モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、フルモデルチェンジ級の改良を受けた新型アクアの、特にリセールバリューを意識した選び方が気になっていると思います。 私も実際に新型アクアを所有し、その進化と市場での注目度の高さを肌で感じているので、その気になる気持ちはよくわかります。

引用 : トヨタHP (https://toyota.jp/aqua/grade/)
この記事を読み終える頃には、あなたが新型アクアを購入する上で最も賢い選択をするための疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- フルモデルチェンジ級の進化を遂げた新型アクア
- リセールバリューを最大化するグレード選びの秘訣
- 高額査定が期待できるボディカラーと必須オプション
- 旧型とライバル比較から見る新型アクアの市場価値

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
新型アクアの進化点|フルモデルチェンジ級の改良内容
先日、トヨタから発表された新型アクアは、単なるマイナーチェンジという言葉では片付けられないほどの大きな進化を遂げました。 私も実際にハンドルを握る一人として、その変貌ぶりには驚かされています。

引用 : トヨタHP (https://toyota.jp/aqua/grade/)
まるでフルモデルチェンジのような大幅な改良が施され、コンパクトカーの新たな基準を打ち立てたと言っても過言ではありません。 ここでは、特に注目すべき進化のポイントを詳しく解説していきます。
新型アクアの外装|ハンマーヘッドデザイン採用でミニプリウスへ
エクステリアデザインの変更は、今回の改良における最大のトピックです。 特にフロントフェイスは、最新のプリウスやクラウンシリーズにも採用されている「ハンマーヘッドデザイン」へと一新されました。 シャープで先進的なその表情は、これまでのアクアが持っていた親しみやすいイメージから、スポーティで洗練された印象へと大きくシフトしています。
グレードで異なるフロントマスクの表情
この新しいフロントマスクは、グレードによって細かな差別化が図られています。 エントリーグレードの「X」と中間グレードの「G」では、左右のヘッドライトを繋ぐ中央部分がシルバーガーニッシュとなっています。 これに対して、最上級グレードの「Z」では、この部分が光る「センターライト」となっており、横一文字に光が繋がることで、より未来的でワイドな印象を強調しています。 ラジエーターグリルも、「X」「G」が樹脂製であるのに対し、「Z」はピアノブラック塗装となり、質感の高さが際立ちます。 この見た目の違いは、リセールバリューにも影響を与える重要なポイントとなるでしょう。
リアデザインもよりスポーティに
リアデザインも、テールライト間をブラックのガーニッシュで繋ぐことで、引き締まったスポーティな印象が加えられました。 特に「Z」グレードでは、テールライトのデザイン自体も差別化されており、後続車から見た際の存在感も格別です。 シャークフィンアンテナやドアミラーがブラックで統一された点も、全体の印象をスタイリッシュに引き締めるのに貢献しています。
新型アクアの内装|質感と先進性が大幅に向上
インテリアも、エクステリアの進化に合わせて質感が大幅に向上しています。 ブラックを基調とした落ち着いた空間に、ピアノブラックのアクセントが効果的に使われており、クラスを超えた上質さを感じさせます。
メーターとディスプレイの進化
まず目に付くのが、全グレードで標準装備となった7インチの液晶ディスプレイメーターです。 旧型の4インチから大幅に大型化され、視認性が向上しただけでなく、先進的なコクピットを演出しています。 さらに、ディスプレイオーディオも「X」「G」で8インチ、「Z」では10.5インチが標準装備となり、スマートフォン連携機能はもちろん、コネクテッドナビにも対応しています。
電動パーキングブレーキとブレーキホールドの採用
ユーザーからの要望が非常に多かった電動パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が、ついに全グレードで標準装備となりました。 旧型は足踏み式パーキングブレーキだったため、これは非常に大きな改良点です。 信号待ちや渋滞時の運転が格段に楽になり、日常の使い勝手が飛躍的に向上しました。 この装備の有無は、中古車市場での評価にも直結する重要な要素です。
グレードごとの内装の質感
内装の質感もグレードごとに明確な差が設けられています。 「X」グレードでは樹脂パーツが中心ですが、「G」グレード以上になると、インパネ中央のパネルやドアアームレストにステッチ付きの合成皮革巻きが採用され、触感、視覚ともに満足度が大きく向上します。 シートも、「X」はヘッドレスト一体型のシンプルなものですが、「G」からはヘッドレストが分離する上級ファブリックシートとなり、見た目だけでなく座り心地も良くなります。 最上級の「Z」では、オプションでライトグレーとブラックの2トーン合成皮革シートも選択でき、さらにパーソナルで上質な空間を演出することが可能です。
