モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、レクサス初のBEV(電気自動車)専用モデルである「RZ」に強い関心を持ちつつも、「自分の年収300万円で購入・維持することは現実的なのだろうか」という点が気になっていると思います。私もジャーナリストとして、そして一人のオーナーとしてRZに触れているので、その魅力と同時にかかる費用の大きさも理解しており、皆様が気になる気持ちはよくわかります。

引用 : レクサスHP
この記事を読み終える頃には、年収300万円でレクサスRZを手に入れるための具体的な道筋と、それに伴う現実的な課題についての疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- 年収300万円での購入における現実的なハードル
- 中古車選びの重要ポイントと具体的な価格相場
- 無理なく購入するための具体的なテクニックとローン戦略
- 購入後に想定されるリアルな年間維持費の完全シミュレーション

レクサスRZの基本情報とオーナーが語る真の魅力
まずは、我々を惹きつけてやまないレクサスRZがどのような車なのか、基本情報と、カタログスペックだけではわからない真の魅力についておさらいしておきましょう。私自身もRZ450eを所有していますが、この車は単なる移動手段ではなく、日常を豊かにしてくれるパートナーだと感じています。

引用 : レクサスHP
レクサスブランド初のBEV専用モデルとしての革新性
レクサスRZは、トヨタグループが満を持して投入したBEV専用プラットフォーム「e-TNGA」を採用した、レクサスブランド初の電気自動車です。これは単にエンジンをモーターに置き換えたモデルとは一線を画し、設計の自由度を最大限に活かして、BEVならではの走行性能と居住空間を追求しています。
低重心設計による安定した走り、モーターならではの静粛性とリニアな加速感は、従来のガソリン車では味わえない独特のドライビング体験をもたらします。特に、四輪駆動力を自在に制御する「DIRECT4」は、発進、加速、コーナリングといったあらゆるシーンで車が路面に吸い付くような安定感を生み出し、運転の楽しさを再認識させてくれる技術です。
グレード構成と新車価格
レクサスRZは、現在主に2つのグレードで構成されています。それぞれの特徴と新車価格を見てみましょう。
グレード名 | 駆動方式 | 新車価格(税込) | 特徴 |
---|---|---|---|
RZ300e “Version L” | 2WD (FF) | 8,200,000円 | 軽快な走りと長い航続距離(599km)を両立したベースグレード。 |
RZ450e “Version L” | AWD | 8,800,000円 | DIRECT4による高次元な走りを実現したハイパフォーマンスグレード。 |
RZ450e “F SPORT Performance” | AWD | 11,800,000円 | 100台限定モデル。専用のエアロパーツやチューニングが施されている。 |
ご覧の通り、新車の価格帯は800万円を超え、まさに高級車のカテゴリーに属します。この価格が、購入を検討する上で最初の大きなハードルとなることは間違いありません。
心を奪われるデザイン性と卓越した乗り心地
RZのデザインは、「シームレスEモーション」というコンセプトのもと、BEVならではの先進性と機能性を表現しています。エンジンがないためフロントグリルは閉じられ、スピンドルボディと呼ばれる一体感のある滑らかな造形が特徴的です。空力性能を追求した流麗なシルエットは、静かで力強い走りを予感させます。

引用 : レクサスHP
インテリアは、人間中心の思想「Tazuna Concept」に基づいて設計されており、運転に必要な操作系が自然と手に届く範囲に配置されています。質感の高い素材と洗練されたデザインが織りなす空間は、まさにレクサスならでは。静粛性が極めて高いため、車内での会話や音楽を心ゆくまで楽しむことができます。乗り心地も非常にしなやかで、路面の凹凸を巧みにいなし、長距離移動でも疲れを感じさせません。
