モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「いつかはベントレーに乗ってみたいけれど、自分のような一般人でも本当に購入できるのだろうか?」という期待と不安が入り混じった気持ちをお持ちだと思います。 私も実際に初めてベントレーの正規ディーラーに足を踏み入れた時の高揚感と、同時に感じた少しの気後れを今でも鮮明に覚えていますので、その気になる気持ちはよくわかります。

引用 : ベントレーHP
この記事を読み終える頃には、ベントレーの購入に関する具体的な方法や条件、そして必要な費用の疑問が解決し、憧れへの道筋が明確になっているはずです。
記事のポイント
- ベントレー購入に特別な資格や職業制限は一切不要
- 購入方法は新車、認定中古車、一般中古車と多岐にわたる
- 年収の目安は存在するがライフスタイル次第で実現可能
- 維持費を含めた長期的な資金計画が最も重要

ベントレーは一般人でも購入できるのか?結論から解説
多くの人が憧れを抱く英国の最高級自動車メーカー、ベントレー。 その圧倒的な存在感と数千万円という価格から、「会社経営者や医者、あるいは代々続く資産家といった、ごく一部の選ばれた人間しか所有できないのではないか」というイメージが先行しているようです。 私の元にも、「ベントレーの購入には厳しい審査があると聞いたのですが本当ですか?」といった質問が頻繁に寄せられます。

引用 : ベントレーHP
ここでは、長年多くの高級車に触れ、自身もベントレーオーナーである私の視点から、その真実を率直にお伝えします。
結論:購入条件はなく、誰でも購入可能
早速、核心からお伝えしましょう。 ベントレーを購入するにあたって、職業や社会的地位、家柄といった特別な購入条件や資格は一切存在しません。 極端な話、購入に必要な資金さえ用意できれば、学生であろうと、フリーターであろうと、誰でもベントレーのオーナーになることが可能です。
正規ディーラーが顧客を選ぶ、といったことも基本的にはありません。 もちろん、反社会勢力に属しているなど、社会通念上問題があると判断された場合は別ですが、それはベントレーに限った話ではありません。 「一般人だから」という理由で購入を断られることはまずあり得ないと考えて良いでしょう。 大切なのは、その車を本当に愛し、所有したいという情熱と、それに見合う対価を支払うことができる経済力、この2点に尽きます。
「審査」の噂は本当か?ローンの審査について
では、なぜ「ベントレーには審査がある」という噂が根強く残っているのでしょうか。 これは、おそらく「ローンを利用する場合の与信審査」と混同されている可能性が非常に高いです。
当然ながら、数千万円もの高額な車両をローンで購入する際には、信販会社やファイナンス会社による厳格な審査が行われます。 これはベントレーだから特別に厳しいというわけではなく、借入額に応じた返済能力があるかどうかを判断するための、ごく一般的な手続きです。
審査の基準は信販会社によって異なりますが、主に以下のような項目がチェックされます。
- 年収と勤続年数: 安定した収入が継続的にあるか。
- 勤務先の情報: 企業の規模や安定性。
- 信用情報: 過去のローン返済やクレジットカードの支払いにおける遅延や滞納の有無。
- 既存の借入状況: 他社からの借入額や件数。
車両価格が高額なため、求められる年収のハードルは他の車種に比べて高くなる傾向はありますが、「ベントレー独自のオーナー審査」というものは存在しないのです。 現金一括で購入する場合は、当然ながらこの与信審査も必要ありません。
年収はどれくらい必要?現実的な目安
「誰でも買える」と言われても、現実的にどれくらいの年収があればベントレーオーナーになれるのか、具体的な数字が知りたいという方が多いでしょう。 これは非常に難しい質問で、その人のライフスタイルや価値観、そしてどのモデルをどのように購入するかによって大きく変動します。
あくまで私個人の見解、そして周りのオーナーたちの状況を踏まえた上での一つの目安としてお考えください。
