この記事を読んでいる方は、「テスラの修理は予約が取りにくい」「故障したらどうなるのか」といった点が気になっていると思います。
引用 : テスラ公式X
私自身、複数のテスラ車を所有し、実際に修理も経験してきましたので、その気になる気持ちはよくわかります。
未来的なデザインや圧倒的な走行性能に惹かれる一方で、いざという時のサービス体制に不安を感じるのは当然のことです。
このレビューを読み終える頃には、テスラの修理に関する漠然とした不安や疑問が解消され、安心してテスラを検討できるようになっているはずです。
記事のポイント
- サービスセンター予約の実態
- 故障時の具体的な対処フロー
- 修理方法の全選択肢
- 修理期間と費用の目安
新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
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テスラの修理に関する噂と実態
テスラ車を検討する上で、多くの方が耳にするのが修理に関するネガティブな噂です。特に「サービスセンターの予約が1ヶ月待ち」「故障が多い」といった声は、購入をためらわせる大きな要因になり得ます。ここでは、自動車コンサルタントとして、そして一人のオーナーとして、それらの噂の真相と現在の実態を詳しく解説していきます。
引用 : 価格コム HP (https://kakaku.com/item/K0001215150/)
テスラのサービスセンターは本当に1ヶ月待ち？
結論から言うと、「時期や拠点によっては事実だが、常にそうとは限らない」というのが私の見解です。
噂が広まった背景
この噂が広まった背景には、テスラの急激な販売台数の増加があります。従来の自動車メーカーのように全国に広がるディーラー網を持たず、直営のサービスセンターで対応するテスラにとって、販売ペースにサービス網の拡充が追いついていない時期があったのは事実です。特に、新型モデルの納車が集中する時期や、都市部のサービスセンターでは予約が殺到し、1ヶ月以上先まで予約枠が埋まるという状況が発生していました。
現在の実態と予約のコツ
現在では、サービスセンターの増設やモバイルサービスの拡充により、状況はかなり改善されつつあります。しかし、依然として地域や時期によっては予約が取りにくいケースも見られます。
そこで、オーナーとしての経験から予約を取るためのコツをいくつかご紹介します。
- テスラアプリをこまめにチェックする: サービス予約はすべてテスラアプリから行いますが、急なキャンセルで空きが出ることも少なくありません。希望の日時が埋まっていても、諦めずに何度か確認すると、意外とすんなり予約が取れることがあります。
- 緊急性の低い修理は時期をずらす: 例えば、定期的な点検や軽微な異音の確認など、走行に支障がない内容であれば、繁忙期を避けて予約を入れるのが賢明です。
- モバイルサービスを積極的に活用する: 後述しますが、多くの修理はモバイルサービス（出張修理）で対応可能です。サービスセンターへの持ち込みにこだわる必要がない場合は、モバイルサービスを選択することで、より迅速に対応してもらえる可能性が高まります。
私の経験では、アプリで予約を入れる際に症状を詳しく記載し、関連する写真や動画を添付しておくと、テスラ側で事前の切り分けがしやすくなり、モバイルサービスでの対応になるなど、スムーズに進むことが多かったです。
テスラは本当に故障しやすいのか？
「テスラは故障が多い」というのもよく聞く話です。これについては、**「従来のエンジン車とは異なる種類の不具合は発生するが、致命的な故障は少ない」**と捉えるのが適切でしょう。
引用 : 価格コム HP (https://kakaku.com/item/K0001215150/)
テスラ特有の不具合
テスラの不具合として報告されがちなのは、以下のようなものです。
- ソフトウェア関連: タッチスクリーンのフリーズ、ナビゲーションの不具合、アプリとの接続問題など。
- 電子部品関連: ドアハンドルの自動展開不良、パワーウィンドウの作動不良、センサー類のエラーメッセージ表示など。
- 車体の建て付け: パネルのチリ（隙間）のズレ、雨漏り、内装からの異音など。
これらの多くは、テスラが「走るスマートフォン」と形容されるように、複雑な電子制御システムを搭載していることに起因します。特にソフトウェア関連の不具合は、後のOTA（Over-The-Air）アップデートによって改善されるケースがほとんどです。
致命的な故障は稀
一方で、走行の根幹に関わるバッテリーやドライブユニットといった主要コンポーネントの故障は、極めて稀です。これらの部品には長期の保証が付帯しており、万が一の際にも手厚く保護されています。私の周りの多くのテスラオーナーを見ていても、走行不能に陥るような深刻なトラブルに見舞われたという話はほとんど聞きません。
