※本ページにはプロモーションが含まれる場合があります

三菱

三菱デリカD:5が無理なく買える年収は|定期維持費や突然の修理費用を解説

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、三菱デリカD:5の購入を検討中で、特にご自身の年収で購入しても家計を圧迫しないか、そして購入後の維持費は一体どれくらいかかるのか、という点が気になっていると思います。私も実際にデリカD:5を所有し、その魅力と現実的なコストの両方を経験したので、気になる気持ちはよくわかります。

引用 : 三菱自動車HP

この記事を読み終える頃には、あなたのデリカD:5購入に関する年収や維持費の疑問が解決し、具体的な購入計画を立てられるようになっているはずです。

記事のポイント

  • デリカD:5の購入に最適な年収の具体的な目安
  • 税金から燃料代まで年間の総維持費を徹底分析
  • 見落としがちな突然の修理費用とその対策
  • 年収800万円世帯のリアルな購入シミュレーション
【ジャーナリスト厳選】本当に使えるカー用品まとめ|ジャンル別に紹介自動車ジャーナリストの私はこれまで数多くのカー用品を試してきました。その数ある商品の中から、ジャンル別に厳選したカー用品のおすすめを紹介します。...

三菱デリカD:5はどんな車?多くのファンを魅了するその正体

まず、デリカD:5という車がどのような立ち位置にあり、なぜこれほどまでに多くの人々を引きつけるのかを、オーナーとしての視点も交えて解説します。この車は単なる「ミニバン」というカテゴリには収まりきらない、唯一無二の魅力を持っています。

引用 : 三菱自動車HP

唯一無二の「オールラウンダーミニバン」としての存在価値

デリカD:5の最大の魅力は、「ミニバンの広い室内空間と利便性」と「SUVの高い悪路走破性」という、本来であれば相反する要素を高次元で両立させている点にあります。

一般的なミニバンが快適な舗装路を走ることを前提に設計されているのに対し、デリカD:5は三菱が世界ラリー選手権などで培ってきた四輪駆動技術のノウハウが惜しみなく投入されています。これにより、家族や友人と快適に移動できるだけでなく、雪道やキャンプ場の未舗装路といったタフな環境にも臆することなく突き進んでいけるのです。

私も家族でスキーやキャンプに出かけることが多いのですが、天候が悪化して路面状況が悪くなっても、「デリカなら大丈夫」という絶大な安心感があります。この「いざという時に頼りになる」感覚は、他のミニバンでは決して味わうことのできない、デリカD:5ならではの価値と言えるでしょう。

ファミリーユースに応える室内空間とクリーンディーゼルの経済性

SUV並みの走破性を持ちながら、室内は広々としたミニバンそのものです。3列目までしっかりと大人が座れるスペースが確保されており、多人数での長距離移動も快適。特に2列目シートはキャプテンシート(7人乗り仕様)を選べば、まるで旅客機の上級クラスのようなゆったりとした空間でくつろぐことができます。

そして、現在のデリカD:5の大きな特徴が、2.2Lのクリーンディーゼルターボエンジンです。このエンジンは、力強いトルクによる余裕のある走りと、優れた燃費性能を両立しています。特に燃料が安価な軽油である点は、日々のランニングコストを抑えたいファミリー層にとって非常に大きなメリットです。高速道路を巡航している時の静粛性も高く、ディーゼル特有の音や振動はほとんど気になりません。経済的でありながら、走りも妥協したくないという欲張りな要求に見事に応えてくれるパワートレインです。

デリカD:5購入のリアルな年収シミュレーション

さて、ここからが本題です。車両価格が400万円を超えるデリカD:5を無理なく購入するには、どれくらいの年収が必要なのでしょうか。様々な角度から徹底的にシミュレーションしていきます。

引用 : 三菱自動車HP

新車価格と主要グレードの紹介

まずは現在の新車価格を見てみましょう。デリカD:5は大きく分けて標準モデルと、都会的なデザインの「URBAN GEAR(アーバンギア)」があり、それぞれにいくつかのグレードが設定されています。

グレード 車両本体価格(税込) 特徴
M (8人乗り) 4,156,900円 基本装備を備えたエントリーグレード
G (7/8人乗り) 4,258,100円 両側電動スライドドアなど快適装備が充実
G-Power Package (7/8人乗り) 4,494,600円 電動サイドステップやシートヒーターなど豪華装備を追加した人気グレード
P (7/8人乗り) 4,601,300円 安全装備もフル装備の最上級グレード
URBAN GEAR G 4,385,700円 Gグレードベースのエアロ仕様
URBAN GEAR G-Power Package 4,622,200円 G-Power Packageベースのエアロ仕様

※2025年9月時点の価格

最も人気が高いのは、快適装備と価格のバランスに優れた「G-Power Package」です。今回はこのグレード(4,494,600円)を基準に話を進めていきます。

「車の購入予算は年収の半分」は本当か?