新車で購入する場合
コンチネンタルGTやベンテイガといった主力モデルの新車を正規ディーラーで購入する場合、車両本体価格だけで2,500万円を超え、オプションを追加すれば容易に3,000万円以上に達します。 これをローンで購入し、かつ余裕を持ったカーライフを送ることを想定すると、少なくとも年収2,000万円以上が一つのラインになってくるでしょう。 もちろん、これはあくまで目安であり、自己資金をどれだけ投入できるか、他に大きな支出がないかなど、個々の状況に大きく左右されます。 経営者の方であれば、経費として計上することも視野に入ってくるため、一概には言えません。
中古車で購入する場合
一方、中古車に目を向けると、そのハードルは大きく下がります。 例えば、10年ほど前のコンチネンタルGTであれば、500万円前後から探すことも可能です。 この価格帯であれば、年収800万円~1,000万円程度の方でも、現実的な選択肢として十分に検討できる範囲に入ってきます。
ただし、ここで絶対に忘れてはならないのが**「維持費」**の存在です。 車両価格が安くても、修理部品代やメンテナンス費用は新車時の価格が基準となります。 購入後のランニングコストを十分に考慮した上で、無理のない資金計画を立てることが、ベントレーと長く付き合っていくための最も重要な鍵となります。 この維持費については、後ほど詳しく解説します。
私が実際にベントレーを購入した時の話(体験談)
ここで少し、私自身の話をさせてください。 私が現在所有しているベントレーは、SUVモデルの「ベンテイガ」です。 もちろん、仕事柄多くの車に試乗する機会はありましたが、いざ自分で所有するとなると話は別。 初めて正規ディーラーの重厚な扉を開けた時は、さすがに少し緊張したのを覚えています。

引用 : ベントレーHP
しかし、一歩足を踏み入れると、スタッフの方が非常に丁寧かつフレンドリーに出迎えてくれました。 私の服装や年齢で判断するような素振りは一切なく、一人の車好きとして真摯に向き合い、ベンテイガの魅力やカスタマイズの楽しさを熱心に語ってくれたのが印象的でした。 職業を聞かれることもありましたが、それはあくまで会話の流れの中でのことであり、決して品定めをされているような雰囲気ではありませんでした。
最終的に私は、細部までこだわり抜いた仕様でオーダーを入れましたが、その過程はまさに「自分だけの一台を創り上げる」という特別な体験でした。 納車までの数ヶ月間、待つ時間さえもが楽しく感じられたのは、ベントレーというブランドが持つ力と、ディーラーの卓越したホスピタリティのおかげでしょう。 この経験から私が断言できるのは、彼らは車を売っているだけでなく、ベントレーと共に過ごす特別なライフスタイルそのものを提供しているということです。
なぜ「選ばれた人しか乗れない」イメージがあるのか
では、なぜこれほどまでに「ベントレー=特別な人の乗り物」というイメージが定着しているのでしょうか。 その理由は、ベントレーが歩んできた100年以上の歴史と、徹底したブランド戦略にあります。
- 英国王室御用達という格式: ベントレーは、英国王室に公式車両を納入する「ロイヤルワラント」の称号を授かっています。 これは、品質、サービスともに最高水準であることの証であり、ブランドイメージを確固たるものにしています。 エリザベス女王の専用車として作られた「ステートリムジン」は、その象徴と言えるでしょう。
- モータースポーツでの輝かしい功績: 創業当初からル・マン24時間レースで数々の勝利を収めるなど、ベントレーはモータースポーツの世界でもその名を轟かせてきました。 「速くて、クラス最高の車」という創業者W.O.ベントレーの哲学は、現代のモデルにも脈々と受け継がれており、単なる高級車ではない、卓越したパフォーマンスを秘めていることが、人々を魅了する要因の一つです。
- 職人による手作業の多さ: ベントレーの車は、英国・クルーの工場で、熟練した職人たちの手によってその多くが作られています。 ウッドパネル一枚、レザーシートのステッチ一つとっても、機械では決して真似のできない温もりと質感が宿っています。 こうした生産性の非効率さとも言えるほどのこだわりが、希少性と特別な価値を生み出しているのです。
