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メルセデス

ベンツGLEのディーラー車検にかかる費用のすべて|支払い総額を抑えるコツ

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいるあなたは、メルセデスベンツGLEの車検を間近に控え、特にディーラーでの車検費用や日数について、具体的な情報を探しているのではないでしょうか。

私も実際にGLEを所有し、ディーラーで車検を経験したので、その費用感や流れが気になる気持ちはよくわかります。安心・安全を最優先に考えればディーラー一択、でも費用はできるだけ抑えたい…そのジレンマ、この記事で解消していきましょう。

引用 : メルセデスベンツHP

この記事を読み終える頃には、メルセデスベンツGLEのディーラー車検に関するあらゆる疑問が解決し、納得のいく形で愛車のメンテナンスを任せられるようになっているはずです。

記事のポイント

  • GLEディーラー車検費用の詳細な内訳
  • 車検にかかる日数と代車のリアルな情報
  • 賢く費用を抑えるための交渉術とコツ
  • ディーラー以外の選択肢との徹底比較
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メルセデスベンツGLEのディーラー車検費用の内訳と相場

まず最も気になるのが、やはり費用面でしょう。GLEのディーラー車検費用は、大きく分けて「法定費用」と「整備費用」の2つで構成されています。この2つの違いを理解することが、費用を把握し、賢く交渉するための第一歩です。

引用 : メルセデスベンツHP

車検費用の全体像:法定費用と整備費用の2つに大別

車検の見積もりを見て「高い!」と感じる原因の多くは、「整備費用」や「追加整備費用」にあります。一方で「法定費用」は、どこで車検を受けても必ず同額がかかる、いわば国に納める税金のようなものです。

  • 法定費用:法律で定められた金額。自動車重量税、自賠責保険料、登録印紙代が含まれ、値引きは一切ありません。
  • 整備費用:ディーラーや整備工場に支払う費用。車検基本料や点検料、そして車両の状態に応じた部品交換費用などが含まれ、ここが価格差の生まれるポイントです。

それでは、それぞれの内訳を詳しく見ていきましょう。

【必ずかかる】法定費用の詳細

法定費用は、車両の重量や保険期間によって一律に決まっています。メルセデスベンツGLEの場合、多くのモデルが車両重量1,501kg〜2,500kgの範囲に収まるため、これを基準に計算します。

費用項目 金額(目安) 備考
自動車重量税 ¥32,800 ~ ¥41,000 車両重量に応じて変動(2年分)。GLE 300 d (2,100kg前後)なら¥41,000、GLE 400 d (2,300kg前後)も¥41,000が目安です。エコカー減税対象車は免税・減税される場合があります。
自賠責保険料 ¥17,650 24ヶ月契約の場合。車種による違いはありません。
登録印紙代(検査手数料) ¥1,600 ~ ¥2,300 指定工場(ディーラーなど)か認証工場かで若干異なります。
合計 ¥52,050 ~ ¥60,950

※2025年9月時点の一般的な料金です。最新の金額は国土交通省や保険会社のウェブサイトでご確認ください。

このように、法定費用だけで約5万円から6万円が必要になることがわかります。これは車検を受ける上での最低限のコストと覚えておきましょう。

【変動が大きい】整備費用(車検基本料・点検料)の内訳

ここからがディーラーごとの特色や、車両の状態によって大きく金額が変わってくる部分です。一般的に「車検基本料」としてパッケージ化されていますが、その内訳は以下のようになっています。

  • 24ヶ月定期点検整備料:法律で定められた56項目に加え、メルセデスベンツが独自に設定した数十項目もの点検を行うための技術料です。これが整備費用の大部分を占めます。
  • 検査測定料:ヘッドライトの光軸調整やブレーキテストなど、車検の保安基準に適合しているかを確認するための費用です。
  • 手続き代行料:運輸支局への書類提出やナンバープレートの更新など、煩雑な手続きをオーナーに代わって行うための手数料です。

メルセデスベンツの正規ディーラーの場合、この整備費用(車検基本料)だけでおおよそ10万円〜15万円程度が相場となります。法定費用と合わせると、何も部品交換がなくても合計で15万円〜21万円がスタートラインになると考えておくと良いでしょう。

【車両状態で変わる】追加整備・部品交換費用

車検で最も費用が膨らむ可能性があるのが、この追加整備・部品交換費用です。走行距離や年数、乗り方によって車両の状態は千差万別。点検の結果、交換が必要と判断された部品の代金と、その交換工賃が加算されます。