よく「車の購入予算は年収の半分が目安」と言われます。これを単純に当てはめると、デリカD:5(約450万円)を購入するには年収900万円が必要ということになります。しかし、これはあくまで一般的な目安であり、家族構成やライフスタイル、住宅ローンの有無などによって大きく変わってきます。

特に子育て世帯の場合、教育費や食費など、車以外にかかる費用も大きくなります。そのため、「年収の半分」というルールに縛られるのではなく、月々の手取り収入から「無理なく返済できる金額はいくらか」を算出することが重要です。

年収800万円の世帯でデリカD:5は買える?【徹底シミュレーション】

それでは、今回のテーマである「世帯年収800万円」のケースで具体的なシミュレーションをしてみましょう。

【前提条件】

  • モデル: デリカD:5 G-Power Package (車両価格 4,494,600円)
  • 諸費用: 約30万円(税金、登録費用など)
  • 購入総額: 約480万円
  • ローン金利: 年2.5%(一般的なディーラーローンを想定)

ケース1:頭金なし、全額ローン

支払回数 (期間) 月々の返済額 ボーナス払い (年2回) 年間返済額
60回 (5年) 約85,000円 0円 1,020,000円
84回 (7年) 約62,000円 0円 744,000円
120回 (10年) 約45,000円 0円 540,000円

ケース2:頭金100万円、残り380万円をローン

支払回数 (期間) 月々の返済額 ボーナス払い (年2回) 年間返済額
60回 (5年) 約67,000円 0円 804,000円
84回 (7年) 約49,000円 0円 588,000円
120回 (10年) 約36,000円 0円 432,000円

年収800万円の手取り額は、扶養家族の有無などにもよりますが、おおよそ600万円前後、月々に換算すると約50万円です。この中から住宅ローンや教育費、生活費を支払い、さらに車のローンを返済していくことになります。

【考察】 頭金なしの5年ローン(月々8.5万円)は、手取り50万円に対して負担が大きく、かなり厳しいと言わざるを得ません。他の出費を相当切り詰めないと、家計が破綻するリスクがあります。

一方、**頭金を100万円用意し、7年ローン(月々4.9万円)**であれば、現実的なプランと言えるでしょう。これに後述する維持費(月々3〜4万円)を加えると、車関連の出費は毎月8〜9万円程度になります。この金額が許容範囲かどうかは、各家庭の家計状況次第ですが、一つの目安になるはずです。

結論として、世帯年収800万円でデリカD:5の新車を購入することは十分可能ですが、「頭金をある程度用意すること」と「ローン期間を長めに設定すること」が無理なく購入するための鍵となります。

コストを抑えるなら「中古車」という選択肢

新車にこだわらないのであれば、中古車も非常に魅力的な選択肢です。特にデリカD:5は頑丈な作りで人気も安定しているため、中古車市場でも豊富に流通しています。

  • 3年落ち(走行距離3〜5万km): 新車価格から100万円以上安価な300万円台前半から狙えます。状態の良い車両も多く、コストパフォーマンスは非常に高いです。
  • 5年落ち以上: 200万円台の車両も見つかりますが、走行距離が増え、メンテナンス費用がかさむ可能性も出てきます。購入の際は、信頼できる販売店で保証付きの車両を選ぶのが賢明です。

中古車であれば、年収800万円の世帯でもローンを組まずに現金一括で購入したり、短い期間のローンで済ませたりすることも可能になり、家計への負担を大幅に軽減できます。

見逃し厳禁!デリカD:5の年間維持費を完全分解

車の購入で忘れてはならないのが、購入後に継続的に発生する「維持費」です。デリカD:5の場合、年間でどれくらいの費用がかかるのか、項目別に詳しく見ていきましょう。

引用 : 三菱自動車HP

【シミュレーション条件】

  • モデル: 現行デリカD:5 (クリーンディーゼル)
  • 年間走行距離: 10,000km
  • 軽油価格: 150円/L
  • 駐車場: 月極駐車場を利用(月額15,000円)

【必ずかかる費用】税金(自動車税・重量税)

  • 自動車税(種別割): デリカD:5の排気量は2,267ccなので、「2.0L超~2.5L以下」の区分に該当します。年額は43,500円です。毎年5月に納付します。
  • 自動車重量税: 車両重量によって課税されます。デリカD:5は「1.5t超~2.0t以下」なので、2年で32,800円。1年あたりに換算すると16,400円です。これは車検時に支払います。
    • 税金合計(年額):59,900円

【万が一の備え】自賠責保険と任意保険

  • 自賠責保険: 車検時に加入が義務付けられている強制保険です。24ヶ月で17,650円。1年あたり約8,825円です。
  • 任意保険: これが人によって大きく変わる部分です。年齢、等級、補償内容、車両保険の有無で保険料は変動します。
    • 30代、ゴールド免許、20等級、車両保険ありの条件でシミュレーションすると、年間約60,000円~80,000円が目安となります。

【日々の出費】燃料代(軽油)

デリカD:5のWLTCモード燃費は12.6km/Lですが、私の実体験やオーナーの声を総合すると、実燃費は約11.0km/L(市街地と高速道路の平均)といったところです。

