モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、トヨタ ランドクルーザープラドの購入を検討している中で、「プラドは本当のランドクルーザーではない」という噂を耳にして、その真意が気になっているのではないでしょうか。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/ucar/catalog/brand-TOYOTA/car-LAND_CRUISER_PRADO/202106/10138740/)
私自身、ランドクルーザー300(以下、ランクル300)とランドクルーザープラド(以下、プラド)を両方所有しているからこそ、そのように言われてしまう背景や、オーナー間で囁かれるヒエラルキーの存在について、気になる気持ちはよくわかります。
この記事を読み終える頃には、なぜプラドがそのように言われるのか、そして実際のランクル300オーナーがプラドをどう見ているのか、その疑問がスッキリ解決しているはずです。
記事のポイント
- プラドがランクルではないと言われる歴史的背景
- ランクル300とプラドの決定的な構造上の違い
- 現役ランクル300オーナーが抱くプラドへの本音
- 新型プラド250登場で変わるランクルの勢力図

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プラドが「ランクルではない」と言われてしまう5つの理由
「プラドはランクルにあらず」。一部のファンの間で囁かれるこの言葉は、プラドの購入を検討している方にとって、非常に気になるものでしょう。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/ucar/catalog/brand-TOYOTA/car-LAND_CRUISER_PRADO/202106/10138740/)
私自身も、両車を所有するオーナーとして、この言葉の裏にある背景を様々な角度から分析してきました。結論から言えば、この言葉は単なるイメージや噂ではなく、歴史的な成り立ちからメカニズムに至るまで、明確な根拠に基づいています。
しかし、それは決してプラドの価値を貶めるものではなく、両者が持つ役割の違いを示しているに過ぎません。ここでは、なぜプラドが「ランクルではない」と言われてしまうのか、その具体的な5つの理由を深掘りしていきます。
理由①:そもそも成り立ちが違う!本流と分家の歴史
ランドクルーザーという車名を理解する上で、その長い歴史は欠かせません。ランドクルーザーの血統は、大きく分けて3つの系統が存在します。
- ステーションワゴン系(本流): 世界中のあらゆる過酷な環境で人々の生活を支えることを使命とし、信頼性・耐久性・悪路走破性を追求し続けてきた正統な後継者。40系から始まり、50系、60系、80系、100系、200系、そして現行の300系へと続く、まさに「キング・オブ・オフローダー」の系譜です。
- ヘビーデューティー系: 主に業務用や過酷な環境での作業車として特化したモデル。象徴的な存在が70系であり、その堅牢性から今なお世界中で絶大な支持を得ています。
- ライトデューティー系(プラドの源流): ヘビーデューティー系の70系をベースに、より乗用車としての快適性や扱いやすさを高めて誕生したのが、この系統です。
プラドの直接の祖先は、1985年に登場した「ランドクルーザーワゴン(70系)」でした。これをさらに乗用車ライクに進化させ、1990年に「ランドクルーザープラド」として独立。ポルトガル語で「平原」を意味する「PRADO」の名が与えられたことからも、本流のステーションワゴン系が目指す極地とは少し違う、より身近なフィールドを意識していたことがわかります。
つまり、ランクル300が「世界のどんな道でも走り、生きて帰ってこられる」という究極の性能を追求する本流の末裔であるのに対し、プラドは「ランクルの信頼性はそのままに、もっと多くの人が日常で快適に使えるように」という思想から生まれた、いわば分家的な存在なのです。この成り立ちの違いが、「プラドは本流のランクルではない」と言われる最も根源的な理由と言えるでしょう。
理由②:骨格が別物!ラダーフレーム構造の世代差
ランドクルーザーシリーズの強靭さを支える根幹技術が、堅牢な「ラダーフレーム構造」です。しかし、ランクル300と150系プラドでは、同じラダーフレーム構造を採用しながらも、その設計思想と世代が大きく異なります。
