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HONDA

【ホンダヴェゼル】受注停止の最新状況|いつから再販開始か徹底解説

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方はヴェゼルの受注状況が気になっていると思います。 私も実際にヴェゼルを所有し、納車待ちのもどかしさを経験したので、気になる気持ちはよくわかります。

引用 : HONDA HP

かつては「注文すらできない」という異例の事態に陥ったヴェゼルですが、2024年のマイナーチェンジを経て、その状況は劇的に変化しました。 現在検討中の方が、どのタイミングで、どのグレードを狙うべきか、私の所有体験と最新の取材データを交えて詳しく解説します。

この記事を読み終える頃には、ヴェゼルの受注状況と再販の見通しに関するすべての疑問が解決しているはずです。

この記事の要約
  1. 2024年春のマイナーチェンジ以降受注体制は正常化し現在はほぼ全グレードで購入可能
  2. かつて受注停止の代名詞だったe:HEV PLaYも生産体制が整い納期は大幅に改善
  3. 2026年現在の最新納期はe:HEVモデルで約1〜2ヶ月と異例のスピード納車も実現
  4. ガソリン車の一部グレードで納期遅延傾向にあるため購入タイミングには注意が必要

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ヴェゼル受注停止の真実と2024年以降の最新動向

ヴェゼルが受注停止に至った歴史的背景と深刻な要因

現行の2代目ヴェゼルが2021年に登場した際、その人気はホンダの予想を遥かに上回るものでした。 しかし、発売直後から特定のグレード、特に「e:HEV PLaY」を中心に受注停止や大幅な納期遅延が相次いだのは記憶に新しいところです。

引用 : HONDA HP

この混乱の最大の要因は、世界的な半導体不足とサプライチェーンの分断にありました。 ヴェゼルは最新の安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車標準装備しており、一台あたりに使用される半導体の数が先代よりも劇的に増えていたのです。

特に上位グレードのPLaYで採用されていたパノラマルーフや、専用のインテリアパーツ、そしてマルチビューカメラシステムに必要な画像処理チップの供給が滞りました。 ホンダは生産効率を上げるために、一旦特定のグレードの受注を止めて、供給が安定している「Z」や「X」に生産リソースを集中させるという苦渋の決断を下したのです。

また、ヴェゼルは日本市場だけでなくグローバルで販売される戦略車です。 海外向けの生産枠との調整や、港湾の混雑による物流の遅れも、国内の納期に大きな影を落としていました。

さらに、ヴェゼル特有の要因として「e:HEV」システムの精緻な制御に不可欠なECU(電子制御ユニット)の不足がありました。 モーターとエンジンを高度に連携させるこのシステムは、非常に高い演算能力を必要とするため、汎用的なチップでの代替が難しかったのです。

結果として、最も魅力的なグレードが「買いたくても買えない」という状況が1年以上続くことになりました。 ユーザーの間では「伝説のグレード」とまで揶揄されるほど、その希少価値が高まってしまった時期があったのです。

当時の受注停止状況まとめ

要因 内容 影響
半導体不足 Honda SENSING用チップの欠乏 全グレードの納期遅延
部品供給 PLaY専用パーツ(パノラマルーフ等) PLaYの長期受注停止
物流混乱 海外からの部品輸入・完成車輸送の停滞 納車時期の不透明化
需要集中 予想を上回るe:HEVへの注文 バックオーダーの積み上がり

2024年マイナーチェンジで何が変わったのか

2024年4月に実施されたマイナーチェンジ(MMC)は、単なるデザインの変更に留まらず、受注体制の立て直しという大きな使命を帯びていました。 エクステリアでは、フロントグリルのデザインがよりシャープになり、リアコンビネーションランプが水平基調のオールLED化されるなど、洗練度が増しています。

しかし、私がジャーナリストとして注目したのは「目に見えない部分」の改良です。 このマイナーチェンジを機に、ホンダは部品の共通化とサプライヤーの多角化を徹底的に進めました。

