モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、レクサスGXの圧倒的な存在感と悪路走破性に惹かれつつも、「燃費が悪い」という評判が気になっているのではないでしょうか。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
私も実際にGXを所有し、日々の足から長距離ドライブまで使い倒しているので、その気になる気持ちはよくわかります。大排気量のエンジンを搭載した本格オフローダーですから、燃費性能に不安を感じるのは当然のことです。
しかし、実際のところはどうなのでしょうか。この記事では、カタログスペックだけでは見えてこないレクサスGXのリアルな燃費性能を、私自身の計測データや多くのオーナーから集めた情報を基に、街乗り、高速道路といったシーン別に徹底的に解剖していきます。
この記事を読み終える頃には、レクサスGXの燃費に関するあなたの疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- レクサスGXの公式燃費とリアルな実燃費のギャップ
- 街乗りと高速道路でのシーン別実測燃費データ
- ランドクルーザーなどライバル車種との燃費性能の徹底比較
- 明日から実践できる具体的な燃費改善テクニック

レクサスGXの燃費、その実力は?カタログスペックと実燃費を徹底解剖
レクサスGXを検討する上で、誰もが最初に気にするのが燃費性能でしょう。特に、昨今の燃料価格の高騰を考えると、維持費に直結するこの数値は無視できません。まずは、メーカーが公表しているカタログ燃費と、実際にオーナーが計測したリアルな実燃費の間にどれほどの差があるのか、詳しく見ていきましょう。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
まずは基本から!レクサスGXのカタログ燃費(WLTCモード)をチェック
現在、日本国内で新車として販売されているレクサスGXは、2023年にフルモデルチェンジされた新型「GX550」です。このモデルは、これまでのV型8気筒エンジンから、新開発のV型6気筒3.5Lツインターボエンジンへと大きな変革を遂げました。
このダウンサイジングターボ化が燃費にどのような影響を与えたのでしょうか。まずは公式な数値であるカタログ燃費を見てみましょう。
レクサス 新型GX550のカタログ燃費 (WLTCモード)
グレード | エンジン | 駆動方式 | WLTCモード燃費 |
---|---|---|---|
OVERTRAIL+ | V35A-FTS (3.5L V6ツインターボ) | フルタイム4WD | 7.9km/L |
WLTCモードは、「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」という3つの走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な燃費測定方法です。それぞれの内訳は以下の通りです。
- 市街地モード: 5.7km/L
- 郊外モード: 8.2km/L
- 高速道路モード: 9.2km/L
この数値を見ると、信号や渋滞の多い市街地では燃費が落ち込み、比較的スムーズに走行できる郊外や高速道路では燃費が伸びる傾向にあることがわかります。
中古車で人気の先代GX460の燃費は?
