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レクサス

新型レクサスISの価格は?外装内装・安全装備の違いから妥当性を解説

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、2025年9月8日に発表されたレクサスISの新しいモデルについて、価格や現行モデルとの違いが気になっていることでしょう。 私も長年レクサスISを2台乗り継いできたオーナーとして、この衝撃的な3度目のビッグマイナーチェンジには驚きを隠せません。 皆さんが抱えるであろう「この進化は価格に見合うのか?」という疑問、その気持ちは痛いほどよくわかります。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)

この記事を読み終える頃には、新型レクサスISの価格、進化したポイント、そして購入の妥当性についての疑問が解決しているはずです。

記事のポイント

  • 新型レクサスISの予想価格と現行との比較
  • 内外装デザインの大幅な進化点
  • 最新安全装備と走行性能の向上
  • 価格差に見合う価値があるかの徹底考察
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新型レクサスISの価格を徹底予想!現行モデルとの価格差は?

今回のビッグマイナーチェンジで最も気になるのは、やはり価格でしょう。 デビューから12年という異例の長寿モデルでありながら、再び大規模な改良が施された新型IS。 その進化は、果たしていくらの値札となって我々の前に現れるのでしょうか。 私自身もオーナーとして、そしてジャーナリストとして、様々な情報からその価格を徹底的に分析・予想してみました。 現行モデルとの価格を比較しながら、その妥当性に迫ります。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)

新型レクサスISのグレード構成と予想価格

まず、新型ISの国内におけるパワートレイン展開についてですが、公式発表によると「IS300h」がメインとなるようです。 残念ながら、私が以前所有していた2.0Lターボモデルの「IS300」はラインナップから消え、3.5L V6エンジンを搭載する「IS350」は海外市場が中心となる見込みです。 また、ハイパフォーマンスモデルである「IS500」に関しても、今回のラインナップには含まれていません。

これにより、国内でのグレード構成は以下のようになると予想されます。

  • IS300h (標準モデル)
  • IS300h “version L”
  • IS300h “F SPORT”

この構成を基に、今回の改良内容を考慮して予想価格を算出してみましょう。 内外装の大幅な刷新、12.3インチの大型ディスプレイとフル液晶メーターの採用、最新の「Lexus Safety System +」へのアップデート、そして走行性能に関わる足回りの改良など、コストアップの要因は数多く存在します。 近年の原材料費や物流費の高騰も無視できません。

これらの要素を踏まえると、現行モデルからおおよそ30万円〜50万円程度の価格上昇は避けられないと見るのが妥当でしょう。

新型レクサスIS 予想価格

グレード 駆動方式 予想価格(税込)
IS300h 2WD (FR) 6,100,000円
IS300h “version L” 2WD (FR) 6,800,000円
IS300h “F SPORT” 2WD (FR) 6,500,000円
IS300h AWD 6,550,000円
IS300h “version L” AWD 7,250,000円
IS300h “F SPORT” AWD 6,950,000円

※上記はあくまでジャーナリストとしての予想価格です。

特に、装備が充実する “version L” や “F SPORT” は、価格上昇幅が大きくなる可能性があります。 しかし、後述する改良内容を見れば、この価格設定にも納得できる部分があるはずです。

現行モデルの価格を再確認

ここで、比較対象となる現行(2020年マイナーチェンジモデル)の価格を振り返っておきましょう。 これにより、新型の価格上昇がどれほどのものか、より具体的にイメージできるはずです。

現行レクサスIS メーカー希望小売価格(税込)

グレード 駆動方式 価格(税込)
IS300h 2WD (FR) 5,596,000円
IS300h “version L” 2WD (FR) 6,426,000円
IS300h “F SPORT” 2WD (FR) 6,026,000円
IS300h AWD 6,036,000円
IS300h “version L” AWD 6,866,000円
IS300h “F SPORT” AWD 6,466,000円

※2024年時点の価格を参考に記載しています。

グレード別価格比較表(現行 vs 新型予想)

現行モデルと新型の予想価格を並べて比較してみましょう。 価格差が進化の内容に見合っているか、判断する材料にしてください。

グレード (2WD) 現行価格 新型予想価格 価格差(予想)
IS300h 5,596,000円 6,100,000円 +504,000円
IS300h “version L” 6,426,000円 6,800,000円 +374,000円
IS300h “F SPORT” 6,026,000円 6,500,000円 +474,000円