- 圧倒的な価格: そして何よりも、数千万円という車両価格そのものが、物理的にも心理的にも高い参入障壁となっていることは間違いありません。 この価格に見合う価値を提供し続けることで、ベントレーはそのブランドイメージを維持しているのです。
これらの要因が複雑に絡み合い、「誰でも買えるわけではない」という特別なオーラを醸成しているのです。 しかし、前述の通り、それはあくまでイメージです。 扉は、情熱と準備ができたすべての人に開かれています。
ベントレーの具体的な購入方法と相場
ベントレーを手に入れるための道筋は、一つではありません。 新車で自分だけの一台をオーダーするのか、あるいは賢く中古車を選ぶのか。 それぞれの方法にメリットとデメリット、そして価格帯が存在します。 ここでは、4つの主要な購入方法について、それぞれの特徴と相場を詳しく見ていきましょう。

引用 : ベントレーHP
正規ディーラー(新車)で購入する
最も王道であり、ベントレーの世界観を余すことなく体験できるのが、正規ディーラーでの新車購入です。 最新のモデルを、自分の好みに合わせて細部までカスタマイズできるのは、新車購入ならではの醍醐味と言えるでしょう。
新車購入の流れ
- ディーラー訪問・モデル選定: まずは最寄りの正規ディーラーへ。 事前に予約を入れておくとスムーズです。 実車を見ながら、セールスコンサルタントに希望を伝え、モデルやグレードを絞り込んでいきます。
- コンフィギュレーション(仕様決定): ベントレー購入のハイライトとも言えるのが、この仕様決定のプロセスです。 外装色、ホイール、内装のレザーやウッドパネルの種類、ステッチの色、オプション装備など、組み合わせは無限大と言っても過言ではありません。 納得がいくまで、じっくりと時間をかけて理想の一台を創り上げていきます。
- 契約・発注: 仕様が確定したら、見積もりを確認し、正式に契約を結びます。 この時点で手付金(申込金)が必要となるのが一般的です。 契約が完了すると、英国のクルー工場へオーダーが送られます。
- 生産・輸送: オーダーメイドのため、納車までは数ヶ月から1年以上かかることも珍しくありません。 生産状況などはディーラーから定期的に連絡が入ります。
- 納車: 車両が日本に到着し、最終的な点検(PDI)が完了したらいよいよ納車です。 残金の決済を済ませ、ディーラーで盛大な納車セレモニーが行われることもあります。
新車の価格帯(主要モデル)
ベントレーの新車価格は、まさに天井知らずですが、主要モデルの車両本体価格の目安は以下の通りです。 ただし、これらはあくまでスタート価格であり、オプションを追加していくと価格は大きく変動します。
モデル名 | エンジン | 駆動方式 | 車両本体価格(目安) |
---|---|---|---|
コンチネンタルGT | V8 / W12 | 4WD | 約2,800万円~ |
フライングスパー | V8 / W12 / HV | 4WD | 約2,400万円~ |
ベンテイガ | V8 / HV | 4WD | 約2,300万円~ |
ベンテイガEWB | V8 | 4WD | 約2,600万円~ |
※価格は為替レートや年次改良により変動します。
オーダーメイドの魅力と注意点
自分だけのベントレーを創り上げる喜びは、何物にも代えがたいものがあります。 しかし、注意点もあります。 あまりに個性的な仕様にしてしまうと、将来的に売却する際、リセールバリューが低くなる可能性があります。 もちろん、ご自身が長く乗り続けるのであれば全く問題ありませんが、数年での乗り換えを考えている場合は、セールスコンサルタントと相談しながら、ある程度人気の高い仕様(外装色:黒・白、内装色:タン・ベージュなど)を意識するのも一つの手です。
認定中古車を購入する