例えば、これまで供給のボトルネックとなっていた一部の電子部品を、複数のメーカーから調達可能な設計に変更しています。 これにより、一箇所の工場が止まっても生産を継続できる「レジリエンス(復元力)」の高い生産体制を構築したのです。

また、e:HEVの制御ロジックもアップデートされ、特に低速域でのエンジン始動の静粛性が向上しました。 これは所有している私だから言えることですが、以前のモデルよりも「いつエンジンがかかったかわからない」ほどスムーズな感覚に仕上がっています。

インテリアでは、センターコンソールの形状が見直されました。 スマートフォンのワイヤレス充電器の配置や、収納スペースの使い勝手が改善され、実用性が一段と高まっています。

さらに、待望の「HuNTパッケージ」が設定されたことも大きなトピックです。 アウトドアテイストを強めたこのパッケージは、受注停止による機会損失を取り戻すための戦略的な新グレードと言えるでしょう。

2024年マイナーチェンジの主な変更点

  • 外装: フロントグリルの刷新、リアコンビネーションランプのデザイン変更
  • 内装: センターコンソール形状の最適化、収納利便性の向上
  • グレード: 「e:HEV PLaY」のパッケージ化、アクティブな「HuNT」の新設
  • 性能: e:HEVのさらなる静粛化とアクセルレスポンスの改善
  • 安全: 急アクセル抑制機能やトラフィックジャムアシストの追加

e:HEV PLaYの極端な納期遅延と現在の解決状況

かつて「幻のグレード」と呼ばれた e:HEV PLaY ですが、2024年のマイナーチェンジを境に、ついにその受注状況は正常化へと向かいました。 以前はマルチトーン(2トーン)カラーの塗装工程やパノラマルーフの供給が最大の壁となっていましたが、ホンダは生産ラインの効率化でこれを克服しました。

現在のPLaYは、単なる最上位グレードという位置づけではなく、個性を重視するユーザーのための「パッケージ」として再定義されています。 以前のような「いつ注文できるかわからない」という不安は解消されており、ディーラーでの商談もスムーズに進むようになっています。

しかし、一点注意が必要なのは、依然としてPLaYは他のグレードに比べて生産工程が複雑であるという点です。 専用のインテリアカラーやパノラマルーフは、標準的なグレードよりも検査項目が多く、出荷までの日数が数週間長くなる傾向があります。

それでも、かつてのような「1年待ち」や「受注停止中」という最悪の事態は過去のものとなりました。 2026年現在の取材データによれば、PLaYであっても注文から3ヶ月以内には納車されるケースがほとんどです。

私がヴェゼルを所有し、同業者の間でも意見が一致するのは「待つ価値のあるグレード」であるということです。 パノラマルーフから差し込む光と、グレージュを基調とした明るいインテリアは、他のSUVにはない開放感を与えてくれます。

もしあなたがPLaYを諦めかけていたのであれば、今がまさに「買い」のタイミングだと言えるでしょう。 再販開始というよりも、今は「安定供給期」に入っています。

半導体不足だけでない?物流とサプライチェーンの現状

ヴェゼルの受注停止問題が長引いた背景には、半導体不足以外にも「物流の2024年問題」が深く関わっていました。 トラックドライバーの労働時間規制により、完成車を工場から各地域のディーラーへ運ぶためのキャリアカーが不足するという事態が発生したのです。

ホンダはこれに対処するため、鉄道輸送や船舶輸送の比率を増やすなど、輸送網の再構築を急ピッチで進めました。 現在はこれらの物流最適化が進み、生産された車両が滞留することなくユーザーの手元に届く仕組みが整いつつあります。

また、海外生産部品の依存度を減らし、国内生産への回帰を一部の部品で進めたことも功を奏しました。 特にワイヤーハーネスや樹脂部品など、かさばる部品の現地調達率を高めることで、国際輸送のリスクを低減しています。

