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TOYOTA

ハリアーのリセールバリューはガソリンとハイブリッドのどちらが良いか解説

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、トヨタ80系ハリアーの購入を検討していて、ガソリン車とハイブリッド車のどちらがリセールバリューで有利なのか、その具体的な理由について深く知りたいと考えているのではないでしょうか。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)

私も実際に80系ハリアーを所有し、市場の動向を常にチェックしているので、その気になる気持ちはよくわかります。

この記事を読み終える頃には、あなたのハリアー選びにおけるリセールバリューの疑問が明確に解決しているはずです。

記事のポイント
  • リセールバリューは明確にガソリン車が優位
  • 最大の理由は整備性に優れるガソリン車への海外需要
  • グレードは「Z “Leather Package”」の一択
  • 必須オプションと人気カラーが査定額を大きく左右
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Contents
  1. ハリアーのリセールバリューが市場で高く評価される理由
    1. 圧倒的なブランド力と揺るぎない人気
    2. 見るものを魅了する高級感のあるデザインと内装
    3. 日本国内だけではない、海外での絶大な需要
    4. 「世界のトヨタ」が誇る信頼性と品質
  2. 【結論】ハリアーのリセールはガソリン車が有利な理由を徹底解説
    1. 理由1:圧倒的な海外需要がガソリン車に集中している
    2. 理由2:車両本体価格の差が売却価格に反映されにくい
    3. 理由3:実際のデータで比較!3年・5年後の残価率シミュレーション
    4. 私の体験談:最終的にガソリン車を選んだ決め手
  3. リセールバリューを最大化するハリアーの選び方
    1. 最もリセールが高いグレードは「Z “Leather Package”」
    2. ボディカラーは「プレシャスブラックパール」か「プラチナホワイトパールマイカ」
    3. 装着必須のメーカーオプション
    4. あると有利なディーラーオプション
    5. 駆動方式は2WDと4WDのどちらが良いか
  4. ガソリン車とハイブリッド車、リセール以外のメリット・デメリット比較
    1. 走行性能の違い
    2. 燃費性能と燃料代の比較
    3. 税金・諸費用の違い
    4. トータルコストで考える損益分岐点
  5. ハリアー購入・売却に関する注意点と今後の展望
    1. 新車購入時の納期と中古車市場の動向
    2. 効果的な売却のタイミングと方法
    3. 将来のモデルチェンジがリセールに与える影響予測
    4. 電動化シフトの中でのハリアーの立ち位置
  6. まとめ

ハリアーのリセールバリューが市場で高く評価される理由

まず本題に入る前に、なぜハリアーという車種がこれほどまでに高いリセールバリューを維持しているのか、その基本的な理由について解説します。 この背景を理解することが、ガソリン車とハイブリッド車の違いを読み解く鍵となります。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)

圧倒的なブランド力と揺るぎない人気

ハリアーは1997年の初代登場時から「高級クロスオーバーSUV」という新たなジャンルを切り拓いたパイオニアです。 セダンのような乗り心地と静粛性、そしてSUVならではの優れた視界と存在感を両立させたことで、瞬く間に大ヒットモデルとなりました。 現行の80系に至るまで、その都会的で洗練されたデザインと高級感のある内装は多くのユーザーに支持され続けています。

この「ハリアーブランド」が持つ圧倒的な知名度と信頼性が、中古車市場での高い需要に直結しているのです。 誰もが知っている人気車種であるため、中古車として販売する際に買い手がつきやすく、販売店も強気の価格設定ができます。 それが結果的に、買取価格の高騰に繋がっているのです。

見るものを魅了する高級感のあるデザインと内装

80系ハリアーのデザインは、まさに流麗という言葉がふさわしいクーペフォルムが特徴です。 シャープなヘッドライトからリアへと流れるようなキャラクターラインは、他のSUVとは一線を画すエレガントさを醸し出しています。 また、内装の質感も非常に高い評価を得ています。