一方で、中古車市場では、先代モデルにあたる「GX460」も根強い人気を誇っています。こちらは4.6LのV型8気筒自然吸気エンジンを搭載しており、新型とはまた違った魅力があります。参考までに、北米仕様のGX460の燃費を見てみましょう。
レクサス 先代GX460のカタログ燃費 (米国EPA基準)
モデル | エンジン | 駆動方式 | EPA総合燃費 |
---|---|---|---|
GX460 | 1UR-FE (4.6L V8) | フルタイム4WD | 約6.8km/L (16MPG) |
日米で燃費の測定基準が異なるため単純比較はできませんが、V8エンジンを搭載するGX460は、新型GX550よりもさらに燃費面では厳しい数値となることが予想されます。この大排気量V8エンジンならではの滑らかな回転フィールとサウンドは唯一無二の魅力ですが、燃費を重視するなら新型に軍配が上がると言えるでしょう。
オーナーが語る!レクサスGXのリアルな実燃費レポート
カタログ燃費はあくまで特定の条件下で測定された参考値です。実際の燃費は、運転スタイルや道路状況、気象条件などによって大きく変動します。では、実際にGXを所有しているオーナーたちは、どれくらいの燃費を記録しているのでしょうか。
様々な燃費投稿サイトやSNSの情報を集計し、私自身の計測データも加味したリアルな実燃費の平均値は以下のようになります。
レクサス 新型GX550の実燃費 目安
走行シーン | 平均実燃費 |
---|---|
総合平均 | 6.5~8.5km/L |
街乗り(都心部) | 5.0~6.5km/L |
街乗り(郊外) | 6.5~7.5km/L |
高速道路 | 8.5~10.5km/L |
悪路・オフロード | 3.0~5.0km/L |
私の所有するGX550 “OVERTRAIL+”でも、おおむねこの範囲内に収まることが多いです。例えば、東京都心部での移動がメインの週は平均燃費が5km/L台に落ち込むこともありますが、週末に高速道路を使って郊外へドライブに出かけると、メーターの平均燃費計は10.0km/Lを超えることも珍しくありません。
このように、カタログ燃費の7.9km/Lという数値は、実燃費と比較するとやや高めに出ているものの、高速道路など条件が良ければ達成可能な範囲と言えます。しかし、街乗りメインで考えている方は、6km/L前後を現実的な数値として想定しておくと良いでしょう。
なぜ?レクサスGXの燃費がカタログ値を下回る主な要因
「カタログ燃費より実燃費が悪くなるのは当たり前」と感じる方もいるかもしれませんが、GXの場合は特にその傾向が顕著に出やすい車種です。その主な要因を4つ解説します。
1. 2.5トンを超える車両重量
GXは、高い剛性と耐久性を誇る伝統的なラダーフレーム構造を採用しています。これは悪路走破性にとっては大きなメリットですが、同時に車両重量の増加につながります。GX550の車両重量は約2,500kg。この重い車体を動かすためには、発進・停止のたびに大きなエネルギーが必要となり、特にストップ&ゴーの多い市街地での燃費悪化の最大の要因となります。
2. 大排気量ツインターボエンジンの特性
新型GX550が搭載するV6 3.5Lツインターボエンジンは、最高出力353ps、最大トルク650Nmという、V8エンジンを凌駕するパワフルなスペックを誇ります。しかし、この力強さを引き出すターボチャージャーは、アクセルを踏み込んだ際に過給を行うため、多くの燃料を消費します。少しアクセルを踏み込むだけで、あっという間に燃料を消費してしまうのです。
3. オフロード性能を重視したタイヤ
特に「OVERTRAIL+」グレードに標準装備されるオールテレーンタイヤは、ブロックパターンが大きく、オンロード用のタイヤに比べて転がり抵抗が大きくなります。これにより、舗装路を走行する際の燃費は悪化する傾向にあります。見た目の迫力や悪路でのグリップ力とのトレードオフと言える部分です。
4. フルタイム4WDシステム
GXは、常に四輪に駆動力を配分するフルタイム4WDシステムを採用しています。これにより、あらゆる路面で高い走行安定性を発揮しますが、2WD車に比べて駆動系のフリクションロス(摩擦によるエネルギー損失)が大きく、燃費面では不利になります。