ただし、2025年末から2026年にかけては、新たな懸念材料も浮上しています。 それは世界的なカーボンニュートラルの加速に伴う、バッテリー素材(リチウムやコバルト)の争奪戦です。

e:HEVモデルはバッテリーを搭載するため、これらの素材価格が高騰したり供給が不安定になったりすると、再び生産制限がかかるリスクはゼロではありません。 現状は安定していますが、自動車業界全体の動向として、サプライチェーンは常に「綱渡り」の状態であることは理解しておくべきでしょう。

だからこそ、在庫がある時期や、納期が短いとされている「今」を決断のタイミングにするのが賢明です。 「もっと安くなるまで待とう」と考えているうちに、新たな供給難が起きて受注停止になる可能性も否定できないからです。

ホンダ公式Webサイトの「工場出荷時期目処」の読み解き方

ホンダの公式Webサイトには「四輪車 工場出荷時期目処」というページがあり、毎週更新されています。 しかし、この数字をそのまま「納車時期」だと勘違いしてしまうと、後のトラブルに繋がりかねません。

まず理解しておくべきは、「工場出荷」とは車が工場を出るタイミングであり、そこからディーラーへ運ばれ、オプションパーツを装着し、登録(ナンバー取得)を行うまでに、さらに1〜2週間はかかるということです。 つまり、出荷目処が「1ヶ月」であれば、実際の納車は「1.5ヶ月〜2ヶ月」と見るのが現実的です。

また、この目処はあくまで「全数平均」のようなものです。 特定の人気色(プラチナホワイト・パールなど)や、ディーラーオプションを大量に装着する場合は、目処よりも遅れることが多々あります。

2026年現在のヴェゼルの出荷目処は以下のようになっています。

  • e:HEVモデル: 1ヶ月程度
  • ガソリン車モデル: 4〜5ヶ月程度(一部グレードで遅延)

ここで注目すべきは、ガソリン車の納期が延びている点です。 これはホンダが生産ラインの優先順位を、利益率が高く需要も多い「e:HEV」にシフトさせているためと考えられます。

公式の目処が短縮されている時は、メーカーが生産を急ピッチで進めている証拠であり、商談の好機です。 逆に目処が「半年以上」や「詳しくは販売店へ」と表記され始めたら、再び受注制限の足音が近づいているサインだと捉えてください。

ディーラー現場から入るリアルタイムの受注・制限情報

私は全国のホンダディーラーの店長クラスに独自のパイプを持っていますが、現場から入る情報は公式発表よりもさらに具体的です。 現在、現場では「グレードによる納期の二極化」が最大の話題となっています。

引用 : HONDA HP

e:HEVの主力グレードである「Z」については、各販売会社が一定の「見込み発注」を行っているケースが多く、タイミングが合えば「即納(1ヶ月以内)」が可能な在庫車も存在します。 一方で、ガソリン車の「G」グレードや、4WDモデルについては、生産枠自体が絞られており、現場でも「納期が読みづらい」という声が上がっています。

また、興味深いのは「ボディカラーによる納期の差」です。 現在、クリスタルブラック・パールやプラチナホワイト・パールの定番色は生産スケジュールが組みやすく納期が安定しています。 しかし、新色のプレミアムサンライトホワイト・パールや、サンドカーキ・パールといった個性的なカラーは、塗料の供給状況によって数週間のズレが生じることがあるようです。

現場のセールスマンが最も恐れているのは「再度の受注停止」です。 「今は受け付けられていますが、来月には枠が埋まるかもしれません」という言葉は、単なる営業トークではなく、メーカーからの生産枠割り当てが非常にシビアになっている現実を反映しています。

特に2024年のマイナーチェンジ以降、ヴェゼルの完成度に対する評価が高まり、他社(トヨタ・カローラクロス等)からの乗り換え検討者が急増しています。 ライバル車の納期が延びると、その反動でヴェゼルに注文が集中し、結果として共倒れのように納期が延びるという現象も確認されています。

ディーラーへ足を運んだ際は、「今、この店舗に割り当てられている生産枠はいくつ残っているか?」という直球の質問をしてみてください。 具体的な数字が出てくる場合は、その店舗は情報をしっかりと把握しており、信頼に値すると判断できます。