特に「Z “Leather Package”」に採用されている本革シートや、馬の鞍をイメージしたと言われる幅広のセンターコンソールは、乗るたびに所有する満足感を満たしてくれます。 このような内外装の高級感が、新車価格が高くても手に入れたいという層を生み出し、中古車市場でもその価値が落ちにくい大きな要因となっています。

日本国内だけではない、海外での絶大な需要

ハリアーの高いリセールバリューを語る上で最も重要な要素が、海外、特に東南アジアや中東、アフリカ、ロシアといった国々での絶大な人気です。 これらの国々では、トヨタブランドへの信頼性が非常に高く、中でもハリアーは「壊れにくく高級なSUV」として富裕層を中心に高いステータスシンボルとなっています。

日本国内で数年乗られた状態の良い中古車が、海を渡って高値で取引されているのです。 この強力な海外需要が、国内の中古車相場を下支えし、驚異的なリセールバリューを実現する最大の原動力となっています。 特に、特定の条件下では新車価格を超えるようなプレミア価格で取引されることも珍しくありません。

「世界のトヨタ」が誇る信頼性と品質

海外需要の根底にあるのは、トヨタ車全般に共通するその圧倒的な信頼性と品質です。 厳しい環境下でも故障が少なく、万が一の際にも修理がしやすいという評判は世界中で確立されています。 ハリアーもその例に漏れず、長期間にわたって安心して乗り続けることができる品質を確保しています。

この「壊れにくさ」という価値は、中古車を購入するユーザーにとって非常に重要であり、年式が経過しても価値が落ちにくい大きな理由です。 特にインフラが十分に整備されていない地域では、この信頼性が絶対的な価値を持つのです。

【結論】ハリアーのリセールはガソリン車が有利な理由を徹底解説

さて、ここからが本題です。 ハリアーの高いリセールバリューの背景をご理解いただいた上で、なぜガソリン車がハイブリッド車よりも有利なのか、その核心に迫っていきます。 両者の車両価格差や燃費性能を考えると、直感的にはハイブリッド車の方が価値が高そうに思えるかもしれません。 しかし、中古車、特に輸出市場という特殊な要因が絡むと、その常識は覆ります。

理由1:圧倒的な海外需要がガソリン車に集中している

ハリアーのリセールを支える海外需要ですが、そのほとんどが「ガソリン車」に向けられています。 これには明確な理由がいくつか存在します。

メンテナンスの容易さ

海外の多くの国、特にハリアーが人気の中古車輸出先となっている地域では、日本のようにハイブリッドシステムを完璧に整備できる工場や技術者が限られています。 複雑な電子制御や高電圧バッテリーを扱うハイブリッドシステムは、専門的な知識と設備がなければ修理が困難です。

一方で、伝統的なガソリンエンジンは構造が比較的シンプルで、多くの整備工場で対応が可能です。 つまり、現地で長く乗り続けることを考えた場合、メンテナンス性に優れるガソリン車の方が圧倒的に安心感が高いのです。 この整備性の違いが、海外バイヤーがガソリン車を積極的に選ぶ最大の理由です。

ハイブリッドバッテリーへの懸念

中古車を購入する際、どうしても懸念点となるのが消耗部品の状態です。 ハイブリッド車において最大の消耗部品は、駆動用のメインバッテリーです。 現在のバッテリーは非常に高性能で長寿命ですが、それでも経年劣化は避けられません。 交換には数十万円単位の高額な費用がかかるため、中古のハイブリッド車を購入する海外のユーザーは「バッテリーがいつ寿命を迎えるか」というリスクを常に考慮します。 このバッテリー交換のリスクが、中古ハイブリッド車の価格が伸び悩む一因となっています。

理由2:車両本体価格の差が売却価格に反映されにくい

ハリアーのガソリン車とハイブリッド車では、同じグレードでも新車時の車両本体価格に約60万円ほどの価格差があります。 もちろん、この価格差はハイブリッドシステムのコストに起因するものです。