これらの要因が複合的に絡み合うことで、レクサスGXの燃費は、一般的な乗用車タイプのSUVと比較して厳しいものとなるのです。
シーン別!レクサスGXの燃費を徹底検証|街乗り・高速・悪路走行
ここからは、皆さんが実際に車を使うシーンを想定して、GXの燃費がどのように変化するのかをさらに詳しく見ていきましょう。私自身のリアルな体験談も交えながら解説します。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
ストップ&ゴーの連続!レクサスGXの街乗りでの燃費
最も燃費が厳しくなるのが、やはり街乗りです。 前述の通り、信号や渋滞による発進・停止の繰り返しは、重量級のGXにとって最も苦手なシチュエーションです。
- 都心部(渋滞多め)の実燃費:5.0~6.5km/L
- 郊外(流れの良い一般道)の実燃費:6.5~7.5km/L
私の場合、都内の移動では平均燃費計が6.0km/Lを下回ることがほとんどです。特に短い距離の移動を繰り返すような使い方では、5km/L台前半まで落ち込むことも覚悟しておく必要があります。
一方で、流れの良い郊外のバイパスなどを走行する際には、7km/L台に乗せることも可能です。GXにはアイドリングストップ機能が搭載されていますが、エンジン再始動時の振動がやや大きく、オフにしているオーナーも少なくありません。この機能のオン/オフも、街乗り燃費にわずかながら影響を与えるでしょう。
巡航で燃費は伸びる?レクサスGXの高速道路での燃費
街乗りとは対照的に、高速道路での巡航はGXが得意とするステージです。一度速度に乗ってしまえば、10速ATがエンジン回転数を低く保ち、効率の良い走りを実現してくれます。
- 80km/h巡航時の実燃費:約10.5km/L
- 100km/h巡航時の実燃費:約9.5km/L
- 120km/h(新東名など)巡航時の実燃費:約8.5km/L
私の経験上、最も燃費が伸びるのは時速80km前後での巡航です。この速度域では、エンジンの回転数が1,500rpm以下に抑えられ、非常にスムーズかつ静かに走り続けます。レーダークルーズコントロール(ACC)をこの速度に設定して長距離を移動すると、満タンで700km以上の航続も夢ではありません。
速度が上がるにつれて空気抵抗が増加するため、100km/h、120km/hとペースを上げると燃費は徐々に悪化しますが、それでも8km/L台後半をキープできるのは、多段化された10速ATとターボエンジンの効率の良さの恩恵と言えるでしょう。
ライバル車種と徹底比較!レクサスGXの燃費はどのレベル?
では、レクサスGXの燃費性能は、同じようなカテゴリーのライバル車種と比較してどうなのでしょうか。直接的な競合となるであろう車種とカタログ燃費(WLTCモード)を比較してみました。
車種名 | エンジン | WLTCモード燃費 |
---|---|---|
レクサス GX550 | 3.5L V6ツインターボ | 7.9km/L |
トヨタ ランドクルーザー300 (ZX) | 3.5L V6ツインターボ | 7.9km/L |
トヨタ ランドクルーザー300 (ZX) | 3.3L V6ディーゼルターボ | 9.7km/L |
トヨタ ランドクルーザー250 (VX) | 2.8L 直4ディーゼルターボ | 11.0km/L |
メルセデス・ベンツ G400d | 3.0L 直6ディーゼルターボ | 9.9km/L |
ランドローバー ディフェンダー110 | 2.0L 直4ガソリンターボ | 8.3km/L |
こうして見ると、GX550の燃費は、同じエンジンを共有するランドクルーザー300のガソリンモデルと全く同じ数値であることがわかります。キャラクターは異なりますが、パワートレインの基本が同じであるため当然の結果と言えます。
一方で、やはりディーゼルエンジンを搭載するモデルと比較すると、燃費性能では見劣りします。特にランドクルーザー250や300のディーゼルモデル、Gクラスなどは、軽油価格の安さも相まって燃料コストを大幅に抑えることが可能です。
GXを選ぶということは、ディーゼルエンジンにはない静粛性や高回転域までの滑らかな加速性能、そしてV6ツインターボならではのパワフルな走りを重視するという選択になります。燃費性能はライバルに対してアドバンテージがあるとは言えませんが、走行性能とのバランスをどう捉えるかが、車種選択の重要なポイントになるでしょう。
