モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「憧れのロールスロイスに乗りたいが、数千万円もの大金を一括で支払うのは現実的ではない。 日本車のように残価設定ローン、いわゆる残クレのような仕組みで購入できないだろうか?」という点が気になっていると思います。

引用 : ロールスロイスHP
私も実際に複数のロールスロイスを所有し、その購入過程で様々な支払い方法を検討した経験があるので、そのように考える気持ちはよくわかります。 あの圧倒的な存在感と静粛性、そして魔法の絨毯と称される乗り心地は、一度味わうと忘れられないものです。 その夢を、より現実的なものにするための知識は、購入希望者にとって必要不可欠と言えるでしょう。
この記事を読み終える頃には、ロールスロイスを残クレで購入する方法、その詳細、そしてあなたが本当にその選択をすべきなのか、という疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- ロールスロイスは残クレ(バリューローン)で購入可能
- 正規ディーラーのファイナンスサービス利用が基本
- 車種や仕様で変動するが高い残価率が魅力
- 購入後の高額な維持費も考慮が必須

ロールスロイスを残クレ(バリューローン)で購入するという選択肢
「ロールスロイスを残クレで買えますか?」 この質問に対する答えは、明確に「YES」です。 ただし、一般的な国産車やドイツ車で広く使われている「残クレ」という名称とは少し異なります。 ロールスロイスでは、それに相当する独自のファイナンシャルプログラムが用意されています。 ここでは、その仕組みと利用方法について、詳しく掘り下げていきましょう。

引用 : ロールスロイスHP
ロールス・ロイス・ファイナンシャル・サービスとは
ロールスロイスの購入者をサポートするために設立された、正規の金融サービスです。 実は、ロールスロイスはBMWグループの傘下にあるため、このファイナンシャルサービスもBMWグループの強固な金融基盤によって運営されています。 世界中の富裕層を顧客に持つブランドらしく、そのサービスは画一的なものではありません。 顧客一人ひとりの財務状況や要望に応じて、最適なプランを提案する「ビスポーク(オーダーメイド)」の精神が、ファイナンスの世界にも息づいているのです。
提供されるプログラムは、一般的なオートローンからリース、そして今回注目する残価設定型のローンまで多岐にわたります。 超高級車ブランドならではの、きめ細やかで信頼性の高いサービスが特徴と言えるでしょう。
「バリューローン」が残クレに相当するプログラム
国産車でいう「残価設定クレジット(残クレ)」に相当するのが、「バリューローン」という名称のプログラムです。 このローンの仕組みは、皆さんがご存知の残クレと基本的に同じです。
- 車両本体価格から、あらかじめ設定した数年後の残価(買取保証額)を差し引く。
- 残りの金額を、契約期間(例:3年や5年)で分割して支払う。
この方式の最大のメリットは、車両価格の全額を分割払いする通常のローンと比較して、月々の支払額を大幅に低く抑えられる点にあります。 例えば、5,000万円の車両でも、3年後の残価が3,000万円(残価率60%)と設定されれば、ローンの対象となるのは差額の2,000万円+金利分となります。 これにより、手の届かない存在だと思っていたロールスロイスが、より現実的な月々の支払いで手に入れられる可能性が生まれるのです。
利用できる販売店は正規ディーラーが基本
この「バリューローン」を始めとするロールス・ロイス・ファイナンシャル・サービスを利用できるのは、原則として国内の正規ディーラー(ロールス・ロイス・モーター・カーズ)に限られます。 正規ディーラーで購入するメリットは、ファイナンスプログラムを利用できることだけではありません。
- 豊富な知識を持つ専門スタッフ: 車両に関する深い知識はもちろん、ファイナンスに関する専門的な相談にも乗ってくれます。
- 新車保証とメンテナンスプログラム: 新車には手厚い保証と、一定期間のメンテナンス費用が含まれる「サービス・インクルーシブ」が付帯します。
- ビスポーク対応: ボディカラーからインテリアの素材、細かな刺繍に至るまで、自分だけの仕様をオーダーメイドできるのは正規ディーラーならではの特権です。
- 認定中古車(プロビナンス): ファイナンスは新車だけでなく、厳しい基準をクリアした正規認定中古車「プロビナンス」にも適用される場合があります。
これらの要素を総合的に考えると、ロールスロイスのような特別な車を購入する際は、正規ディーラーを通じてファイナンスを組むのが最も安心で、賢明な選択と言えるでしょう。
中古車販売店での取り扱いはどうなっているのか
では、街の中古車販売店や並行輸入車を扱うショップでは、残クレのようなローンは組めないのでしょうか。
結論から言うと、一部の販売店では「独自に提携している信販会社の残価設定ローン」を利用できる場合があります。 これらのローンは、金利や残価設定の基準が販売店や信販会社によって大きく異なります。 場合によっては、正規ディーラーのバリューローンよりも柔軟な条件を提示されることもあるかもしれません。