むしろ、エンジンオイルや点火プラグ、マフラーといった消耗部品が存在しないため、長期的に見ればエンジン車よりもメンテナンスの手間や故障リスクは少ないとさえ言えます。
日本国内のテスラサービス拠点の現状
2025年現在、日本のテスラサービス拠点は、大きく分けて3つの形態で全国に展開されています。
- テスラサービスセンター: 車検や重整備を含め、すべてのサービスに対応可能な大規模拠点です。東京、横浜、名古屋、大阪、福岡などの主要都市を中心に設置されています。
- テスラストア（サービス機能併設）: 新車販売を行うストアに、比較的小規模なサービス機能が併設されている拠点です。
- モバイルサービス: テスラの技術者が専用のサービスカーでオーナーの自宅や職場を訪問し、その場で修理や点検を行う出張サービスです。
特にモバイルサービスの対応エリアは年々拡大しており、サービスセンターから遠い地域に住むオーナーにとって非常に心強い存在となっています。わざわざ車を持ち込む手間が省けるため、利便性は非常に高いです。
なぜサービス拠点が限られているのか？
テスラのサービス拠点が従来の国産車ディーラーに比べて少なく感じるのは、そのビジネスモデルに理由があります。テスラは、中間マージンを省いて車両価格を抑えるために、ディーラーを介さない直販モデルを採用しています。
そのため、サービス拠点も自社で直接管理・運営する必要があり、一朝一夕に全国津々浦々へ拠点を広げることが難しいのです。しかし、前述の通り、販売台数の増加に伴い、サービスセンターの新設やモバイルサービス網の強化は着実に進められています。
テスラのOTA（Over-The-Air）アップデートとは
テスラのサービスを語る上で欠かせないのが、**OTA（Over-The-Air）**によるワイヤレスでのソフトウェアアップデートです。
OTAの絶大なメリット
自宅のWi-Fiなどに接続しておくだけで、車両のソフトウェアが自動で最新の状態に更新されます。これにより、以下のようなメリットがもたらされます。
- 不具合の修正: 小さなバグやエラーは、サービスセンターに持ち込むことなく修正されます。
- 新機能の追加: ナビゲーションの改善、ゲームの追加、さらには航続距離や加速性能の向上といった、購入時にはなかった機能が後から追加されることもあります。
- セキュリティの強化: 常に最新のセキュリティパッチが適用され、車両を保護します。
このOTAのおかげで、多くのソフトウェア関連の問題はオーナーが気づかないうちに解決しており、「サービスセンターに入庫する回数を劇的に減らす」という大きな効果を生んでいます。車が時間と共に進化していく感覚は、他の自動車メーカーでは味わえないテスラならではの体験です。
部品供給の遅れは本当か？
一時期、世界的な半導体不足やコロナ禍における物流網の混乱により、修理部品の供給が遅れるという問題が指摘されていました。特に、事故による板金塗装修理などで特定の部品が必要になった場合、納期が数ヶ月に及ぶケースもありました。
現在、この状況は大幅に改善されていますが、一部の特殊な部品については、依然として海外からの取り寄せに時間を要する可能性があります。これはテスラに限った話ではありませんが、万が一の事故の際には、修理期間が長引く可能性もゼロではないことは念頭に置いておくとよいでしょう。
中古テスラ購入時の修理と保証
中古でテスラを購入する場合、新車時の保証が残っていれば、それを引き継ぐことが可能です。
- 基本車両限定保証: 4年間または80,000km走行時点のいずれか早い方
- バッテリーおよびドライブユニット限定保証: 8年間（走行距離はモデルにより異なる）
中古車を検討する際は、これらの保証がどれくらい残っているかを確認することが非常に重要です。保証期間内であれば、万が一の故障でも無償で修理を受けられます。保証が切れた車両の場合は、民間の自動車保険に付帯する故障修理特約などを検討するのも一つの手です。
テスラオーナーコミュニティの活用法
テスラオーナーは、横のつながりが非常に強いことでも知られています。SNSやオーナーズクラブなど、様々なコミュニティが存在し、活発な情報交換が行われています。
軽微な不具合や操作上の疑問点などは、サービスセンターに連絡する前に、まずこれらのコミュニティで質問してみることをお勧めします。経験豊富な先輩オーナーから、的確なアドバイスや解決策が得られることが少なくありません。「再起動したら直ったよ」「この設定を確認してみて」といったやり取りで、問題が即座に解決することも多々あります。
テスラが故障した際の完全ガイド
では、実際にあなたのテスラに何らかの不具合が発生した場合、どのような手順で対処すればよいのでしょうか。ここでは、慌てずに済むよう、具体的なステップを時系列で解説します。
引用 : 価格コム HP (https://kakaku.com/item/K0001215150/)
