モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、愛車であるメルセデスベンツGLAの車検が近づき、特に安心感を重視してディーラーでの車検を検討しているものの、その具体的な費用や日数、流れについて詳しく知りたいと思っているのではないでしょうか。
引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
私も実際にGLAを所有し、ディーラーで車検を経験したので、その気になる気持ちはよくわかります。初めての外車、初めてのディーラー車検となれば、なおさら不安や疑問は尽きないものですよね。
この記事を読み終える頃には、メルセデスベンツGLAのディーラー車検に関するあなたの疑問が、すべて解決しているはずです。
記事のポイント
- ディーラー車検費用の詳細な内訳
- 車検日数と便利な代車サービスの実態
- 賢く費用を抑えるための具体的な交渉術
- ディーラー以外の車検業者との徹底比較

メルセデスベンツGLAのディーラー車検費用 内訳を徹底解説
「ディーラー車検は高い」というイメージは根強いですが、その金額には相応の理由があります。まずは、GLAのディーラー車検で発生する費用の全体像と、その詳細な内訳を一つひとつ丁寧に見ていきましょう。支払う金額の内訳を正確に理解することが、賢い車検選びの第一歩です。引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
GLAの車検費用の全体像
メルセデスベンツGLAのディーラー車検にかかる費用は、車両の状態や年式、走行距離によって大きく変動しますが、おおよその目安として15万円〜30万円程度を見ておくとよいでしょう。特に、新車登録から3年目の初回車検と、5年目の2回目車検とでは、交換部品の数に差が出るため、費用も大きく変わってきます。
この費用の総額は、大きく分けて「法定費用」「車検基本料・整備費用」「部品交換費用」の3つで構成されています。
法定費用(重量税、自賠責保険料、印紙代)の詳細
法定費用は、国や保険会社に支払う法律で定められた費用のことで、ディーラーで受けても、他のどの業者で受けても金額は変わりません。これは車検費用のベースとなる部分です。
費用項目 | 金額(GLAの場合の目安) | 備考 |
---|---|---|
自動車重量税 | ¥24,600 | 車両重量1.0t超〜1.5t以下の場合。2年分。エコカー減税対象車は減免あり。 |
自賠責保険料 | ¥17,650 | 24ヶ月契約の場合。2023年4月改定後の料金。 |
印紙代(検査手数料) | ¥1,800 | 指定工場の場合。 |
合計 | ¥44,050 | – |
GLAの多くのモデルは車両重量が1.5トン以下のため、上記の金額が適用されます。法定費用だけで約4.4万円が必要になることを覚えておきましょう。
車検基本料・整備費用
こちらが、車検を依頼する業者によって金額が変わる部分です。ディーラーの車検基本料には、24ヶ月定期点検の費用や、保安基準に適合しているかを確認する検査料、事務手数料などが含まれています。
メルセデス・ベンツ正規ディーラーの場合、車検基本料・整備費用として5万円〜8万円程度が相場です。
この費用には、メルセデス・ベンツ専用の故障診断機「XENTRY(エントリー)」を使用した精密な点検費用も含まれています。この診断機は、一般的な整備工場が持つ汎用のスキャナーでは検知できないような、電子制御システムの微細なエラーコードまで読み取ることが可能です。これにより、将来的なトラブルの芽を早期に発見できるのが、ディーラー車検の大きな強みと言えるでしょう。
部品交換費用
車検費用の総額を大きく左右するのが、この部品交換費用です。ディーラーでは、安全・快適なカーライフを維持するために、メーカーが定めた基準に基づき、消耗部品の交換を推奨します。これは「予防整備」という考え方で、故障してから修理するのではなく、故障する前に部品を交換することで、常に車両をベストコンディションに保つことを目的としています。
GLAの車検で交換が推奨される主な部品と、その費用の目安は以下の通りです。
- エンジンオイル・オイルフィルター交換: 約25,000円〜35,000円
- ブレーキフルード交換: 約15,000円〜20,000円
- ワイパーブレード(前後)交換: 約10,000円〜15,000円
- エアコンフィルター交換: 約10,000円〜15,000円
- キーバッテリー交換: 約2,000円
- エアクリーナーエレメント交換: 約15,000円
- ブレーキパッド・ディスクローター交換: 約80,000円〜150,000円(前後いずれか)
- バッテリー交換: 約50,000円〜70,000円
特に、走行距離が伸びてくる2回目以降の車検では、ブレーキ関連やバッテリーといった高額な部品の交換が必要になるケースが増え、費用が跳ね上がる傾向にあります。
私が実際に支払ったGLAの車検費用を公開
参考までに、私が以前所有していたGLA 200d 4MATIC(3年目の初回車検)の際の実際の費用明細を再現してみます。走行距離は約25,000kmでした。
項目 | 金額 |
---|---|
法定費用合計 | ¥44,050 |
車検基本料・整備費用 | ¥65,000 |
部品交換費用 | |
エンジンオイル・フィルター交換 | ¥28,000 |
ブレーキフルード交換 | ¥16,000 |
前後ワイパーブレード交換 | ¥12,000 |
エアコンフィルター交換 | ¥13,000 |
キーバッテリー交換 | ¥2,000 |
小計 | ¥180,050 |
割引 | -¥5,000 |
消費税 | ¥13,186 |
合計請求額 | ¥188,236 |
初回車検で特に大きな問題がなかったため、合計で約19万円となりました。これが一つのリアルな実例として参考になるかと思います。
メルセデスベンツGLAのディーラー車検 何日かかる?代車は借りられる?
