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レクサス

レクサスLBXにマークレビンソンは不要な理由|遮音性の低さがネック

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、「レクサスLBXにオプションのマークレビンソンは本当に必要なのか?」「遮音性が低いという噂は本当で、せっかくの高級オーディオの性能を活かせないのではないか?」といった点が気になっていると思います。

引用 : レクサス HP (https://lexus.jp/models/nx/features/equipment/)

私も実際にLBXを所有し、様々なレクサス車でマークレビンソンの実力を体感してきたからこそ、その気になる気持ちはよくわかります。

コンパクトなボディにレクサスの魅力を凝縮したLBXは、非常に人気の高いモデルですが、オーディオ選びは悩ましいポイントの一つです。この記事を読み終える頃には、あなたのレクサスLBXにおけるオーディオ選びの疑問がスッキリ解決しているはずです。

記事のポイント

  • クラス相応かそれ以下か LBXの遮音性の実態
  • 宝の持ち腐れ? マークレビンソンが真価を発揮できない理由
  • 意外な伏兵 標準オーディオシステムの高い実力
  • 約25万円の価値はどこに コストパフォーマンスの徹底検証
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レクサスLBXの遮音性のリアルな評価

レクサスLBXの購入を検討する上で、多くの方が気にするのが「静粛性」でしょう。「レクサス」というブランドイメージから、高い静粛性を期待するのは当然のことです。しかし、SNSやYouTubeのレビューを見ると、「意外とうるさい」「ロードノイズが気になる」といった声が散見されます。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/lbx/)

ここでは、私自身のLBXでの走行体験と、客観的な事実を交えながら、LBXの遮音性について徹底的に掘り下げていきます。

レクサスLBXの遮音性が低いと言われる根本的な理由

なぜ、LBXの遮音性について厳しい意見が挙がるのでしょうか。その理由は、この車の成り立ちに深く関係しています。

ベース車両とプラットフォームの特性

ご存知の方も多いと思いますが、レクサスLBXは、トヨタのヤリスクロスと同じ「GA-Bプラットフォーム」をベースに開発されています。もちろん、レクサス基準の徹底的な改良が加えられており、乗り心地や操縦安定性はヤリスクロスとは全くの別物です。

しかし、プラットフォームの基本的な骨格やサイズには制約があります。特に、軽量コンパクトな車両向けに設計されたGA-Bプラットフォームは、元々、遮音材や制振材をふんだんに使用するような設計思想ではありません。車両重量の増加は燃費性能の悪化に直結するため、軽量化が優先されるのです。

レクサスは、サスペンションの取り付け部の剛性を高めたり、接着剤の塗布範囲を拡大したりと、様々な工夫を凝らしていますが、プラットフォームそのものが持つポテンシャルには限界があります。これが、上位モデルであるNXやRXのような、重厚な静けさを実現するのが難しい根本的な理由です。

クラスの壁とコストの制約

LBXはレクサスブランドの中ではエントリーモデルに位置づけられます。車両価格を抑えながらレクサスの価値を提供するためには、どこかでコストの最適化を図らなければなりません。

静粛性を高めるには、

  • 分厚い遮音材
  • 広範囲にわたる制振材
  • アコースティックガラス(遮音ガラス)
  • ノイズリダクションホイール

といった高価な部品や素材が必要になります。LBXでは、これらの採用が限定的であるため、どうしても上位モデルとの差が生まれてしまうのです。これはLBXに限った話ではなく、あらゆる自動車メーカーのコンパクトクラスに共通する課題と言えるでしょう。

レクサスLBXの遮音性、オーナーとしてのリアルレビュー

では、実際のところ、LBXの車内はどの程度の静けさなのでしょうか。私が所有するLBX(”Cool”グレード)での走行シーン別に、リアルな体感をお伝えします。

一般道(40〜60km/h)での走行

市街地を普通に走行している限り、LBXの静粛性に大きな不満を感じることは少ないでしょう。ハイブリッドシステムのおかげで、発進時や低速走行時はモーターのみで静かに走行できます。エンジンが始動する際の音や振動も比較的よく抑えられています。

ただし、路面状況には大きく左右されます。新しく舗装された綺麗なアスファルトの上では非常に静かですが、少し荒れた路面やマンホールの上を通過すると、「ゴー」「ゴツッ」といったロードノイズや突上げ音が明確に車内へ侵入してきます。特に、フロア下からのノイズの侵入は、他のレクサス車と比べると大きいと感じる点です。

高速道路(80〜100km/h)での走行

高速道路に乗り、速度を上げていくと、LBXの遮音性における弱点がより明確になります。

  • ロードノイズ: 80km/hを超えたあたりから、「ゴー」「サー」というロードノイズが常に聞こえるようになります。路面の継ぎ目を通過する際の「ダダン!」という音も大きめです。これにより、オーディオのボリュームを一段階、二段階と上げたくなります。
  • 風切り音: 100km/h巡航では、ドアミラー周辺やAピラーあたりから「ヒュー」という風切り音が聞こえ始めます。大音量ではありませんが、静粛性を損なう一因であることは間違いありません。
  • エンジン音: 合流や追い越しでアクセルを深く踏み込むと、搭載されている1.5L 3気筒エンジンが「グォーン」という唸り音を立てます。この音質が、残念ながら上質とは言えません。力強いサウンドというよりは、やや耳障りなノイズとして感じられてしまいます。