STEP1：まずはセルフチェック（再起動）
警告メッセージが表示されたり、タッチスクリーンが反応しなくなったりした場合、まず試すべきは車両の再起動です。多くのソフトウェア関連の一時的な不具合は、これで解決します。
再起動の方法
再起動には2つの方法があります。
- タッチスクリーンの再起動:
- ステアリングホイールの両側にあるスクロールボタンを、タッチスクリーンが暗転するまで長押しします。
- 数十秒後、テスラの「T」のロゴが表示され、スクリーンが再起動します。この間も車両の運転は可能です。
- 車両全体の電源オフ/オン:
- タッチスクリーンで「コントロール」>「安全とセキュリティ」>「電源オフ」の順にタップします。
- 電源がオフになったら、ブレーキペダルを踏むかドアを開けるまで、最低2分間は何も操作せずに待ちます。
- 2分以上経過した後、ブレーキペダルを踏むと車両が再起動します。
まずはこの再起動を試すのが、テスラオーナーの基本作法とも言えます。
STEP2：テスラアプリからサービスを予約する方法
再起動しても問題が解決しない場合や、物理的な損傷・異音が発生している場合は、テスラアプリからサービスを予約します。電話での予約は受け付けておらず、すべてアプリ経由となります。
アプリでの予約手順
- テスラアプリを開き、メイン画面で「サービス」を選択します。
- 「サービスリクエスト」をタップし、不具合のカテゴリ（例：「タイヤとホイール」「ソフトウェア」など）を選択します。
- 画面の指示に従い、不具合の詳細な内容をテキストで入力します。ここで、いつから、どのような状況で、どんな症状が発生しているのかを具体的に記述することが重要です。
- 可能であれば、症状がわかる写真や短い動画を添付します。これにより、テスラ側が正確に状況を把握できます。
- 希望するサービスセンターの拠点と日時を選択します。モバイルサービスが可能な場合は、その選択肢も表示されます。
- 内容を確認し、予約を確定します。
予約が完了すると、アプリのメッセージ機能を通じてサービスチームと直接やり取りができるようになります。追加の質問が来たり、入庫前に試すべきことを指示されたりすることもあります。
STEP3：モバイルサービスを依頼する
アプリで予約を進める中で、症状がモバイルサービスの対象であると判断された場合、自宅や職場など、指定の場所で修理を受けることができます。
モバイルサービスの対象となる修理
- 軽微な部品交換（ドアハンドル、充電ポートなど）
- ソフトウェアの診断とアップデート
- 一部の警告メッセージの点検
- 内装部品の調整や交換
- タイヤのローテーション（出張先による）
サービスセンターまで車を運ぶ必要がなく、技術者が作業している間は自宅で待機したり、仕事を続けたりできるため、非常に効率的で満足度の高いサービスです。費用も、保証期間内であれば出張費なども含めて無料です。
STEP4：サービスセンターへ持ち込む
モバイルサービスでは対応できない、より専門的な設備が必要な修理の場合は、サービスセンターへの持ち込みとなります。
持ち込みが必要な修理
- 車検
- バッテリーやドライブユニットに関する重整備
- アライメント調整
- 事故による板金塗装（認定ボディショップへの案内となる場合が多い）
- 原因特定が困難な異音の診断
入庫当日は、アプリで事前にチェックインを済ませておくことで、受付がスムーズに進みます。修理期間中は、アプリを通じて進捗状況が随時報告されるため、安心して待つことができます。
STEP5：ロードサイドアシスタンスを呼ぶ
走行不能になったり、タイヤがパンクしたり、安全に走行できないと判断される警告が表示されたりした場合は、ロードサイドアシスタンスに連絡します。
利用条件と連絡方法
保証期間内であれば、24時間365日、無料で利用できます。連絡は、テスラアプリの「ロードサイドアシスタンス」からリクエストするか、車内のタッチスクリーンから直接電話をかけることができます。
走行不能な場合は最寄りのサービスセンターまでレッカー搬送してくれますし、パンクの場合は現場での応急修理やレッカーを手配してくれます。万が一の際にも、しっかりとしたサポート体制が整っているので安心です。
修理期間の目安を内容別に解説
修理にかかる期間は、その内容によって大きく異なります。以下に大まかな目安をまとめました。
- モバイルサービス: 1〜3時間程度で完了することがほとんどです。
- サービスセンターでの軽微な修理: 部品在庫があれば、半日〜1日で完了します。
- 部品の取り寄せが必要な修理: 国内に在庫がない場合、2週間〜1ヶ月以上かかることもあります。
- 板金塗装: 損傷の程度によりますが、1週間〜1ヶ月程度が一般的です。
- バッテリー交換などの重整備: 部品の納期待ちも含め、数週間から数ヶ月単位になる可能性があります。
修理費用の目安と保証適用範囲
テスラには、手厚い新車保証が付帯しています。