「新車は予算的に厳しいけれど、品質には妥協したくない」という方に最適なのが、「サーティファイド・バイ・ベントレー」と呼ばれる正規の認定中古車制度です。 正規ディーラーが厳格な基準でチェックし、整備した上で販売するため、中古車でありながら新車に準ずる安心感を得られるのが最大の魅力です。
認定中古車のメリット・デメリット
メリット:
- 品質保証: 100項目以上にも及ぶ厳格な点検・整備が実施されている。
- 保証制度: 購入後1年間の走行距離無制限保証が付帯。 さらに有償で延長も可能。
- 安心感: 新車登録時からの正規整備記録が完備されており、車両の素性が明確。
- 納期の速さ: 完成車なので、契約から比較的短期間で納車される。
- 価格: 新車に比べてリーズナブルな価格設定。
デメリット:
- 選択肢の少なさ: 在庫車の中から選ぶため、仕様や色の自由度はない。
- 価格: 一般の中古車市場に比べると割高になる傾向がある。
認定中古車の価格帯
年式や走行距離、モデルによって様々ですが、一例として以下のような価格帯で探すことができます。
- コンチネンタルGT (2018年~): 1,800万円~2,500万円
- ベンテイガ (2016年~): 1,500万円~2,200万円
- フライングスパー (2013年~): 1,000万円~1,800万円
認定中古車の探し方
ベントレーの公式サイトや、各正規ディーラーのウェブサイトに認定中古車の在庫情報が掲載されています。 気になる車両を見つけたら、早めにディーラーに問い合わせて実車を確認することをおすすめします。 良質な個体はすぐに売れてしまうことも少なくありません。
中古車販売店で購入する
さらに購入のハードルを下げたい場合、一般的な中古車販売店で探すという選択肢もあります。 特に、高級輸入車を専門に扱っている店舗であれば、ベントレーの在庫を保有していることもあります。
一般的な中古車のメリット・デメリット
メリット:
- 価格の安さ: なんといっても最大の魅力は価格です。 認定中古車よりもさらに安価に購入できる可能性があります。
- 豊富な選択肢: 年式やモデル、価格帯など、全国規模で探せば幅広い選択肢の中から選べます。 旧モデルなど、ディーラーでは扱っていない車両が見つかることもあります。
デメリット:
- 品質のばらつき: 車両の状態は千差万別です。 修復歴や整備記録が不明確な車両も存在するため、見極める目が必要になります。
- 保証がない場合も: 店舗独自の保証が付くこともありますが、認定中古車のような手厚い保証は期待できません。 現状販売のケースもあります。
- 購入後のリスク: 購入後に思わぬトラブルや高額な修理費用が発生するリスクが、正規ディーラーでの購入に比べて高くなります。
中古車の価格帯と注意点
年式や状態にもよりますが、10年以上前のモデルであれば、300万円台から見つけることも可能です。
モデル名(旧モデル) | 年式(目安) | 中古車価格帯(目安) |
---|---|---|
コンチネンタルGT | 2004年~2011年 | 300万円~800万円 |
フライングスパー | 2005年~2012年 | 250万円~700万円 |
アルナージ | 1998年~2009年 | 400万円~1,000万円 |
ただし、安さだけに飛びつくのは非常に危険です。 購入を検討する際は、必ず信頼できる第三者の整備工場などで車両の状態をチェックしてもらう(購入前診断)ことを強くお勧めします。 「安く買ったはいいが、修理代で結局高くついた」という事態は絶対に避けなければなりません。
信頼できる販売店の見つけ方
- 長年の販売実績があるか。
- 自社で整備工場を完備しているか。
- 車両の状態について、メリットだけでなくデメリットも正直に説明してくれるか。
- 口コミや評判が良いか。
これらの点を総合的に判断して、信頼できるパートナーを見つけることが、中古車選びで成功するための鍵となります。
個人売買で購入する
インターネットのオークションサイトや個人売買のマッチングサービスを利用して、オーナーから直接購入する方法です。 理論上は最も安く購入できる可能性がありますが、同時に最もリスクの高い方法でもあります。
