※本ページにはプロモーションが含まれる場合があります

ローン・残クレ

日産ディーラー営業が残クレを推す理由|ノルマやインセンティブの関係を解説

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、日産ディーラーで「なぜこんなに残価設定型クレジット(残クレ)を強く勧められるんだろう?」と疑問に感じているのではないでしょうか。特に新型セレナのような人気車種を検討していると、営業マンから熱心な提案を受けることが多いようです。

引用 : 日産 HP (https://www.nissan.co.jp/GALLERY/HQ/TESTDRIVE/)

私も新車を購入する際、同じような経験をしたことがあるので、そのお気持ちはよくわかります。セールストークの裏側や、本当に自分にとってお得な選択なのか、気になりますよね。

この記事を読み終える頃には、ディーラーが残クレを勧める本当の理由や、セールスマンのノルマ、インセンティブの仕組みまで、その疑問がスッキリ解決しているはずです。

記事のポイント

  • ディーラーが残クレを強く推奨する本当の理由
  • 営業マンに課せられる販売ノルマの実態
  • 残クレと納期短縮の知られざる関係性
  • 後悔しないための賢い自動車購入の選択術
【一括査定サイト必勝法】ヴェゼルを驚愕の高額査定で売却した方法を徹底解説新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。 私自身、2021年式のホンダ ヴェゼル PLAYを驚愕の高価査定で売却できました。 今回の投稿では、一括査定サイトを利用して高額査定で売却するための必勝法を徹底的に解説しています。...

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。

\筆者おすすめ!一括見積もりサイトはこちら/
CTN

日産ディーラーが残クレを強く勧める理由とその背景

最近、私の元に「日産のディーラーでセレナの購入を検討していたら、執拗なまでに残クレを勧められた。なぜなのでしょうか?」という相談が非常に多く寄せられます。月々の支払いが楽になる、余った資金を投資に回せる、さらには納期が早まる可能性まで示唆された、という話まで耳にします。

Lexury Motors Journal イメージ

なぜディーラーの営業マンは、これほどまでに残クレを強力にプッシュしてくるのでしょうか。その背景には、顧客側からは見えにくい、ディーラー、営業マン、そして自動車メーカーそれぞれの緻密な戦略と収益構造が隠されています。このセクションでは、その核心に迫っていきます。

そもそも残クレ(残価設定型クレジット)とは?仕組みをわかりやすく解説

まず、議論の前提となる「残クレ」の仕組みについて、簡単におさらいしておきましょう。

残価設定型クレジット(残クレ)とは、車両本体価格の一部をあらかじめ「残価(数年後の買取保証額)」として設定し、その残価を差し引いた金額を分割で支払うローンの仕組みです。

例えば、400万円の車を5年間の残クレで購入し、5年後の残価が150万円に設定されたとします。この場合、購入者は車両価格400万円から残価150万円を引いた250万円と、金利手数料を5年間(60回)で分割して支払うことになります。

そして契約満了時には、以下の3つの選択肢から選ぶことになります。

  1. 新しい車に乗り換える:乗っていた車をディーラーに返却し、残価の支払いを相殺。それを頭金の一部として新しい車の購入契約を結ぶ。
  2. 車を返却する:乗っていた車をディーラーに返却して契約を終了させる。走行距離や車両の状態が規定の範囲内であれば、追加の支払いは不要。
  3. 車を買い取る:設定された残価150万円を現金一括、または再度ローンを組んで支払い、車を完全に自分のものにする。

月々の支払額だけを見れば、車両価格の全額を分割する通常のローンよりも安くなるため、一見すると非常に魅力的なプランに映ります。

ディーラーにとっての残クレのメリット|ビジネスの観点から解説

では、本題です。なぜディーラーは残クレをこれほどまでに勧めるのでしょうか。答えは単純明快で、ディーラーにとって非常に多くのメリットがあるからです。

収益性の高い金融商品

最大の理由は、ローンによる手数料収入です。ディーラーが提供する残クレは、多くの場合、ディーラーと提携している信販会社(日産であれば日産フィナンシャルサービスなど)の商品です。顧客がこのローンを契約すると、信販会社からディーラーへ手数料(マージン)が支払われます。