引用 : メルセデスベンツHP

定期交換が推奨される部品

メルセデスベンツでは、快適性と安全性を維持するために、定期的な交換が推奨されている消耗品がいくつかあります。

  • エンジンオイル・オイルフィルター:約20,000円~30,000円
  • ブレーキフルード:約15,000円~20,000円
  • ワイパーブレード(前後):約15,000円~25,000円
  • エアコンフィルター(ダストフィルター):約10,000円~15,000円
  • キーバッテリー交換:約2,000円

これらは「予防整備」として、車検のタイミングで交換を勧められることが多い項目です。合計すると、約6万円〜10万円ほどになります。

走行距離や経年で交換が必要になる部品

さらに、走行距離や年数に応じて交換が必要になる高額な部品もあります。特に2回目(5年目)以降の車検では、以下の項目の交換時期と重なる可能性があります。

  • タイヤ(4本):150,000円~300,000円(銘柄やサイズによる)
  • バッテリー(メイン・サブ):50,000円~100,000円
  • ブレーキパッド・ローター:フロント・リア合わせて150,000円~250,000円
  • エアクリーナーエレメント:約15,000円
  • フューエルフィルター(ディーゼル車):約30,000円~40,000円

これらの部品交換が重なると、車検費用は一気に跳ね上がります。

私のGLE(400d)の初回車検時の実例

参考までに、私が所有するGLE 400dの初回車検(3年目)での実例をご紹介します。走行距離は約25,000kmでした。

項目 金額
法定費用 約¥60,000
車検基本料・点検料 約¥120,000
追加整備・部品交換
 ・エンジンオイル、フィルター交換 ¥28,000
 ・ブレーキフルード交換 ¥18,000
 ・ワイパーブレード交換 ¥22,000
 ・エアコンフィルター交換 ¥13,000
 ・ソフトウェアアップデート 無料
合計 約¥261,000

幸いにも大きな部品交換は不要でしたが、それでも総額は約26万円となりました。これがディーラー車検の一つのリアルなモデルケースと言えるでしょう。

車検費用の総額モデルケース

年数や走行距離によって、車検費用は大きく変動します。GLEのモデルケースを以下にまとめました。

初回車検(3年目) 2回目車検(5年目) 3回目車検(7年目)
走行距離目安 20,000~40,000km 40,000~60,000km 60,000~80,000km
主な交換部品 定期交換部品のみ 定期交換部品 + バッテリー、タイヤなど 2回目車検項目 + ブレーキ関連、その他消耗品
費用総額(目安) 20万円 ~ 35万円 30万円 ~ 50万円 40万円 ~ 70万円以上

もちろん、これはあくまで目安です。日頃のメンテナンス状況や運転スタイルによって費用は大きく変わるため、ご自身のGLEの状態と照らし合わせて参考にしてください。

メルセデスベンツGLEのディーラー車検|日数・代車・メリット/デメリットを徹底解説

費用と並んで気になるのが、車検にかかる時間や代車の有無、そしてそもそもディーラーで受けることのメリット・デメリットです。一つずつ詳しく解説していきましょう。

引用 : メルセデスベンツHP

車検にかかる必要日数は?最短で終わるのか

結論から言うと、メルセデスベンツのディーラー車検は2〜3日の預かりが一般的です。友人が聞いたという「レクサスの3時間車検」のように、午前中に預けて午後に受け取る、といったスピーディーな対応は基本的に期待できません。

なぜ時間がかかるのか?

これにはいくつかの理由があります。

  1. 点検項目の多さと緻密さ:法定点検項目に加えて、メルセデス独自の数十項目にわたる詳細なチェックを行います。これには相応の時間が必要です。
  2. 専用診断機「XENTRY」の使用:現代のメルセデスは電子制御の塊です。目視では確認できない電子システムの状態を、専用のコンピューター診断機「XENTRY(エントリ)」に接続して隅々までチェックします。この診断と解析にも時間がかかります。
  3. 部品の取り寄せ:万が一、交換が必要な部品の在庫が国内になかった場合、ドイツ本国からの取り寄せとなり、数週間かかることもあります。車検満了日間近に入庫すると、車検切れのリスクも出てきます。
  4. 丁寧な作業と品質確保:効率よりも品質を重視するドイツ車の整備思想が根底にあります。一台一台に時間をかけ、確実な作業を行うことを優先しています。

「レクサスの3時間車検」との違い

では、なぜレクサスは短時間で車検が終わるのでしょうか。これは、トヨタグループが長年培ってきた「カイゼン」による徹底した効率化の賜物です。車検専用の検査ライン、複数のメカニックによる分業体制、豊富な国内部品在庫など、短時間で高品質なサービスを提供するためのシステムが構築されています。

これはどちらが良い・悪いという話ではなく、メーカーの思想の違いです。時間をかけてでも愛車のコンディションを完璧に把握し、最善の状態にしたいと考えるならメルセデスの方式が、多忙な中で時間を有効活用したいと考えるならレクサスの方式が、それぞれ適していると言えるでしょう。

1日で終わらせることは可能か?