オーナーだからこそ語れるRZの魅力と注意点
私がRZを所有していて最も感じる魅力は、やはりその「異次元の走り」です。アクセルを踏んだ瞬間に、音もなく、しかし力強く加速していく感覚は、一度味わうと病みつきになります。特にコーナリング時の安定感は特筆もので、車重を感じさせない軽快なハンドリングを実現しています。
一方で、注意すべき点もいくつかあります。 一つは「航続距離」です。カタログ上の数値はあくまで理想値であり、特に冬場の暖房使用時や高速走行時には、実際の航続距離が短くなる傾向があります。遠出をする際は、事前の充電計画が不可欠です。
もう一つは「充電インフラ」の問題。自宅に充電設備を設置できればベストですが、マンションなどの集合住宅ではハードルが高い場合があります。また、公共の急速充電器は場所によって混雑していたり、稀に故障していたりすることもあるため、複数の充電スポット候補を常に頭に入れておく必要があります。
これらの注意点は、BEV全般に言えることですが、高級車であるRZだからこそ、購入前にしっかりと理解し、自身のライフスタイルと照らし合わせておくことが重要です。
年収300万円でレクサスRZを購入する現実的な壁
レクサスRZの魅力に触れたところで、本題である「年収300万円で購入は可能なのか?」という現実的なテーマに踏み込んでいきましょう。憧れだけで突っ走るのではなく、まずは数字と向き合い、客観的な事実を把握することが夢への第一歩です。

引用 : レクサスHP
まずは「手取り額」を正確に把握しよう
年収300万円といっても、その全額が自由に使えるわけではありません。所得税や住民税、社会保険料(健康保険、厚生年金など)が天引きされた後の「手取り額」が、実際に生活や車の購入に充てられるお金になります。
一般的に、年収300万円の場合、手取り額は約225万円〜255万円の範囲に収まることが多いです。月々に換算すると、約18.8万円〜21.3万円となります。この金額の中から、家賃、食費、水道光熱費、通信費などの生活費を支払い、残ったお金で車の購入費や維持費を賄っていく必要があります。
車の購入目安「年収の半分」という定説の妥当性
よく「車の購入価格は年収の半分程度が目安」と言われます。これは、ローンの返済や維持費が生活を圧迫しないようにするための、経験則から生まれた一つの基準です。
この定説に当てはめてみると、年収300万円の場合、購入予算の目安は150万円となります。しかし、レクサスRZの新車価格は820万円から。中古車市場でも、現状では600万円前後が中心価格帯です。この時点で、定説からは大きくかけ離れていることがわかります。
もちろん、これはあくまで一般的な目安です。生活環境(実家暮らしか一人暮らしか、など)や価値観によって、車にかけられる金額は大きく変わります。しかし、この定説との乖離が大きいという事実は、購入計画を慎重に進めるべきだというサインと受け止めるべきでしょう。
レクサスRZの中古車市場の現状と価格相場
新車が非現実的である以上、選択肢は中古車に絞られます。レクサスRZは比較的新しいモデルですが、少しずつ中古車市場にも流通し始めています。
2025年現在のレクサスRZの中古車価格相場は、おおよそ以下の通りです。
年式 | 走行距離 | グレード | 価格帯(税込) |
---|---|---|---|
2023年式 | 0.5万km~2万km | RZ450e “Version L” | 600万円 ~ 750万円 |
2023年式 | 0.5万km~2万km | RZ300e “Version L” | 580万円 ~ 720万円 |
(※価格は車両本体価格。登録諸費用などが別途必要)
最も安い個体でも600万円近い価格がついており、「年収の半分」という目安の4倍にも達します。この価格帯の車を年収300万円で購入することが、いかに挑戦的であるかが見て取れます。
ローンシミュレーション:月々の返済額はいくらになるのか?