個人売買のリスクとメリット
メリット:
- 中間マージンがない: 販売店の利益が上乗せされないため、最も安価に購入できる可能性がある。
- 前のオーナーが明確: 車両がどのように扱われてきたかを直接聞くことができる。
デメリット:
- 完全な自己責任: 名義変更などの手続きはすべて自分で行う必要がある。
- 保証は一切ない: 購入後のトラブルはすべて自分で解決しなければならない。
- 詐欺のリスク: 代金を支払ったのに車が引き渡されない、といった詐欺に遭う可能性もゼロではない。
トラブルを避けるためのポイント
個人売買は、車に関する深い知識と経験を持つ上級者向けの方法と言えます。 もし挑戦する場合は、現車確認を徹底することはもちろん、売買契約書を必ず交わし、代金の支払いは車両の引き渡しと同時に行うなど、細心の注意を払ってください。 正直なところ、初めてベントレーを購入する方には、あまりお勧めできる方法ではありません。
ベントレーオーナーになるということ|維持費や魅力について
無事にベントレーを手に入れた後、どのようなカーライフが待っているのでしょうか。 ここでは、多くの人が気になる年間の維持費の内訳から、オーナーだけが知る真の魅力、そしてライフスタイルの変化まで、私の実体験を交えながら深く掘り下げていきます。

引用 : ベントレーHP
気になる年間維持費の内訳
ベントレーを所有する上で、車両価格と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが維持費です。 「買えたとしても維持できない」ということにならないよう、事前にしっかりと把握しておきましょう。 ここでは、V8エンジンを搭載した比較的新しいモデル(コンチネンタルGTやベンテイガなど)を例に、年間の維持費をシミュレーションしてみます。
項目 | 金額(年間目安) | 備考 |
---|---|---|
自動車税 | 87,000円 | 4.0L V8エンジンの場合(~6.0Lは110,000円) |
自動車重量税 | 61,500円 | 車検時に2年分(123,000円)を支払い。年換算。 |
自賠責保険料 | 約10,000円 | 車検時に2年分を支払い。年換算。 |
任意保険料 | 200,000円~500,000円 | 年齢、等級、車両保険の有無で大きく変動。 |
車検・点検費用 | 150,000円~ | 正規ディーラーでの基本料金。交換部品代は別途。 |
メンテナンス費用 | 100,000円~ | オイル交換(年1回/約5~8万円)、タイヤ交換等。 |
燃料代 | 約300,000円 | 年間1万km走行、燃費5km/L、ハイオク180円/Lで計算。 |
駐車場代 | 360,000円 | 月3万円で計算。地域差が大きい。 |
合計 | 約1,268,500円~ |
年間維持費の合計は、最低でも130万円近くは見ておく必要があります。 これはあくまで、大きな故障やトラブルがなかった場合の最低ラインです。 もし、トランスミッションやエアサスペンションといった主要部品に不具合が発生した場合、修理費用は容易に100万円を超えてきます。 特に中古車で購入した場合は、こうした突発的な出費に備えて、年間で50万円~100万円程度の予備費を確保しておくと安心です。
ベントレーオーナーの年齢層や職業
私の知る限り、ベントレーオーナーのバックグラウンドは実に様々です。 もちろん、会社経営者や役員、医師、弁護士といった、いわゆる高所得者層の方が多いのは事実です。 年齢層で言えば、40代から60代が中心的なボリュームゾーンでしょうか。
しかし、最近ではIT企業の若き起業家や、投資で成功を収めた20代、30代のオーナーも増えています。 また、定年退職後に長年の夢を叶え、中古のコンチネンタルGTを楽しまれている方もいらっしゃいます。 先入観を持たずに言えば、「経済的に成功し、人生を謳歌している大人」というのが共通したイメージかもしれません。 職業や年齢は、その結果に過ぎないのです。
女性オーナーはいる?
