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ロールスロイス

ロールスロイスの残クレ購入は破産すると言われる真相|恐るべき月々の支払額

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、憧れのロールスロイスを残価設定クレジット(残クレ)で購入した場合、月々の支払いは一体いくらになるのか、そして本当に「破産する」という噂は本当なのか、その真相が気になっていることでしょう。

私もジャーナリストとして、そして実際にオーナーとしてロールスロイスと暮らす中で、その経済的な側面については常にシビアに見てきました。 気になる気持ちはよくわかります。

引用 : ロールスロイスHP

この記事を読み終える頃には、ロールスロイスを残クレで購入した場合の具体的な支払額から、想像以上に重くのしかかる維持費、そして「破産」という言葉の裏にある本当の意味まで、全ての疑問が解決しているはずです。

記事のポイント

  • ロールスロイス車種別の残クレ月額シミュレーション
  • ローン支払い以外にかかる年間維持費の衝撃的な実態
  • 「破産する」と言われる残クレの仕組みと超高級車の関係
  • 夢のロールスロイスオーナーになるために必要な経済的覚悟
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ロールスロイスを残クレで購入した場合の衝撃的な月々の支払額

さて、早速本題に入りましょう。 多くの人が最も知りたいであろう「ロールスロイスを残クレで買ったら月々いくらになるのか」という点について、具体的なシミュレーションを交えながら解説していきます。 ただその前に、残クレという仕組みについて簡単におさらいしておく必要があります。

引用 : ロールスロイスHP

残クレ(残価設定クレジット)の仕組みとは?

残クレとは、数年後(3年や5年後)の車両の買取保証額(残価)をあらかじめ設定し、車両本体価格からその残価を差し引いた金額を分割で支払うローンの一種です。 例えば、4,000万円の車で5年後の残価が2,000万円に設定された場合、残りの2,000万円を5年間(60回)で支払うことになります。

月々の支払額を抑えられるため、一見すると高額な車でも手が届きやすいように感じられます。 しかし、残価に対しても金利がかかるため、総支払額は通常のローンより高くなる傾向にあります。 そして契約終了時には、「車を返却する」「残価を一括で支払って買い取る」「再度ローンを組んで乗り続ける」という選択を迫られます。 この「最終回の支払い」が、特にロールスロイスのような超高級車において重要なポイントとなります。

ロールスロイス主要車種の車両本体価格

まず、シミュレーションの前提となる各モデルの新車価格を見てみましょう。 もちろん、これらはオプションを全く含まないスタート価格であり、実際の乗り出し価格は数百万から数千万円単位で上乗せされるのが常です。

車種名 車両本体価格(税込) 特徴
ゴースト 約4,111万円〜 ロールスロイスの中核を担うサルーン
カリナン 約4,545万円〜 ブランド初のSUVモデル
ファントム 約6,346万円〜 ブランドの頂点に君臨するフラッグシップモデル
スペクター 約4,800万円〜 ブランド初の完全電気自動車(BEV)

これらの価格を見ただけでも、尋常ではないことがお分かりいただけるでしょう。 では、これらのモデルを残クレで購入した場合、月々の支払いはどうなるのでしょうか。

【車種別】残クレ支払いシミュレーション

ここでは、一般的な残クレの条件である「頭金なし」「支払い期間60回(5年)」「金利年3.0%」「5年後の残価率45%」という設定でシミュレーションしてみます。 ※あくまで簡易的なシミュレーションであり、実際の金利や残価率はディーラーや信販会社、時期によって変動します。

ケース1:ゴースト(車両価格:4,111万円)の場合

  1. 残価の設定 41,110,000円 × 45% = 18,499,500円
  2. 分割払いの対象額 41,110,000円 – 18,499,500円 = 22,610,500円
  3. 分割手数料(金利)の計算 ローン元金全体(車両価格)にかかる金利を簡易的に計算します。 41,110,000円 × 3.0% × 5年 = 6,166,500円
  4. 支払い総額(分割対象額+金利) 22,610,500円 + 6,166,500円 = 28,777,000円
  5. 月々の支払額 28,777,000円 ÷ 60回 ≒ 約480,000円

月々の支払額が約48万円。 これだけでも一般的な高級車のローンをはるかに超える金額です。 そして5年後には、約1,850万円の残価を支払うか、車を返却する必要があります。

ケース2:カリナン(車両価格:4,545万円)の場合

同様に計算してみましょう。

  1. 残価の設定 45,450,000円 × 45% = 20,452,500円
  2. 分割払いの対象額 45,450,000円 – 20,452,500円 = 24,997,500円
  3. 分割手数料(金利)の計算 45,450,000円 × 3.0% × 5年 = 6,817,500円
  4. 支払い総額(分割対象額+金利) 24,997,500円 + 6,817,500円 = 31,815,000円
  5. 月々の支払額 31,815,000円 ÷ 60回 ≒ 約530,000円

SUVのカリナンでは、月々の支払いが50万円の大台を超えてきました。 年間で636万円のローン返済です。 そして5年後には、約2,045万円の残価が待ち構えています。

