モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、レクサスNXの大幅改良版がいつ出るのか、そして今現行型を買って良いのか非常に気になっていると思います。 私も実際に現行型NXを所有し、開発の現場も見てきた人間として、その迷う気持ちは痛いほどよくわかります。 「最新が最良」である自動車の世界において、大幅改良(マイナーチェンジ)のタイミングは、オーナーにとって最もシビアな決断を迫られる瞬間です。
引用 : レクサス NX 予想CG「画像:APOLLO NEWS SERVICE」
この記事を読み終える頃には、あなたが今NXを注文すべきか、それとも2026年モデルまで待つべきか、その答えが明確に出ているはずです。
- 2026年秋に「スピンドルボディ」採用でデザインが劇的に変化
- 次世代「Arene OS」搭載により車両の知能化と拡張性が別次元へ
- 先進安全装備が「Lexus Safety System+ 4.0」へ進化し安全性が向上
- 改良版は空前の人気で「納期1年以上」と「大幅値上げ」が不可避
車買い替えのご検討中の方へ
新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
CTN一括査定は自動車業界紙にも多数掲載されているので、安心してご利用できます。
レクサスNX 改良の全貌
レクサスの中核を担うSUV、NXがいよいよその「第二章」へと足を踏み入れようとしています。 2021年の登場から数年が経過し、現在の自動車業界の潮流である「電動化」と「知能化」をさらに加速させるための大幅改良が、2026年に予定されています。 この改良は、単なる見た目の変更に留まらず、車の「脳」とも言えるソフトウェアから刷新される、極めて重要なターニングポイントとなります。
引用 : レクサス NX 予想CG「画像:APOLLO NEWS SERVICE」
レクサスNX エクステリアの劇的変化
今回の改良で最大の注目点は、フロントマスクの「スピンドルボディ」への移行です。 これまでのレクサスを象徴していた「スピンドルグリル」から、ボディとグリルが一体化したような「スピンドルボディ」へとデザイン言語が進化します。 これは既に新型RXやRZで見られる手法ですが、NXに採用されることで、より塊感のある、彫刻的な美しさが強調されることになります。
具体的には、グリル上部の境界線が曖昧になり、ボディカラーがグリル内に入り込むようなデザインが予想されます。 これにより、フロントの接地感が増し、SUVらしい力強さと、プレミアムブランドに相応しい洗練さが同居するスタイルへと昇華するでしょう。 また、エアインテークの形状も大型化され、空力性能の向上とスポーティな視覚効果を両立させることが期待されています。
レクサスNX 4連プロジェクターヘッドライトの衝撃
ライティング技術の進化も見逃せません。 現行型でも三眼LEDが精悍な印象を与えていますが、改良型ではさらにスリム化した「4連プロジェクター内蔵ヘッドライト」の採用が有力視されています。 一つひとつのユニットを小型化することで、ヘッドライト全体の意匠をよりシャープにし、睨みの効いたフロントフェイスを作り上げます。
単に見た目が良くなるだけではありません。 この4連ユニットは、最新の「ブレードスキャンAHS(アダプティブハイビームシステム)」の制御をより緻密にすることが可能です。 対向車や先行車を遮光する精度が上がり、夜間走行時の視界確保と安全性が飛躍的に向上します。 光の演出についても、起動時のシグネチャーランプの動きがより複雑で優雅なものになるでしょう。
外観の主な変更予想点
| 項目 | 現行型 | 改良型(予想) |
|---|---|---|
| フロントグリル | スピンドルグリル | スピンドルボディ |
| ヘッドライト | 三眼LED | スリム4連プロジェクター |
| バンパー造形 | 立体的なフィン形状 | ワイド&ローな一体成型 |
| リアコンビランプ | 一文字形状 | グラフィック刷新&立体感向上 |
レクサスNX 次世代Arene OSがもたらす知能化
今回の改良の本質は、ハードウェアよりもむしろソフトウェアにあると言っても過言ではありません。 トヨタ・レクサスが社運をかけて開発している次世代車両ソフトウェアプラットフォーム「Arene OS(アリーンOS)」が、ついにNXにも導入される見込みです。 これは、車を「移動するスマートフォン」のように進化させるシステムです。