しかし、注意すべき点も存在します。
- 残価設定の根拠: 正規ディーラーが設定する残価は、ブランドが持つ価値と将来の中古車市場を鑑みた信頼性の高いものですが、一般の信販会社の設定が同等とは限りません。
- 金利: 一般的に、正規ディーラーのファイナンスサービスは競争力のある金利を提供することが多いですが、中古車販売店の提携ローンは比較すると高金利なケースも見受けられます。
- 車両のコンディション: 正規ディーラーで扱われる車両、特に認定中古車は品質が保証されていますが、それ以外の店舗では車両の状態を自身で見極める知識がより一層求められます。
もし中古車販売店での購入を検討し、そこで残価設定ローンを利用する場合は、必ず正規ディーラーのバリューローンで見積もりを取り、金利や残価、総支払額を綿密に比較検討することをお勧めします。
ロールスロイス主要車種の残価率と月々の支払いシミュレーション
ロールスロイスを残クレ(バリューローン)で購入する上で、最も重要な要素が「残価率」です。 残価率が高ければ高いほど、月々の支払額は楽になります。 ここでは、ロールスロイスの残価率がなぜ高いのか、そして実際のシミュレーションを通じて月々の支払額がどの程度になるのかを見ていきましょう。

引用 :Lesury Motors Journal イメージ
残価率の高さを支える圧倒的なブランド価値
そもそも、なぜロールスロイスは高い残価率を維持できるのでしょうか。 それは、他の自動車ブランドとは一線を画す、いくつかの特別な理由があるからです。
圧倒的なブランド力と希少性
「ロールスロイス」という名前は、単なる自動車ブランドではなく、成功と富、そして最高の品質の象徴です。 年間生産台数は全世界でわずか数千台に限定されており、市場に流通する絶対数が少ないため、中古車市場でも常に高い需要が存在します。 この需給バランスが、価格が大きく崩れない要因となっています。
時代を超越したデザイン
ロールスロイスのデザインは、流行を追いかけるのではなく、普遍的な美しさと威厳を追求しています。 パルテノングリルやスピリット・オブ・エクスタシーといった象徴的なモチーフは、何十年経っても色褪せることがありません。 そのため、年式が古くなっても「時代遅れ」という印象を与えにくく、資産価値が保たれやすいのです。
ビスポークによる唯一無二の価値
多くのロールスロイスは、「ビスポーク」と呼ばれるオーダーメイドプログラムによって、顧客の好みに合わせた唯一無二の仕様で製造されます。 特別なボディカラー、希少なウッドパネル、オーナーのイニシャルを入れた刺繍など、こだわり抜かれた一台は、単なる移動手段ではなく芸術品としての価値を持ちます。 これが中古車市場においても、プラスの評価に繋がることが少なくありません。
これらの要因が複雑に絡み合い、ロールスロイスは他の多くの車種が時間と共に価値を大きく下げていくのとは対照的に、驚異的な残価率を維持しているのです。
【車種別】新車価格と残価率の目安
それでは、主要モデルの新車価格と、一般的な残価率の目安を見てみましょう。 注意点として、ここに示す残価率はあくまで一般的な目安です。 実際の残価率は、契約期間(3年/5年)、設定走行距離、車両の仕様(オプションやビスポークの内容)、そして契約時点での市場動向によって変動します。 正確な数字は、必ず正規ディーラーで見積もりを取得してください。
車種名 | 新車価格(目安) | 3年後の残価率(目安) | 5年後の残価率(目安) |
---|---|---|---|
ファントム | 約6,050万円~ | 60%~70% | 50%~60% |
ゴースト | 約4,780万円~ | 65%~75% | 55%~65% |
カリナン | 約4,250万円~ | 70%~80% | 60%~70% |
スペクター | 約4,800万円~ | 未知数(非常に高いと予測) | 未知数 |
表の補足解説
- ファントム: ロールスロイスの頂点に君臨するフラッグシップモデル。価格も別格ですが、そのステータス性から残価率も非常に安定しています。
- ゴースト: ファントムよりもドライバーオリエンテッドな性格を持つモデル。需要の裾野が広いため、中古車市場での人気も高く、極めて高い残価率を誇ります。
- カリナン: ブランド史上初のSUV。その実用性と圧倒的な存在感から世界的な大ヒットモデルとなり、現在最も高い残価率を期待できる一台です。リセールバリューを重視するなら、最有力候補と言えるでしょう。
- スペクター: ブランド初の完全電気自動車。未来のロールスロイスを象徴するモデルであり、その希少性と注目度の高さから、当面はカリナンをも凌ぐ、驚異的な残価率が設定されると予測されています。
【シミュレーション】ゴーストを残クレ(バリューローン)で購入した場合
では、実際にゴーストをバリューローンで購入した場合、月々の支払いはどの程度になるのか、具体的な数字で見てみましょう。
【設定条件】
- 車両本体価格: 4,800万円