これらのノイズは、会話ができないほどうるさいわけではありません。しかし、「静かな空間で上質な音楽を楽しみたい」という目的においては、明確なマイナス要因となります。

レクサスLBXの遮音性、上位モデル(NX・RX)との比較

LBXの遮音性をより客観的に理解するために、上位モデルであるNXやRXと比較してみましょう。

項目 レクサス LBX レクサス NX レクサス RX
プラットフォーム GA-B GA-K GA-K
ロードノイズ 速度や路面に比例して侵入大 よく抑制されている 極めて静か
風切り音 高速域でやや気になる ほとんど気にならない ほぼ無音に近い
エンジン音 加速時に明確に侵入 遠くで聞こえる程度 存在を感じさせない
アコースティックガラス フロントのみ フロント+前席サイド フロント+前後席サイド
全体的な静粛性 クラス相応 クラスのトップレベル 最高レベルの静粛性

このように比較すると、その差は歴然です。特にRXの静粛性は別格で、まるで外の世界と遮断されたような静かな空間が広がっています。NXも非常に高いレベルで静粛性が確保されており、ロードノイズや風切り音は巧みにシャットアウトされています。

LBXは、これらの上位モデルと比較すると、明らかに一枚も二枚も劣ります。これは車の格を考えれば当然のことですが、「レクサスだから静かだろう」という過度な期待は禁物です。

レクサスLBXの遮音性、後付け対策で改善は可能か?

「それなら、購入後にデッドニングなどの対策をすれば良いのでは?」と考える方もいるでしょう。結論から言うと、一定の効果は期待できますが、費用対効果を考えると慎重になるべきです。

  • ドアのデッドニング: スピーカー周りの音質改善や、ドア外からのノイズ低減に効果があります。費用は専門店で5〜10万円程度。
  • フロアのデッドニング: ロードノイズの低減に最も効果的です。シートなどを全て取り外す大掛かりな作業になるため、費用は15〜30万円以上かかります。
  • タイヤの交換: 静粛性の高い、いわゆる「コンフォートタイヤ」に交換するのも有効な手段です。タイヤ代で10〜15万円程度。

これらの対策をフルで行うと、数十万円の費用がかかります。確かに静粛性は向上しますが、それでもNXやRXのレベルに到達するのは困難です。そこまで費用をかけるのであれば、最初から上位モデルを検討した方が、総合的な満足度は高いかもしれません。

レクサスLBXとマークレビンソン、最高の組み合わせは本当か?

さて、本題であるマークレビンソンオーディオについてです。LBXの遮音性の実態を踏まえた上で、高価なオプションであるマークレビンソンを選ぶ価値はあるのでしょうか。

引用 : レクサス HP (https://lexus.jp/models/nx/features/equipment/)

マークレビンソン プレミアムサラウンドサウンドシステムとは?

まず、マークレビンソンがどのようなオーディオシステムなのかを簡単におさらいしましょう。

マークレビンソンは、ハーマン・インターナショナルが展開する高級オーディオブランドであり、レクサス車専用にサウンドシステムを開発・供給しています。単にスピーカーの数が多くて出力が高いというだけではありません。

  • 専用設計: 車両の開発段階から参画し、内装の素材や形状、スピーカーの配置などを計算し尽くして、その車種に最適な音響空間を創り上げます。
  • 高品位なパーツ: スピーカーの振動板やアンプのパーツなど、一つひとつに高品質なものが使用されています。
  • 独自の音響技術: 圧縮音源をCDに近い音質に復元する「Clari-Fi」など、独自のデジタル信号処理技術により、あらゆる音源を最高の状態で再生します。

LBXに搭載されるマークレビンソンは、13個のスピーカーと12チャンネルのフルデジタルアンプで構成され、まるでコンサートホールの中心で聴いているかのような、立体的で臨場感あふれるサウンドを目指してチューニングされています。

マークレビンソンが真価を発揮するための絶対条件

マークレビンソンの最大の魅力は、その圧倒的な解像度と表現力にあります。ボーカルの息づかい、弦楽器の弦が擦れる微かな音、コンサートホールの空気感といった、ごく繊細な音のディテールまで忠実に再現する能力を持っています。

しかし、この能力を最大限に引き出すためには、**「極めて静かなリスニング環境」**が絶対条件となります。

想像してみてください。最高級のオーディオシステムが置かれた試聴室は、例外なく、外部の音を完全にシャットアウトする防音設計が施されています。なぜなら、わずかなノイズでも、音楽の繊細なニュアンスをかき消してしまうからです。