仮に、600万円の中古車をフルローンで購入した場合、月々の返済額はどのくらいになるのでしょうか。一般的なディーラーローンの金利(年3.9%)でシミュレーションしてみましょう。
【シミュレーション条件】
- 借入額:600万円
- 金利:年3.9%
- 頭金・ボーナス払い:なし
返済期間 | 月々の返済額 | 総支払額 |
---|---|---|
5年(60回) | 約110,300円 | 約6,618,000円 |
7年(84回) | 約81,700円 | 約6,863,000円 |
10年(120回) | 約60,400円 | 約7,248,000円 |
手取り月収が約20万円前後であることを考えると、7年ローンでも月々8万円以上の返済は、生活を極度に切り詰めなければ不可能です。食費や交際費を削り、趣味や娯楽を全て諦める覚悟が必要になるかもしれません。さらに、この返済に加えて、後述する高額な維持費が毎年かかってきます。
結論:年収300万円で「そのまま」買うのは無謀に近い
これらの事実から導き出される結論は、**「年収300万円の方が、特別な準備や工夫なしにレクサスRZを購入するのは、極めて無謀に近い」**ということです。
しかし、ここで諦める必要はありません。「そのまま」では無理でも、やり方次第で可能性の扉を開くことはできます。次の章では、そのための具体的なテクニックを、私自身の経験も踏まえて徹底的に解説していきます。
年収300万円でもレクサスRZを手に入れるための具体的テクニック
現実の厳しさを直視した上で、それでも憧れのレクサスRZを手に入れるための具体的な戦略を考えていきましょう。これらは一朝一夕に実現できるものではありませんが、計画的に実行することで、夢を現実に引き寄せることができます。

引用 : レクサスHP
テクニック①:頭金を最大限に用意する(最重要項目)
これが最も重要かつ効果的なテクニックです。頭金を多く用意できれば、その分ローン借入額を減らすことができます。借入額が減れば、月々の返済額を抑えられるだけでなく、ローンの審査自体にも通りやすくなるという大きなメリットがあります。
なぜ頭金が重要なのか?
頭金の効果は絶大です。先ほどの600万円のローンシミュレーションを、頭金を用意した場合で再計算してみましょう。
【シミュレーション条件】
- 車両価格:600万円
- 返済期間:7年(84回)
- 金利:年3.9%
頭金額 | 借入額 | 月々の返済額 | 総支払額 |
---|---|---|---|
0円 | 600万円 | 約81,700円 | 約6,863,000円 |
100万円 | 500万円 | 約68,100円 | 約6,718,000円 |
200万円 | 400万円 | 約54,500円 | 約6,574,000円 |
300万円 | 300万円 | 約40,900円 | 約6,427,000円 |
いかがでしょうか。頭金を300万円(車両価格の半分)用意できれば、月々の返済額は約4万円まで下がります。この金額であれば、手取り20万円の中からでも、なんとか捻出できる範囲に入ってきます。また、総支払額も40万円以上抑えることができます。
目標とすべき頭金の額と貯め方
理想は、車両価格の半分である300万円を目標にすることです。これは決して簡単な金額ではありません。しかし、強い意志を持って計画的に貯蓄すれば、不可能な数字ではありません。
- 具体的な目標設定: 「3年で300万円貯める」など、期間と金額を明確にします。この場合、1年で100万円、1ヶ月あたり約8.4万円の貯蓄が必要です。
- 先取り貯金: 給料が入ったら、まず貯蓄額を別の口座に移し、残ったお金で生活する習慣をつけます。
- 固定費の見直し: スマートフォンのプランを格安SIMに変える、不要なサブスクリプションを解約するなど、毎月必ず出ていくお金を削減します。
- 収入を増やす: 副業を始める、スキルアップして昇給を目指すなど、収入源を増やす努力も有効です。
時間はかかりますが、この貯蓄期間は、本当にRZが必要か、自分のライフスタイルに合っているかをじっくり考える良い機会にもなります。
テクニック②:中古車選びを徹底的にこだわる
借入額を少しでも減らすために、より安価で状態の良い中古車を見つける努力も欠かせません。
狙い目の年式・グレード・走行距離
- グレード: 高性能なAWDの「RZ450e」よりも、価格が若干安いFFの「RZ300e」を狙うのが現実的です。航続距離もRZ300eの方が長いため、実用面でのメリットもあります。
- 走行距離: BEVは走行距離よりも年式やバッテリーの状態が重要視されます。過度に低走行にこだわらず、少し走行距離が伸びていても価格がこなれている個体を探しましょう。目安としては3万km以内であれば問題ないでしょう。