- 頭金: 800万円
- ローン元金: 4,000万円
- 支払い回数: 36回(3年)
- 金利: 2.9%(年率)
- 3年後の残価率: 70%
- 残価: 4,800万円 × 70% = 3,360万円
【計算】
- ローン対象額: 車両価格 – 頭金 – 残価 = 4,800万円 – 800万円 – 3,360万円 = 640万円
- この640万円と、ローン元金全体にかかる金利を36回で支払います。
【月々の支払額】
- 支払額(概算): 約22万円~25万円
- 最終回の支払い: 3,360万円(一括返済、再ローン、車両返却のいずれかを選択)
いかがでしょうか。 車両価格が約5,000万円と聞くと天文学的な数字に感じられますが、高い残価率を誇るバリューローンを活用することで、月々の支払いは現実的な範囲に収まる、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。 もちろん、最終回に3,000万円以上の支払いが待っていることを忘れてはいけません。
【シミュレーション】カリナンを残クレ(バリューローン)で購入した場合
次に、現在最もリセールバリューが高いとされるカリナンでシミュレーションしてみましょう。 残価率をさらに高く設定してみます。
【設定条件】
- 車両本体価格: 4,300万円
- 頭金: 300万円
- ローン元金: 4,000万円
- 支払い回数: 60回(5年)
- 金利: 2.9%(年率)
- 5年後の残価率: 65%
- 残価: 4,300万円 × 65% = 2,795万円
【計算】
- ローン対象額: 車両価格 – 頭金 – 残価 = 4,300万円 – 300万円 – 2,795万円 = 1,205万円
- この1,205万円と、ローン元金全体にかかる金利を60回で支払います。
【月々の支払額】
- 支払額(概算): 約25万円~28万円
- 最終回の支払い: 2,795万円(一括返済、再ローン、車両返却のいずれかを選択)
5年という長期のローンでも、残価率が高いため月々の支払額はゴーストの3年プランと大きく変わらない結果となりました。 これは、カリナンの驚異的なリセールバリューがファイナンスプランにも反映されている好例と言えるでしょう。
ロールスロイスを残クレで購入する際の注意点と賢い活用法
月々の支払いを抑え、憧れのロールスロイスを手に入れることができるバリューローンは、非常に魅力的な選択肢です。 しかし、そのメリットの裏には、理解しておくべきデメリットや注意点が存在します。 ここでは、ジャーナリストとして、そして一人のオーナーとして、より深く踏み込んだ現実的なアドバイスをお伝えします。

引用 :Lesury Motors Journal イメージ
残クレ(バリューローン)のメリット・デメリットを徹底解説
まず、この仕組みの光と影を正確に把握しましょう。
メリット
- 月々の支払い負担の軽減: なんといっても最大のメリットです。数千万円の車両を、数十万円の月々の支払いで所有できます。
- 常に最新モデルに乗れる可能性: 契約満了時に車両を返却し、新たなモデルのバリューローンを組むことで、比較的少ない負担で常に最新のロールスロイスに乗り続ける、というライフスタイルも可能です。
- 将来の買取価格の保証: 残価は「買取保証額」でもあります。中古車市場が暴落するような事態が起きても、設定された残価額は保証されるため、リスクヘッジになります。
デメリット
- 金利負担の大きさ: 月々の支払いは抑えられますが、金利は残価を含めたローン元金全体にかかります。そのため、支払い総額で見ると、通常のローンよりも金利負担が大きくなるのが一般的です。
- 所有権の問題: ローンの支払いが完了するまで、車両の所有権はローン会社(ロールス・ロイス・ファイナンシャル・サービス)にあります。あくまで「借りている」状態に近いと認識しておくべきです。
- 走行距離制限: 契約時に年間の走行距離が定められます(例:年間10,000kmなど)。これを超過すると、契約満了時の車両返却・査定の際に、超過料金を請求されます。
- カスタマイズや改造の制限: 車両は原状回復が基本です。大掛かりなカスタマイズや改造は認められません。返却時に査定額が下がる(残価割れする)ような傷や凹みも、修理費用を請求される対象となります。
厳しいローン審査と年収の目安
ロールスロイスのバリューローンを組むためには、当然ながら厳しい審査をクリアする必要があります。 数千万円という高額な融資になるため、審査基準は一般的な自動車ローンとは比較になりません。
見られるポイント
- 年収と資産: 安定した高い収入はもちろんのこと、預貯金や不動産といった資産背景も重要な審査対象となります。
- 社会的信用度: 職業(医師、弁護士、企業経営者など)や勤務先の規模、勤続年数などが厳しく見られます。個人の信用情報(過去のローン返済履歴など)に傷がないことは大前提です。
- 自己資金(頭金): 頭金を多く入れることで、ローン元金を圧縮し、審査に通りやすくなる傾向があります。
年収の目安は?