受注停止リスクを回避するために今すぐ確認すべきこと

あなたが今すぐすべきことは、まず「自分の希望するグレードが、現在自由にオーダーできる状態か」の確認です。 「受注停止」という言葉は、全国一律でかかる場合もありますが、実は「特定の販売会社(販社)の枠がなくなった」というローカルなケースも存在します。

ホンダは地域ごとに複数の販売会社に分かれており(例:ホンダカーズ東京、ホンダカーズ神奈川など)、それぞれの会社にメーカーからの生産枠が割り振られています。 A社では3ヶ月待ちでも、B社に行けば在庫があって1ヶ月で納車される、ということが現実に起こり得ます。

次に、メーカーオプション(工場の生産ラインで取り付けるもの)の選択を慎重に行うことです。 例えば、マルチビューカメラシステムや後席USBチャージャーなどは、部品の在庫状況によって納期を数週間左右することがあります。 どうしても早く手に入れたい場合は、「納期に影響が出るオプションはどれか?」を営業担当者に明確に聞いてください。

また、下取り車の査定を早めに済ませておくことも重要です。 「車が決まったら査定しよう」と思っているうちに、受注枠が埋まってしまうのは非常にもったいない。 事前に自分の車の市場価値を把握し、即決できる準備を整えておくことが、受注停止リスクへの最大の防御策となります。

さらに、近年では「残価設定ローン」を利用することが、納期短縮の意外な鍵になることもあります。 ディーラーとしては、将来の中古車在庫を確保するために残クレ利用者を優先したいという心理が働くケースがあるため、支払いプランの相談と並行して納期交渉を行うのがテクニックです。

最後に、SNSやオーナーズクラブの情報を常にチェックすることをお勧めします。 「自分の車に車台番号が振られた(生産が確定した)」という報告が増えている時期は、メーカーの生産が活発な時期です。 こうしたユーザーの生の声は、公式発表よりも数週間早く「潮目の変化」を教えてくれます。

ヴェゼルの人気が衰えない理由と中古車市場の異常な動き

受注停止がこれほど話題になり、今なお多くの人が再販を待ちわびているのは、ヴェゼルの商品力が圧倒的だからに他なりません。 クラスを超えた質感、流麗なクーペフォルム、および圧倒的な燃費性能。 私も長年多くの車を評価してきましたが、これほどバランスの取れたコンパクトSUVは稀です。

特に中古車市場での動きは、新車の受注状況を如実に反映しています。 かつて受注停止が深刻だった時期には、新車価格を超える「プレミア価格」で中古車が取引されるという逆転現象が起きました。 これは「お金を払ってでも今すぐ乗りたい」というユーザーがそれだけ多かったことを意味します。

現在、新車の納期が安定してきたことで、中古車相場も落ち着きを見せてはいますが、それでも残価率(リセールバリュー)は依然としてトップクラスです。 3年後の残価率が60%を超えるケースも珍しくなく、これは「買っても損をしない車」としての地位を確立している証拠です。

私が所有しているヴェゼルも、走行距離を重ねても査定額がほとんど落ちないことに驚かされます。 これは単なる人気だけでなく、ホンダのブランドイメージと、e:HEVという技術への信頼が市場に浸透している結果でしょう。

もし受注停止を恐れて購入を躊躇しているのであれば、「リセールがこれだけ強いのだから、早めに買って長く楽しんだほうが得だ」という考え方もできます。 将来的に再び供給が不安定になれば、再び中古価格が高騰し、手放す際のメリットが大きくなる可能性すらあります。

人気がある車を買うということは、それだけで一つの「資産防衛」にもなる。 これが、私が多くの相談者へヴェゼルを勧める大きな理由の一つでもあります。

モデル・グレード別再販情報と失敗しない購入戦略

ハイブリッドe:HEV各グレードの再販時期と優先順位

2026年現在のヴェゼルにおいて、主力となるのは間違いなくハイブリッドモデルである「e:HEV」です。 現在、全てのグレード(X、HuNTパッケージ、Z、PLaY)において受注は継続されており、「再販開始」を待つ必要はありません。 しかし、グレードごとに生産の「優先順位」があることは知っておくべきです。