費用と並んで気になるのが、車検で車を預ける期間でしょう。「友人のレクサスは3時間で終わったと聞いたけど…」という話もあり、メルセデスの場合はどうなのか、詳しく解説します。また、車を預けている間の「足」となる代車についても、私の経験を交えてお話しします。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
車検にかかる日数の目安は2〜3日
結論から言うと、メルセデス・ベンツのディーラー車検では、一般的に2〜3日の期間を要します。場合によっては、交換部品の取り寄せなどで4〜5日かかることもあります。
「なぜそんなに時間がかかるのか?」と疑問に思うかもしれません。これにはいくつかの理由があります。
- 徹底した点検・整備プロセス: ディーラーでは、法定の点検項目だけでなく、メーカー独自の数十項目に及ぶチェックリストに基づき、一台一台丁寧に点検を行います。専用診断機による電子システムのチェックにも時間をかけます。
- 部品の在庫と取り寄せ: オイルやフィルターなどの定期交換部品は在庫していますが、車種や年式によっては、突発的に必要となった部品をドイツ本国から取り寄せるケースもあり、その場合は時間がかかります。
- 整備スケジュールの確保: 多くの車両の入庫スケジュールを管理しており、一台の車に一人の専任メカニックがつきっきりで作業を進めるため、効率よりも確実性を重視した結果、一定の時間が必要となります。
- 最終確認と洗車・清掃サービス: すべての整備が完了した後、ロードテストによる最終確認や、丁寧な洗車・室内清掃といったサービスも含まれているため、その分の時間も見ておく必要があります。
安心と安全、そして品質を担保するための時間だと理解するとよいでしょう。
友人が聞いた「レクサス車検3時間」は本当か?メルセデスとの違い
ご友人の話にあった「レクサス車検が3時間で終わる」というのは、事実です。これは「レクサス・クイック車検」といった名称で提供されているサービスで、事前に予約し、車両に大きな問題がない場合に限られます。
この短時間車検を実現できる背景には、サービス体制の違いがあります。レクサスでは、一台の車両に対して複数のメカニックが同時に作業を行う「コンビネーション作業」や、車検専用の検査ラインを設けることで、徹底的に効率化を図っています。
一方、メルセデス・ベンツのディーラーは、伝統的に一台の車両の状態を深く理解した一人のマイスター(認定メカニック)が責任をもって担当する、という文化が根強くあります。どちらが良いというわけではなく、効率を追求するサービスか、一台一台とじっくり向き合うサービスか、というブランドの哲学の違いが現れていると言えるでしょう。
代車は無料で借りられる?