事前に予約し、車両の状態が非常に良く、交換部品もほとんどない場合に限り、ディーラーと相談の上で「1日車検」に対応してもらえる可能性はゼロではありません。しかし、これはあくまで例外的なケースです。基本的には数日間、車を預ける前提でスケジュールを組んでおくのが賢明です。

代車は無料で借りられる?車種は選べるのか

車を預けている間の移動手段として、代車の存在は非常に重要です。

代車は基本的に無料で提供

メルセデスベンツの正規ディーラーでは、車検や点検で車両を預ける場合、代車は基本的に無料で提供されます。これはオーナーにとって非常にありがたいサービスの一つです。ただし、台数に限りがあるため、車検の予約をする際に必ず代車が必要である旨を伝え、予約しておく必要があります。

車種は選べる?最新モデルに乗れるチャンスも

「友人が最新モデルを借りられた」という話、これは十分にあり得ます。代車の車種を確約することはできませんが、希望を伝えることは可能です。

ディーラーは、代車を「お客様へのサービス」であると同時に、「最新モデルの試乗機会」と捉えている側面もあります。そのため、空き状況次第では、AクラスやCクラスといった同社の人気モデルや、場合によってはGLEの新型モデル、あるいはEQシリーズのような電気自動車を貸し出してくれることもあります。

私も過去に、Eクラスの車検で当時最新のCLSを代車として数日間借りられた経験があります。これは車好きにとっては、予期せぬ嬉しいサプライズですよね。ダメ元でも「もし可能であれば、〇〇に乗ってみたいです」と伝えてみる価値はあります。

代車の保険について

代車を借りる際は、保険の適用範囲についてもしっかり確認しておきましょう。通常はディーラーが加入している保険が適用されますが、万が一の事故の際の自己負担額(免責額)などが設定されている場合があります。安心して乗るためにも、事前に説明を受けておくことが大切です。

ディーラー車検の最大のメリット:安心と信頼性

高額になりがちなディーラー車検ですが、それに見合うだけの大きなメリットが存在します。それは、何物にも代えがたい「安心感」と「信頼性」です。

メルセデスベンツ正規整備士による高品質な整備

ディーラーのメカニックは、メルセデスベンツ日本法人による専門的なトレーニングを受け、最新の技術情報を常にアップデートしているプロフェッショナル集団です。GLEのような複雑な構造を持つ車両を、最も熟知しているのが彼らです。

専用診断機「XENTRY」による精密な点検

前述の専用診断機「XENTRY」の存在は、ディーラーの最大の強みです。これにより、エンジンやトランスミッション、安全装備などの電子制御システムの状態を正確に把握し、故障の予兆を早期に発見することが可能です。これは一般的な整備工場では真似のできない、ディーラーならではの点検です。

純正部品の使用による品質維持

ディーラーでは、交換部品に必ずメルセデスベンツの厳しい品質基準をクリアした「純正部品」を使用します。これにより、車両本来の性能を維持し、長期的な信頼性を確保することができます。

整備記録簿の価値とリセールバリューへの影響

正規ディーラーでの整備記録は、その車が適切にメンテナンスされてきたことの証明になります。将来的に愛車を売却する際、「ディーラー整備記録簿完備」という事実は、査定額を押し上げるプラス要因として確実に働きます。目先の費用だけでなく、長期的な資産価値という視点も重要です。

ソフトウェアのアップデート対応

現代の車はソフトウェアによって制御されています。ディーラーでは、車検や点検の際に、メーカーから提供される最新のソフトウェアへのアップデートを行ってくれます。これにより、燃費の改善や不具合の修正、新機能の追加といった恩恵を受けられる場合があります。

ディーラー車検のデメリット:費用の高さ

ディーラー車検のデメリットを一つ挙げるとすれば、やはりその費用の高さに尽きるでしょう。

  • 部品代・工賃が割高になる傾向:純正部品の価格や、正規整備士の技術料(レバーレート)は、一般的な整備工場と比較して高めに設定されています。
  • 予防整備的な推奨項目が多く、総額が高くなりやすい:安全マージンを大きくとり、少しでも劣化が見られる部品は早めの交換を推奨する傾向があります。これが、見積もり額を押し上げる一因となります。