- 基本車両限定保証: 4年または80,000km。タッチスクリーンやドアハンドルなど、車両の大部分をカバーします。
- バッテリー＆ドライブユニット限定保証: 8年または160,000km〜240,000km（モデルにより異なる）。EVの心臓部である主要コンポーネントを長期間保護します。
これらの保証期間内に発生した製造上の不具合は、すべて無償で修理されます。
保証対象外の費用
一方で、タイヤ、ブレーキパッド、ワイパーブレードといった消耗品の交換や、オーナーの過失による損傷、事故による修理は有償となります。費用の目安としては、他の輸入車メーカーと同等か、内容によってはやや高額になるケースもあります。
テスラの修理、代車は提供される？
修理で車両を預ける際に、最も気になる点の一つが「代車」の有無でしょう。ここでは、テスラの代車サービスに関する現状と、知っておくべきポイントを詳しく解説します。
原則は「代替交通手段の提供」へシフト
かつては、修理期間中にテスラ車の代車が提供されるケースが多く見られました。しかし、販売台数の急増に伴い、すべての入庫車両に対して代車を用意することが物理的に困難になってきています。
そのため、現在のテスラの基本方針は、物理的な「代車」の提供から、「代替交通手段の提供」へとシフトしています。
Uberクレジットの提供が主流
代替交通手段として最も一般的なのが、Uberで利用できるクレジットの提供です。サービスセンターへの入庫が必要な場合、修理期間中に応じて一定額のクレジット（例：1日あたり〇〇円分など）が、オーナーのアカウントに付与される形です。
都市部在住で、日常的に車を必要としない方にとっては、必要な時にだけUberを利用できるこの方法は合理的と言えるでしょう。
レンタカー費用の補助
地域やサービスセンターの状況によっては、提携するレンタカー会社の費用を一部補助する形で対応する場合もあります。
代車を確実に利用したい場合は？
仕事や家庭の事情で、どうしても物理的な車が必要な場合はどうすればよいのでしょうか。
サービス予約時に必ず相談する
まず最も重要なのは、テスラアプリでサービスを予約する際に、その旨を明確に伝えることです。「代車が必須である」という要望をメッセージ機能でサービスチームに事前に伝えておくことで、サービスセンター側も可能な範囲で調整を試みてくれます。
ただし、代車の数には限りがあるため、必ずしも希望通りになるとは限りません。それでも、事前に伝えることで、何らかの代替案を検討してもらえる可能性は高まります。
自身の自動車保険を確認する
もう一つの選択肢として、ご自身が加入している自動車保険の契約内容を確認してみましょう。**「代車費用特約」や「レンタカー費用補償」**といった特約が付帯していれば、保険を利用してレンタカーを借りることができます。テスラの修理に限らず、万が一の事故の際にも役立つ特約なので、この機会に見直しておくことをお勧めします。
代車の提供状況は拠点と時期による
最終的に、代車が提供されるかどうか、またその内容（テスラ車、レンタカー、Uberクレジットなど）は、利用するサービスセンターの状況と、入庫する時期によって大きく変動します。
そのため、「必ず代車が出る」あるいは「絶対に出ない」と一概には言えません。確実な情報を得るためには、サービス予約後にアプリを通じて担当者と直接コミュニケーションを取ることが不可欠です。
まとめ
今回は、テスラの修理に関する様々な噂と、故障した際の具体的な対処法について、私の経験を交えながら詳しく解説しました。
この記事でお伝えしたかった要点を改めて整理します。
- サービスセンターの予約は改善傾向にあるが、アプリの活用やモバイルサービスの利用が鍵。
- 故障はエンジン車と種類が異なり、多くはOTAアップデートで解決する。
- サービス拠点は拡充中であり、モバイルサービスが利便性を高めている。
- 故障時は、まず再起動を試し、次にアプリからサービスを予約するのが基本フロー。
- 修理中の代車は、Uberクレジットなどの代替交通手段が主流。物理的な車が必要な場合は事前の相談が必須。
- 手厚い保証とロードサイドアシスタンスにより、万が一の際も安心。
テスラは、従来の自動車の概念を覆す革新的な製品です。その分、サービス体制に関しても既存のメーカーとは異なるアプローチを取っており、それが時にオーナーの不安につながることも事実です。
しかし、その仕組みを正しく理解し、アプリやモバイルサービスといったテスラならではのツールを使いこなせば、修理に関する不安は大幅に軽減できるはずです。むしろ、ディーラーに足を運ぶ手間が省け、OTAで車が進化し続けるという体験は、一度味わうと元には戻れないほどの魅力があります。
このレビューが、あなたのテスラに対する漠然とした不安を解消し、自信を持って一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