車を数日間預けるとなると、代車は必須ですよね。メルセデス・ベンツの正規ディーラーでは、車検や12ヶ月点検、修理で車を預ける場合、基本的に無料で代車を貸し出してくれます。
これはメルセデスオーナーにとって非常に心強いサービスの一つです。ただし、代車も数に限りがあるため、事前の予約が不可欠です。
代車の予約方法と注意点
車検の予約をする際に、必ず「代車もお願いします」と一言伝えましょう。特に週末や月末は車検の予約が集中し、代車が出払ってしまうこともあります。車検満了日の2ヶ月前にはディーラーに連絡し、日程を確定させておくのが理想的です。
また、代車利用時の注意点として、ガソリンは満タンで貸し出され、満タンで返却するのがルールです。そして、万が一の事故に備え、代車の自動車保険の補償内容(特に免責金額)は事前に確認しておくと、より安心して利用できます。
代車の車種は選べる?最新モデルに乗れる可能性も
「代車の車種は選べるのか?」という点も気になるところだと思います。ご友人の話の通り、ディーラーの代車の空き状況次第では、車種を選ぶことが可能な場合があります。
確約はできませんが、車検予約時に「もし可能であれば、〇〇(車種名)に乗ってみたいのですが」と希望を伝えてみる価値はあります。サービスアドバイザーも、顧客の満足度を重視していますし、新しいモデルに試乗してもらうことは、将来の買い替えに繋がる絶好の機会と捉えています。
私自身も、GLAを車検に出した際に、最新のCクラスを代車として貸してもらった経験があります。普段乗らない車種を数日間じっくりと体験できるのは、車好きにとっては非常に嬉しいサービスですよね。最新の安全装備やインフォテインメントシステムを体感し、「次はこれに乗りたいな」と夢が膨らむ、そんな楽しみ方もディーラー車検ならではの魅力かもしれません。
メルセデスベンツGLAのディーラー車検 メリット・デメリット
ここまでディーラー車検の詳細を見てきましたが、改めてそのメリットとデメリットを整理してみましょう。ご自身の価値観と照らし合わせ、最適な選択をするための判断材料にしてください。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html)
ディーラー車検の5つのメリット
1. 専門知識と技術力による絶対的な安心感
最大のメリットは、やはりその安心感です。メルセデス・ベンツの正規ディーラーには、メーカーの専門トレーニングを受け、認定資格を持つメカニックが在籍しています。GLAの構造や特性、ウィークポイントまで知り尽くしたプロフェッショナルが、豊富な経験と知識を基に整備を行ってくれるため、その品質は非常に高いです。
2. 信頼性の高い純正部品の使用
ディーラーでは、整備に使用する部品はすべてメルセデス・ベンツの純正品です。純正部品は、車両の設計に合わせて開発・テストされており、品質、耐久性、安全性において最も信頼できます。部品の適合性を心配する必要が一切ないのは、大きな安心材料です。
3. 専用診断機による精密な点検
前述の通り、専用診断機「XENTRY」による点検はディーラーでしか受けられません。目視では確認できない電子制御系統の異常を早期に発見し、トラブルを未然に防ぐことができます。現代の複雑なメルセデスにとって、この診断は極めて重要です。
4. メーカー保証と手厚いサポート
新車保証期間中はもちろん、保証が切れた後でも、ディーラーでの定期的なメンテナンス記録があると、万が一リコールやサービスキャンペーンの対象となった際にスムーズな対応が期待できます。また、日頃から良好な関係を築いておくことで、保証外の修理でも柔軟に対応してくれる「グッドウィル(好意)」が適用される可能性もあります。
5. 車両価値の維持
将来的に愛車を売却する際、「正規ディーラーでの整備記録簿」が揃っていることは、非常に大きなプラス査定の要因となります。次のオーナーにとっても安心材料となり、結果として高いリセールバリューに繋がります。
ディーラー車検の3つのデメリット
1. 費用が割高になる傾向
最大のデメリットは、やはり費用面です。車検専門店や整備工場と比較して、部品代(純正品)や時間あたりの工賃(レバーレート)が高めに設定されているため、総額は高くなる傾向にあります。
2. 時間がかかる場合がある
「レクサスとの違い」でも触れたように、丁寧な作業プロセスのため、最低でも1泊2日は必要となり、即日完了は難しいのが現状です。時間に余裕がない方にとってはデメリットと感じるかもしれません。
3. 柔軟な対応が難しいことも