グレード エンジン 駆動 新車価格(税込)
G ガソリン 2WD 3,410,000円
G ハイブリッド 2WD 4,000,000円
Z ガソリン 2WD 3,930,000円
Z ハイブリッド 2WD 4,520,000円
Z “Leather Package” ガソリン 2WD 4,230,000円
Z “Leather Package” ハイブリッド 2WD 4,820,000円

新車購入時には約60万円高く支払っているハイブリッド車ですが、3年後、5年後に売却する際、その価格差がそのまま査定額に上乗せされるわけではありません。 むしろ、前述の海外需要の要因により、ガソリン車との価格差は大きく縮まってしまいます。

場合によっては、ガソリン車の方が高い査定額がつくことすらあるのです。 これは、初期投資額に対して、売却時のリターンがハイブリッド車の方が低いことを意味します。 リセールバリュー(残価率)という観点で見ると、支払った金額に対してより多くの価値が残るのは、間違いなくガソリン車ということになります。

理由3:実際のデータで比較!3年・5年後の残価率シミュレーション

言葉だけでなく、実際のデータを見てみましょう。 ここでは、最もリセールに強いとされる「Z “Leather Package”」の2WDモデルを例に、3年後と5年後の一般的な残価率をシミュレーションしてみます。

※残価率は市場の状況により常に変動します。 あくまで目安としてご覧ください。

【3年後の残価率比較】

モデル 新車価格 予想買取相場 残価率
ガソリン Z “Leather Package” 4,230,000円 約3,400,000円 約80%
ハイブリッド Z “Leather Package” 4,820,000円 約3,650,000円 約76%

【5年後の残価率比較】

モデル 新車価格 予想買取相場 残価率
ガソリン Z “Leather Package” 4,230,000円 約3,000,000円 約71%
ハイブリッド Z “Leather Package” 4,820,000円 約3,200,000円 約66%

ご覧の通り、買取価格の絶対額ではハイブリッド車の方が高い傾向にありますが、新車価格からの下落率を示す「残価率」では、3年後・5年後ともにガソリン車がハイブリッド車を上回っているのがわかります。 特に5年後はその差が顕著になります。 これは、新車登録から5年以内という条件が、一部の国への輸出規制に関係しており、ガソリン車の需要が特に高まるためです。 賢く車を乗り換えていく上で、この残価率の高さは非常に重要な指標と言えるでしょう。

私の体験談:最終的にガソリン車を選んだ決め手

私自身も現在80系ハリアーのガソリンモデル「Z “Leather Package”」を所有しています。 購入検討時、もちろんハイブリッドモデルの静粛性や燃費性能にも大いに魅力を感じました。 しかし、最終的にガソリン車を選んだ決め手は、やはり長期的な資産価値、つまりリセールバリューでした。

ジャーナリストという仕事柄、数年で車を乗り換える可能性も考慮する必要があり、その際に少しでも有利な条件で手放せることは大きなメリットです。 また、2.0Lダイナミックフォースエンジンのダイレクトな加速感や、自然なフィーリングも個人的な好みに合っていました。 もちろん、これはあくまで私のライフスタイルや価値観に基づく選択ですが、一つの実例として参考にしていただければ幸いです。

リセールバリューを最大化するハリアーの選び方

ハリアーのリセールはガソリン車が有利であると解説してきましたが、さらにその価値を最大化するためには、グレードやカラー、オプションの選択が極めて重要になります。 ここでは「リセール最強」のハリアーを構成するための具体的な要素を解説します。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)

最もリセールが高いグレードは「Z “Leather Package”」

数あるグレードの中で、最も高いリセールバリューを誇るのが「Z “Leather Package”」です。 その理由は、ハリアーに求められる「高級感」を最も体現しているグレードだからです。

本革シートの圧倒的な魅力

“Leather Package”の名の通り、このグレードには上質な本革シートが標準装備されます。 見た目の豪華さだけでなく、座り心地や肌触りも格別です。 中古車市場において、本革シートの有無は査定額に大きく影響します。 特に高級SUVであるハリアーにおいては、ファブリックシートのモデルよりも本革シートのモデルを求めるユーザーが圧倒的に多いため、需要の高さが価格に直結します。