こうして見ると、エントリーグレードの価格上昇が最も大きく見えるかもしれません。 これは、これまで上級グレードにしか設定されていなかった装備が標準化される影響が大きいと考えられます。 例えば、大型ディスプレイなどが全車標準装備となれば、ベース価格は必然的に引き上げられます。

価格上昇の要因は?原材料高騰と装備充実

今回の価格上昇は、単なる値上げではありません。 その背景には、大きく分けて2つの要因が存在します。

一つは、世界的な半導体不足や原材料費、物流費の高騰です。 これは自動車業界全体が直面している問題であり、レクサスISもその例外ではありません。

そしてもう一つが、今回のレビューの核心でもある**「装備の大幅な充実」**です。 エクステリアの刷新はもちろん、インテリアの質感向上、デジタル関連装備の近代化、そして先進安全技術のアップデートなど、その内容はフルモデルチェンジに匹敵すると言っても過言ではありません。 次のセクションからは、その進化した内容を具体的に見ていきましょう。 この価格上昇が「高い」と感じるか、「妥当」と感じるかは、その進化の度合いを理解することで見えてくるはずです。

新型レクサスISはどこが変わった?現行モデルとの違いを徹底比較

価格の次に知りたいのは、もちろん「何がどう変わったのか」という点でしょう。 私も2020年のビッグマイナーチェンジモデルを所有していただけに、今回の進化には目を見張るものがありました。 エクステリア、インテリア、安全装備、そして走りの質感。 あらゆる面で熟成が進んだ新型ISの変更点を、現行モデルと比較しながら徹底的に解説します。

【エクステリア】さらに洗練されたフロントマスクとディテール

2020年のマイナーチェンジで、ワイド&ローを強調した非常にスポーティなデザインを手に入れたISですが、今回はその魅力をさらに昇華させてきました。 一見すると小変更に見えるかもしれませんが、細部に至るまで手が加えられており、クルマ全体の印象を大きく変えています。

ユニファイドスピンドル風の新グリルデザイン

最も大きな変更点はフロントマスクです。 従来の糸巻き形状のスピンドルグリルから、最新のレクサス車(例えばLBXなど)に採用されている「ユニファイドスピンドル」を彷彿とさせるデザインへと進化しました。 ボディとグリルがシームレスにつながるような一体感のある造形は、より低重心でアグレッシブな印象を与えます。

面白いのは、完全にユニファイドスピンドル化するのではなく、従来からのスピンドルグリルの骨格を残しつつ、下部をメッシュタイプの開口部としている点です。 これにより、レクサスのアイデンティティを保ちながら、新世代のデザインへと見事に融合させています。 また、ボンネットフードの先端にLEXUSエンブレムが移動したことで、鼻先が低く見え、FRセダンらしいロングノーズが一層際立つようになりました。 ヘッドライトユニットは3眼LEDが踏襲されていますが、この新しいグリルとの組み合わせは非常に精悍で、個人的には100点満点をつけたいほどの格好良さだと感じています。

新デザインの19インチアルミホイール

足元を引き締めるホイールも、新デザインのものが採用されました。 特に”F SPORT”に装着される19インチのアルミホイールは、細くシャープなスポークが特徴的で、非常に軽量に見えます。 このデザインは、ISの持つ軽快な走りのイメージを視覚的にも表現しており、全体のスポーティな雰囲気を高めています。 また、メーカーオプションでレクサスロゴ入りのレッドブレーキキャリパーが選択できるようになったのも、走り好きには嬉しいポイントでしょう。

リアデザインの変更点

リアビューの基本的な造形は、2020年モデルで採用された一文字につながるコンビネーションランプが踏襲されており、大きな変更はありません。 しかし、細かなアップデートが所有欲を満たしてくれます。

まず、トランクリッド中央のL字エンブレムが廃止され、最新モデルの証である「L E X U S」のバラ文字ロゴタイプに変更されました。 これだけで、クルマが数年新しくなったかのような印象を受けます。 さらに、”F SPORT”には空力性能を考慮したブラックのリアスポイラーが装着され、リアビューをより引き締めています。 シャークフィンアンテナもブラック化されるなど、細部までこだわった演出が光ります。

【インテリア】質感向上と最新装備で大幅アップデート

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)

今回のマイナーチェンジで、エクステリア以上に大きな変貌を遂げたのがインテリアです。 正直に言って、現行モデルのインテリアは、基本設計の古さからくるデジタル装備の遅れや、一部の質感に課題を抱えていました。 しかし、新型ISはその弱点をことごとく克服し、現代のプレミアムセダンにふさわしい空間へと生まれ変わっています。