ディーラーはメーカーの基準に厳格に従うため、「まだ使える部品をもう少しだけ使いたい」「コストを抑えるために社外品のパーツを使いたい」といった要望には応えてもらえません。良くも悪くもマニュアル通りの対応となりがちで、ユーザー独自の判断で整備内容をカスタマイズする自由度は低いです。
メルセデスベンツGLAのディーラー車検 費用を抑える交渉術
「ディーラーの安心感は魅力だけど、やっぱり費用は少しでも抑えたい…」というのがオーナーとしての本音だと思います。実は、ディーラー車検でも、ポイントを押さえて交渉することで、費用を賢く抑えることが可能です。ここでは、私が実践している具体的なテクニックをご紹介します。

Lexury Motors Journal イメージ
見積もり内容をしっかり確認する
まず基本中の基本ですが、提示された見積書を鵜呑みにせず、サービスアドバイザーと一緒に一つひとつの項目を指差し確認することが重要です。「これは何のための作業ですか?」「この部品はなぜ交換が必要なのですか?」と、納得できるまで質問しましょう。丁寧な説明を求めることで、相手もこちらの真剣度を理解してくれます。
不要な整備項目・推奨項目を精査する
見積書は、「車検を通過するために必須の整備」と「安全のために推奨される予防整備」に分かれています。この2つを明確に区別することが、費用削減の最大の鍵です。 例えば、「エンジン内部のカーボン除去」や「エアコンシステムの除菌・消臭」といった、快適性を向上させるための付加的なサービスは、必須ではありません。まずはこれらをリストから外せないか検討しましょう。
「車検を通すために最低限必要な整備でお願いします」と伝える
これが最も効果的な一言です。この言葉を伝えることで、サービスアドバイザーは「この顧客はコストを意識している」と認識し、予防整備よりも必須整備に絞ったプランを再提案してくれます。
例えば、ブレーキパッドの残量が保安基準(一般的に1mm以上)をクリアしているものの、ディーラー基準(例:5mm以下)で交換を推奨された場合、「まだ警告灯も点灯していないので、今回は見送ります」と自分の意思をはっきりと伝えることが大切です。もちろん、安全に関わる重要な部品については、メカニックの判断を尊重すべきですが、すべての推奨項目を受け入れる必要はありません。
消耗品の交換タイミングを検討する
ワイパーブレードやエアコンフィルター、キーのバッテリーなどは、比較的簡単に自分で交換できる部品です。もし自分で交換することに抵抗がなければ、「その部品は自分で交換するので、今回は結構です」と伝えることで、数万円単位の節約が可能です。インターネットやカー用品店で部品を購入すれば、ディーラーよりも安価に入手できます。
複数のディーラーで見積もりを取る(相見積もり)
メルセデス・ベンツの正規ディーラーは、運営する会社が異なる場合があります(ヤナセ系、シュテルン系など)。実は、運営会社が違うと、車検基本料やキャンペーン内容に差があることがあります。 手間はかかりますが、近隣に複数のディーラーがあれば、両方から見積もりを取り、「〇〇店では、このくらいの金額だったのですが…」と交渉の材料にすることで、値引きやサービスの追加に応じてくれる可能性があります。
ディーラー以外での車検という選択肢|メリット・デメリットを比較
ディーラー車検のメリットを理解しつつも、やはりコストを最優先したいという場合は、ディーラー以外で車検を受けるという選択肢もあります。それぞれの業者の特徴を理解し、ご自身のGLAとカーライフに合った場所を選びましょう。
車検業者ごとの特徴比較
業者タイプ | 費用 | 専門性・品質 | 時間 | 柔軟性 |
---|---|---|---|---|
正規ディーラー | 高い | ◎ 非常に高い | △ 時間がかかる | △ 低い |
輸入車専門の整備工場 | やや高い | 〇 高い | 〇 ケースバイケース | 〇 高い |
車検専門店 | 安い | △ 注意が必要 | ◎ 早い | 〇 比較的高い |
カー用品店 | やや安い | △ 注意が必要 | 〇 早い | 〇 比較的高い |
ガソリンスタンド | 安い | × オススメしない | ◎ 早い | 〇 比較的高い |
ディーラー以外で受けるメリット
ディーラー以外の最大のメリットは、何と言っても費用の安さです。
- 工賃の安さ: ディーラーに比べて時間あたりの工賃が安く設定されています。