Arene OSの導入により、車両の走行特性や安全装備、エンターテインメント機能のほぼ全てがOTA(Over The Air:無線更新)で常に最新の状態にアップデートされます。 「買った時が一番新しい」のではなく、「乗れば乗るほど賢くなる」体験が提供されるのです。 例えば、自動駐車の精度が後から向上したり、新しい運転支援モードがダウンロードで追加されたりといったことが日常茶飯事になります。 現行型のシステムとは、その拡張性において比較にならないほどの差が生まれることになります。
レクサスNX LSS+ 4.0への進化と安全性の深化
レクサスの安全思想は常に進化していますが、改良型NXでは「Lexus Safety System+ 4.0」が搭載されるでしょう。 これにより、予防安全のレベルが一段階引き上げられます。 特に注目すべきは、交差点での右左折時における検知範囲の拡大と、障害物に対する回避操舵支援の精度向上です。
また、ドライバーの状態を監視する「ドライバーモニター」との連携も強化されます。 不慮の事態でドライバーの反応がなくなった際の車両停止支援だけでなく、眠気や脇見をより初期の段階で検知し、音や振動だけでなく車両制御によって安全を確保する機能が加わります。 プロアクティブ・ドライビング・アシスト(PDA)も、より自然なブレーキ制御と操舵支援を行う最新世代へとアップデートされ、運転の疲れを最小限に抑えてくれるはずです。
レクサスNX インテリアの洗練とアンビエントライト
内装については、14インチの大型タッチディスプレイを軸とした「Tazuna Concept」を継承しつつ、細部の質感が大幅に底上げされます。 現行型でユーザーから指摘のあった、コンソール周りのスイッチ類の配置や操作感が見直され、より直感的に扱えるレイアウトに変更されるでしょう。
特に期待したいのが、アンビエントライトの進化です。 光量をアップさせるだけでなく、ドアトリムや足元だけでなく、インストルメントパネル全体を包み込むような演出が加わります。 カラーバリエーションの追加はもちろん、走行モードや外気温、さらには車内での会話のトーンに合わせた動的な発光パターンも採用される可能性があります。 夜のドライブが、まるで高級ホテルのラウンジにいるような特別な空間へと変わるのです。
レクサスNX パワートレインの動向と効率化
パワートレインのラインナップ(2.5L HEV、2.5L PHEV、2.4L ターボ、2.5L 自然吸気)に大きな変更はないものの、それぞれの熟成が進みます。 特にハイブリッドシステム(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)については、バッテリーの制御アルゴリズムを見直すことで、実用燃費とレスポンスの両立が図られます。
また、2.4Lターボモデルについても、トランスミッションのシフトスケジュールを最適化し、よりダイレクト感のある加速フィールを追求するでしょう。 電動化が進む中で、ガソリン車ならではの操る楽しさを残しつつ、環境性能も高めるという難しい課題に、レクサスのエンジニアたちは高いレベルで応えてくると確信しています。 乗り味についても、ボディ剛性のさらなる強化とサスペンションのチューニングにより、現行型以上に「レクサス・ドライビング・シグネチャー」を色濃く感じるものになるはずです。
レクサスNX 発売時期と納期の予測
さて、最も気になる発売時期ですが、2026年9月から10月頃というのが業界内での有力な見方です。 ただし、ここで注意しなければならないのが「納期問題」です。 現在、NXの納期は4ヶ月前後と非常に安定していますが、これはあくまで「現行型」の話です。
大幅改良モデルが発表された瞬間に、注文が殺到するのは間違いありません。 スピンドルボディやArene OSといった魅力的な新要素が加われば、再び「納期1年以上」という、あの長く苦しい状況に逆戻りするリスクが高いのです。 先行予約の段階で枠が埋まり、数ヶ月後には受注停止……といったシナリオも十分に考えられます。 もし改良型を狙うのであれば、ディーラーとの密なコミュニケーションが不可欠となります。
レクサスNX 価格設定のリアルな予測