Tazuna Conceptに基づくコックピットデザイン

運転席周りは、馬と乗り手が手綱(たづな)で心を通わせるように、人とクルマの一体感を目指す「Tazuna Concept」に基づいてデザインが一新されました。 インストルメントパネルからセンターコンソール、ドアトリムに至るまで手が加えられ、ドライバーを中心とした操作性の高いレイアウトになっています。 特に、エアコンの吹き出し口が丸型から横基調のデザインに変わり、そこから伸びるラインがダッシュボード全体に広がりと質感を加えています。 長年指摘されてきたエアコン操作パネル周りのスイッチ類もデザインが改められ、見た目と触感の両方で質感が大幅に向上しているのは間違いありません。

待望のアンビエントライト採用

そして、個人的に最も歓迎したいのがアンビエントライトの採用です。 これまでレクサスISには設定がなく、夜間の室内空間は少し寂しい印象がありました。 新型では、ダッシュボードやセンターコンソール、ドアトリムなどがライン状に発光し、室内を彩ります。 カラーは14色のテーマカラーに加え、好みに合わせて選べる50色のカスタムカラーが用意されており、合計64色からその日の気分に合わせた演出が可能です。 メルセデス・ベンツのような派手さはありませんが、上質で落ち着いた光の演出は、レクサスの世界観によく合っていると言えるでしょう。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)

12.3インチディスプレイとフル液晶メーター

デジタル装備の進化も著しいです。 まず、センターディスプレイは従来の10.3インチから12.3インチへと大型化されました。 これにより、ナビ画面の視認性が向上するだけでなく、Apple CarPlayやAndroid Autoを利用する際の快適性も格段にアップします。

さらに、メーターパネルもついに12.3インチのフル液晶メーターが採用されました。 これにより、表示できる情報量が飛躍的に増加し、ナビ画面と連携した地図表示など、多彩な表現が可能になります。 ステアリングホイールも最新のデザインに刷新され、スイッチ類の操作性も向上しています。 嬉しいことに、一部のレクサス車で採用されているタッチトレーサーオペレーションではなさそうなので、誤操作の心配も少ないでしょう。

新素材の採用(フォージドバンブーなど)

インテリアの質感を高める上で、マテリアルの選択は非常に重要です。 新型ISでは、センターコンソールのオーナメントパネルに「フォージドバンブー」という新素材が採用されています。 これは、竹を炭化させて作り出した素材のようで、独特のマーブル模様が非常に美しいです。 本物の素材が持つ質感は、プラスチックでは決して表現できない上質さを空間にもたらしてくれます。 ドアトリムにもステッチが追加されるなど、細部にわたる質感向上の努力が見て取れます。

【安全装備】Lexus Safety System +の進化とアドバンストドライブ

安全装備は、もはやクルマ選びの必須条件です。 その点においても、新型ISは抜かりありません。 最新の予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」が搭載され、機能が大幅に拡充されました。

プロアクティブドライビングアシスト(PDA)搭載

最新のトヨタ・レクサス車に順次搭載されている「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」が、ついにISにも採用されました。 これは、「危険の先読み」を行うことで、事故を未然に防ぐことをサポートするシステムです。 例えば、

  • 前方のカーブに対して自車の速度が速いと判断すると、緩やかに減速を支援
  • 前を走るクルマに近づきすぎないように、アクセルオフ時に緩やかに減速
  • 横断中の歩行者や道路脇の自転車などを検知すると、ステアリングとブレーキ操作を支援して回避をサポート

といったように、運転状況に応じて常にシステムがドライバーを見守ってくれます。 これは、レーダークルーズコントロール作動中でなくても機能するため、日常のあらゆるシーンで安全・安心な運転を支えてくれる心強い味方です。

アドバンストドライブ(渋滞時支援)の採用

さらに、高速道路や自動車専用道路での運転を強力にサポートする「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」も搭載されました。 これは、渋滞時(時速0km〜約40km)にレーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストが作動している状態で一定の条件を満たすと、ドライバーが前を向いていることを条件に手放し運転(ハンズオフ)が可能になる機能です。 長時間の渋滞による運転の疲労やストレスを大幅に軽減してくれる、非常に価値のある装備と言えるでしょう。

【走行性能】ステアフィールと乗り心地の熟成

「走る楽しさ」を追求してきたISだからこそ、走行性能の進化も見逃せません。 今回の改良では、ドライバーが「もっと走りたい」と思えるような、気持ちの良い走りの実現に向けたアップデートが施されています。