レクサスGXの燃費を最大限に引き出す!明日からできる改善テクニック
「GXの燃費が良くないのは分かった。でも、少しでも良くする方法はないの?」 もちろん、あります。日々の少しの心がけで、GXの燃費は確実に改善できます。ここでは、誰でも明日から実践できる燃費改善テクニックを、基本編から上級編まで3つのステップでご紹介します。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
【基本編】アクセルワーク一つで変わる!エコドライブの極意
最も効果的で、今すぐ始められるのが運転方法の見直しです。
ふんわりアクセル「e-スタート」
発進時は、アクセルをじわっと踏み込み、最初の5秒で時速20km程度を目安に、穏やかに加速することを心がけましょう。GXの重い車体を急に動かそうとすると、膨大な燃料を消費します。ATのクリープ現象をうまく使い、ゆっくりと車体を前に押し出すイメージです。
加減速の少ない運転
走行中は、常に数台先の交通状況を予測し、不要な加速や減速を減らすことが重要です。車間距離を十分に保つことで、前の車がブレーキを踏んでもアクセルを少し戻すだけで対応でき、無駄なエネルギー消費を抑えられます。
早めのアクセルオフ
赤信号が見えたら、早めにアクセルペダルから足を離しましょう。GXは車重があるため、惰性でかなりの距離を進むことができます。エンジンブレーキをうまく活用することで、燃料の供給をカットしながら減速でき、燃費向上に繋がります。
【中級編】無駄をなくす!車両メンテナンスと燃費の関係
日々の運転だけでなく、車のコンディションを整えることも燃費改善には欠かせません。
タイヤの空気圧を適正に保つ
タイヤの空気圧が低いと、転がり抵抗が増えて燃費が悪化します。月に一度はガソリンスタンドなどで空気圧をチェックし、運転席のドア付近に貼られている指定空気圧に調整しましょう。GXのような重い車では、空気圧の影響がより顕著に現れます。
エンジンオイルの定期的な交換
エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑や冷却、洗浄など重要な役割を担っています。劣化したオイルを使い続けると、エンジン内部の摩擦抵抗が増え、燃費の悪化に繋がります。メーカー推奨の交換時期を守り、常にクリーンなオイルを保つことが大切です。
不要な荷物は降ろす
ゴルフバッグやキャンプ道具など、普段使わない重い荷物を積んだままにしていませんか?車重が重くなればなるほど、燃費は悪化します。100kgの荷物を積むと約3%燃費が悪化するとも言われています。こまめに荷物を整理し、車体を軽く保つことを心がけましょう。
【上級編】機能を使いこなす!レクサスGXのドライブモード活用術
レクサスGXには、走行シーンに合わせて車の特性を変化させられる「ドライブモードセレクト」が搭載されています。これをうまく使いこなすことで、燃費を意識した走りが可能になります。
燃費優先なら「ECOモード」一択
街乗りや高速道路での巡航など、燃費を最優先したい場面では「ECOモード」を選択しましょう。ECOモードにすると、以下のような制御が行われます。
- アクセル操作に対する出力の立ち上がりが穏やかになる
- エアコンの効きがマイルドになり、コンプレッサーの作動を抑制する
急加速が抑えられるため、自然と穏やかな運転になり、結果として燃費が向上します。ただし、追い越しや登坂路など、パワーが必要な場面では力不足を感じることもあるため、状況に応じて「NORMALモード」に戻すのが賢い使い方です。
「SPORT S」や「SPORT S+」モードは、アクセルレスポンスが鋭敏になり、胸のすくような加速を楽しめますが、燃費は著しく悪化します。ワインディングロードなどで走りを楽しみたい時など、ここぞという場面で使うようにしましょう。
レクサスGXの燃費から考える年間維持費シミュレーション
最後に、レクサスGXを所有した場合、燃費を踏まえて年間の維持費がどのくらいかかるのかを具体的にシミュレーションしてみましょう。購入後のカーライフをイメージする参考にしてください。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/gx/)