改良に伴う価格上昇も避けられない現実です。 一部では「5万円程度の値上げ」という観測もありますが、私はもっと踏み込んだ価格改定になると予測しています。 近年の原材料費・物流費の高騰に加え、Arene OSや新型ライトユニットといった高コストな技術が投入されるわけですから、15万円〜25万円程度のアップは覚悟しておくべきでしょう。
しかし、その価格上昇分を補って余りあるのが、将来的な「リセールバリュー」への影響です。 大幅改良後のモデルは、中古車市場での人気が圧倒的に高く、売却時の価格差は初期の投資額を容易に回収できるレベルになります。 目先の数万円の差に捉われず、トータルでの「保有コスト」を考えるのが、賢いレクサスオーナーの買い方です。
改良型NXの主要スペック・価格予測
| グレード | 予想価格帯(万円) | 現行比(予想) |
|---|---|---|
| NX350h | 640〜750 | +20前後 |
| NX450h+ | 750〜800 | +15前後 |
| NX350 | 620〜650 | +15前後 |
| NX250 | 500〜580 | +10前後 |
現行型を買うべきか、待つべきか
ここからは、皆さんが直面している「今買うか、待つか」という究極の二択について深掘りしていきましょう。 結論から言えば、多くの方にとって「待つ」ことが正解になる可能性が高いですが、あえて「今」買うことにメリットがあるケースも存在します。 私のガレージにあるNXを眺めながら、その理由を冷静に分析します。
引用 : レクサス NX 予想CG「画像:APOLLO NEWS SERVICE」
現行型の完成度と所有者としての本音
私が所有している現行型NXは、実にバランスの取れた名車です。 特に静粛性と乗り心地の質感は、同クラスのドイツ車と比較しても一歩抜きん出たものがあります。 タッチパネルの操作性やLSS+ 3.0の支援機能も、日常使いで不満を感じることはほとんどありません。 「今、この瞬間に最高の実用性を手に入れたい」というのであれば、現行型は十二分に期待に応えてくれます。
しかし、車好きの性として、隣に新型スピンドルボディのNXが並んだ時、今のデザインが急に古臭く見えてしまう……その心理的ダメージは計り知れません。 レクサスは代を重ねるごとにデザインの純度を高めてくるブランドですから、2026年の大幅改良は、現行型オーナーにとってかなり「痛い」ものになるのは間違いありません。
待つことのメリットとデメリット
待つことの最大のメリットは、何と言っても「最新のテクノロジー」と「リセールの強さ」です。 特にArene OSは、今後のレクサスライフを根本から変える要素です。 古くならないソフトウェアを積んだ車を所有する喜びは、これまでの自動車選びにはなかった新しい付加価値です。
一方で、デメリットは「時間」と「コスト」です。 発売まで約1年半、さらに納期が1年かかるとすれば、手元に届くのは2年半後になるかもしれません。 その間の車検代や、今乗っている車の査定額の下落を考えれば、現行型を買って2年後に乗り換えるという戦略も決して間違いではありません。 ただし、その場合は乗り換え時の追い金が大きくなることを覚悟する必要があります。
リセールバリューへの影響
レクサス選びにおいて、リセールバリュー(残価)を無視することはできません。 大幅改良が行われると、当然ながら「前期型(現行)」の相場は一段階下がります。 特に今回は外観が「スピンドルボディ」に変わるという大きなトピックがあるため、市場の評価は新型に集中するでしょう。
中古車を買うユーザーも、少し高くても「新しい顔」と「最新OS」の方を選びます。 3年後、5年後の売却時に、現行型と改良型で50万円以上の差がつくことは十分にあり得ます。 もし残価設定ローン(残クレ)を利用するのであれば、最終的な精算額にこの差が大きく響いてくることを念頭に置いておくべきです。
競合車種との比較
NXを検討する際、ライバル車の動向も無視できません。 メルセデス・ベンツGLC、BMW X3、アウディQ5といった強豪たちは、既にモデルチェンジを終えているか、間近に控えています。 特に新型X3などは、デジタル体験において非常に高いレベルにあります。
レクサスNXの改良版がArene OSを搭載するのは、これら輸入車勢に対抗するためでもあります。 今現行型NXを買うと、2026年に登場するライバルたちの最新世代に対して、ソフトウェア面で1世代遅れをとることになります。 輸入車からの乗り換えを検討している方であれば、なおさら改良型まで待って、世界基準の最新デジタルコクピットを手に入れるべきでしょう。