ラック式EPSとVGRSの採用

私が現行モデルで唯一気になっていたのが、ステアリングフィールでした。 悪くはないのですが、最新のTNGAプラットフォームを採用したクルマと比べると、リニアリティに欠ける印象があったのです。 新型ISでは、その課題を克服すべく、電動パワーステアリング(EPS)がラックパラレル式に変更されました。 これにより、よりダイレクトで応答性の高いステアリングフィールが期待できます。 さらに、車速に応じてステアリングのギア比を変化させる**VGRS(バリアブル・ギア・レシオ・ステアリング)**も採用され、低速域での取り回しの良さと高速域での安定性を両立しています。

リニアソレノイド式AVSで乗り心地向上

足回りには、新しい**リニアソレノイド式AVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システム)**が採用されました。 これは、路面状況や運転操作に応じて、ショックアブソーバーの減衰力をきめ細かく、かつ素早く制御するシステムです。 これにより、荒れた路面ではしなやかに衝撃をいなし、コーナリング時にはしっかりと踏ん張るという、相反する性能を高次元で両立します。 日常走行での乗り心地の向上と、ワインディングでのスポーティな走りの両方が、これまで以上に高いレベルで楽しめるようになっているはずです。

価格差は妥当か?新型レクサスISの購入価値をジャーナリストが本音で解説

ここまで、新型レクサスISの驚くべき進化の数々を見てきました。 内外装の劇的な変化、最新デジタル装備の搭載、そして安全・走行性能の向上。 これだけの改良が施されているのであれば、30万円から50万円という価格上昇も一見すると妥当に思えるかもしれません。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)

しかし、自動車ジャーナリストとして、そして一人のクルマ好きとして、手放しで賞賛するだけでは皆さんの本当の疑問には答えられません。 このセクションでは、あえて厳しい視点も交えながら、新型ISの購入価値について本音で切り込んでいきたいと思います。

進化したポイントから見る価格上昇の妥当性

まず、ポジティブな側面から価格の妥当性を評価しましょう。 インテリアの進化は、価格上昇分以上の価値があると言っても過言ではありません。 12.3インチの大型ディスプレイとフル液晶メーターは、もはや現代のプレミアムカーには必須の装備です。 これらが搭載されたことで、ISは競合する欧州のDセグメントセダン(BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツ Cクラスなど)とようやく同じ土俵に立つことができました。

アンビエントライトの採用や、フォージドバンブーといった新素材の投入も、室内の質感を劇的に向上させています。 毎日触れる部分だからこそ、この質感向上は満足度に直結するはずです。

安全装備のアップデートも大きな価値を持ちます。 プロアクティブドライビングアシスト(PDA)やアドバンストドライブ(渋滞時支援)は、一度体験すると手放せなくなるほど快適で安心な機能です。 万が一の事故を防ぎ、日々の運転ストレスを軽減してくれることを考えれば、これは非常に価値のある投資と言えるでしょう。

これらの進化点を総合すると、「見た目の新しさ」と「日々の快適性・安全性」を重視するユーザーにとって、今回の価格上昇は十分に妥当な範囲内だと私は結論づけます。

注意すべき点:キャリーオーバーされるプラットフォームとパワートレイン

しかし、物事には必ず光と影があります。 新型ISの購入を検討する上で、絶対に知っておかなければならない注意点。 それは、クルマの骨格である「プラットフォーム」と、心臓部である「パワートレイン」が、基本的に現行モデルからキャリーオーバーされているという事実です。

12年熟成のプラットフォームは現代に通用するのか

新型ISが使用しているプラットフォームは、元を辿れば2013年にデビューした3代目ISのものです。 もちろん、2020年のマイナーチェンジでスポット溶接の増し打ちや構造用接着剤の適応範囲拡大など、大規模な補強が施されました。 今回の改良でも、さらなる強化が図られていることでしょう。

しかし、基本設計が12年前のものであることは変わりません。 この12年間で、トヨタはTNGA(Toyota New Global Architecture)という革新的な設計思想を導入し、クルマの基本性能を飛躍的に向上させました。 最新のクラウンやRXに乗ると、そのボディ剛性の高さや重心の低さ、そしてそれに伴う乗り心地と操縦安定性の素晴らしさに驚かされます。

熟成を重ねたISのプラットフォームが、最新のTNGAプラットフォーム採用車と比べてどこまで渡り合えるのか。 これは、実際に乗り比べてみなければわからない、非常に重要なポイントです。