新型アクアの安全装備|Toyota Safety Senseが大幅アップデート
安全性能の進化も目覚ましいものがあります。 予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が最新世代にアップデートされ、検知対象が拡大しました。
- プリクラッシュセーフティ: 昼夜の車両・歩行者・自転車、昼間のバイクに加え、交差点での右左折時の対向車や横断歩行者、出会い頭の車両・バイクまで検知範囲が拡大。
- プロアクティブドライビングアシスト(PDA): 「飛び出してくるかもしれない」といった運転状況のリスクを先読みし、ステアリングやブレーキ操作を穏やかにサポート。
- ドライバー異常時対応システム: レーンキープ中にドライバーの無操作状態が続くと、警告を発しながら緩やかに減速・停止し、緊急通報まで行ってくれる機能も全グレード標準です。
さらに、これまでオプション設定だったブラインドスポットモニターや、前後方のドライブレコーダー、ETC2.0ユニットまでもが全グレードで標準装備となりました。 これは驚くべきことであり、車両価格の上昇にはこうした安全・安心装備の充実が大きく寄与しています。
新型アクアの走行性能|世界初の技術がもたらす快適な走り
アクアの走りの良さは、世界で初めて搭載された「バイポーラ型ニッケル水素電池」に支えられています。 この新しいバッテリーは、従来のリチウムイオン電池に比べてエネルギーの出し入れが素早く行えるため、EV走行領域が拡大し、アクセル操作に対するレスポンスが非常にリニアになりました。
「快感ペダル」と名付けられたワンペダル感覚の操作性は、アクセルペダルの操作だけで加減速をスムーズにコントロールでき、市街地走行での疲労を大幅に軽減してくれます。 また、今回から追加された「スムーズストップ機能」は、停止直前の揺れを抑え、同乗者にも優しい快適な乗り心地を実現します。 これらの独自の技術は、アクアの大きな魅力であり、他社のコンパクトカーに対する明確なアドバンテージとなっています。
新型アクアのリセールバリューが良いグレードの選び方
さて、ここからが本題です。 将来的に愛車を手放す際の価値、すなわちリセールバリューを最大化するためには、どのグレードを選ぶべきか。 これは新車選びにおいて非常に重要な視点です。 新型アクアのグレード構成とそれぞれの特徴を比較しながら、最も賢い選択を導き出していきましょう。

引用 : トヨタHP (https://toyota.jp/aqua/grade/)
新型アクアのグレード構成と価格
まずは、新型アクアのグレード構成とそれぞれの車両本体価格(2WD)を確認しましょう。 (KINTO専用のUグレードは除きます)
グレード | 車両本体価格(税込) | Gとの価格差 | Zとの価格差 |
---|---|---|---|
X | 2,486,000円 | -168,300円 | -338,800円 |
G | 2,654,300円 | – | -170,500円 |
Z | 2,824,800円 | +170,500円 | – |
XとGの価格差は約17万円、GとZの価格差も約17万円と、グレード間の価格設定は非常に分かりやすくなっています。 では、この価格差が装備内容に見合っているのか、そして将来の査定額にどう影響するのかを深掘りしていきます。
Xグレードはリセール面でおすすめできるか?
エントリーグレードの「X」は、248.6万円という価格が魅力です。 今回の改良で、7インチ液晶メーター、8インチディスプレイオーディオ、電動パーキングブレーキ、前後ドラレコ、ETC2.0まで標準装備となり、基本的な装備は十分に揃っています。 法人利用やレンタカー、とにかく初期費用を抑えたいという需要には応えられるでしょう。
しかし、リセールバリューという観点では、いくつかの懸念点があります。
- 内装の質感: インパネやドアトリムが樹脂製であり、上位グレードとの見た目の差は明らかです。
- シート形状: ヘッドレスト一体型のシートは、ややチープな印象を与えがちです。
- 外装の加飾: フロントグリル周りが樹脂素地である点も、査定時のマイナスポイントになり得ます。
- オプションの制約: 後述する人気のメーカーオプションが選択できない、あるいは設定が限られる場合があります。
数年後の査定では、これらの点が上位グレードとの価格差以上に評価額の差として現れる可能性が高いです。 「一番安いグレード」というイメージが付きまとうため、中古車市場での需要は限定的になりがちです。 したがって、リセールを重視するならば、「X」は積極的に選ぶべきグレードとは言えません。
Gグレードはバランス型だが決め手に欠ける?