一概には言えませんが、巷でよく言われるのは「車両価格の半分程度の年収」が一つの目安という説です。 つまり、4,000万円のゴーストであれば年収2,000万円、6,000万円のファントムであれば年収3,000万円、といった具合です。 しかし、これはあくまで目安に過ぎません。 重要なのは年収の額そのものよりも、「安定して返済を続けられるか」という返済能力と、それを裏付ける社会的信用の高さです。 年収が基準に満たなくても、豊富な資産背景があれば審査を通過するケースもありますし、その逆もまた然りです。
最終回の支払いはどうする?3つの選択肢
契約期間が満了した時、あなたは3つの選択肢の中から将来を決めることになります。 それぞれのメリット・デメリットを理解し、契約時に将来のプランをある程度描いておくことが重要です。
- 新しいロールスロイスに乗り換える 残価で車両をディーラーに返却し、それを頭金の一部として新しいモデルのバリューローンを契約する方法です。 常に最新のモデルを追い求めたい方にとっては、最も魅力的な選択肢でしょう。 この時、実際の査定額が残価を上回った場合は、その差額が次の車の頭金に充当されるため、お得に乗り換えができます。 ロールスロイスの高いリセールバリューは、ここで大きなメリットとして働きます。
- 残価を一括で支払って車を買い取る 残価(例えば3,360万円)を一括で支払い、完全に自分の所有物にする方法です。 長年乗り続けた愛車を手放したくない、走行距離を気にせず自由に乗りたい、という方におすすめです。 一括での支払いが難しい場合は、「再ローン」を組んで分割で支払いを続けることも可能ですが、金利が再度発生するため総支払額はさらに増えることになります。
- 車両を返却して契約を終了する 残価で車両をディーラーに返却し、全ての契約を完了させる方法です。 ライフスタイルの変化などで、これ以上ロールスロイスを所有する必要がなくなった場合に選択します。 この際、前述の走行距離超過や、規定以上の損傷がない限り、追加の支払いは発生しません。 最もシンプルで、手軽な終わらせ方と言えます。
維持費を忘れてはいけない!年間コストの内訳
バリューローンを組んで月々の支払いの目処が立ったとしても、決して忘れてはならないのが購入後の維持費です。 ロールスロイスの維持費は、一般的な高級車と比較しても桁違いに高額です。 これを捻出できなければ、所有し続けることは困難になります。
項目 | 年間費用の目安 | 備考 |
---|---|---|
自動車税 | 110,000円 | 6.75Lエンジンの場合 |
任意保険 | 200,000円~500,000円以上 | 料率クラス最高。年齢、等級、車両保険の有無で大きく変動。 |
メンテナンス費用 | 300,000円~1,000,000円以上 | 新車時は4年間のサービス・インクルーシブが付帯。消耗品交換や保証切れ後の修理は高額。 |
燃料代 | 300,000円~ | 実燃費3~5km/L。年間1万km走行、ハイオク200円/Lで計算すると40~66万円。 |
タイヤ交換費用 | 300,000円~500,000円 | 特殊なサイズ・規格のタイヤのため非常に高価(数年ごと)。 |
駐車場代 | 地域による | 全長5.5m超、全幅2m超の巨体が入る屋根付き駐車場が必須。 |
合計(年間) | 1,210,000円~ | 上記に加え、突発的な修理費用が発生する可能性も。 |
最低でも年間120万円以上、実際には200万円~300万円程度の維持費を見ておく必要があるでしょう。 ローンの支払いとは別に、この金額を毎年問題なく支出し続けられる経済力が、ロールスロイスのオーナーには求められるのです。
所有者だからこそ語れる「残クレ」活用の本音
私自身、これまで様々な方法で車を購入してきましたが、ロールスロイスのような超高額車両における残価設定ローンは、非常に戦略的なツールだと感じています。