- 部品選択の自由度: 純正品だけでなく、同等の品質を持つOEM品(純正品を製造しているメーカーが自社ブランドで販売する部品)や、より安価な社外部品を使用できるため、部品代を大幅に抑えることが可能です。
- 柔軟な対応: 「今回は最低限の整備で」といった要望にも柔軟に応えてくれることが多いです。
特に、メルセデス・ベンツの整備経験が豊富な「輸入車専門の整備工場」は、ディーラーに近い品質を保ちつつ、コストを抑えられるバランスの取れた選択肢と言えるでしょう。
ディーラー以外で受けるデメリット
一方で、ディーラー以外で車検を受ける際には、以下のようなデメリットやリスクも考慮する必要があります。
- 専門知識・技術の差: 最新モデルの複雑な電子制御システムに対応できる設備や知識がない場合があります。特に、専用診断機がないと根本的な原因究明が難しいケースも少なくありません。
- 部品入手の問題: 部品の特定を誤ったり、適合しない部品を取り付けてしまったりするリスクがあります。
- 保証の問題: メーカー保証期間中にディーラー以外で整備を行うと、その後の保証が受けられなくなる可能性があります。
- リセールバリューへの影響: ディーラーでの整備記録がないと、将来の売却時に査定額が下がる可能性があります。
安易に価格だけで選ぶのではなく、その工場がメルセデス・ベンツの整備実績をどれだけ持っているか、口コミや評判をしっかりと調べることが極めて重要です。
GLAオーナーが気になるQ&A
最後に、GLAオーナーの方からよくいただく車検に関する質問について、Q&A形式でお答えします。
Q1. メンテナンスプログラム「メルセデス・ケア」は車検で使える?
A1. 「メルセデス・ケア」は、新車登録から3年間のメンテナンスをサポートするプログラムで、初回車検のタイミングと重なります。このプログラムには、定期交換部品(エンジンオイル、ワイパーブレードなど)や消耗品(ブレーキパッドなど)の交換・補充が含まれています。
ただし、メルセデス・ケアはあくまで「メンテナンス」をカバーするものであり、「車検(自動車検査登録制度)」そのものにかかる費用(法定費用や検査料)は対象外です。
したがって、初回車検時にはメルセデス・ケアによって多くの部品交換費用がカバーされるため、自己負担額は「法定費用+車検基本料の一部」となり、総額を大幅に抑えることができます。これは新車購入の大きなメリットです。
Q2. 初回車検と2回目以降の車検費用の違いは?
A2. 一般的に、2回目(5年目)、3回目(7年目)と、回数を重ねるごとに車検費用は高くなる傾向にあります。 初回車検は、前述のメルセデス・ケアが適用され、車両自体の消耗も少ないため、比較的安価に済みます。
しかし、5年目になるとメルセデス・ケアは終了しており、走行距離も伸びてきます。バッテリーやブレーキディスク、タイヤといった高額な消耗部品が寿命を迎え、交換が必要になるケースが多くなります。そのため、2回目の車検では25万円〜40万円程度の費用がかかることも珍しくありません。
Q3. 車検の見積もりはいつ頃から取るべき?
A3. 車検満了日の2〜3ヶ月前には、一度ディーラーに連絡して見積もりを依頼することをお勧めします。 早めに見積もりを取ることで、以下のようなメリットがあります。
- 交換が必要な部品や費用を事前に把握し、心の準備と予算の確保ができる。
- 見積もり内容をじっくり検討し、不要な項目を削る交渉をする時間が持てる。
- 希望の日程で車検の予約や代車の手配をスムーズに行える。
ギリギリになって焦らないためにも、余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。
まとめ
今回は、メルセデスベンツGLAのディーラー車検について、費用から日数、代車、そして費用を抑える交渉術まで、包括的に解説しました。
ディーラー車検は、確かに費用は高めですが、メーカーの専門知識に裏打ちされた最高品質の整備による「絶対的な安心感」を手に入れることができます。そして、手厚いサービスや高いリセールバリューといった、金額だけでは測れない多くのメリットが存在します。
重要なのは、提示された見積もりをそのまま受け入れるのではなく、その内容を正しく理解し、自分の車の使い方や価値観に合わせて、必要な整備とそうでない整備を見極めることです。この記事で紹介した交渉術を実践すれば、安心とコストのバランスを取りながら、賢くディーラー車検と付き合っていくことができるはずです。
あなたのGLAが、次の2年間も安全で快適なパートナーであり続けるために、この記事が最適な車検選びの一助となれば幸いです。