充実した快適装備

「Z」グレードをベースにしているため、プロジェクター式LEDヘッドランプや12.3インチの大型ディスプレイオーディオ、カラーヘッドアップディスプレイなど、先進的で快適な装備が標準で備わっています。 これらの装備も中古車市場での人気を支える重要な要素です。 下位グレードにオプションで追加していくよりも、最上級グレードを選ぶ方が結果的に満足度もリセールバリューも高くなるのです。

ボディカラーは「プレシャスブラックパール」か「プラチナホワイトパールマイカ」

車の第一印象を決めるボディカラーは、リセールバリューを左右する非常に重要な要素です。 ハリアーにおいては、有償色である「プレシャスブラックパール」と「プラチナホワイトパールマイカ」の2色が鉄板です。

  • プレシャスブラックパール(オプション料金:55,000円)
    • 深みと艶のある美しい黒。
    • ハリアーの高級感とクーペのような流麗なフォルムを最も引き立てるカラーとして絶大な人気を誇ります。
    • 傷が目立ちやすいというデメリットはありますが、それを補って余りあるリセール価値があります。
  • プラチナホワイトパールマイカ(オプション料金:38,500円)
    • 清潔感と上品さを兼ね備えたパールホワイト。
    • 性別や年齢を問わず好まれる定番カラーであり、中古車市場での需要も非常に安定しています。
    • 膨張色であるため、ボディをより大きく見せる効果もあります。

この2色以外のカラーが悪いわけではありませんが、リセールバリューを最優先するならば、追加料金を支払ってでもこのどちらかを選択することを強く推奨します。 オプション料金は、売却時の査定アップ分で十分に回収できるでしょう。

装着必須のメーカーオプション

メーカーオプションは後付けができないため、新車注文時の選択が全てです。 リセールに特に大きく影響する必須オプションは以下の通りです。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)

調光パノラマルーフ(オプション料金:198,000円)

これは80系ハリアーを象徴する装備であり、リセールバリューへの貢献度が最も高いオプションです。 シェードを開けると大開口のガラスルーフとなり、さらに調光機能を使えば瞬時に透過状態から乳白色の遮光状態へと切り替えられます。 この先進性と開放感は、他の車種にはない大きな魅力です。 装着の有無で、査定額が20万円以上変わることも珍しくありません。 高価なオプションですが、装着すれば売却時に支払った金額以上の価値を生む可能性が非常に高い、マストアイテムです。

JBLプレミアムサウンドシステム(オプション料金:116,600円)

9つのスピーカーと高性能アンプで構成されるこのサウンドシステムは、音にこだわるユーザーから高い支持を得ています。 標準のオーディオとの音質差は歴然であり、車内を上質な音楽空間に変えてくれます。 これもまた中古車市場でプラス査定となる人気のオプションです。

あると有利なディーラーオプション

ディーラーオプションは後付けも可能ですが、新車購入時に装着しておくことで、より有利になるものがあります。

  • モデリスタ エアロパーツ
    • エクステリアの迫力と高級感を格段にアップさせるアイテムです。
    • 特にフロントスポイラー、サイドスカート、リアスタイリングキットのセットは人気が高く、装着されていると査定額アップが期待できます。
  • フロアマット(ロイヤルタイプ)
    • 実用装備ですが、上質なロイヤルタイプを選ぶことで、内装の質感をさらに高めることができます。

駆動方式は2WDと4WDのどちらが良いか

駆動方式の選択は、お住まいの地域によって結論が変わります。

  • 降雪地帯以外にお住まいの場合 → 2WD
    • 4WDは必要性が低く、新車価格の高さ、燃費の悪化、重量増といったデメリットが目立ちます。
    • リセール市場でも、降雪地帯以外では2WDの方が需要が高く、有利な傾向にあります。
  • 降雪地帯にお住まいの場合 → 4WD
    • 雪道での走行安定性は言うまでもなく4WDが優れています。
    • 地域の需要が高いため、売却時にも4WDであることが正当に評価され、マイナスになることはありません。

