、3リッターのディーゼルエンジンモデルであれば、高速道路を中心に走行すればリッター10km以上を記録することも可能で、このクラスの車としては健闘していると言えるでしょう。

どんな人におすすめ?ライフスタイル別最適モデル

最終的に、どちらの車が優れているかという議論は意味を成しません。重要なのは、あなたのライフスタイルや価値観にどちらが合っているかです。

  • ディフェンダーが最適な人:
    • キャンプ、スキー、釣りなど、本気のアウトドアアクティビティが趣味。
    • 他人とは違う、個性的なスタイルを表現したい。
    • 車を道具として使い倒すことに喜びを感じる。
    • 流行よりも、歴史や背景にあるストーリーを重視する。
    • 家族や仲間とアクティブな休日を過ごしたい。
  • レンジローバーが最適な人:
    • 長距離の移動が多く、とにかく快適性を最優先したい。
    • ビジネスやフォーマルな場にも相応しい車が必要。
    • 最高の素材と技術がもたらすラグジュアリーな空間を好む。
    • 社会的成功の象徴としてのステータス性を重視する。
    • 運転は自分でするよりも、後席でリラックスして過ごしたい。

このように、両車が提供する価値は全く異なります。あなたが前者にあてはまるのであれば、ディフェンダーこそが最高の選択となるでしょう。

まとめ

ディフェンダーのオーナーは、レンジローバーが買えなかった残念な人などでは決してありません。

彼らは、ランドローバーというブランドの歴史と、その中に存在する2つの異なる哲学を深く理解しています。そして、レンジローバーが提供する至高のラグジュアリーも知りながら、あえてディフェンダーが持つ唯一無二の機能性、デザイン性、そして「本物」の道具感を、自身のライフスタイルを輝かせるための最高のパートナーとして選んでいるのです。

その選択は、見栄や世間体からの解放であり、自分自身の価値観に忠実であることの証です。周囲の目を気にする必要は全くありません。むしろ、胸を張ってディフェンダーのステアリングを握ってください。その姿は、多くの人から「自分のスタイルを持った、格好いい大人」として、憧れと尊敬の目で見られることでしょう。

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