モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、レクサEス初のBEV(電気自動車)専用モデル「RZ」について、「購入後に後悔する」「維持費、特にタイヤ代が高いらしい」といった噂の真相が気になっているのではないでしょうか。私も実際にレクサスRZ450e “version L”を所有しており、その乗り味や維持費については日々実感しているところなので、皆さんが気になる気持ちはよくわかります。

引用 : レクサスHP
レクサスRZは、BEVならではの静粛性や滑らかな加速、そしてレクサスらしい上質な内外装を兼ね備えた魅力的な一台です。しかし、その一方で、特に維持費の面で事前に知っておくべき重要なポイントがいくつか存在します。
この記事を読み終える頃には、レクサスRZの維持費に関する疑問が解決し、あなたがRZを購入すべきかどうかの判断材料が揃っているはずです。
記事のポイント
- レクサスRZの後悔と言われる理由の徹底解説
- タイヤ代を含むリアルな年間維持費シミュレーション
- オーナーが語るRZの本当の魅力と注意点
- 後悔しないための賢いレクサスRZ購入ガイド

レクサスRZで後悔する人が続出?噂される5つの理由
「レクサスRZは後悔する」という声が、なぜ一部で聞かれるのでしょうか。私自身もオーナーとして、またジャーナリストとして様々な情報を収集する中で、いくつかの理由が浮かび上がってきました。
購入を検討している方にとっては、ネガティブな情報は特に気になる部分だと思います。ここでは、噂の真相を5つの側面に分けて、深く掘り下げていきましょう。

引用 : レクサスHP
理由1:想定以上にかさむタイヤの維持費
レクサスRZで後悔する最大の理由として挙げられるのが、このタイヤ問題です。なぜRZのタイヤはこれほど高額になるのでしょうか。理由は大きく3つあります。
1. 大径かつ特殊なタイヤサイズ
レクサスRZはグレードによって18インチと20インチのタイヤを装着しますが、特に上位グレードの20インチは前後で異なるサイズを採用しています(フロント:235/50R20、リア:255/45R20)。この前後異径サイズは、走行性能を高める一方で、タイヤローテーション(前後入れ替え)ができないというデメリットを生みます。これにより、特に駆動力がかかるタイヤの摩耗が早まる傾向にあります。
2. BEVの重量とトルクに対応する専用タイヤ
RZの車両重量は約2.1トンにも及びます。この重い車体を支え、モーターの瞬間的な大トルクを路面に伝えるためには、高剛性で静粛性にも優れたBEV専用設計のタイヤが求められます。これらのタイヤは特殊なコンパウンドや構造を採用しているため、必然的に価格が高くなります。
3. 選択肢の少なさ
発売当初、20インチの純正タイヤはダンロップ製の1銘柄のみで、選択肢が非常に限られていました。現在では他メーカーからも対応タイヤが登場しつつありますが、一般的なサイズのタイヤに比べればまだまだ選択肢は少なく、価格競争も起きにくい状況です。
これらの要因が重なり、20インチの場合、タイヤ4本を交換すると工賃込みで25万円〜35万円という高額な費用がかかるのが現実です。さらに、降雪地域にお住まいの方であれば、これに加えてスタッドレスタイヤとホイールのセットが必要になります。こちらも安価なものではなく、30万円〜50万円程度の出費を覚悟する必要があります。
夏タイヤと冬タイヤを合わせると、数年に一度、合計で50万円以上の出費が発生する可能性があるのです。これは、同クラスのガソリンSUVと比較しても突出して高く、「聞いていたけど、ここまでとは…」と後悔する方がいるのも無理はないでしょう。
理由2:航続距離への不満と充電インフラの問題
BEVにおいて最も重要な性能の一つが航続距離です。RZ450eのカタログ値(WLTCモード)は最大534km(18インチモデル)とされていますが、これはあくまで理想的な条件下での数値です。
カタログ値と実航続距離のギャップ
実際の航続距離は、エアコンの使用状況、外気温、走行スタイルによって大きく変動します。特に、バッテリー性能が低下する冬場は、航続距離が300kmを下回ることも珍しくありません。私の経験上でも、高速道路を主体とした長距離移動では、実質的に250km〜300kmごとに充電計画を立てる必要があります。
この「思ったより走らない」という感覚は、初めてBEVを所有する方にとっては大きなストレスになり得ます。頻繁な充電は手間ですし、精神的な余裕も失われがちです。
充電インフラの課題
自宅に充電設備(200Vの普通充電)を設置できる環境は、RZを快適に運用するための必須条件と言えます。夜間に充電しておけば、日常的な使用で困ることはほとんどありません。
問題は、長距離移動時の急速充電です。日本の高速道路のSA/PAや道の駅には急速充電器が設置されていますが、その数はまだ十分とは言えません。週末や連休には充電待ちの列ができることもありますし、運悪く充電器が故障しているケースにも遭遇します。