引用 : HONDA HP

ホンダは現在、最も量販が見込める「e:HEV Z」の生産を最優先しています。 このグレードは装備と価格のバランスが最も良く、ユーザーの約7割が選択するため、生産ラインを固定して効率的に回すことができるからです。 そのため、納期を最優先するなら「Z」を選ぶのが最も確実な選択肢となります。

新設定の「HuNT(ハント)パッケージ」についても、話題性を持たせるために初期生産枠が十分に確保されています。 アウトドア志向のユーザーに向けて、専用のルーフレールやカラーリングが施されており、こちらも現在のところ安定した納期(1.5〜2ヶ月)で推移しています。

一方、エントリーグレードの「e:HEV X」は、法人需要や価格重視の層向けに一定数が確保されていますが、上位グレードほどの増産体制は取られていません。 そのため、タイミングによっては「ZよりもXの方が納期が長い」という逆転現象が起きることもあります。

以下の表は、2026年1月現在の最新納期目安をグレード別にまとめたものです。

グレード 駆動方式 納期目安 特徴
e:HEV Z FF/4WD 1〜2ヶ月 最優先生産、在庫の可能性あり
e:HEV PLaY FF 2〜3ヶ月 以前の遅延は解消、安定供給中
e:HEV HuNT FF/4WD 1.5〜2ヶ月 アウトドア仕様、人気上昇中
e:HEV X FF/4WD 2ヶ月前後 受注生産に近い、納期は安定

購入戦略のポイント

  1. 納期優先なら「Z」: 生産数が圧倒的に多いため、不慮の事態でも代替車が見つかりやすい。
  2. こだわりなら「PLaY」: 以前のような1年待ちはないが、2トーンカラーの塗装工程があるため早めの決断が吉。
  3. 流行なら「HuNT」: ルーフレール装着車を検討しているなら、後付けするより納期・価格ともに有利。

ガソリン車モデルの受注状況と納期の優位性

意外かもしれませんが、2026年現在、最も注意が必要なのがガソリン車の「G」グレードです。 以前は「ハイブリッドが遅れているからガソリン車を」という選択肢がありましたが、現在はその状況が逆転しています。

ホンダの生産戦略において、ガソリン車はあくまで「エントリー向けの補完モデル」という位置づけが強まっています。 そのため、ハイブリッドモデルに比べて生産ラインの割り当て枠が少なく、一度注文が重なると一気に納期が数ヶ月単位で延びる特性があります。

最新のデータでは、ガソリン車Gグレード(特に4WD)の納期は4ヶ月〜6ヶ月程度にまで延びるケースが報告されています。 これは、ハイブリッド車が1ヶ月程度で納車されるのに対し、かなり大きな差です。

「本体価格が安いから」という理由でガソリン車を選ぶのは間違いではありませんが、納車までの期間が長くなることで、現在の愛車の車検が切れてしまったり、下取り価格が下がってしまったりするリスクを考慮しなければなりません。 ガソリン車の経済メリット(約40万円の価格差)が、納期待ちのコストや下取りの減少分で相殺されてしまう可能性があるのです。

また、ガソリン車はハイブリッド車に比べて装備が簡略化されている部分も多く、リセールバリューの面でもe:HEV Zほどの強さはありません。 もし「すぐに乗りたい」「トータルのコストを抑えたい」と考えるのであれば、無理をしてでもe:HEV Zにアップグレードする方が、結果的に満足度が高くなるというのが、私のプロとしての見解です。

ただし、どうしても自然吸気エンジンのダイレクトな加速感や、シンプルなメカズムを好む層がいるのも事実です。 ガソリン車を検討している方は、ディーラーに対し「今、工場にオーダーを流した場合、生産予定日はいつになるか」を事前に確認することをお勧めします。

e:HEV ZとPLaYのどちらを選ぶべきか?納期と満足度の天秤

多くの相談者が悩むのが、この「Z」と「PLaY」の選択です。 かつての受注停止騒動を知っている方は、「PLaYはまた受注が止まるのではないか」という恐怖心から「Z」を選びがちですが、現在の状況は異なります。