現金一括で購入されると、ディーラーの利益は車両本体の販売利益とオプション品などの利益のみです。しかし、残クレを利用してもらえれば、そこに加えて安定した手数料収入が見込めるのです。一般的に、銀行のマイカーローンに比べてディーラーが提供するローンの金利は高めに設定されており、その分ディーラーに入るマージンの額も大きくなる傾向にあります。これはディーラーにとって、非常に重要な収益源の一つとなっています。

顧客の「囲い込み」戦略

残クレは、ディーラーにとって顧客を自社に繋ぎ止めておくための強力なツールでもあります。

3年後、あるいは5年後の契約満了時、顧客は必ず「乗り換え」「返却」「買取」のいずれかを選択するために、再びディーラーを訪れることになります。特に「乗り換え」を選択する顧客が多いため、ディーラーは安定的に次の新車販売に繋げることができるのです。

一度他社の車に興味が移ってしまった顧客を再び自社のディーラーに呼び戻すのは至難の業です。しかし、残クレで契約している顧客は、契約満了という明確なタイミングで必ずディーラーと接点を持つことになります。この機会を逃さず、次の魅力的な新型車を提案することで、顧客が他社へ流出するのを防ぎ、継続的な関係を築くことができます。これを「顧客の囲い込み」と呼び、ディーラー経営において極めて重要な戦略と位置付けられています。

良質な中古車在庫の確保

契約満了時に返却された車両は、ディーラーにとって**「宝の山」**となります。なぜなら、残クレの対象となる車両は、年式が新しく、ディーラーで定期的にメンテナンスされ、さらに年間の走行距離制限が設けられているため、市場に出回っている一般的な中古車よりもはるかに状態が良いからです。

これらの良質な中古車は、ディーラーが運営する中古車センターで「認定中古車」として再販されます。仕入れコストを抑えつつ、高い付加価値をつけて販売できるため、ここでも大きな利益が生まれます。つまり、ディーラーは残クレを利用することで、**「新車販売の手数料」「中古車販売の利益」**という、二度の収益機会を得ているのです。

営業マンにとっての残クレのメリット|個人の成績とインセンティブ

ディーラー全体のメリットだけでなく、現場で車を販売する営業マン個人にとっても、残クレの契約を獲得することには大きな動機があります。

インセンティブ(報奨金)制度

多くのディーラーでは、車両の販売台数に応じたインセンティブとは別に、ローン契約の獲得件数や融資額に応じたインセンティブが設定されています。営業マンの給与は、基本給に加えてこれらのインセンティブが上乗せされることで決まるため、ローン契約を1件でも多く獲得することが収入アップに直結します。

例えば、「ローン利用率50%以上で〇万円」「融資額〇〇円以上で〇万円」といった目標が設定されており、これを達成するか否かで月々の給与が大きく変わることも珍しくありません。彼らが熱心に残クレを勧める背景には、こうした極めて現実的な経済的理由があるのです。

人事評価への影響

インセンティブだけでなく、ローン獲得率が人事評価の重要な指標となっているディーラーも少なくありません。販売台数はもちろんのこと、「いかにして会社の利益に貢献したか」という視点が評価に含まれるのです。ローン契約はディーラーの収益性を高める重要な要素であるため、これを安定して獲得できる営業マンは高く評価され、昇進や昇給にも有利に働きます。

つまり、営業マンにとって残クレの提案は、単なる販売手法の一つではなく、自身のキャリアと生活を左右する重要な業務なのです。

日産(メーカー)にとっての残クレのメリット|ブランド価値の向上

ディーラーや営業マンだけでなく、自動車メーカーである日産本体にとっても、残クレが普及することにはメリットがあります。

新車販売台数の安定化

残クレは3年や5年といった短いサイクルでの乗り換えを促進します。これにより、市場全体での新車需要が安定し、メーカーは計画的な生産と販売戦略を立てやすくなります。特に国内市場が成熟し、車の乗り換えサイクルが長期化する中で、残クレは新車販売を活性化させるための重要な起爆剤と見なされています。