また、急速充電器の出力も様々で、低出力の充電器では思うように充電が進まず、計画が大幅に狂うこともあります。こうした充電に関するストレスが、RZでのカーライフに影を落とし、後悔につながる一因となっているのです。
理由3:車両重量がもたらすデメリット
RZの約2.1トンという車両重量は、BEVならではの低重心と相まって、高速走行時の優れた安定感を生み出しています。しかし、その重さがデメリットとして作用する場面も少なくありません。
機械式駐車場に入らない問題
都心部で特に問題となるのが、機械式駐車場の利用制限です。多くの機械式駐車場には重量制限(一般的に2.0トン以下)があり、RZは利用できないケースが頻発します。外出先で駐車場探しに苦労するのは、想像以上にストレスが溜まるものです。この問題は、マンションの駐車場が機械式の場合、購入そのものを断念せざるを得ないことにもつながります。
運転感覚への影響
RZの走りは非常に滑らかで静かですが、その一方で、ワインディングロードなどを走らせると、車体の重さを意識させられる瞬間があります。軽快にコーナーを駆け抜ける、というよりは、「よっこいしょ」と車体を曲げていくような感覚です。もちろん、電動駆動AWDシステム「DIRECT4」が巧みに制御してくれるため不安はありませんが、人によってはこの重厚な動きを「スポーティーではない」と感じるかもしれません。
理由4:リセールバリューへの懸念
車を所有する上で、将来手放す際のリセールバリューは重要な要素です。この点において、BEVはまだ発展途上の市場であり、いくつかの懸念材料があります。
バッテリーの経年劣化
BEVの心臓部であるバッテリーは、スマートフォンのバッテリーと同様に、時間とともに少しずつ劣化していきます。レクサスは「10年20万kmで電池容量70%以上」という手厚い保証を付けていますが、中古車市場ではバッテリーの劣化具合が査定額に大きく影響することは避けられません。
技術の進化とモデルサイクルの速さ
BEVの技術は日進月歩です。数年後には、より高性能なバッテリーを搭載し、航続距離が飛躍的に伸びた新型車が登場している可能性が高いでしょう。そうなった時、現行モデルの中古車価格が大きく下落するリスクは、ガソリン車以上に高いと考えられます。
現状、レクサスブランドの信頼性からRZのリセールバリューは他のBEVと比較して健闘していますが、3年後、5年後にどうなっているかは不透明な部分が多く、この先行き不透明感が購入への不安、そして売却時の後悔につながる可能性があります。
理由5:レクサスならではの期待値とのギャップ
最後に、これは性能やコストとは少し違う、感性的な部分での後悔です。「レクサス」というブランドに対してユーザーが抱く高い期待値と、実際のRZとの間にわずかなギャップが存在するという指摘です。

引用 : レクサスHP
特に比較対象となるのが、兄弟車であるトヨタの「bZ4X」です。プラットフォームを共有しているため、骨格や一部の部品は共通です。もちろん、RZは内外装の素材やデザイン、静粛性を高めるための作り込み、そして「DIRECT4」による走り味など、明確にbZ4Xとは異なる上質な体験を提供してくれます。
しかし、スイッチ類の一部など、細部に目を向けるとbZ4Xと共通のパーツが見受けられます。価格差を考えると、「もう少しレクサスならではの特別感が欲しかった」と感じるユーザーがいるのも事実です。800万円を超える価格帯の車として、細部に至るまで完璧なクオリティを期待するからこそ、こうした小さな点が気になり、後悔とまではいかなくても、少しのがっかり感につながってしまうのかもしれません。
レクサスRZのリアルな年間維持費を徹底シミュレーション
「後悔の理由」を理解した上で、次に気になるのが具体的な年間の維持費でしょう。噂だけでなく、実際の数字を見ることで、RZとの付き合い方がより明確になります。ここでは、私のRZ450e “version L”(20インチタイヤ装着車)をモデルケースに、年間の維持費をリアルに計算してみます。
最も高額?タイヤにかかる費用(夏・冬)
前述の通り、維持費の最大の焦点はタイヤです。ここでは、タイヤの寿命を3年(約30,000km)と仮定し、年間の費用を算出します。
項目 | 費用目安(3年分) | 年間換算費用 | 備考 |
---|---|---|---|
夏タイヤ (20インチ) | 300,000円 | 100,000円 | ダンロップ SP SPORT MAXX 060、工賃込み |
冬タイヤ+ホイール (20インチ) | 450,000円 | 150,000円 | ブリヂストン BLIZZAK DM-V3+社外ホイール |
合計(降雪地域の場合) | 750,000円 | 250,000円 | – |
合計(非降雪地域の場合) | 300,000円 | 100,000円 | – |
降雪地域にお住まいの場合、タイヤだけで年間25万円もの費用がかかる計算になります。これは車にかかるコストとして非常に大きな割合を占めます。非降雪地域であっても年間10万円は、決して無視できない金額です。この費用を許容できるかどうかが、RZ購入の大きな分かれ道となるでしょう。
自動車税と重量税はどのくらい?