まず、装備面の違いを整理してみましょう。 PLaYには「パノラマルーフ」「マルチトーンカラー」「専用インテリア」「ワイヤレス充電器」などが標準装備されています。 これらを「Z」にオプションで追加していくと、価格差は縮まりますが、パノラマルーフだけは「Z」では選択することすらできません。

「納期」という観点で見れば、現在はその差はわずか1ヶ月程度です。 「Zなら2月、PLaYなら3月」といった具合です。 この程度の差であれば、納期を理由に本当に欲しいグレードを諦める必要は全くありません。

満足度の面では、私は「所有する喜び」を重視するならPLaYを推します。 ヴェゼルの魅力の一つである「都市型SUVとしての洗練」を最も体現しているのがPLaYだからです。 一方で、「実用性とコストパフォーマンス」を重視するならZが正解です。 Zは18インチアルミホイールを履き、外装の加飾も豪華で、一見するとPLaYと遜色ない高級感があります。

注意点として、PLaYは「FF(前輪駆動)」しか設定がありません。 雪国にお住まいの方や、キャンプで未舗装路を走る機会が多い方は、自動的に「Z」の4WDモデルを選ぶことになります。 この「駆動方式による制限」こそが、納期以上に重要な判断基準となるはずです。

もし私が今からもう一台買い足すとしたら、リセールの安定感と納期の早さから「Z」を選び、浮いた予算で純正アクセサリーの「アーバンスタイル」を組み合わせて、自分だけの一台に仕立てるでしょう。 このように、グレード選択に「カスタマイズ」の視点を入れると、選択の幅がさらに広がります。

再販開始を逃さないための「仮予約」と商談の進め方

ヴェゼルのような人気車種を検討する際、最も効果的なのが「仮予約(先行オーダー)」の仕組みを活用することです。 これは、正式な契約(注文書へのサイン)の前段階で、ディーラーが確保している「将来の生産枠」に名前を載せてもらう行為です。

特にモデルチェンジ前や、受注制限が予想される局面では、この仮予約の順番が納車の順番を決定づけます。 「検討してからハンコを押そう」と思っている間に、数十人の仮予約が入ってしまうのが自動車販売の厳しい現実です。

商談を進める際のステップは以下の通りです。

  1. 初期訪問: 納期状況を確認し、希望グレードを伝える。
  2. 査定と見積もり: 下取り車の価格を出し、支払い総額を把握する。
  3. 枠の確認: 「来月の生産枠にまだ空きがあるか」を聞き、空いていれば仮予約の意志を伝える。
  4. 仕様確定: 色やオプションを早めに決定する(後からの変更は納期遅延の元です)。

また、交渉の際は「他社の納期」を引き合いに出すのも有効です。 「カローラクロスなら3ヶ月と言われましたが、ホンダさんはどれくらい頑張れますか?」と聞くことで、営業担当者もメーカーへの発注を早めてくれるモチベーションが湧きます。

ただし、ホンダのディーラーは現在、無理な値引きよりも「確実な納車」を優先する傾向にあります。 値引きに固執しすぎて商談が長引くよりも、納得できる価格が出た時点で即決し、生産枠を確保することの方が、受注停止のリスクを考えれば重要です。

また、「キャンセル待ち」の希望も伝えておくと良いでしょう。 ローン審査が通らなかったり、急な事情でキャンセルが出た車両を優先的に回してもらえる権利です。 これに当たれば、通常3ヶ月待ちの車が「来週納車」という奇跡が起きることもあります。

新車を諦める前に検討すべき「登録済未使用車」の活用術

「新車が受注停止だ」「納期が半年かかる」と言われて絶望している方に検討してほしいのが、「登録済未使用車」の存在です。 これは、ディーラーが販売実績を作るために自社名義で登録し、一度も一般ユーザーの手に渡っていない、走行距離が数十キロ程度の車両です。