もちろん、いらっしゃいます。 都内では、ベンテイガを颯爽と運転する女性経営者の方や、コンチネンタルGTコンバーチブルでショッピングを楽しむマダムをお見かけすることもあります。 ベントレーのエレガントでありながら力強いデザインは、自立した芯の強い女性像にも非常にマッチします。 まだまだ男性オーナーの比率が高いのは事実ですが、今後はさらに女性オーナーが増えていくのではないでしょうか。
所有して分かったベントレーの真の魅力(オーナー視点)
ベントレーの魅力は、スペックや価格だけでは決して語れません。 実際に日々を共に過ごすことで初めて見えてくる、奥深い世界があります。
圧倒的な静粛性と快適性
ドアを閉めた瞬間に訪れる、外界から完全に遮断されたかのような静けさ。 これは、二重構造のガラスや徹底した遮音・吸音対策の賜物です。 どんなに荒れた路面でも、エアサスペンションが巧みに凹凸をいなし、まるで魔法の絨毯に乗っているかのような滑らかな乗り心地を提供してくれます。 長距離を移動しても、全くと言っていいほど疲労を感じさせません。 この「究極の安らぎ」こそが、ベントレーの真骨頂の一つです。
日常を非日常に変える高揚感
それは、単なる移動手段ではありません。 ガレージに佇む姿を眺めるだけで満たされた気持ちになりますし、重厚なドアを開け、本物のウッドとレザーに包まれた空間に身を置くたびに、特別な高揚感を味わえます。 エンジンを始動した瞬間に響く、控えめながらも力強いサウンド。 アクセルを少し踏み込むだけで、巨体をものともせず軽々と加速していく圧倒的なパワー。 こうした一つ一つの所作が、いつもの通勤路や見慣れた街並みさえも、特別なステージへと変えてくれるのです。
「分かる人には分かる」という満足感
ベントレーは、一部のスーパースポーツカーのようにこれ見よがしな派手さはありません。 しかし、その独特のオーラは、車に詳しい人が見れば一目でそれと分かります。 信号待ちで隣に並んだ車から向けられる羨望の眼差しや、ホテルのエントランスで受ける丁重な扱いなど、所有することで得られる特別な体験は、間違いなく自己肯定感を高めてくれるでしょう。 それは決して嫌味な優越感ではなく、自分の努力が認められたような、静かな満足感に近いものです。
ベントレーに乗ることで変わるライフスタイル
ベントレーを所有すると、不思議と行動範囲や付き合う人々にも変化が生まれます。 快適な長距離移動性能を活かして、週末には少し足を伸ばして高級旅館やリゾートホテルへ、といった旅行が増えるかもしれません。 ゴルフ場へ向かう道中も、最高のドライビング体験となるでしょう。 また、オーナーズクラブのイベントに参加すれば、同じ価値観を持つ仲間との新たな出会いも生まれます。 車という共通の趣味を通じて、普段の生活では決して交わることのなかったであろう人々との交流が始まるのです。 ベントレーは、単なる移動の道具ではなく、人生をより豊かに彩るための最高のパートナーとなり得る存在なのです。
まとめ
今回は、「ベントレーは一般人でも購入できるのか」というテーマについて、購入方法から維持費、そしてオーナーだけが知る魅力まで、私の知識と経験を総動員して詳しく解説してきました。
結論として、ベントレーの購入に特別な資格や職業の制限は一切なく、門戸は誰にでも開かれています。 重要なのは、その車への情熱と、車両価格だけでなく高額な維持費まで含めた長期的な資金計画を立てられる経済力です。
新車で理想の一台を追求するのも、認定中古車で賢く安心を手に入れるのも、あるいは覚悟を持って一般の中古車に挑戦するのも、すべてあなた次第です。 それぞれのメリット・デメリットを十分に理解し、ご自身のライフスタイルに合った最適な一台を見つけてください。
ベントレーを所有するということは、単に高級車を手に入れるということではありません。 それは、100年以上の歴史と伝統、そして英国のクラフトマンシップが凝縮された芸術品を愛で、共に人生を走るという、他では決して味わうことのできない特別な体験を手に入れるということです。
この記事が、あなたの憧れを現実の目標に変えるための一助となれば、これに勝る喜びはありません。 いつかどこかで、あなたがステアリングを握るベントレーとすれ違う日を楽しみにしています。