しかし、このデメリットは、次に解説する交渉術やテクニックを駆使することで、ある程度コントロールすることが可能です。

GLEのディーラー車検費用を賢く抑える交渉術とテクニック

「ディーラーの安心感は欲しい、でも費用は少しでも抑えたい」。そう考えるのは当然のことです。ここでは、私が実践しているディーラー車検費用を賢く抑えるための具体的な方法をご紹介します。

Lexury Motors Journal イメージ

見積もり取得のタイミングが重要

まず大切なのは、時間に余裕を持つことです。車検満了日のギリギリになって慌てて入庫すると、ディーラーの提示する見積もりを精査する時間も、交渉する余裕もなくなってしまいます。

車検満たDPO日の1ヶ月前、遅くとも3週間前にはディーラーに車両を持ち込み、事前見積もりを取得しましょう。 これにより、内容をじっくりと検討し、不要な項目を判断する時間を確保できます。

見積もり内容を3つの項目に仕分ける

取得した見積もり書を、ただ眺めているだけではいけません。サービスアドバイザー(受付担当者)に説明を受けながら、以下の3つのカテゴリーに項目を仕分けていきましょう。

  1. 【A】車検を通すために必須の整備・交換項目
    • 例:ブレーキフルードの漏れ、保安基準に満たないタイヤの溝、灯火類の球切れなど。
    • これは安全性に直結するため、絶対に削ってはいけない項目です。
  2. 【B】緊急ではないが、推奨される予防整備項目
    • 例:「まだ使用できるが、次の車検までは持たない可能性のあるブレーキパッド」「性能が若干低下してきたバッテリー」など。
    • ここが交渉のメインステージになります。
  3. 【C】快適性を向上させるための項目
    • 例:エアコンフィルターの交換、ワイパーブレードの交換、キーバッテリーの交換など。
    • 安全性に直接影響はしないため、自身の判断で実施するかどうかを決めやすい項目です。

このように仕分けることで、どこに交渉の余地があるのかが明確になります。

具体的な交渉テクニック

仕分けができたら、いよいよサービスアドバイザーとの交渉です。高圧的な態度ではなく、あくまで「相談」というスタンスで臨むのが成功の秘訣です。

「今回は車検を通すための最低限でお願いします」と伝える

最もシンプルかつ効果的な一言です。これにより、「オーナーは費用を意識している」という意思表示ができ、ディーラー側も過剰な予防整備を提案しにくくなります。まずは【A】の項目だけで再見積もりしてもらうようお願いしてみましょう。

推奨項目(【B】の項目)について、後日実施や先延ばしの可否を確認する

例えば、「ブレーキパッドの残量は、具体的にあと何ミリで、何キロくらい走行可能ですか?」と質問します。もし「次の1年点検までは問題ないでしょう」という回答であれば、「では、今回は見送り、1年点検の際に再度確認して交換を検討します」と伝えることができます。

バッテリーについても、専用のテスターで診断した結果を見せてもらい、具体的な数値に基づいて判断することが重要です。

快適性項目(【C】の項目)は自分で判断

エアコンフィルターやワイパーブレードは、Amazonなどのネット通販で純正品や高品質なOEM品を購入し、自分で交換すれば費用を半額以下に抑えることも可能です。DIYに自信がない方でも、これらの項目を削るだけで数万円の節約に繋がります。

メルセデス・ケアや保証プラスの活用

新車登録から3年間の初回車検であれば、「メルセデス・ケア」の対象となります。これにより、定期交換部品や消耗品の多くが無料で交換できます。車検基本料や法定費用は自己負担ですが、追加費用はかなり抑えられます。

また、4年目以降も有償の延長保証プログラム「保証プラス」や、メンテナンスプログラム「メンテナンスプラス」に加入していれば、適用範囲内の故障修理や部品交換がカバーされます。ご自身が加入しているプログラムの内容を事前に確認しておくことも重要です。

ディーラー以外の車検業者という選択肢|メリット・デメリット比較

ここまでディーラー車検を中心に解説してきましたが、費用を抑えることを最優先に考えるなら、ディーラー以外の業者も選択肢に入ります。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。