- タイミング: モデルイヤーの切り替わりや、マイナーチェンジの直後などは、旧モデルの中古車価格が下がる傾向にあります。市場の動向を常にチェックしましょう。
中古BEV購入時の最重要チェックポイント
中古の電気自動車を購入する際に、ガソリン車以上に注意すべきなのが**「バッテリーの状態」**です。
- SOH(State of Health)の確認: SOHとはバッテリーの劣化度を示す指標で、新品を100%として表されます。これが低いと、満充電しても走行できる距離が短くなります。可能であれば、販売店に専用の診断機でSOHを測定してもらいましょう。90%以上が理想です。
- 保証の継承: レクサスはBEVのバッテリーに対して「10年または20万km」の保証(容量70%以下)を付けています。中古車でもこの保証が継承できるか、必ず確認してください。
- 充電ポートの状態: 充電ケーブルの抜き差しを繰り返す部分なので、傷や破損がないか確認します。
- 付属品の有無: 自宅で充電するための普通充電ケーブルが付属しているかどうかも重要です。
テクニック③:ローンの種類と組み方を工夫する
ローンを組む際は、ディーラー任せにせず、自分に合った有利なプランを主体的に選ぶことが重要です。
残価設定型ローンのメリット・デメリット
「残価設定型ローン」は、数年後の下取り価格(残価)をあらかじめ車両価格から差し引き、残りの金額を分割で支払うプランです。月々の支払額を大幅に抑えられるメリットがあります。
- メリット: 通常のローンよりも月々の返済額が圧倒的に安くなる。
- デメリット:
- 最終回に「車両を返却」「残価を一括で支払って買い取る」「再ローンを組む」の選択が必要。
- 走行距離制限や車両の傷に対する規定が厳しい。
- 金利は残価を含めた車両価格全体にかかるため、総支払額は割高になることが多い。
- 最終的に自分のものにならない可能性がある。
月々の負担を軽くしてでもRZに乗りたい、という場合には有効な選択肢ですが、仕組みをよく理解しないまま契約すると後で困ることになるため、注意が必要です。
低金利ローンの探し方
ディーラーローンよりも金利が低い傾向にあるのが、銀行系のマイカーローンです。メガバンクや地方銀行、信用金庫などが扱っており、金利は年1%台~2%台という場合もあります。
金利が1%違うだけでも、総支払額は数十万円単位で変わってきます。審査はディーラーローンより厳しい傾向にありますが、挑戦してみる価値は十分にあります。複数の銀行のウェブサイトで仮審査を申し込んで比較検討しましょう。
レクサスRZのリアルな年間維持費を徹底解説
車両を購入できたとしても、それで終わりではありません。むしろ、そこからが本当のスタートです。ここでは、レクサスRZを所有した場合にかかる年間の維持費を、項目ごとに詳しくシミュレーションしていきます。
維持費の内訳一覧(年間シミュレーション)
以下は、年間走行距離を10,000kmと仮定した場合の、おおよその年間維持費です。
費用項目 | 金額(年間) | 備考 |
---|---|---|
自動車税 | 約6,200円 | BEV減税適用後(通常25,000円の75%減) |
車検費用 | 約50,000円 | 2年ごとなので年額換算。法定費用+基本整備料。 |
メンテナンス費用 | 約20,000円 | タイヤローテーション、ワイパー交換、エアコンフィルター交換など。 |
充電費用(電気代) | 約45,000円 | 自宅充電メインの場合。電費6km/kWh、電気料金30円/kWhで計算。 |
任意保険料 | 約150,000円 | 20代、新規契約、車両保険付きの場合。 |
駐車場代 | 約120,000円 | 月額10,000円と仮定。 |
合計(年間) | 約391,200円 | |
月額換算 | 約32,600円 |
このシミュレーションから、ローン返済とは別に、毎月約3.3万円の維持費がかかることがわかります。ローン返済額と合わせると、月々の車関連の支出は7万円を超える可能性があります。
①自動車税(BEVの優遇措置)
RZのような電気自動車は、環境性能に優れるため税金面で大きく優遇されています。自動車税は、新規登録の翌年度分が75%軽減され、通常25,000円のところ約6,200円となります。これはガソリン車と比べて大きなメリットです。
②車検費用
車検は2年に一度必要です。費用は法定費用(自賠責保険料、印紙代など)と整備費用で構成されます。BEVはエンジン関連の部品がないため、整備項目が少なく、ガソリン車よりも安く済む傾向にあります。ディーラーで約12万円~、民間の車検工場なら10万円前後が相場です。ここでは年間換算で約50,000円とします。