これは車内でも全く同じです。前述の通り、LBXは走行中に常に「ゴー」「サー」といったロードノイズが付きまといます。このノイズが、マークレビンソンが奏でる繊細な音のヴェールを覆い隠してしまうのです。結果として、せっかくの高性能オーディオでありながら、その真価の半分も味わうことができない、という残念な事態に陥ってしまいます。

レクサスLBX標準オーディオの性能と侮れない実力

では、マークレビンソンを選ばなかった場合、標準のオーディオは物足りないのでしょうか?答えは「NO」です。

LBXの標準オーディオ(レクサスLBXプレミアムサウンドシステム)は、8スピーカー構成で、こちらも車両に合わせて専用にチューニングされています。実際に聴いてみると、これが驚くほどバランスの取れた良い音を奏でるのです。

クリアで聴きやすいサウンド

標準オーディオは、マークレビンソンのような繊細な表現力こそありませんが、中高音域が非常にクリアで、ボーカルやメロディラインが聴き取りやすいのが特徴です。低音も、過度にブーストされることなく、適度な量感で心地よく響きます。

J-POPやロック、EDMといった、現代の音楽の多くは、標準オーディオで聴いても全く不満を感じないでしょう。むしろ、ロードノイズがある環境下では、変に繊細な音を追求するよりも、このようにメリハリの効いたサウンドの方が楽しく音楽を聴ける、とさえ感じます。

コストパフォーマンスの高さ

マークレビンソンのオプション価格は、248,600円(税込)です。一方、標準オーディオはもちろん追加費用なしです。

この約25万円という価格差をどう考えるか。もし、どうしても音質にこだわりたいのであれば、この予算を使って社外品のスピーカーに交換したり、パワーアンプを追加したりする「後付け」のオーディオカスタムという選択肢もあります。専門店に相談すれば、マークレビンソンとは方向性の違う、自分好みのサウンドを構築することも可能です。

【結論】レクサスLBXにマークレビンソンは不要

ここまで様々な角度から検証してきましたが、私の結論は明確です。

「レクサスLBXに、マークレビンソンは不要である」

もちろん、これはあくまで私の個人的な見解であり、最終的な判断はオーナー様自身が下すべきです。しかし、ジャーナリストとして、そして一人のオーナーとして、以下の理由からこの結論に至りました。

  1. 遮音性が不十分で、マークレビンソンの性能を活かしきれない。
    • 走行中のロードノイズが、繊細な音の表現をマスキングしてしまう。
    • 「宝の持ち腐れ」になる可能性が非常に高い。
  2. 標準オーディオの完成度が非常に高い。
    • 多くのユーザーにとって、十分満足できるクリアでバランスの取れたサウンド。
    • ロードノイズのある環境下では、むしろ標準オーディオの方が聴きやすい場面もある。
  3. 約25万円の価格に見合う価値を見出しにくい。
    • 静粛性の高い上位モデル(NXやRX)でこそ、マークレビンソンの価値は輝く。
    • 同じ予算があれば、他のオプションや後付けのオーディオカスタムなど、より満足度の高い選択肢がある。

音楽が好きで、最高の音質を求める気持ちは痛いほどわかります。しかし、最高のオーディオシステムは、最高のリスニング環境があって初めてその真価を発揮します。LBXの車内環境は、残念ながらマークレビンソンが求める「最高のリスニング環境」には及ばない、というのが現実です。

もしあなたがレクサスLBXの購入を検討していて、オーディオ選びで迷っているのなら、まずは標準オーディオの音をディーラーの試乗車でじっくりと聴いてみてください。そして、できれば高速道路も試乗させてもらい、走行中のノイズレベルを確認することをおすすめします。きっと、標準オーディオの出来の良さと、車内のリアルな環境を体感し、ご自身の判断に自信が持てるはずです。

まとめ

今回は、レクサスLBXにマークレビンソンは必要なのか、というテーマについて深掘りしてきました。

  • LBXの遮音性はクラス相応であり、「レクサス」の名から期待されるほどの静粛性はない。特にロードノイズの侵入は大きい。
  • マークレビンソンは極めて高性能なオーディオだが、その真価を発揮するには高い静粛性が不可欠。
  • 走行ノイズの大きいLBXでは、マークレビンソンの繊細な表現力がスポイルされてしまう可能性が高い。
  • 標準オーディオの完成度は高く、多くの人にとっては十分満足できるレベルにある。
  • 約25万円のオプション価格を考えると、コストパフォーマンスの面でマークレビンソンを選択することは推奨しがたい。

レクサスLBXは、デザイン、走り、質感、その全てにおいて、コンパクトカーの常識を打ち破る魅力的な一台です。だからこそ、オプション選びは慎重に行い、自分にとって本当に価値のあるものに投資していただきたいと思います。今回のレビューが、あなたの賢いクルマ選びの一助となれば幸いです。