ご自身の使用環境に合わせて最適な駆動方式を選ぶことが、結果的にリセール面でも後悔のない選択に繋がります。

ガソリン車とハイブリッド車、リセール以外のメリット・デメリット比較

ここまでリセールバリューという観点に絞って解説してきましたが、車の価値はそれだけではありません。 ここでは、走行性能や維持費など、リセール以外の側面からガソリン車とハイブリッド車を比較し、総合的な判断材料を提供します。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)

走行性能の違い

両者はパワートレインが異なるため、運転感覚にも明確な違いがあります。

  • ハイブリッド車
    • メリット: モーターによる発進時の滑らかさと圧倒的な静粛性が魅力です。 特に市街地でのストップ&ゴーでは、そのスムーズさに感動を覚えるでしょう。 システム最高出力は2WDモデルで218PSと、ガソリン車よりもパワフルで、高速道路での合流などでも余裕のある加速をみせます。
    • デメリット: アクセルを強く踏み込んだ際にエンジンが始動すると、急に音が大きくなる感覚があります。 また、ブレーキのフィーリングが回生ブレーキ特有のもので、やや不自然に感じる方もいるかもしれません。
  • ガソリン車
    • メリット: 自然でダイレクトな加速フィールが持ち味です。 アクセル操作に対するレスポンスがリニアで、エンジン回転数の上昇とともにパワーが盛り上がっていく感覚は、車を操る楽しさを感じさせてくれます。 最高出力は171PSと数値上はハイブリッドに劣りますが、日常域での力不足を感じることはまずありません。
    • デメリット: アイドリング時や低速走行時の静粛性はハイブリッド車に及びません。

どちらが良いかは完全に好みの問題ですが、静かでスムーズな移動を重視するならハイブリッド、車との一体感や自然なフィーリングを好むならガソリン車がおすすめです。

燃費性能と燃料代の比較

車の維持費で大きな割合を占める燃料代。 両者のカタログ燃費(WLTCモード)と、年間1万km走行した場合の燃料代を比較してみましょう。

(※レギュラーガソリン価格を170円/Lとして計算)

モデル(2WD) カタログ燃費 年間燃料代(1万km走行) 5年間の燃料代
ガソリン車 (G) 15.4 km/L 約110,390円 約551,950円
ハイブリッド車 (G) 22.3 km/L 約76,233円 約381,165円
差額 6.9 km/L 約34,157円 約170,785円

表の通り、燃料代だけで見ると5年間で約17万円、ハイブリッド車の方がお得になります。 しかし、新車時の価格差が約60万円あることを忘れてはいけません。

税金・諸費用の違い

購入時や車検時にかかる税金にも違いがあります。

  • 自動車税(種別割):
    • ガソリン車(1,986cc):36,000円/年
    • ハイブリッド車(2,487cc):43,500円/年
    • 排気量が大きいハイブリッド車の方が、毎年の自動車税は高くなります。
  • 自動車重量税・環境性能割:
    • ハイブリッド車はエコカー減税の対象となるため、購入時や初回車検時の税金が優遇されます。
    • これにより、購入時にかかる税金の総額はハイブリッド車の方が安くなるケースが多いです。

ただし、これらの税金の差額は数万円程度であり、60万円の車両価格差を埋めるほどのインパクトはありません。

トータルコストで考える損益分岐点

「車両価格差」と「維持費の差」を総合的に考慮すると、ハイブリッド車がガソリン車よりもトータルでお得になるためには、かなりの長距離を走行する必要があります。

単純計算でも、車両価格差約60万円を年間の燃料代差約3.4万円で割ると、元を取るのに約17.6年かかる計算になります。 実際には税金の優遇などもありますが、それでも10年以上、あるいは15万km以上走行しないと、ハイブリッド車の経済的なメリットは享受しにくいのが現実です。 さらに、売却時のリセールバリューの差額(ガソリン車が有利)を考慮すると、一般的な乗り換えサイクルである5年〜7年程度では、トータルコストでもガソリン車の方が有利になる可能性が非常に高いと言えるでしょう。