ケース3:ファントム(車両価格:6,346万円)の場合

言わずと知れた最高峰モデル、ファントムです。

  1. 残価の設定 63,460,000円 × 45% = 28,557,000円
  2. 分割払いの対象額 63,460,000円 – 28,557,000円 = 34,903,000円
  3. 分割手数料(金利)の計算 63,460,000円 × 3.0% × 5年 = 9,519,000円
  4. 支払い総額(分割対象額+金利) 34,903,000円 + 9,519,000円 = 44,422,000円
  5. 月々の支払額 44,422,000円 ÷ 60回 ≒ 約740,000円

月々約74万円。 これはもはや事業レベルのキャッシュフローを要求される金額です。 5年後には、都心に中古マンションが買えてしまうほどの約2,856万円を一括で支払うか、車を手放すかの選択を迫られます。

シミュレーション結果のまとめ

車種名 車両本体価格 5年後の残価(45%) 月々の支払額(目安)
ゴースト 約4,111万円 約1,850万円 約48万円
カリナン 約4,545万円 約2,045万円 約53万円
ファントム 約6,346万円 約2,856万円 約74万円

なぜ「破産する」と言われるのか?

このシミュレーション結果だけでも、その理由は見えてきます。

引用 :Lesury Motors Journal イメージ

1. 異常に高い月々の支払額

月々50万円から70万円以上という支払いは、多くの高所得者にとっても極めて大きな負担です。 事業が順調な経営者であっても、これだけの固定費を5年間払い続けるのは並大抵のことではありません。 少しでも収入が不安定になれば、支払いが滞るリスクは常に付きまといます。

2. 最終回の「残価」という名の巨額な壁

月々の支払いをなんとかクリアしたとしても、5年後には2,000万円、3,000万円という残価の支払いが待っています。 この金額をキャッシュで用意できる人はごく一部でしょう。 再度ローンを組むという選択肢もありますが、それはさらなる負債を抱えることを意味します。 多くの人は車を返却することになりますが、それは「5年間、月々数十万円を払い続けても、結局自分のものにはならなかった」という現実を突きつけられることでもあります。

3. 走行距離制限と査定落ちのリスク

残クレには走行距離の制限が設けられています。 年間10,000km程度が一般的ですが、これを超過すると追加の精算金が発生します。 また、内外装に傷や汚れがあれば、当然査定額は下がり、残価を保証してもらえなくなります。 つまり、残価保証額と実際の査定額の差額を支払う「追い金」が発生するリスクがあるのです。 数千万円の車ですから、少しの傷でも数十万円、場合によっては数百万円の追い金になる可能性も否定できません。

これらの要因が組み合わさり、「軽い気持ちで残クレに手を出した結果、月々の支払いに追われ、最後には追い金まで請求されて手放さざるを得なくなった」という状況、すなわち「破産」という言葉で語られる事態に陥ってしまうのです。

月々の支払いに加わるロールスロイスの恐るべき維持費

さて、残クレの月々の支払額だけで驚いてはいけません。 ロールスロイスを所有するということは、ローン返済とは全く別の次元で、継続的にお金がかかり続けることを意味します。 ここからは、私がオーナーとして経験しているリアルな維持費についてお話ししましょう。 ローン支払いにこれらの費用が加わることで、「破産」という言葉がさらに現実味を帯びてきます。

引用 :Lesury Motors Journal イメージ

年間自動車税

まず、毎年必ず納めることになる自動車税です。 ロールスロイスの各車は、そのほとんどが6,000ccを超える大排気量エンジンを搭載しています。

車種名 総排気量 年間自動車税額
ゴースト 6,748cc 111,000円
カリナン 6,748cc 111,000円
ファントム 6,748cc 111,000円
スペクター (BEV) 25,000円

※自動車税は排気量に応じて決まります。6,000cc超は最高額の111,000円です。 ※電気自動車であるスペクターは25,000円と安価ですが、他の維持費が安いわけではありません。

任意保険料

これが非常に高額になります。 車両本体価格が高いため、万が一の事故に備える車両保険の金額が跳ね上がるのです。

なぜ保険料が高くなるのか?

  • 車両保険料率クラスが最高ランク: 車両価格、修理費、盗難リスクなどが考慮され、最も高いクラスに設定されます。
  • 修理費が桁違い: ボディパネル一枚、ヘッドライト一つ交換するだけで数百万円かかることも珍しくありません。特殊な塗料や素材、手作業による修理が必要となるためです。
  • パーツの希少性: 部品は本国イギリスからの取り寄せが基本となり、輸送費や時間もかかります。

年齢や等級、運転者限定の条件によって大きく変動しますが、車両保険を付帯した場合、安くても年間50万円、高い場合は100万円を超えるケースも十分に考えられます。 月々に換算すると、約4万円~8万円以上が保険料として消えていく計算です。

燃料代

ロールスロイスのオーナーは燃費を気にしてはいけない、とはよく言われますが、現実的なコストとして把握しておく必要はあります。 搭載されるV型12気筒エンジンは、まさにガソリンを「飲む」ように消費します。