ブランド価値と中古車価格の維持

前述の通り、残クレから返却された車両は良質な中古車として市場に流通します。高年式・低走行の質の高い中古車が市場に豊富に存在することは、そのブランドの中古車相場を安定させる効果があります。

中古車価格が安定していると、新車購入時の下取り価格(リセールバリュー)への期待感も高まり、結果として新車の購入を後押しすることにも繋がります。これは、ブランド全体の価値を維持・向上させる上で非常に重要な要素です。

「残クレだと納期が早まる」という噂の真相を解明

さて、相談者の方が耳にしたという「残クレの方がなぜか優先されて納期が短縮される」という話。これは本当なのでしょうか。

結論から言うと、**「公式にはそのような事実は存在しないが、可能性はゼロではない」**というのが私の見解です。

メーカーが公式に支払い方法で納車順を差別することはありません。しかし、ディーラーへの車両の割り当て(配車枠)は、そのディーラーの販売実績やメーカーへの貢献度によって左右されることがあります。

ローン利用率が高く、メーカー系列の信販会社を多く利用してくれるディーラーは、メーカーから見て「優良な販売店」と見なされる可能性があります。そうしたディーラーが、他のディーラーよりも優先的に配車枠を与えられるというケースは、可能性として考えられなくもありません。

ただし、これはあくまで可能性の話であり、半導体不足や生産状況の遅れといった根本的な原因が解決しない限り、劇的に納期が短縮されることは考えにくいでしょう。営業マンが契約を後押しするための一種のセールストークである可能性が高いと考えるのが妥当です。この言葉を鵜呑みにして、焦って契約を決めるべきではありません。

「月々の支払いを投資に」というセールストークの危険性

「残クレで月々の支払いを抑えて、浮いた分を投資に回せば、トータルでプラスになりますよ」という提案も、最近よく聞かれるセールストークです。

一見すると、非常に合理的でクレバーな提案に聞こえるかもしれません。しかし、これには大きな落とし穴があります。

まず、残クレは金利を含めた総支払額で考えると、現金一括や低金利の銀行ローンよりも割高になるケースがほとんどです。つまり、最初からマイナスの状態(金利負担)を背負っているわけです。

そのマイナス分を上回るリターンを投資で安定的に得続けることは、投資のプロでも容易ではありません。投資には当然、元本割れのリスクが伴います。セールスマンの言葉通りに事が運ぶ保証はどこにもないのです。

自動車の営業マンは、あくまで自動車販売のプロであり、資産運用のプロではありません。彼らの甘い言葉を信じて、本来であれば割高な支払い方法を選択してしまうのは、非常に危険な判断と言えるでしょう。

残クレで日産車購入は本当に損?後悔しないための比較と判断基準

ディーラー側が残クレを勧める理由がわかったところで、次に考えるべきは「では、私たち消費者にとって残クレは本当に損なのか?」という点です。

Lexury Motors Journal イメージ

結論から言えば、残クレは一概に「損」と決めつけられるものではなく、ライフスタイルや価値観によっては非常に有効な選択肢となり得ます。大切なのは、そのメリットとデメリットを正確に理解し、他の支払い方法と比較した上で、自分に合ったものを選ぶことです。

残クレ vs 現金一括 vs 銀行ローン|支払総額を徹底比較

百聞は一見に如かず。具体的なシミュレーションで、支払い方法による総額の違いを見てみましょう。

ここでは、人気の**日産セレナ e-POWER LUXION(車両本体価格 4,798,200円)**を例に、5年(60回)払いで購入した場合を比較します。

【シミュレーション条件】

  • 車両:日産セレナ e-POWER LUXION
  • 車両本体価格:4,798,200円
  • 頭金:1,000,000円
  • 支払い期間:5年(60回)
支払い方法 金利(年率) 月々の支払額(目安) 5年後の残価/最終回支払額 総支払額(目安)
現金一括 4,798,200円
銀行ローン 2.0% 約66,000円 4,960,000円
残クレ 4.9% 約49,000円 1,440,000円 5,380,000円