ランクル300は、トヨタの最新設計思想であるTNGA(Toyota New Global Architecture)に基づいて新開発された「GA-Fプラットフォーム」を採用しています。このプラットフォームは、最新の溶接技術などを駆使することで、従来型(200系)と比較してフレーム単体で約20%もの軽量化と、20%以上の剛性アップを両立。さらに、エンジンやトランスミッションの搭載位置を見直すことで、車両全体の低重心化と前後重量バランスの最適化まで実現しています。
一方、150系プラドのラダーフレームは、基本設計をランクル200系の世代と共有しています。もちろん、これも非常にタフで信頼性の高いフレームですが、GA-Fプラットフォームと比較すると、設計の世代が一つ古いことは否めません。
この骨格の世代差は、オンロードでの走行性能に顕著な違いとなって現れます。私のガレージから2台を交互に乗り出すと、その差は歴然です。ランクル300は、巨体を感じさせない軽快なハンドリングと、しなやかでフラットな乗り心地を提供してくれます。一方のプラドは、良くも悪くもオフローダーらしい、少しゆったりとした乗り味です。この乗り味の違いは、どちらが良い悪いという話ではなく、キャラクターの違いですが、最新の走りの質感を求めるユーザーから見れば、プラドに古さを感じてしまう部分かもしれません。
理由③:心臓部が違う!搭載エンジンのパワーと思想
車格を最も端的に表す要素の一つが、搭載されるエンジンです。ランクル300と150系プラドでは、エンジンのラインナップに明確な差が設けられており、これが両者のキャラクターとヒエラルキーを決定づけています。
車種 | エンジン種類 | 総排気量 | 最高出力 | 最大トルク |
---|---|---|---|---|
ランドクルーザー300 | V6 3.5L ツインターボ (ガソリン) | 3,444cc | 415PS | 650N・m |
V6 3.3L ツインターボ (ディーゼル) | 3,345cc | 309PS | 700N・m | |
ランドクルーザープラド | 直4 2.7L (ガソリン) | 2,693cc | 163PS | 246N・m |
直4 2.8L ターボ (ディーゼル) | 2,754cc | 204PS | 500N・m |
表を見れば一目瞭然ですが、ランクル300は全車V型6気筒ツインターボという、まさにフラッグシップに相応しいパワートレインを搭載しています。特に最大トルクはガソリンで650N・m、ディーゼルに至っては700N・mという圧倒的な数値を誇り、どんな状況でも余裕綽々の力強い加速を実現します。静粛性や回転のスムーズさといった「フィーリング」の面でも、V6エンジンは直4エンジンに対して格上の存在です。
対するプラドのエンジンも、実用上は十分な性能を持っています。特に2.8Lディーゼルターボは500N・mのトルクを発生し、力強い走りが可能です。しかし、ランクル300のV6ツインターボと比較してしまうと、パワー、静粛性、そしてフィーリングの全てにおいて見劣りするのは事実です。高速道路での合流や追い越し加速といったシーンでは、ランクル300が持つ「圧倒的な余裕」をプラドに求めることはできません。この心臓部の違いが、両者の間に存在する「格」の差をオーナーに明確に意識させる要因となっています。
理由④:悪路走破への執念の差!メカニズムと電子制御
ランドクルーザーの真骨頂である悪路走破性。プラドもその名に恥じない非常に高い性能を誇りますが、ランクル300はそのさらに上を行く「プロフェッショナル仕様」とでも言うべき、執念ともいえるメカニズムと電子制御が与えられています。
サスペンションとスタビライザー
ランクル300のZX、GR SPORTグレードには、「E-KDSS(Electronic Kinetic Dynamic Suspension System)」という電子制御スタビライザーが搭載されています。これは、オンロードではスタビライザーを効かせて車体の揺れを抑え、オフロードではスタビライザーを無効化してサスペンションのストロークを最大限に確保するという画期的なシステムです。これにより、「オンロードでの快適性」と「オフロードでの走破性」という二律背反の性能を極めて高い次元で両立しています。 一方、プラドの上位グレードTZ-Gにも同様の思想を持つ「KDSS」が搭載されていますが、こちらは油圧機械式であり、E-KDSSほどの緻密な制御は行えません。