ハリアー購入・売却に関する注意点と今後の展望

最後に、ハリアーをこれから購入、あるいは将来的に売却する際に知っておくべき注意点と、今後の市場動向について私の見解を述べさせていただきます。

新車購入時の納期と中古車市場の動向

ハリアーは依然として非常に人気が高く、新車の納期は長期化する傾向にあります。 グレードやオプションによっては1年近く待つケースも少なくありません。 この長い納期が、状態の良い中古車の価格を高騰させる一因にもなっています。 すぐにハリアーに乗りたいという需要が中古車市場に流れ、結果としてリセールバリューを押し上げているのです。 購入を検討する際は、最新の納期情報をディーラーに確認し、計画的に進めることが重要です。

効果的な売却のタイミングと方法

ハリアーを最も高く売却できるタイミングは、モデルチェンジの噂が出始める前です。 一般的には、3年後、5年後、7年後の車検前が乗り換えの目安となりますが、特にハリアーの場合は海外需要が強い5年目の車検前が一つの大きなターゲットとなります。 売却する際は、ディーラー下取りだけでなく、複数の買取専門店に査定を依頼する「一括査定」を利用することを強く推奨します。 ハリアーのような輸出に強い車種は、業者によって買取価格に数十万円の差が出ることがよくあるからです。 海外に独自の販路を持つ業者は、特に高値を提示してくれる可能性があります。

将来のモデルチェンジがリセールに与える影響予測

どのような人気車種でも、フルモデルチェンジが行われると旧モデルの相場は下落する傾向にあります。 現行80系ハリアーも、いずれ次期モデルが登場すれば、リセールバリューに影響が出ることは避けられません。 ただし、ハリアーの場合はデザインの評価が非常に高く、ブランド力も強固なため、値崩れは比較的緩やかだと予測されます。 次期モデルの情報にアンテナを張り、最適なタイミングで売却を検討することが、資産価値を最大化する上で重要です。

電動化シフトの中でのハリアーの立ち位置

世界的に自動車の電動化が進む中で、純ガソリンエンジン車の将来的な価値を不安視する声もあります。 しかし、それはまだ先の話です。 少なくとも今後5年〜10年のスパンで見れば、インフラ整備が追いついていない国々への輸出需要は依然としてガソリン車が中心であり続けるでしょう。 そのため、80系ハリアーのガソリン車の価値が急落するとは考えにくいです。 むしろ、信頼性の高い最後の純ガソリンSUVとして、一定の価値を保ち続ける可能性すらあります。 ハイブリッド車は国内需要を中心に安定した人気を維持し、時代の流れと共にその価値は再評価されていくかもしれません。

まとめ

今回は、トヨタハリアーのリセールバリューについて、ガソリン車とハイブリッド車を徹底的に比較・解説してきました。

結論として、リセールバリューを最優先するならば、選択すべきは**「ガソリン車」**です。 その最大の理由は、整備性の良さから海外での需要がガソリン車に集中している点にあります。

そして、その価値を最大化するための最適な組み合わせは、

  • グレード:Z “Leather Package”
  • ボディカラー:プレシャスブラックパール or プラチナホワイトパールマイカ
  • 必須オプション:調光パノラマルーフ

となります。

もちろん、ハイブリッド車の優れた静粛性や燃費性能は大きな魅力であり、年間走行距離が非常に長い方や、環境性能を重視する方にとっては最適な選択となり得ます。 しかし、一般的な使用状況と乗り換えサイクルを考慮した場合、初期投資の安さと高い残価率を誇るガソリン車が、トータルコストで有利になる可能性が高いという事実は、ハリアー選びにおける重要な判断材料となるはずです。

このレビューが、あなたの最適な一台を見つけるための一助となれば幸いです。