※上記はあくまで概算です。実際の金利や残価設定率、手数料によって金額は変動します。 ※残クレの総支払額は、最終回に残価を支払って車を買い取った場合の金額です。

表を見れば一目瞭然ですが、総支払額で比較すると、現金一括が最も安く、次に銀行ローン、そして残クレが最も高くなります。 このセレナのケースでは、現金一括と残クレ(買取)とで約58万円もの差が生まれる計算です。

月々の支払額の安さに目を奪われがちですが、最終的に自分がいくら支払うことになるのか、「総支払額」という視点を決して忘れてはいけません。

残クレが向いている人・向いていない人の特徴

シミュレーションの結果を踏まえ、どのような人が残クレに向いているのか、あるいは向いていないのかをまとめました。

残クレが向いている人

  • 3年~5年で確実に車を乗り換える予定の人:乗り換え前提であれば、残価の支払いが不要になるため、効率的に新車に乗り続けられます。
  • 常に最新モデルの車に乗りたい人:最新の安全装備や機能をいち早く体験したい方には最適なプランです。
  • 初期費用や月々の支出をできるだけ抑えたい人:手元の現金を残しておきたい、毎月のキャッシュフローを安定させたいという方には大きなメリットがあります。
  • 車のメンテナンスや車検の手間を省きたい人:残クレはメンテナンスパックとセットになっていることが多く、手間なく車のコンディションを維持できます。

残クレが向いていない人

  • 一台の車に長く(5年以上)乗りたい人:最終的に買い取る場合、総支払額が割高になります。
  • 総支払額を少しでも安く抑えたい人:現金一括や低金利の銀行ローンの方が有利です。
  • 車を自由にカスタマイズ(改造)したい人:残クレの車両はあくまで「借り物」であり、所有権はディーラー(信販会社)にあります。原状回復できない改造は認められません。
  • 年間走行距離が多い人:設定された走行距離を超過すると、契約満了時に追加の精算金が発生します。
  • 将来のライフプランが不確定な人:残クレは原則として途中解約ができません。転勤や家族構成の変化などに対応しにくい場合があります。

ディーラーの言いなりにならないための交渉術

いざディーラーで商談する際、営業マンの巧みなトークに流されず、冷静に判断するための交渉術をいくつかご紹介します。

  1. 「支払い方法は複数検討中です」と最初に伝える 商談の冒頭で、「現金一括や、すでに仮審査を通した銀行のマイカーローンも選択肢に入れています」と明確に伝えましょう。これにより、営業マンが残クレ一辺倒の提案をしてくるのを牽制できます。主導権をこちらが握ることが重要です。
  2. 金利交渉を試みる ディーラーが提示するローンの金利は、実は交渉の余地がある場合があります。特に決算期など、ディーラーが販売台数を追いかけている時期はチャンスです。「〇〇銀行のローンは金利△%でした。もう少し金利を下げていただけるなら、こちらで組むことを検討します」と、具体的な数字を挙げて交渉してみましょう。
  3. 必ず「総支払額」で見積もりをもらう 「月々〇〇円です!」という言葉だけに惑わされず、「このプランで最終的に買い取った場合、総支払額はいくらになりますか?」と必ず確認し、複数の支払い方法での総支払額を比較検討しましょう。
  4. 不要なオプションは毅然と断る 残クレの月々の支払額を計算する際、高額なボディコーティングや延長保証、メンテナンスパックなどが、いつの間にか見積もりに含まれていることがよくあります。もちろん必要なものもありますが、自分にとって本当に不要だと感じたものは、「そのオプションは外してください」とハッキリと断る勇気を持ちましょう。