中間グレードの「G」は、Xグレードから約17万円の価格アップで、内外装の質感が大きく向上する非常にバランスの取れたグレードです。
- 内装の質感向上: ステッチ付き合成皮革巻きインパネ&ドアアームレスト
- シートのグレードアップ: ヘッドレスト分離型の上級ファブリックシート
- 快適装備の追加: センターアームレスト、ナノイーX
- 外装の質感向上: サテン調塗装インナードアハンドルなど
これらの装備は、日常的な満足度を大きく高めてくれます。 特にシート形状の変更は、見た目だけでなく長距離運転時の疲労度にも関わるため、大きなメリットと言えるでしょう。 しかし、「G」グレードはあくまで「中間」です。 最上級グレードの「Z」と比較すると、リセール市場で人気となる決定的な装備がいくつか標準では備わっていません。
Zグレードがリセール最強である理由
結論から言うと、新型アクアでリセールバリューを最大化したいのであれば、選択肢は「Z」グレード一択と言っていいでしょう。 Gグレードからの価格差は約17万円ですが、それを遥かに上回る価値と装備が備わっています。
理由1: 見た目の差別化が明確
中古車は「見た目」が非常に重要です。 Zグレードは、Gグレードの装備に加えて、エクステリアを格上げする専用装備が多数標準で備わっています。
- 15インチアルミホイール: スチールホイール+キャップのGとは一線を画す足元。
- LEDセンターライト&アクセサリーランプ: 夜間の存在感が全く異なり、一目で最上級グレードと分かります。
- ピアノブラック塗装グリル: フロントマスクの高級感を決定づける要素です。
- 専用デザインLEDテールランプ: 後ろ姿にも特別感を与えます。
これらの装備は、中古車を探しているユーザーにとって非常に魅力的に映ります。 数年後、中古車販売店の店頭に並んだ際、GグレードとZグレードでは見栄えが全く違い、それが販売価格、ひいては買取価格の差に直結するのです。
理由2: 人気の高い先進装備が標準搭載
Zグレードには、本来Gグレードでは高額なセットオプションとなる先進・快適装備が標準で搭載されています。
- 10.5インチディスプレイオーディオプラス: 大画面ナビは中古車市場での絶対的な人気装備です。
- パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付): 高画質で安全確認ができる360度カメラは、特に運転に不慣れな層や女性からの需要が高いです。
- パーキングサポートブレーキ(後方歩行者): 安全装備の充実は、査定額を底上げする重要な要素です。
もしGグレードでこれらの装備をオプションで追加しようとすると、セットオプションで128,700円かかります。 これを考慮すると、Zグレードとの実質的な価格差はわずか4万円程度にまで縮まります。 4万円の追加投資で、前述のエクステリア専用装備やその他の快適装備が手に入ると考えれば、Zグレードがいかにコストパフォーマンスに優れているかがお分かりいただけるでしょう。
結論:初期投資を惜しまず「Z」を選ぶのが最善手
以上の理由から、新型アクアのリセールを考えるなら、迷わず「Z」グレードを選ぶべきです。 初期投資は最も高くなりますが、3年後、5年後の査定額はGグレード以下との価格差を埋めて余りあるものになる可能性が極めて高いです。 「最上級グレード」という響きは、中古車市場において絶大なブランド力を持つのです。
新型アクアのリセールをさらに高めるボディカラーとオプション
グレードを「Z」に決めたら、次に重要なのがボディカラーとメーカーオプションの選択です。 これらは後から変更することができないため、新車購入時に慎重に選ぶ必要があります。 リセールバリューに有利に働く「鉄板」の組み合わせを知っておきましょう。

引用 : トヨタHP (https://toyota.jp/aqua/grade/)
高額査定が期待できるボディカラーはこれだ!
ボディカラーは査定額を大きく左右する要素です。 一般的に、白と黒の定番カラーが最もリセールが高くなる傾向にあり、これはアクアにおいても例外ではありません。
鉄板カラー1: プラチナホワイトパールマイカ(有料色: 33,000円)
最も高リセールが期待できるのが、このプラチナホワイトパールマイカです。 清潔感があり、万人受けするカラーであるため、中古車市場での需要が最も安定しています。 有料色ではありますが、その費用は将来の査定額で十分に回収できると考えて間違いありません。 迷ったら、まずこの色を選んでおけば安心です。
鉄板カラー2: ブラックマイカ
ホワイトパールと双璧をなす人気カラーがブラックマイカです。 高級感があり、特にZグレードのピアノブラックグリルやアルミホイールとの相性は抜群で、車全体が引き締まって見えます。 傷や汚れが目立ちやすいというデメリットはありますが、リセール市場での人気は非常に高いです。
ツートーンカラーの評価は?