乗り換えタイミングの最適解
では、どのような人が今買うべきで、どのような人が待つべきなのでしょうか。 以下の条件に当てはまる方は、それぞれの選択肢が最適解となります。
今すぐ現行型を注文すべき人
- 現在の車の車検が半年以内に切れる
- 改良後の大幅な値上げを何としても避けたい
- スピンドルグリルのデザインが大好きで、スピンドルボディには抵抗がある
- 納期を1年以上待つ余裕がない
2026年の改良型を待つべき人
- 最新のガジェットやソフトウェアの進化にワクワクする
- 5年後も高いリセールバリューを維持したい
- 「RXのような顔」のNXに乗りたい
- 乗り換えを急いでおらず、最高の1台をじっくり手に入れたい
予算とローン戦略
予算の面では、改良型は車両本体価格の上昇に加え、値引きもほぼ期待できない状況になります。 現行型であれば、モデル末期ということで多少のサービスやオプション値引きを引き出せる可能性がありますが、レクサスというブランド柄、劇的な値引きは期待薄です。
賢い戦略としては、今から改良型のための貯金を月々数万円上乗せして行いつつ、2025年末の「先行商談開始」のタイミングで、誰よりも早くハンコを押せる準備をしておくことです。 残価設定ローンを使う場合も、改良型の方が「据え置き額(残価)」を高く設定できるケースが多く、月々の支払額は現行型とそれほど変わらないという逆転現象が起きることもあります。
カスタマイズとオプションの選び方
もし現行型を今買うのであれば、オプション選びは「リセール」を最優先にすべきです。 「ムーンルーフ」「パノラミックビューモニター」「マークレビンソン」は必須と言える三種の神器です。 これらがないと、改良型が登場した後の売却時に、さらに査定が厳しくなります。
逆に、2026年の改良型を待つのであれば、Arene OSで提供されるサブスクリプション型の機能追加も考慮する必要があります。 ハードウェアとしてのオプションは最小限にし、後からソフトウェアで機能を追加していくという、新しい時代の車の楽しみ方ができるようになるでしょう。
最終的な「買い」の判断基準
私の個人的な見解を申し上げれば、今NXの現行型を買うのは「非常にもったいない」と感じます。 自動車メーカーが5年に一度行う大幅改良は、それまでのユーザーの不満を解消し、最新のトレンドをすべて注ぎ込んだ、いわば「完成形」です。 特に今回は「Arene OS」という、今後のレクサスの基盤となる大改革が含まれています。
1年半の時間は確かに長いですが、その間、改良型のスペックを予想し、カラーやオプションを悩む時間も、プレミアムカーを手に入れる醍醐味の一つです。 「あの時、待っておけばよかった」と納車後に後悔するリスクを考えれば、今はじっと耐え、2026年の「真のNX」を迎え撃つのが、最も賢明な選択と言えるでしょう。
まとめ
レクサスNXの大幅改良は、単なるマイナーチェンジの枠を超えた「革命」になる可能性を秘めています。 スピンドルボディによる圧倒的な存在感、Arene OSによるスマートな車内体験、そしてLSS+ 4.0による盤石の安全性。 これらが一つのパッケージとなる2026年モデルは、間違いなくミドルサイズSUVのベンチマークを塗り替える存在になります。
「今すぐ車が必要」という切実な理由がない限り、現行型の購入は一旦ストップし、次期モデルの動向を注視すべきです。 NXはレクサスの屋台骨ですから、メーカーも総力を挙げて仕上げてきます。 その期待に応えるだけの価値が、2026年モデルには必ずあります。 皆さんが最高のレクサスライフをスタートできるよう、これからも最新情報が入るたびにお伝えしていきたいと思います。
筆者情報
二階堂 仁(にかいどう じん) モータージャーナリスト兼コラムニストとして活動。慶應義塾大学卒業後、大手自動車メーカーに就職し、車両開発の最前線でテストドライバーや商品企画に携わる。その後、幼少期からの夢であった自動車ジャーナリストを目指し、出版業界へ転身。現場仕込みの鋭い分析と、ユーザー目線に立った親しみやすい執筆スタイルが支持されている。現在は独立し、数々の専門誌やWEBメディアで連載を持つ。プライベートではレクサスLFAや日産スカイラインGT-R(R34)など、伝説的な名車を多数所有するカーマニア。現在、現行型レクサスNX350h “F SPORT”も日常の足として愛用中。