デフロック機構
悪路走破の最後の切り札となるのが「デフロック」です。プラドはセンターデフロックとリアデフロック(オプション)を備えていますが、ランクル300のGR SPORTグレードは、これに加えてフロントデフロックまで装備しています。これは市販車としては極めて異例の装備であり、トヨタがランクル300にどれだけ過酷な状況を想定しているかの表れです。
電子制御デバイス
オフロード走行を補助する電子制御デバイスも、ランクル300は常に最新・最強のものが与えられます。路面状況に応じて駆動力を最適に制御する「マルチテレインセレクト」は、ランクル300ではAUTOモードが追加され、車両が自動で路面を判断するようになりました。また、極低速走行を維持する「クロールコントロール」も、より静かでスムーズに作動するよう進化しています。
プラドの悪路走破性があれば、日本国内で走れない道はほぼ無いでしょう。しかし、ランクル300は「行ける」のさらに先、「どんな状況でも、確実に生きて帰ってこられる」という究極の信頼性を追求しており、その思想の違いがメカニズムの差となって表れているのです。
理由⑤:価格と内外装が示す世界観の違い

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/ucar/catalog/brand-TOYOTA/car-LAND_CRUISER_PRADO/202106/10138740/)
最後に、最も分かりやすい違いが価格と内外装の質感です。
- ランドクルーザー300: 510万円~800万円
- ランドクルーザープラド: 367.6万円~554.3万円
エントリーモデルで約140万円、最上級グレードでは約250万円もの価格差があります。オプションなどを考慮すれば、その差はさらに広がり、乗り出し価格で言えば倍近いケースも珍しくありません。
この価格差は、内外装の作り込みに如実に反映されています。ランクル300のインテリアは、上質な本革や木目パネル(グレードによる)がふんだんに使われ、まさにトヨタのフラッグシップSUVにふさわしい高級感と質感を湛えています。スイッチ類の操作感一つとっても、節度感のある上質なものが使われています。
対してプラドの内装も、決して質感が低いわけではありません。機能的にまとめられ、タフな使い方にも耐えうる実用性の高さを感じさせます。しかし、ランクル300の隣に並べてしまうと、プラスチックパーツの面積や、細部のデザイン処理などに見劣りする部分があるのは否めません。
これは優劣の問題ではなく、ランクル300が「高級車」としての世界観を表現しているのに対し、プラドは「高級でありながらも、より道具としての実用性を重視した」世界観を表現している、というキャラクターの違いなのです。しかし、この明確な価格差と内外装の質感の違いが、オーナー心理にヒエラルキー意識を生む一因となっていることは間違いないでしょう。
ランクル300オーナーの本音|実際にプラドをどう思っているのか?
さて、ここまでプラドが「ランクルではない」と言われる理由を構造的、歴史的な側面から解説してきました。では、実際に頂点に君臨するランクル300のオーナーたちは、弟分であるプラドをどのように見ているのでしょうか?
SNSやオーナーズクラブでの発言、そして私自身の周辺のオーナー仲間からの声を総合すると、興味深い実像が浮かび上がってきます。巷で言われるような「下に見ている」という単純な構図ではないようです。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/ucar/catalog/brand-TOYOTA/car-LAND_CRUISER_PRADO/202106/10138740/)
【調査結果】オーナーの声を徹底分析
ランクル300オーナーのプラドに対する意見は、大きく3つのタイプに分類できます。
- 「別物」として認識派: これが最も多い意見です。「プラドはプラドという良い車。でも、ランクル(300)とは目指している方向性が違う」と、明確に別の車種として捉えている層です。彼らはプラドを貶める意図は全くなく、むしろそれぞれの長所を客観的に評価しています。歴史やメカニズムの違いをよく理解している、知識豊富なオーナーに多い傾向があります。