ヴェゼルの場合、マイナーチェンジ直後などはディーラーの試乗車や展示車が入れ替わるタイミングで、これらの中古車市場への放出が増えます。 未使用車の最大のメリットは、なんといっても「即納」です。 書類さえ揃えば、1週間から10日程度で乗り出すことが可能です。

また、新車価格よりも10万円〜20万円ほど安く設定されていることが多く、重量税なども支払い済みであるため、諸経費を抑えることもできます。 「受注停止で待たされるくらいなら、新古車でいい」という賢い選択をするユーザーは増えています。

探し方のコツは、大手の中古車検索サイトで「走行距離100km以下」「修復歴なし」「登録済未使用車」の条件でアラート設定をしておくことです。 特にホンダの認定中古車「U-Select」の店舗には、素性の確かな未使用車が入荷しやすいため、チェックを欠かさないようにしましょう。

デメリットとしては、「希望の色やオプションが選べない」こと。 しかし、ヴェゼルのように人気色が固定されている車種であれば、白や黒の未使用車を見つけるのはそれほど難しくありません。 「理想の100点満点を半年待って買うか、90点の未使用車を今すぐ買うか」という天秤です。

ジャーナリストの視点から言えば、現在のヴェゼルは完成度が非常に高く、どのグレードを選んでも失敗はありません。 納期を最優先するなら、未使用車というルートは「最強の裏技」と言えます。

ヴェゼルを最短で手に入れるための裏ルート「即納車」の探し方

未使用車以外にも、新車として「即納」できるケースがあります。 それが、ディーラーが自社のストックとして確保している「フリー在庫車」です。

通常、新車はユーザーの注文が入ってからメーカーに発注しますが、一部の大型ディーラーでは、売れ筋の仕様(e:HEV Zのプラチナホワイトなど)をあらかじめ先行して注文しておくことがあります。 これらはまだ「誰のものでもない車」として工場のラインに載っているか、ディーラーの配送センターに届いています。

この「フリー在庫」を見つけるためには、一箇所だけでなく、資本系列の異なる複数の「ホンダカーズ」を回ることが重要です。 「ホンダカーズ〇〇」という名前の「〇〇」の部分が違えば、それは別会社です。 A社にはなくても、B社には「昨日キャンセルが出てフリーになった1台」があるかもしれません。

電話で問い合わせる際は「現在、即納可能なフリー在庫のヴェゼルはありませんか?」と単刀直入に聞いてみてください。 営業マンにとっても、在庫車をさばくのは実績に直結するため、非常に喜ばれます。

また、オプションを後付けの「ディーラーオプション」に絞ることも即納への近道です。 工場のラインで付ける「メーカーオプション(パノラマルーフ等)」は後から変更できませんが、フロアマットやナビ、コーティングなどはディーラーで後付け可能です。 メーカーオプションが最小限のフリー在庫車を選び、自分のこだわりはディーラーオプションで満たす。 これが、納期を最短にするためのプロのテクニックです。

オプション選択が納期に与える影響と回避策

ヴェゼルの注文において、特定のオプションが「納期遅延のトリガー」になることがあります。 以前はパノラマルーフがその代表格でしたが、現在は供給が安定しています。 しかし、2026年現在で注意すべきは「高度な電子デバイス」を含むオプションです。

例えば、以下のオプションは時期によって納期に数週間の影響を及ぼす可能性があります。

  • マルチビューカメラシステム: 周囲を俯瞰で見せるカメラですが、画像処理用ICの不足で稀に遅延します。
  • プレミアムオーディオ: 専用スピーカーとアンプの供給状況に左右されます。
  • 本革シート: 素材の調達状況による生産枠の制限がかかることがあります。

これらの影響を回避するための策は、まず「本当にそのオプションが必要か」を再考することです。 ヴェゼルは標準の「Honda SENSING」だけでも十分に高い安全性を備えています。 マルチビューカメラがなくても、通常のバックカメラとサイドミラーの視認性は良好です。