  • 年間の軽油消費量: 10,000km ÷ 11.0km/L = 約909L
  • 年間の燃料代: 909L × 150円/L = 136,350円

燃料が安価な軽油である点は大きなメリットです。もし同じサイズのガソリンミニバン(実燃費9km/L、レギュラー170円/Lと仮定)と比較すると、年間燃料代は約188,800円となり、デリカD:5の方が5万円以上も安く済みます。

【車の健康維持】メンテナンス費用

車のコンディションを良好に保つためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。

  • エンジンオイル交換: ディーゼルエンジンはオイルが汚れやすいため、5,000kmまたは半年に1回の交換が推奨されます。ディーラーでの交換費用は1回あたり約10,000円~15,000円。年間2回として約25,000円
  • アドブルー(AdBlue®)補充: クリーンディーゼル車に必要な尿素水です。約10,000kmで10L程度の補充が必要で、費用は約2,000円
  • その他: タイヤ交換(4~5年に1回、約10万円)、バッテリー交換(3~4年に1回、約3万円)、ワイパーゴムやフィルター類の交換費用なども考慮し、年間約30,000円ほどを積み立てておくと安心です。
    • メンテナンス費用合計(年額):約57,000円

【その他】駐車場代と車検費用

  • 駐車場代: 持ち家の場合はかかりませんが、月極駐車場を借りる場合は大きな出費です。月額15,000円とすると、年間180,000円
  • 車検費用: 2年に1回の大きな出費です。法定費用(重量税、自賠責、印紙代)に加えて、点検整備費用がかかります。交換部品がなければディーラーで約10万円~15万円が相場。1年あたりに換算すると約60,000円

【合計】デリカD:5の年間維持費トータルシミュレーション

これまでの費用を合計してみましょう。

費用項目 年間費用(目安)
税金(自動車税+重量税) 59,900円
保険(自賠責+任意保険) 78,825円
燃料代 136,350円
メンテナンス費用 57,000円
駐車場代 180,000円
車検費用(1年換算) 60,000円
合計(駐車場あり) 572,075円
合計(駐車場なし) 392,075円

月々に換算すると、駐車場ありの場合は約47,700円、駐車場なしの場合は約32,700円となります。車のローンとは別に、毎月この金額がかかることを覚悟しておく必要があります。

突然の出費?デリカD:5の故障リスクと修理費用

最後に、長く乗る上で気になる故障のリスクと、万が一の際の修理費用について、オーナー目線で解説します。デリカD:5は非常に堅牢な車ですが、機械である以上、故障のリスクはゼロではありません。

デリカD:5でよく聞く故障事例は?

クリーンディーゼルエンジン特有の注意点がいくつかあります。

  • DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)の詰まり: 短距離走行ばかりを繰り返していると、DPFに溜まった煤(すす)を燃焼させる「強制再生」がうまく行われず、警告灯が点灯することがあります。この場合、ディーラーでの強制再生や洗浄が必要となり、数万円の費用がかかることも。対策としては、月に1〜2回、30分以上の高速走行を心がけることが有効です。
  • EGR(排気ガス再循環装置)関連のトラブル: 排気ガスの一部を再循環させる装置で、内部に煤が溜まりやすい部品です。不具合が起きるとエンジンの不調に繋がり、交換となると10万円以上の高額な修理になる可能性があります。
  • 電装系のマイナートラブル: 電動スライドドアや電動サイドステップなど、便利な装備は故障のリスクも伴います。モーターの不具合などで修理が必要になるケースも報告されています。

故障リスクを減らし、突然の出費に備えるには

これらのリスクを完全に避けることは難しいですが、軽減するための方法はあります。

  • 定期的なメンテナンスを怠らない: メーカーが推奨する定期点検をしっかりと受け、消耗品を適切なタイミングで交換することが最大の予防策です。特にディーゼルエンジンはオイル管理が重要です。
  • 延長保証への加入を検討する: 新車購入時には、メーカー保証を5年または7年に延長できるプランが用意されています。加入には数万円の費用がかかりますが、万が一の高額修理に備える「保険」として非常に有効です。私も加入していますが、安心感が全く違います。
  • 修理費用を積み立てておく: 延長保証が切れた後の故障に備え、年間5〜10万円程度を「修理積立金」として確保しておくと、いざという時に慌てずに済みます。

まとめ

今回は、三菱デリカD:5の購入に必要な年収と、リアルな維持費について徹底的に解説しました。

結論として、世帯年収800万円の方がデリカD:5の新車を購入することは、計画的な資金準備(頭金)とローン設計を行えば十分に可能です。ただし、購入後の維持費として月々3〜5万円程度の継続的な出費が発生することも忘れてはなりません。

デリカD:5は、決して安い買い物ではありません。しかし、その唯一無二の走破性とミニバンとしての利便性は、家族との行動範囲を大きく広げ、かけがえのない思い出作りに貢献してくれる最高のパートナーとなり得ます。キャンプ、スキー、釣り…どんな過酷なフィールドへも家族を安全に快適に運んでくれるこの車は、所有する満足度が非常に高い一台です。

この記事のシミュレーションを参考に、ご自身のライフプランと照らし合わせ、後悔のない、最高のカーライフの第一歩を踏み出していただければ幸いです。

テキストのコピーはできません。