車検を受けられる場所の種類

  • 正規ディーラー:品質と安心感は最高レベル。費用は最も高い。
  • 輸入車専門の整備工場:ディーラーに準ずる知識と設備を持つ場合が多い。費用はディーラーより2〜4割安い傾向。
  • 大手車検専門店・カー用品店:費用は安いが、輸入車の整備経験や設備に不安が残る場合も。
  • ガソリンスタンド:利便性は高いが、整備は提携工場任せの場合が多く、品質は未知数。

GLEのようなプレミアムSUVの場合、選択肢としては実質的に「ディーラー」か「輸入車専門の整備工場」の二択になるでしょう。

輸入車専門の整備工場のメリット・デメリット

全国には、元ディーラーメカニックが独立して経営しているような、技術力の高い輸入車専門の整備工場が数多く存在します。

メリット

  • 費用の安さ:ディーラーよりも工賃が安く、OEM品(純正品と同じ工場で作られた社外品)や優良な社外品をうまく活用してくれるため、総額を大幅に抑えることが可能です。
  • 柔軟な対応:オーナーの要望に寄り添い、まだ使える部品は極力使うなど、ディー-ラーよりも柔軟な対応が期待できます。
  • 専門性の高さ:メルセデスベンツに特化している工場であれば、ディーラーと遜色ない知識と経験を持っている場合があります。XENTRYを導入している工場も珍しくありません。

デメリット

  • 工場の見極めが難しい:技術力や設備の差が大きく、信頼できる工場を見つけるのが一番の課題です。口コミや紹介を頼りに、慎重に選ぶ必要があります。
  • リセールバリューへの影響:ディーラーでの整備記録がないことを、マイナス査定とみなす買取業者も一部存在します。
  • 最新技術への対応:最新モデルの複雑な電子システムやソフトウェアアップデートには対応できない場合があります。

大手車検専門店のメリット・デメリット

「安くて早い」を売りにしている業者です。

メリット

  • 圧倒的な費用の安さ:車検基本料が数万円程度と、ディーラーの半額以下の場合もあります。
  • 作業時間の速さ:1日、あるいは数時間で完了することが多いです。

デメリット

  • 整備は最低限:基本的に「車検を通すだけ」の整備になりがちで、予防整備の観点は希薄です。
  • 輸入車の知識不足:メルセデス特有の弱点や注意点を把握しておらず、適切なメンテナンスができない可能性があります。専用診断機もありません。
  • 追加整備で高額になることも:基本料は安くても、輸入車というだけで追加料金が発生したり、必要以上の部品交換を勧められたりするケースも散見されます。

GLEのオーナーにとって、安心・安全という観点からは、あまり推奨できる選択肢とは言えません。

結局どこで受けるのがベストなのか?

これは、オーナーが何を最も重視するかによって結論が変わります。

  • 最高の安心感と品質、リセールバリューを重視するなら正規ディーラー
  • 品質とコストのバランスを取りたい、信頼できる工場を知っているなら輸入車専門の整備工場

私の個人的な意見としては、新車から5年目(2回目)の車検までは正規ディーラーでしっかりとメンテナンス履歴を残し、それ以降は信頼できる輸入車専門工場と付き合い、ディーラーの見積もりと比較しながら賢く維持していくのが、GLEのような車両との理想的な付き合い方ではないかと考えています。

まとめ

今回は、メルセデスベンツGLEのディーラー車検について、費用から日数、交渉術に至るまで、私の経験を交えながら徹底的に解説しました。

最後に要点をまとめます。

  • GLEのディーラー車検費用は、初回で20〜35万円、2回目以降は30万円以上が目安。
  • 費用は「法定費用」「整備費用」「追加整備費用」で構成され、交渉の余地があるのは後者2つ。
  • 日数は2〜3日の預かりが基本。短時間での完了は期待できないが、その分丁寧な点検が行われる。
  • 代車は無料で借りられることが多く、最新モデルに乗れるチャンスも。
  • 費用を抑えるには、事前見積もりを取得し、「必須」「推奨」「快適性」に項目を仕分け、不要な項目を削る意思を伝えることが重要。
  • ディーラー以外の選択肢としては「輸入車専門の整備工場」が有力だが、工場の見極めが何より大切。

GLEのディーラー車検は決して安くはありません。しかし、その金額にはメルセデス・ベンツというブランドが提供する最高水準の安全と安心、そして愛車の価値を維持するための対価が含まれています。

この記事で得た知識を武器に、サービスアドバイザーとしっかりとコミュニケーションを取り、ご自身が納得できる最適な形で車検に臨んでください。そうすれば、これからも素晴らしいGLEとのカーライフを、心から満喫できるはずです。

テキストのコピーはできません。