Zグレードでは、ルーフがブラックマイカになるツートーンカラーが3色設定されています(有料色: 55,000円)。 デザイン性が高く、個性を演出できますが、リセールという観点ではモノトーンの白・黒に一歩譲るのが現状です。 奇抜な色は中古車市場では好みが分かれるため、リセールを最優先するなら避けた方が無難かもしれません。 ただし、クリアベージュメタリック×ブラックマイカのようなお洒落な組み合わせは、特定の層から高い支持を得る可能性も秘めています。
新色マットアースやグレイッシュブルーは?
カローラクロスで初採用された「マットアース」や、最近のトレンドであるくすみカラーの「グレイッシュブルー」は非常に魅力的です。 しかし、これらの流行色は、数年後に市場でどのように評価されるか未知数な部分があります。 リセールを堅実に狙うなら、やはり定番のホワイトパールかブラックを選択することをおすすめします。
装着すべき必須メーカーオプション
Zグレードは標準装備が充実していますが、さらにリセール価値を高めるために装着しておきたいメーカーオプションがいくつか存在します。
必須オプション1: 16インチアルミホイール(2WD専用: 39,600円)
Zグレードの2WDを選択する場合、これは絶対に外せないオプションです。 標準の15インチアルミホイールに比べ、ダーククリア切削光輝+ブラック塗装のデザインは格段にスタイリッシュで、車の印象を大きく変えます。 わずか約4万円の投資で、見た目の満足度が飛躍的に向上し、査定時にも間違いなくプラスに評価されます。 これを装着しているかどうかで、数万円単位の差が付くことも珍しくありません。
必須オプション2: 合成皮革+コンフォートパッケージ(62,700円)
これもコストパフォーマンスに優れた、強くおすすめしたいオプションパッケージです。 内容は多岐にわたります。
- シート表皮の変更: 合成皮革+ファブリックのコンビシート(ライトグレーorブラック)
- 運転席6ウェイパワーシート: 細かなポジション調整が可能に。
- ステアリングヒーター&シートヒーター(運転席・助手席): 冬場の快適性が大幅アップ。
- 助手席シートバックポケット&シートアンダートレイ: 収納スペースの拡充。
6万円強でこれだけの装備が追加されるのは非常にお得です。 特にパワーシートやシートヒーターは、中古車市場で付加価値として高く評価される装備です。 内装の質感がさらに一段階上がり、快適性も向上するため、装着しておいて損はありません。
その他のオプションの考え方
- ヘッドアップディスプレイ(セットオプション: 81,400円): 先進性をアピールできる装備ですが、必須とまでは言えません。予算に余裕があれば検討する、という位置づけで良いでしょう。
- 寒冷地仕様(19,800円~): 降雪地域では必須ですが、それ以外の地域では査定への影響は限定的です。
- モデリスタエアロパーツ: スタイリッシュで魅力的ですが、エアロパーツは好みが分かれるため、リセール面では必ずしもプラスになるとは限りません。むしろ査定がマイナスになるケースもあるため、純粋に自分の好みで選ぶべき装備です。
旧型やライバル車との比較で見る新型アクアの価値
新型アクアのリセールバリューをより深く理解するために、旧型モデルの実績や、ヤリス、フィットといった強力なライバルたちと比較してみましょう。

引用 : トヨタHP (https://toyota.jp/aqua/grade/)
旧型アクアのリセール市場での実績
初代アクアは、その圧倒的な販売台数にもかかわらず、非常に高いリセールバリューを維持してきました。 その理由は主に3つ挙げられます。
- 圧倒的な燃費性能: ハイブリッド専用車としての地位を確立し、「燃費が良いコンパクトカー」の代名詞となりました。
- トヨタブランドの信頼性: 故障が少なく、維持費が安いというトヨタ車への信頼感が、中古車市場での安心感に繋がっています。
- 幅広い需要: 個人ユースから法人ユースまで、幅広い層に受け入れられるサイズ感と使い勝手の良さが、中古車市場での需要を支えました。