BEVの大きなメリットの一つが、税金の優遇措置です。
- 自動車税(グリーン化特例): 新車登録翌年度は75%軽減され、6,500円となります。通常は25,000円です。
- 自動車重量税(エコカー減税): RZは重量が2.0トン超2.5トン以下のため、本来は2年で41,000円ですが、新車登録時および初回車検時は100%免税となります。
購入時や初回車検時の税負担は、ガソリン車に比べて大幅に軽くなります。これはBEVを選ぶ明確なメリットと言えるでしょう。
任意保険料の相場は?
任意保険料は、年齢、等級、補償内容、そして車両保険の有無によって大きく変わります。RZは車両価格が高額なため、万が一の事故に備えて車両保険への加入は必須です。
以下は、あくまで一例としてのシミュレーションです。
- 条件: 35歳、ゴールド免許、20等級、本人・配偶者限定、対人・対物無制限、車両保険(一般条件、免責5-10万円)
- 年間保険料の目安: 約80,000円〜120,000円
エコカー割引などが適用される保険会社もありますが、車両価格が高いため、保険料はそれなりの金額になります。
日々のランニングコスト(電気代・充電費用)
ガソリン代がかからない代わりに、電気代が日々のランニングコストとなります。
自宅充電の場合
最も経済的な充電方法です。
- 条件: 電力契約プラン「スマートライフプラン」(東京電力、夜間電力単価 約28円/kWh)で充電
- RZのバッテリー容量: 71.4kWh
- 計算: 71.4kWh × 28円/kWh ≒ 約2,000円(満充電1回あたり)
- 年間電気代: 年間10,000km走行、電費6.0km/kWhと仮定すると、約1,667kWhの電力を消費。
- 1,667kWh × 28円/kWh ≒ 約47,000円
外出先での急速充電
充電サービスカードを利用するのが一般的です。
- e-Mobility Power: 急速充電プラン 月額4,180円(50分まで無料)など
- 急速充電を多用すると、自宅充電に比べてコストは割高になります。
ガソリン車との燃料費比較
比較対象として、同クラスのSUV「レクサスNX350h」(ハイブリッド)を考えてみましょう。
- 条件: 年間10,000km走行、ハイブリッド燃費 20.0km/L、レギュラーガソリン価格 175円/L
- 年間ガソリン代: (10,000km ÷ 20.0km/L) × 175円/L = 87,500円
自宅充電をメインに運用すれば、燃料費はハイブリッド車のおよそ半分程度に抑えることが可能です。
メンテナンス・車検費用
BEVはエンジンオイルやフィルター類の交換が不要なため、メンテナンス費用は比較的安価に抑えられます。

引用 : レクサスHP
- 定期点検: レクサスのメンテナンスプログラムに含まれていることが多いですが、実費の場合は1回あたり15,000円〜30,000円程度。
- 消耗品: ブレーキフルード、エアコンフィルター、ワイパーゴムなどが主な交換部品です。回生ブレーキのおかげでブレーキパッドの摩耗はガソリン車より穏やかです。
- 初回車検費用: 税金が免除されるため、法定費用は自賠責保険料と印紙代のみ。整備費用を含めて10万円〜15万円程度が目安となります。
【結論】レクサスRZの年間維持費は合計いくら?