  • 燃費: 市街地走行ではリッターあたり3~5km程度。高速道路を巡航してようやく7km/Lに届けば良い方です。
  • 燃料: もちろんハイオク指定です。

仮に年間10,000km走行し、平均燃費を5km/L、ハイオクガソリン価格を180円/Lとすると、 (10,000km ÷ 5km/L) × 180円/L = 年間360,000円 月々3万円の燃料代がかかる計算になります。

メンテナンス費用

正規ディーラーでの定期的なメンテナンスは、ロールスロイスの価値を維持し、最高のコンディションを保つために不可欠です。 そして、その費用もまた別格です。

引用 : ロールスロイスHP

  • エンジンオイル交換: 1回あたり10万円~20万円。使用するオイルの量も質も異なります。
  • タイヤ交換: 特殊なサイズであり、静粛性や乗り心地を担保する専用タイヤが推奨されます。4本交換すれば安くても50万円、銘柄によっては100万円近くかかることもあります。
  • ブレーキパッド・ローター交換: 数十万円単位の費用がかかります。
  • 1年点検(アニュアルサービス): 基本的な点検だけでも20万円~30万円。消耗品の交換が加われば、あっという間に50万円を超えます。

突発的な故障がなくとも、年間で最低でも50万円~100万円程度はメンテナンス費用として見ておく必要があるでしょう。 これが私の経験上のリアルな数字です。

車検費用

2年に一度の車検では、法定費用(重量税、自賠責保険料、印紙代)に加えて、正規ディーラーでの徹底的な点検整備費用がかかります。 車両重量が2.5トンを超えるため、重量税も高額です。

  • 法定費用: 約8万円~10万円
  • 点検整備費用: 交換部品がなければ20万円~40万円程度ですが、何かしらの消耗品交換や予防整備が推奨されるのが常です。

結果として、1回の車検で50万円~100万円以上かかることは覚悟しておくべきです。 これを年間に換算すると、25万円~50万円となります。

駐車場代

ロールスロイスを路肩に停めておくわけにはいきません。 全長5.5m以上、全幅2mを超える巨体を安全に保管できる、セキュリティが万全な駐車場が必須です。 都心部であれば、月々5万円~10万円以上の駐車場代がかかることも珍しくありません。 年間では60万円~120万円にもなります。

【まとめ】衝撃の年間維持費トータル

これまでの費用を合計してみましょう。 ここでは低めの見積もりで計算してみます。

項目 年間費用(目安)
自動車税 111,000円
任意保険料 500,000円
燃料代 360,000円
メンテナンス費用 500,000円
車検費用(年換算) 250,000円
駐車場代 600,000円
合計 約2,321,000円

なんと、最低限に見積もっても年間で約230万円以上の維持費がかかるのです。 月々に換算すると約19.3万円。 これはあくまで何もトラブルがなかった場合の話です。 何かあれば、この金額はさらに跳ね上がります。

【結論】ローン支払いと維持費の恐るべき合計月額

それでは最後に、残クレの支払いと維持費を合算してみましょう。 ゴーストを例にとると、

  • 残クレ月額: 約480,000円
  • 維持費月額: 約193,000円

合計: 月々約673,000円

これが、ロールスロイス・ゴーストを残クレで所有するために、毎月最低限必要となる金額の目安です。 カリナンやファントムであれば、さらにこの金額は上昇します。 この現実を前に、「ロールスロイスを残クレで買ったら破産する」という言葉が決して大げさではないことが、お分かりいただけたのではないでしょうか。

まとめ

今回のレビューでは、ロールスロイスを残クレで購入した場合の月々の支払額と、それに加えてかかる維持費の実態について、具体的な数字を交えながら解説してきました。

シミュレーションが示した通り、月々のローン支払額は50万円近くから始まり、ファントムクラスになると70万円を超えてきます。 それに加え、保険やメンテナンス、税金などの維持費が年間200万円以上、月々20万円近くコンスタントにかかり続けるのです。 これらを合算した月々の負担額は、一般的なサラリーマンの月収をはるかに超え、中小企業の役員報酬に匹敵するレベルです。

「破産する」という言葉は、単に支払いができなくなる状態だけを指すのではありません。 憧れだけで手を出してしまい、生活のすべてを犠牲にして車のために働き、精神的に追い詰められ、最終的に手放さざるを得なくなる。 その過程そのものが、経済的そして精神的な破綻と言えるでしょう。

もちろん、これを余裕で支払えるだけの経済力を持つ方々にとっては、残クレも有効な選択肢の一つになり得ます。 しかし、少し背伸びをすれば手が届くかもしれない、という考えでこの世界に足を踏み入れるのは非常に危険です。 ロールスロイスを所有するということは、車両価格だけでなく、その後の維持コストも含めた数千万円単位のプロジェクトを遂行する覚悟と計画性、そして何より圧倒的な経済力が求められるのです。

このレビューが、あなたの夢の実現に向けた、冷静で現実的な判断の一助となれば幸いです。

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