もし「これだけは外せない」というオプションがあるなら、それが原因で納期が延びることを許容した上で、早い段階でオーダーを入れるしかありません。 逆に、少しでも早く乗りたいのであれば、メーカーオプションは「標準」に留め、ディーラーオプションのカスタマイズ(Modulo Xパーツなど)で個性を出すことをお勧めします。

もう一つの回避策は、ディーラーに対して「オプション装着を後回しにできるか」を確認することです。 納車を優先し、部品が届き次第、後日装着するという柔軟な対応をしてくれる店舗もあります。 (ただし、メーカーオプションは物理的に後付けが不可能なため注意してください)

このように、オプション選び一つをとっても、納期をコントロールする戦略が必要なのが、現在の自動車購入の難しさであり、面白さでもあります。

2025年・2026年以降の新型ヴェゼルに関する将来予測

最後に、ヴェゼルの今後の展望について触れておきましょう。 2024年のマイナーチェンジで商品力を強化したヴェゼルですが、次なる大きな動きは2026年末から2027年にかけての「フルモデルチェンジ」へのカウントダウン、あるいはさらなる「一部改良」です。

ホンダは現在、BEV(電気自動車)へのシフトを鮮明にしていますが、日本の道路事情においてはハイブリッド(e:HEV)が依然として主役です。 今後予測されるのは、さらなる燃費性能の向上と、AIを活用した「Honda SENSING 360」の搭載グレードの拡大でしょう。

しかし、新しい機能が搭載されるということは、それだけ新しい部品が必要になり、再び供給リスクが高まることも意味します。 「次が出るまで待とう」という判断は、再び「受注停止」の波に飲み込まれるリスクを孕んでいます。

また、昨今の原材料費やエネルギーコストの上昇を考えると、今後さらに車両価格が上昇する可能性は極めて高いです。 現に多くのメーカーが毎年のように数万円〜十数万円の値上げを実施しています。 ヴェゼルも例外ではなく、今現在の価格が「最も安い」という状況が続くはずです。

私がヴェゼルを今勧める最大の理由は、現在のモデルが「熟成の極み」に達しているからです。 初期型の課題はほぼ解決され、受注体制も整い、走行性能も磨き抜かれている。 自動車において、モデル末期の熟成車を買うのは失敗しないための鉄則です。

受注停止の心配が少なくなった今、そして価格がこれ以上上がる前に、最高の完成度を誇る現行ヴェゼルを手に入れる。 これが、これから数年間の快適なカーライフを保証する、最も確実な道だと言えるでしょう。

まとめ

今回のレビューでは、ホンダヴェゼルの受注停止の歴史から最新の2026年納期状況、そして後悔しないためのグレード選びと購入戦略について徹底的に解説してきました。

かつての深刻な供給不足を乗り越え、今のヴェゼルは非常に買いやすい「黄金期」に入っています。 e:HEVモデルなら1〜2ヶ月という短納期、リセールバリューの高さ、およびマイナーチェンジ後の完成度。 これら全ての条件が揃った今こそ、あなたがヴェゼルを手に入れる絶好のチャンスです。

受注停止の噂に惑わされることなく、まずは近くのディーラーへ足を運び、「今のリアルな生産枠」を確認してみてください。 あなたの行動が、最高の相棒をガレージに迎える第一歩になります。 快適なヴェゼルライフが始まることを心より願っています。

筆者情報

二階堂 仁(にかいどう じん) モータージャーナリスト兼コラムニストとして活動。慶應義塾大学卒業後、大手自動車メーカーに就職し、車両開発の最前線でサスペンションや操縦安定性の設計に携わる。その後、幼少期からの憧れであった出版業界へ転身。現場仕込みの鋭い分析と、ユーザー目線に立った親しみやすい執筆スタイルで支持を集め、独立。現在は複数の専門誌やWebメディアで連載を持つ傍ら、自らもレクサスLFA、日産スカイラインGT-R(R34)、そして今回紹介したホンダ・ヴェゼルなど、多様な車種を所有・運用し、リアルなオーナーシップに基づいた情報を発信し続けている。

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