引用 : ロールスロイスHP
これは単に月々の支払いを楽にするためのものではありません。 数千万円という資金を一度に寝かせてしまうのではなく、手元にキャッシュを残し、それを事業投資や他の資産運用に回すことができる、という経営者的な視点で見ると、非常に合理的なのです。 つまり、「借り入れ」という行為を、自身の資産ポートフォリオの中で最適化するための一つの手段として活用するわけです。
また、常に最新の安全技術や快適装備が搭載されたモデルに乗り換えられるというメリットは、計り知れない安心感と満足感をもたらします。 3~5年というサイクルで車との関係性を見直せるのは、ライフスタイルの変化が激しい現代において、スマートな選択と言えるかもしれません。
ただし、心に留めておくべきは、「車はあくまで自分の所有物ではない」という感覚です。 走行距離を常に気にしたり、小さな傷に神経質になったりするのは、ロールスロイスがもたらすはずの「究極の安らぎ」とは少し違うかもしれません。 もし、一台の車を心から愛し、人生のパートナーとして長く付き合っていきたいと考えるのであれば、最終的に買い取ることを前提にプランを組むか、あるいは現金や通常のローンでの購入を目指すのが、精神的な満足度は高いと私は思います。
よくある質問(Q&A)
最後に、ロールスロイスのバリューローンに関してよく寄せられる細かい質問について、Q&A形式でお答えします。

引用 : ロールスロイスHP
Q1. 法人名義で契約することは可能ですか?
A1. はい、可能です。 多くのロールスロイスオーナーは、法人名義で契約しています。 社用車として経費計上できる(※税務上の判断は顧問税理士にご確認ください)、代表者の交代時に車両を引き継ぎやすいなど、法人契約には多くのメリットがあります。 審査も、個人の場合とは異なり、会社の財務状況や経営実績が重視されます。
Q2. 頭金なし(フルローン)で組むことはできますか?
A2. 理論上は可能ですが、現実的には非常に難しいと言わざるを得ません。 数千万円という高額なローンで頭金がゼロというのは、貸し手側のリスクが非常に高くなるためです。 前述の通り、審査は年収や資産背景を総合的に判断しますが、ある程度の頭金を用意できる経済力があることを示すのは、審査通過のための重要な要素となります。 最低でも車両価格の10%~20%程度は用意しておくのが望ましいでしょう。
Q3. 契約期間の途中で繰り上げ返済はできますか?
A3. はい、可能です。 ロールス・ロイス・ファイナンシャル・サービス、あるいは提携している信販会社の規定によりますが、多くのローンでは繰り上げ返済に対応しています。 一部繰り上げ返済や、全額一括返済など、条件は様々です。 手元資金に余裕ができた際に繰り上げ返済を行うことで、将来支払う金利を減らすことができます。 詳細は契約時に担当者へ確認することをお勧めします。
まとめ
今回は、「ロールスロイスは残クレで購入可能か?」というテーマについて、その仕組みから具体的なシミュレーション、そして所有者としての視点を交えながら詳しく解説してきました。
結論として、ロールスロイスは「バリューローン」という残価設定ローンを利用して購入することが可能です。 その高い残価率のおかげで、月々の支払いを現実的な範囲に抑え、憧れのオーナーになる夢を大きく引き寄せることができます。
しかし、その一方で、高額な金利負担や維持費、そして厳しいローン審査という現実も存在します。 このローンは、単なる支払い方法の一つではなく、ご自身の資産計画やライフプランと密接に関わる、非常に戦略的な選択です。
正規ディーラーの担当者とよく相談し、メリットとデメリットを十分に理解した上で、あなたにとって最適なプランを見つけることが、後悔のないロールスロイス・ライフへの第一歩となるでしょう。 この記事が、あなたのその大きな決断の一助となれば幸いです。