これまでの項目を合計し、年間維持費のモデルケースを算出します。
項目 | レクサス RZ450e (降雪地域) | レクサス RZ450e (非降雪地域) | レクサス NX350h (参考) |
---|---|---|---|
タイヤ関連費 | 250,000円 | 100,000円 | 80,000円 |
税金 (自動車税) | 25,000円 | 25,000円 | 36,000円 |
任意保険料 | 100,000円 | 100,000円 | 90,000円 |
燃料費/電気代 | 47,000円 | 47,000円 | 87,500円 |
メンテナンス費 | 20,000円 | 20,000円 | 30,000円 |
年間維持費 合計 | 約442,000円 | 約292,000円 | 約323,500円 |
月間維持費 | 約36,800円 | 約24,300円 | 約27,000円 |
※新車登録から2年目以降、タイヤ寿命3年、年間走行距離10,000kmと仮定したシミュレーションです。 ※車検費用は別途2年に1回かかります。
この表からわかるように、降雪地域でRZを所有する場合、年間維持費はNX350hよりも10万円以上高くなる可能性があります。その差のほとんどはタイヤ代です。一方で、非降雪地域であれば、タイヤ代を含めてもNX350hより維持費を安く抑えられる可能性があります。
つまり、レクサスRZの維持費が高いかどうかは、**「冬タイヤが必要な環境にあるかどうか」**に大きく左右されると言えるでしょう。
後悔だけじゃない!レクサスRZオーナーが語る本当の魅力
ここまでRZのネガティブな側面やコストについて詳しく解説してきましたが、もちろん、それを補って余りある素晴らしい魅力がRZにはあります。そうでなければ、私自身がこの車を所有し続けることはないでしょう。ここでは、オーナーだからこそ語れるRZの真の魅力についてお伝えします。

引用 : レクサスHP
異次元の静粛性と滑らかな加速フィール
RZのドアを開けて乗り込み、走り出した瞬間に誰もが驚くのが、その圧倒的な静粛性です。エンジン音や振動が一切ないのはもちろんのこと、ロードノイズや風切り音も徹底的に抑え込まれています。まるで、外の世界から一枚の膜で隔てられたような静かな空間で、移動そのものが上質な体験に変わります。
そして、アクセルを踏み込んだ時の加速は、まさにBEVの真骨頂です。タイムラグなく、モーターが滑らかかつ力強く車体を押し出します。特に、四輪の駆動力を緻密に制御する「DIRECT4」の恩恵は絶大で、カーブの立ち上がりなどでも車体が安定したまま、狙ったラインを正確にトレースしていく感覚は、これまでのガソリン車では味わえなかったものです。この静かで滑らかなのに、どこまでも力強いという二面性こそ、RZの走りの最大の魅力です。
洗練されたエクステリアとインテリアデザイン
レクサスの象徴であったスピンドルグリルを廃し、BEVとしての新たなアイデンティティを表現した「スピンドルボディ」は、非常に洗練されており、未来的でありながらエレガントです。街中でも存在感があり、所有する喜びを満たしてくれます。
インテリアも同様に、上質さと先進性が見事に融合しています。手触りの良い素材が随所に使用され、オプションの輻射熱ヒーターは、まるで陽だまりの中にいるような優しい暖かさで乗員を包み込みます。14インチの大型タッチディスプレイは視認性・操作性ともに良好で、BEVならではのミニマルな空間デザインと相まって、非常に居心地の良いキャビンを作り上げています。
優れた乗り心地と操縦安定性
約2.1トンという車両重量は、デメリットばかりではありません。重いバッテリーを床下に敷き詰めることによる低重心パッケージは、走行安定性に大きく貢献しています。高速道路でのレーンチェンジや、少しきつめのカーブでも、車体は常にフラットな姿勢を保ち、乗員に不安を感じさせません。
また、路面の凹凸に応じて減衰力を最適化する「周波数感応式アブソーバー」の効果も絶大です。細かな振動はしなやかにいなし、大きなうねりでは車体の揺れをピタリと収束させます。この優れた乗り心地のおかげで、長距離を移動しても疲れが少なく、どこまでも走り続けていたいと思わせてくれます。
国や自治体から受けられる補助金のメリット
高額な車両本体価格を補う上で、補助金の存在は非常に重要です。2024年度の国のCEV補助金では、レクサスRZは85万円の交付が受けられます。
さらに、お住まいの地方自治体によっては、独自の補助金制度を設けている場合があります。例えば、東京都では国の補助金に上乗せして数十万円の補助が受けられるため、購入時の負担を大幅に軽減できます。これらの補助金を活用すれば、実質的な購入価格は同クラスのガソリン車と遜色ないレベルになることもあります。
レクサスの充実したオーナーサポート
レクサスならではの手厚いおもてなしとサポートも、大きな魅力の一つです。24時間365日対応のオーナーズデスクは、ナビの目的地設定からレストランの予約まで、まるでコンシェルジュのようにサポートしてくれます。
また、BEVオーナー向けには、全国のレクサス販売店での充電器利用や、前述の充電カード「e-Mobility Power」の月会費を3年間サポートしてくれるプログラムも用意されています。こうした手厚いサポートがあるからこそ、初めてのBEVでも安心して乗り出すことができるのです。
レクサスRZ購入で後悔しないためのチェックポイント
さて、RZのネガティブな側面と魅力の両方を理解した上で、最後にあなたがRZを購入して後悔しないために、事前に確認すべき4つのポイントを提案します。
あなたのライフスタイルにRZは合っているか?