新型アクアは、これらの強みを継承しつつ、内外装の質感、走行性能、安全装備といったあらゆる面で旧型を凌駕しています。 車両価格は上昇しましたが、それに見合うだけの「商品力」の向上があるため、旧型同様、あるいはそれ以上の高いリセールを維持する可能性は非常に高いと考えられます。
ライバル車(ヤリス・フィット)とのリセール比較
コンパクトカー市場には、強力なライバルが存在します。
トヨタ・ヤリス
同じトヨタのヤリスは、アクアとしばしば比較される存在です。 ヤリスも非常にリセールが良い車ですが、キャラクターは明確に異なります。 ヤリスがよりパーソナルでスポーティな走りを重視しているのに対し、アクアは後席の居住性や荷室の広さで勝り、よりプレミアムで上質な乗り味を提供します。 中古車市場では、ファミリー層や後席を多用するユーザーからは、ヤリスよりもアクアが選ばれる傾向が強まるでしょう。 特に内装の質感や最新装備の充実度では新型アクアに分があり、これが査定額にも反映されると予想されます。
ホンダ・フィット
ホンダのフィットは、独自のハイブリッドシステム「e:HEV」によるスムーズな走りと、圧倒的な室内空間の広さが魅力です。 リセールバリューも安定していますが、デザインの好みは分かれる傾向にあります。 新型アクアは、ハンマーヘッドデザイン採用により、より先進的でスタイリッシュなイメージを獲得しました。 走りの面でも、アクアの「バイポーラ型ニッケル水素電池」がもたらすダイレクトな加速感は、フィットのスムーズさとはまた違った魅力があります。 総合的な商品力、特に内外装の高級感と先進装備の面で、新型アクアがリセール市場で優位に立つ可能性は高いと見ています。
購入前に知っておきたい新型アクアの注意点
最後に、新型アクアを賢く購入するための注意点をいくつかお伝えします。
納期の状況
昨今の半導体不足などの影響で、新車の納期は長期化する傾向にあります。 アクアも例外ではなく、グレードやオプションによっては数ヶ月以上の納期がかかる可能性があります。 購入を検討している場合は、早めにディーラーで最新の納期情報を確認することが重要です。
KINTO専用グレード「U」について
新型アクアには、サブスクリプションサービス「KINTO」専用の「U」グレードが新設されました。 これは月額料金で車に乗れるプランで、税金や保険、メンテナンス費用が含まれているのが特徴です。 特に35歳以下の方を対象としたキャンペーンなど、お得なプランも用意されています。 「所有」にこだわらず、手軽に最新の車に乗りたいという方には、面白い選択肢かもしれません。 ただし、契約期間などの縛りがあるため、自分のライフプランと照らし合わせて慎重に検討する必要があります。
値引き交渉の現状
発売直後の人気車種であるため、大幅な値引きは期待しにくいのが現状です。 しかし、ディーラーオプションのサービスや、下取り車の査定額アップなど、交渉の余地はあります。 複数のトヨタディーラー(ネッツ店、トヨペット店など系列が異なる店舗)で見積もりを取り、競合させるのが有効な手段です。
まとめ
今回は、フルモデルチェンジ級の進化を遂げた新型アクアについて、特にリセールバリューを最大化するための選び方を徹底的に解説しました。 最後に、この記事の要点を改めてまとめておきます。
- グレードは「Z」一択: 初期投資は高いが、充実した標準装備と見た目の差別化により、将来の査定額で十分に元が取れる可能性が高い。
- ボディカラーは「プラチナホワイトパールマイカ」か「ブラックマイка」: 万人受けする定番カラーが最も高リセールを期待できる。
- 必須オプションは「16インチアルミホイール」と「合成皮革+コンフォートパッケージ」: 比較的安価な投資で、見た目の満足度と快適性を大きく向上させ、査定額にもプラスに働く。
- 商品力の大幅向上でリセールは安泰: 旧型やライバル車と比較しても、新型アクアの商品力は頭一つ抜けており、高いリセールバリューを維持することは間違いない。
新型アクアは、単なる経済的なコンパクトカーから、所有する喜びと走る楽しさを兼ね備えたプレミアムコンパクトへと見事に生まれ変わりました。 リセールバリューという賢い視点を持って最適な一台を選び、充実したカーライフを送ってください。 私もオーナーの一人として、この素晴らしい車の魅力をこれからもお伝えしていきたいと思います。