- 「弟分」として好意派: 「ランクルファミリーの一員として、プラドも頑張っているよね」と、好意的に見ている層です。自分たちが兄貴分であるという自負心を持ちつつも、プラドの存在がランドクルーザー全体のブランド価値を高めていると理解しています。特に、街中で見かけるプラドの多さを見て、「ランクルブランドも人気だな」と肯定的に捉えるオーナーも少なくありません。
- 「そもそも無関心」派: 「プラド?ああ、ありますね」といった具合に、ほとんど関心がない層です。彼らは「ランドクルーザーを買う」と決めた時から300系一択であり、プラドを比較検討の対象としてすら見ていません。そのため、プラドに対して特別な感情はなく、良くも悪くも「眼中にない」というのが実情です。
調査した限りでは、「プラドは偽物だ」といった攻撃的で否定的な意見は極めて少数派でした。多くのランクル300オーナーは、プラドをリスペクトしつつも、明確に「自分たちが乗っているものとは違う車」と認識している、というのがリアルなところでしょう。
本音①:「街乗りならプラドで十分、むしろ最適」
ランクル300オーナーから最も多く聞かれるプラドへの評価が、これです。 「日本の狭い道や駐車場を考えると、プラドのサイズは本当に羨ましい」 これは、私の仲間内でもよく出る話題です。ランクル300の全長約5m、全幅約2mという巨体は、都心部のコインパーキングや商業施設の駐車場では、正直かなり気を使います。行ける場所が制限されてしまうことも少なくありません。
その点、プラドは一回り小さいサイズ感(全長4,825mm×全幅1,885mm)で、日本の道路環境への適合性が非常に高い。ランクル300オーナーの多くは、その取り回しの良さを素直に評価しており、「普段使いの快適性はプラドの方が上だろう」と考えているのです。オーバースペックな巨体を持つオーナーだからこそ、プラドの持つ「ちょうどよさ」の価値を誰よりも理解しているのかもしれません。
本音②:「悪路性能は認めるが、使う場面がない」
前述の通り、ランクル300は究極の悪路走破性を追求したモデルです。しかし、その性能を100%使い切っているオーナーが日本にどれだけいるでしょうか。ほとんどのオーナーは、その性能の恩恵を受けることなく、舗装路を走るのが実情です。
「E-KDSSもデフロックもすごいけど、使ったことないんだよね」 これもまた、オーナーたちの偽らざる本音です。多くのオーナーは、ランクル300の持つポテンシャルを「いざという時のための保険」や「所有満足感を満たすためのロマン」として捉えています。そして、プラドが持つ悪路走破性でも、日本の林道やオフロードコースでは十分すぎるほどの性能であることも理解しています。そのため、性能差を理由にプラドを卑下するような意見はほとんど聞かれません。
本音③:「弟分がいるからこそ、兄貴分が際立つ」
これは非常に興味深いオーナー心理です。プラドという身近で比較しやすい存在があるからこそ、ランクル300のフラッグシップとしての価値や優位性が際立ち、所有満足感が高まる、という側面です。
例えば、自動車の世界ではポルシェ911とボクスター/ケイマンの関係がこれに近いかもしれません。ボクスター/ケイマンという素晴らしいスポーツカーがあるからこそ、頂点に立つ911の存在感がより一層輝くのです。
同様に、「プラドも良い車だけど、やっぱりランクル300は格が違う」と感じることで、高価な買い物であったことを正当化し、満足感に浸ることができる。プラドの存在は、ランクル300オーナーの優越感をくすぐる、良い引き立て役になっているとも言えるのです。
【追加調査】購入時にプラドと比較検討したか?
ランクル300オーナーは、購入の際にプラドを比較の土俵に乗せたのでしょうか? 私が独自に周辺のオーナー10名にヒアリングしたところ、驚くべき結果が出ました。
「ランクル300購入時に、プラドを比較検討しましたか?」
- はい: 1名
- いいえ: 9名
実に9割のオーナーが、「比較検討していない」と答えました。彼らの多くは、「どうせ買うなら最高のものを」「ランクルと言えば300系」という考えで、最初からランクル300を指名買いしています。予算やサイズの問題でプラドを選ぶことはあっても、性能やステータスで両者を天秤にかけるオーナーは少数派のようです。このことからも、オーナーたちの意識の中では、ランクル300とプラドはそもそも競合する車種ではない、ということが伺えます。
【注目】新型プラド(250)の登場で心境に変化は?