③メンテナンス費用
BEVの最大のメリットの一つが、メンテナンスの手間と費用が少ないことです。エンジンオイル、オイルフィルター、スパークプラグなどの交換が一切不要です。定期的な交換が必要なのは、ワイパーブレード、エアコンフィルター、ブレーキフルード程度。タイヤの摩耗は車重があるためガソリン車より早い傾向にありますが、それでも年間のメンテナンス費用は約20,000円程度に収まるでしょう。
④充電費用(電気代)
維持費を大きく左右するのが充電費用です。
- 自宅充電: 最もコストを抑えられる方法です。電気料金の安い深夜電力を利用すれば、ガソリン代に比べて圧倒的に安くなります。年間10,000km走行した場合、年間の電気代は約45,000円程度です。
- 外部充電(急速充電): 外出先での充電は、自宅充電よりも割高になります。充電カードの月額基本料や、充電時間に応じた従量課金がかかります。頻繁に利用すると、維持費が跳ね上がる要因になります。
基本は自宅充電、遠出の時だけ急速充電、という使い方が賢い選択です。
⑤任意保険料
任意保険料は、車両価格が高いレクサスRZの場合、高額になる傾向があります。特に、盗難や事故に備える「車両保険」に加入すると、保険料は大きく上がります。年齢や等級によって大きく変動しますが、若い方が新規で契約する場合、年間15万円~20万円程度は見ておく必要があります。複数の保険会社から見積もりを取り、比較検討することが必須です。
レクサスRZ購入に関するQ&A
最後に、年収300万円で購入を検討する方が特に気になるであろう点を、Q&A形式でまとめました。
バッテリーの寿命や交換費用は?保証はどこまで?
レクサスはRZに搭載されるバッテリーに対し、**「10年または20万km走行時点のバッテリー容量70%以上」**を保証しています。これは業界でもトップクラスの手厚い保証であり、通常の使用で10年以内にバッテリー性能が著しく低下する心配はほとんどないと言えるでしょう。
万が一、保証期間外でバッテリー交換が必要になった場合、費用は数百万円単位と非常に高額になります。そのため、中古車を購入する際は、この長期保証がしっかり継承されるかを確認することが極めて重要です。
ガソリン車からの乗り換えで戸惑う点は?
最も大きな違いは、やはり「エネルギー補給」の考え方です。ガソリンスタンドのように数分で満タンになるわけではなく、充電には時間がかかります。
- 普通充電: 空の状態から満充電まで十数時間。
- 急速充電: 30分で80%程度まで回復。
日々の移動は帰宅後の自宅充電で賄い、週末の遠出の前には満充電にしておく、といった計画的な運用が求められます。航続距離を意識し、「電欠」への不安とどう付き合っていくかが、BEVライフに慣れるための鍵となります。
リセールバリューは期待できる?
BEVの中古車市場はまだ発展途上であり、数年後のリセールバリューを正確に予測するのは困難です。一般的に、バッテリーの劣化が懸念されるBEVは、ガソリン車に比べてリセールバリューが低くなる傾向がありました。
しかし、レクサスブランドの信頼性やRZ自体の魅力、そして手厚いバッテリー保証があるため、他のBEVよりは高いリセールバリューを維持する可能性があります。とはいえ、ガソリン車の人気モデル(例えばアルファードやランドクルーザー)のような、驚くほど高いリセールを期待するのは避けた方が賢明でしょう。
まとめ
今回は、「年収300万円でレクサスRZは買えるのか」というテーマについて、ジャーナリスト兼オーナーの視点から徹底的に掘り下げてきました。
結論として、何の準備もなしに購入するのは無謀ですが、明確な目標を立て、計画的に準備を進めれば、その夢は決して不可能ではありません。
重要なのは、以下の3つのポイントです。
- 現実を直視する: 年収300万円の手取り額と、RZの車両価格・維持費を数字で正確に把握し、そのギャップを認識すること。
- 借入額を徹底的に減らす: 車両価格の半分を目標に頭金を貯めること。これが最も効果的な戦略です。
- 購入後の生活をシミュレーションする: ローン返済と高額な維持費を払いながら、無理なく生活していけるか、具体的な収支計画を立てること。
レクサスRZは、間違いなく素晴らしい車です。その卓越した走りと静粛性、洗練されたデザインは、日々の生活に彩りと興奮を与えてくれます。だからこそ、一時の感情で無理な購入をして、その後の生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。
この記事が、あなたの夢を叶えるための一助となれば幸いです。焦らず、しかし着実に計画を進め、憧れのレクサスRZのステアリングを握る日を目指してください。