残クレ契約前に必ず確認すべき5つのチェックポイント

もし残クレでの契約を前向きに検討する場合でも、契約書にサインする前に、必ず以下の5つの点を確認してください。後々のトラブルを防ぐために非常に重要です。

  1. 金利は何%か?:固定金利か変動金利かも含めて確認します。
  2. 残価は保証されているか?(クローズドエンド方式か):一般的には残価が保証される「クローズドエンド方式」ですが、稀に契約満了時の市場価格によって残価が変動する「オープンエンド方式」の場合があります。必ず保証されているか確認しましょう。
  3. 年間走行距離の制限は何kmか?超過した場合のペナルティは?:月間1,000km(年間12,000km)などの制限があります。超過した場合、1kmあたりいくらの追加料金が発生するのかを事前に把握しておく必要があります。
  4. 車の傷や凹みに関する規定はどうか?:返却時の査定基準です。どの程度の傷であれば許容範囲なのか、修理が必要な場合の基準などを具体的に確認しておきましょう。
  5. 契約満了後の選択肢と、それぞれの具体的な手続き・費用は?:「乗り換え」「返却」「買取」のそれぞれの場合で、どのような手続きが必要で、手数料などの追加費用が発生しないかを確認します。

私が実際に日産車を購入した際の体験談

ジャーナリストという仕事柄、私は様々なメーカーの車を乗り継いできました。実は、以前所有していた「スカイライン 400R」は、日産の残クレを利用して購入した経験があります。

当時は頻繁に新型車をテストし、長期レビュー記事を執筆する必要があったため、「3年で乗り換える」ことが前提でした。その上で残クレを選んだ理由は、月々の支払いを抑えることで経費として処理しやすかった点、そして常に最新の状態で車両を維持するためのメンテナンスパックが魅力的だった点です。計画的な利用であれば、残クレは非常に合理的な選択肢だと感じました。

しかし、良いことばかりではありません。3年後に車両を返却する際の査定が、思った以上に厳しかったのです。高速道路走行でついた避けようのないフロントガラスの小さな飛び石の傷を指摘され、数万円の追加費用を請求されたのは苦い経験でした。この経験から、残クレは「借り物」であるという意識を常に持ち、計画的に、そして丁寧に利用する必要があると痛感しました。

セレナ以外の人気車種でも残クレは主流?トヨタ・ホンダの状況

こうした残クレの積極的な活用は、日産に限った話ではありません。今や、ほとんどの国産メーカーが同様のプランを主力商品として展開しています。

例えば、セレナの最大のライバルであるトヨタの「ヴォクシー」「ノア」では**「残価設定型プラン」、ホンダの「ステップワゴン」では「残価設定型クレジット」**という名称で提供されています。

各社で残価率(リセールバリューが高い車種ほど高く設定される傾向)や金利キャンペーンの内容は異なりますが、ディーラーが顧客の囲い込みや収益確保のために積極的に推進しているという構図は全く同じです。

車を購入するということは、メーカーを選ぶということでもあります。支払いプランも含めて、各社の特徴を比較検討することで、より自分に合った一台を見つけることができるでしょう。

まとめ

今回は、日産ディーラーがなぜ残クレを強く勧めるのか、その理由を多角的に掘り下げてきました。

結論として、ディーラーが残クレを推奨するのは、ディーラー、営業マン、そしてメーカーそれぞれに、収益向上や顧客の囲い込みといった明確なビジネス上のメリットがあるからです。セールストークの裏には、こうした緻密な戦略が隠されていることを理解しておくことが重要です。

しかし、だからといって残クレが消費者にとって「悪」というわけではありません。数年単位で車を乗り換えるライフスタイルの人や、月々の支出を平準化したい人にとっては、非常に合理的で便利な購入方法です。

最も大切なのは、営業マンの言葉を鵜呑みにするのではなく、残クレのメリットとデメリットを正しく理解し、現金一括や銀行ローンといった他の選択肢と比較して、自分自身の価値観やライフプランに最も合った支払い方法を冷静に選択することです。

この記事で得た知識を武器に、ディーラーの言いなりになることなく、対等な立場で交渉に臨んでください。賢い消費者として、あなたが心から満足できる一台と出会えることを、一人の車好きとして心から願っています。