まず最も重要なのが、あなたのカーライフとRZの特性がマッチしているかです。以下の点を確認してみてください。
- 自宅に充電設備を設置できるか?: 月極駐車場などで設置が難しい場合、RZを快適に運用するのは困難です。
- 主な使用用途と1日の走行距離は?: 片道100km以上の長距離通勤や、仕事で毎日長距離を走るような使い方には、現状のRZはあまり向いていません。日々の買い物や送迎、週末のドライブがメインの方に最適です。
- 降雪地域に住んでいるか?: 年間25万円にものぼるタイヤ代を許容できるか、冷静に判断する必要があります。
必ず試乗して確認すべきポイント
カタログスペックやレビューだけではわからないことはたくさんあります。必ず、できれば長時間、ディーラーで試乗車を借りて、普段使う道を走ってみることを強くお勧めします。
- 航続距離表示のリアルな数字: 満充電で表示される航続距離や、実際に走った後のバッテリーの減り具合を確認しましょう。
- 乗り心地と静粛性: あなたが心地よいと感じるか、同乗者の評判はどうかを確認します。
- 車両感覚と取り回し: 全幅1,895mmというサイズは、日本の道路では決して小さくありません。駐車のしやすさなどを実際に試してみてください。
ライバル車種との比較検討
RZの購入を決める前に、国内外のライバルとなるBEVと比較検討することも重要です。それぞれの車に個性があり、あなたにとって最適な一台が他に見つかるかもしれません。
車種 | 本体価格帯 | 航続距離(WLTC) | 特徴 |
---|---|---|---|
レクサス RZ450e | 880万円〜 | 534km | レクサス品質の乗り心地と静粛性、DIRECT4の走り |
テスラ モデルY RWD | 563万円〜 | 507km | 圧倒的な加速性能、シンプルな内装、独自の充電網 |
日産 アリア B6 | 539万円〜 | 470km | 上質な内外装、プロパイロット2.0の先進性 |
メルセデス・ベンツ EQC | 990万円〜 | 400km | メルセデスらしい重厚な乗り味と高級感 |
維持費、特にタイヤの費用を許容できるか
最後に、この記事で何度も触れてきた維持費の問題です。再度、年間のシミュレーション額を確認し、ご自身の家計と照らし合わせてみてください。特にタイヤ代は、決して見過ごせない大きな出費です。このコストを「RZの素晴らしい走り味と体験を得るための対価」として納得できるかどうかが、購入後の満足度を大きく左右します。
まとめ
今回は、「レクサスRZは購入後に後悔する」という噂の真相について、オーナーとしての視点も交えながら徹底的に解説しました。
結論として、レクサスRZは**「万人受けする車ではなく、ライフスタイルや価値観が合う人にとっては、最高のパートナーになり得る一台」**だと言えます。
確かに、20インチ仕様のタイヤ代は非常に高額であり、航続距離や充電インフラにはまだ課題が残ります。これらのデメリットを理解せず、レクサスというブランドイメージだけで購入してしまうと、「こんなはずではなかった」と後悔につながる可能性は否定できません。
しかし、その一方で、RZがもたらす異次元の静粛性と滑らかな走行フィール、洗練されたデザイン、そして優れた乗り心地は、高額な維持費を払ってでも手に入れたいと思わせるほどの魅力に満ちています。
レクサスRZの購入を検討する際は、ぜひ本レビューで挙げたチェックポイントを確認し、ご自身のカーライフに本当にマッチするのかをじっくりと見極めてください。そして、試乗を通じてその唯一無二の走りを体感してみてください。この記事が、あなたの賢いクルマ選びの一助となれば幸いです。