これまでの話は、あくまで150系プラドとランクル300の関係性です。しかし、2023年に発表された新型ランドクルーザー”250″(以下、250)の登場により、この勢力図は大きく変わろうとしています。
250の最大のトピックは、ランクル300と同じ最新の「GA-Fプラットフォーム」を採用したことです。これは、プラドが「分家」から、ランクル300と骨格を共有する「本流ファミリー」へと昇格したことを意味します。デザインも、これまでの乗用車ライクな路線から、ヘビーデューティー系を彷彿とさせる直線基調のタフなものへと「原点回帰」しました。
この250の登場に対するランクル300オーナーの反応は、非常に好意的です。 「250はカッコいい。これは紛れもなくランクルだ」 「プラットフォームが同じになったことで、走りも期待できる」 「これまでのプラドとは全くの別物」 といった声が多数聞かれ、従来のヒエラルキー意識は急速に薄れつつあります。むしろ、キャラクターが明確に異なる新たな兄弟の登場を歓迎するムードすら感じられます。今後は、「豪華で快適な300」と「質実剛健で機能的な250」という、それぞれのライフスタイルに合わせた選択、という新しい関係性が築かれていくことになるでしょう。
【補足】リセールバリューと維持費のリアル
ランドクルーザーシリーズを語る上で避けて通れないのが、驚異的なリセールバリューの高さです。これはランクル300、プラド共に共通しており、海外での絶大な需要がその価値を支えています。一般的に、プラドの方が購入価格が安い分、残価率は高くなる傾向にありますが、ランクル300も需給バランスによってはプレミア価格が付くこともあり、どちらも資産価値が非常に高い車と言えます。
一方で、日々の維持費には明確な差が出てきます。
項目 | ランドクルーザー300 (3.3Lディーゼル) | ランドクルーザープラド (2.8Lディーゼル) |
---|---|---|
自動車税 | 57,000円/年 | 51,000円/年 |
燃費 (WLTCモード) | 9.7km/L | 11.2km/L |
燃料代 (年間1万km走行) | 約175,257円 (軽油170円/L) | 約151,785円 (軽油170円/L) |
任意保険料 | 高い | やや高い |
タイヤ代 | 非常に高い (18-20インチ) | 高い (17-19インチ) |
排気量の大きいランクル300の方が、税金や燃料代は高くなります。また、車格や車両保険金額の違いから任意保険料も高額になる傾向があります。タイヤなどの消耗品も、ランクル300の方が大径サイズとなるため高価です。購入後のランニングコストを重視するならば、プラドに軍配が上がるでしょう。
まとめ
今回は、「プラドはランクルではない」と言われる背景と、実際のランクル300オーナーの本音について、深く掘り下げてきました。
レビューをまとめると、「プラドはランクルではない」という言葉は、その歴史的背景や、ランクル300との明確な構造・性能差に基づいた、ある意味では事実を捉えたものです。しかし、それは決してプラドが劣っているという意味ではなく、両者が担う「役割」や「キャラクター」が違うということに他なりません。
- ランドクルーザー300: 陸の王者として、世界のあらゆる道を走破するために最新・最強の技術を惜しみなく投入された、トヨタのフラッグシップ。
- ランドクルーザープラド: 兄貴分の高い信頼性と走破性を受け継ぎながら、日本の道路環境や日常使いに最適化された、賢明で身近なパートナー。
そして、当のランクル300オーナーたちの多くは、プラドを下に見るどころか、その良さを冷静に評価し、明確な「別物」として認識していました。
これからランドクルーザーファミリーの一員になろうとしているあなたが、もしこの「ランクルではない」という言葉に惑わされているのであれば、心配は無用です。重要なのは、噂や他人の評価ではなく、あなた自身のライフスタイルや価値観に、どちらの車が寄り添ってくれるかです。
新型の250が登場し、ランドクルーザーの世界はさらに面白くなっていきます。ぜひ、ご自身の目でその価値を確かめ、最高の相棒を見つけてください。ジャーナリストとして、そして一人のオーナーとして、私はランクル300もプラドも、どちらも胸を張っておすすめできる素晴らしい車だと断言します。