ガソリン代はいくら?年間走行距離別の燃料費を算出
ここでは、GX550の実燃費を7.0km/L、ガソリン価格(ハイオク)を180円/Lと仮定して計算します。
年間走行距離 | 年間ガソリン消費量 | 年間ガソリン代 |
---|---|---|
5,000km | 約714L | 約128,520円 |
10,000km | 約1,428L | 約257,040円 |
15,000km | 約2,142L | 約385,560円 |
年間1万km走行する場合、ガソリン代だけで約25万円が必要になる計算です。これは、燃費20km/Lのコンパクトカーと比較すると、倍以上の金額になります。このコストを許容できるかどうかが、GXを所有するための一つの判断基準になるでしょう。
燃費だけじゃない!自動車税や保険料などトータルの維持費
もちろん、車の維持費はガソリン代だけではありません。GX550にかかる主な維持費は以下の通りです。
- 自動車税(種別割): 58,000円(3.0L超~3.5L以下)
- 自動車重量税: 61,500円(3年分・新車購入時)※エコカー減税なし
- 任意保険料: 年間100,000円~200,000円(年齢・等級・車両保険の有無による)
- メンテナンス費用: 年間50,000円~(オイル交換、点検費用など)
これらを合計すると、ガソリン代とは別に、年間でおよそ20万円~35万円程度の維持費が見込まれます。 ガソリン代と合わせると、年間1万km走行するユーザーの場合、トータルで45万円~60万円ほどの維持費がかかる計算になります。
それでもレクサスGXを選ぶ価値とは?燃費性能を超えた魅力
ここまで見てきたように、レクサスGXは決して経済的な車ではありません。しかし、それでも多くの人々を惹きつけてやまない、燃費性能という指標だけでは測れない圧倒的な魅力があります。
1. 唯一無二のデザインと所有満足感
直線基調でタフさを表現したエクステリアデザインと、レクサスならではの上質で洗練されたインテリア。どこへ行っても注目を集めるその存在感は、オーナーに計り知れない満足感を与えてくれます。
2. あらゆる道を走破する圧倒的な悪路走破性
電子制御で路面状況に応じた最適な走りを提供する「E-KDSS」や「マルチテレインセレクト」など、最新のデバイスを備えた本格的なオフロード性能。道を選ばない走りは、オーナーの行動範囲を無限に広げてくれます。
3. 大排気量エンジンならではの余裕ある走り
パワフルなV6ツインターボエンジンが生み出す、どんな場面でも余裕綽々の動力性能。高速道路の合流や追い越しもストレスなくこなし、長距離移動の疲労を大幅に軽減してくれます。
4. 高いリセールバリュー
ランドクルーザーファミリーの一員であるGXは、海外でも絶大な人気を誇るため、非常に高いリセールバリューが期待できます。これは、数年後の乗り換え時に大きなメリットとなり、結果的にトータルのコストを抑えることに繋がります。
燃費という一面だけを見れば、GXは選択肢から外れてしまうかもしれません。しかし、ここで挙げたような数々の魅力を考慮すれば、その維持費を支払ってでも乗りたいと思わせるだけの価値が、この車には間違いなく存在します。
まとめ
今回は、レクサスGXの燃費性能について、様々な角度から徹底的に解説しました。
結論として、レクサスGXの燃費は、現代のSUVの基準で見ると決して良いとは言えません。特に街乗りでは、その重量とパワーが燃費の足かせとなります。しかし、高速道路など得意なステージでは、想像以上に燃費を伸ばすことも可能です。
重要なのは、GXが「燃費」というモノサシだけで評価されるべき車ではないということです。その無骨で美しいデザイン、どんな道でも突き進む走破性、そしてレクサスブランドが提供する上質な時間と空間。これらは、日々の燃料費というコストと引き換えに得られる、プライスレスな価値と言えるでしょう。
本レビューで紹介した燃費の実態や改善テクニック、そして年間の維持費を踏まえた上で、あなたがレクサスGXと共にどのようなカーライフを送りたいのかを想像してみてください。その答えが「イエス」であるならば、GXはきっとあなたの期待を超える最高の相棒になってくれるはずです。