パワートレインの変更なしは大きな懸念点

そして、個人的に最も懸念しているのが、パワートレインに変更がない点です。 国内仕様のメインとなる「IS300h」に搭載される2.5Lハイブリッドシステム(THSⅡ)は、こちらも基本的には12年前から使われているものです。 もちろん、制御の最適化など細かな改良は続けられていますが、モーターやバッテリー(ニッケル水素電池)、エンジン(ダイナミックフォースエンジンではない)といったハードウェアは、最新世代のものではありません。

最新のトヨタ・レクサスのハイブリッド車が採用する第5世代のシステムは、バイポーラ型ニッケル水素電池やリチウムイオン電池の採用により、燃費性能はもちろん、アクセル操作に対するレスポンスや静粛性が劇的に向上しています。 旧世代のハイブリッドシステムを搭載する新型ISが、その走りの質感でどこまで満足させてくれるのか。 これは、購入前に必ずご自身の感覚で試乗して確かめるべき、最大のチェックポイントと言えるでしょう。

ターボモデル(IS300)とIS500の廃止について

今回のラインナップ変更で、2.0Lターボエンジンを搭載した「IS300」と、5.0L V8自然吸気エンジンを搭載した「IS500 “F SPORT Performance”」が姿を消したことにも触れておかなければなりません。

軽快な走りが魅力だったターボモデルの廃止は、純粋なガソリンエンジン車を好む層にとっては残念なニュースです。 そして、現代では希少な大排気量自然吸気エンジンを搭載し、唯一無二の魅力を持っていたIS500がなくなったことは、レクサスブランド、そして日本の自動車業界にとって大きな損失だと感じています。 これにより、新型ISは実質的にハイブリッド専用車となり、キャラクターが大きく変わったと言えるでしょう。

【結論】どんな人におすすめできるのか?

では、これら全てを踏まえた上で、新型レクサスISは一体どんな人におすすめできるのでしょうか。 私の結論は、以下の通りです。

【新型ISが強くおすすめな人】

  • 何よりも、この洗練されたFRセダンのデザインに惚れ込んだ人
  • 最新のデジタル装備(大型ナビ、液晶メーター)や快適装備(アンビエントライト)を重視する人
  • 最新の安全運転支援システムによる安心感を求める人
  • FRセダンならではの操る楽しさを、日常的な速度域で味わいたい人
  • 信頼性やリセールバリューの高さを重視する人

一方で、以下のような考えを持つ方は、一度立ち止まって他の選択肢と比較検討することをおすすめします。

【購入前に検討すべき人】

  • 最新のパワートレインによる圧倒的な燃費性能や動力性能を最優先する人
  • プラットフォームの世代など、クルマの根幹となるハードウェアの新しさにこだわる人
  • 純粋なガソリンエンジンのフィーリングを好む人

要するに、新型ISは**「最新の“ガワ”と“装備”をまとった、熟成の極みにあるFRセダン」**なのです。 その特性を理解し、自身の価値観と合致するのであれば、これほど満足度の高い選択肢は他にないでしょう。 特に、この美しいスタイリングは、他の何物にも代えがたい魅力を持っています。

まとめ

今回は、3度目のビッグマイナーチェンジという異例の進化を遂げた新型レクサスISについて、価格から内外装、装備、そして購入の妥当性まで、ジャーナリスト兼オーナーの視点で徹底的に解説してきました。

新型ISは、12年という歳月の中で熟成を重ねた走りの基本骨格はそのままに、内外装デザインと先進装備を現代の最高水準まで一気に引き上げた、まさに「究極の熟成モデル」です。

予想される30万円から50万円の価格上昇は、大型ディスプレイやフル液晶メーター、最新の安全装備といった具体的な進化点を考慮すれば、十分に納得できる範囲だと考えられます。 特に、内外装の質感向上は目覚ましく、所有する喜びを日々感じさせてくれるはずです。

ただし、プラットフォームやパワートレインといった根幹部分がキャリーオーバーであるという事実は、購入前に必ず理解しておくべき重要なポイントです。 デザインや快適性、安全性を最優先するならば最高の選択肢ですが、最新世代の走行性能や燃費を求めるのであれば、他のモデルと比較検討する必要があるでしょう。

最終的に、このクルマがあなたにとって「買い」かどうかを決めるのは、ご自身の価値観です。 ぜひ一度、ディーラーで実車に触れ、そのステアリングを握ってみてください。 熟成の先に見えるレクサスの答えが、そこにあるはずです。 このレビューが、あなたの賢いクルマ選びの一助となれば幸いです。