モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、トヨタから登場が噂される「新型ルーミー」のフルモデルチェンジ、特にそのリセールバリューがどうなるのか、非常に気になっていることでしょう。 私自身も現行ルーミーのオーナーであり、その驚異的なリセール価値を実際に経験しているので、その気になる気持ちはよくわかります。

引用 : トヨタ HP 現行ルーミー
この記事を読み終える頃には、新型ルーミーのリセールバリューに関するあなたの疑問が解決し、後悔しない車選びができるようになっているはずです。
記事のポイント
- 新型ルーミーの驚くべき進化点
- 現行モデルのリセールが高い理由の徹底解剖
- フルモデルチェンジ後のリセールバリュー大予測
- 損しないためのグレードとオプション選びの秘訣

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
新型ルーミー フルモデルチェンジの全貌
まずは、フルモデルチェンジで新型ルーミーがどのように生まれ変わるのか、現在予想されている情報を整理していきましょう。 今回の改良は、もはやマイナーチェンジの域を超え、「フルモデルチェンジ級」と呼ぶにふさわしい大規模なものになる見込みです。

引用 : トヨタ HP 現行ルーミー
発売時期は2025年秋以降が有力
現時点で最も有力な情報として、新型ルーミーの登場は2025年の年末頃から2026年の秋頃と予想されています。 現行モデルは2016年の登場から異例のロングセラーを記録していますが、ついに待望の全面刷新が行われることになります。 一部では開発の遅れも囁かれましたが、ダイハツの信頼回復の象徴として、万全を期したモデルとして登場することが期待されています。
エクステリアデザインはミニ・ノアヴォクシーへ
新型ルーミーの外観は、現行モデルのボクシーで親しみやすいシルエットを継承しつつ、最新のトヨタデザイン言語が取り入れられ、より上質で都会的なスタイルへと進化する見込みです。
フロントマスクの劇的変化
特にフロントマスクは大きく印象を変えます。 大型化されたグリルと、薄型でシャープなデザインのLEDヘッドランプが採用され、まるで「小さなノア・ヴォクシー」を彷彿とさせる存在感を放つでしょう。 特に人気のカスタム系グレードでは、ブラックやクローム加飾が施された専用グリルが与えられ、迫力と高級感が一層際立つデザインになると予想されます。
サイドとリアの洗練
サイドビューは、両側スライドドアという最大の利便性はそのままに、伸びやかなキャラクターラインが加えられることで、安定感と躍動感を両立させます。 リアデザインも、縦基調のLEDテールランプが高い位置に配置され、左右を繋ぐガーニッシュによってワイド感が強調されるなど、兄貴分であるミニバンにも通じる端正な雰囲気を纏うことになるでしょう。
インテリアは質感と先進性の大幅向上
新型ルーミーのインテリアは、コンパクトカーの常識を覆すほどの進化を遂げると期待されています。 広さや実用性は現行モデルの美点を引き継ぎながら、デザイン性と質感が劇的に向上します。
水平基調のインパネと大型ディスプレイ
インパネは水平基調のすっきりとしたデザインとなり、視覚的な広がりと開放感を演出します。 その中央には、9インチからさらに大型化された10.5インチクラスのディスプレイオーディオが鎮座。 ワイヤレスApple CarPlayやAndroid Autoにも対応し、スマートフォンとの連携がこれまで以上にスムーズになります。
嬉しい先進装備の採用
さらに注目すべきは、ついに電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が採用される可能性が高いことです。 これにより、渋滞時の運転疲労が大幅に軽減されるだけでなく、足元のスペースもすっきりします。 メーターもフルデジタル化される可能性があり、先進的で視認性の高いコックピットが実現するでしょう。 もちろん、多彩な収納スペースや柔軟なシートアレンジといった、ルーミー本来の魅力はさらに磨きがかかると考えられます。
パワートレインに待望の「e-SMART HYBRID」追加
今回のフルモデルチェンジにおける最大の目玉は、間違いなく新開発のシリーズ式ハイブリッドシステム「e-SMART HYBRID」の搭載でしょう。
100%モーター駆動の走り
このシステムは、1.2Lの3気筒エンジンを発電専用とし、駆動は100%モーターで行います。 これにより、電気自動車(EV)のような非常に滑らかで力強い加速フィールを実現します。 モーターの最大トルクは170Nmと、1.7Lクラスのガソリンエンジンに匹敵する力強さを発揮。 高速道路の合流や追い越し、坂道など、あらゆるシーンで余裕のある走りが期待できます。
スマートペダル機能も搭載
アクセルペダルの操作だけで加減速をコントロールできる「スマートペダル」機能も搭載される見込みです。 市街地でのブレーキ操作の頻度を減らし、より快適で疲労の少ない運転を可能にします。
ガソリンモデルも健在
もちろん、ガソリンモデルも引き続きラインナップされます。 扱いやすい1.0L自然吸気エンジンと、力強い1.0Lターボエンジンが選択できる見込みで、ユーザーの予算や使い方に応じた選択肢が用意されます。
パワートレイン | エンジン/モーター | 最高出力 | 最大トルク | 特徴 |
---|---|---|---|---|
e-SMART HYBRID | 1.2Lエンジン+モーター | 106PS (モーター) | 170Nm (モーター) | EVのような滑らかな加速と低燃費 |
1.0L ターボ | 1.0L 直列3気筒ターボ | 98PS | 140Nm | 高速走行も得意な力強い走り |
1.0L 自然吸気 | 1.0L 直列3気筒 | 69PS | 92Nm | 扱いやすく経済的なベーシックモデル |
燃費性能はクラストップの30km/Lへ
e-SMART HYBRIDの搭載により、燃費性能は劇的に向上します。 WLTCモードで28.0km/L~30.0km/Lという、クラストップレベルの数値を達成する見込みです。 これはライバルであるスズキ ソリオのストロングハイブリッド(22.3km/L)を大きく上回る数値であり、新型ルーミーの大きな武器となります。 燃料タンク容量を40Lと仮定すれば、単純計算で1回の給油で1000km以上の航続が可能となり、給油の頻度を大幅に減らすことができます。
最新世代の安全装備「スマートアシスト」
安全装備も大幅に進化し、最新世代の予防安全機能「スマートアシスト」が採用される見込みです。 衝突回避支援ブレーキは、自転車や二輪車、夜間の歩行者検知にも対応し、作動速度域も拡大されます。 さらに、以下の先進機能の搭載も期待されます。
- ブラインドスポットモニター: 車線変更時に死角の車両を検知
- リアクロストラフィックアラート: 後退時に左右から接近する車両を検知
- 全車速追従機能付ACC: 高速道路での渋滞追従をサポート
- レーンキープコントロール: 車線中央の走行を維持
これらの機能により、コンパクトカーの枠を超えた高い安全性能を実現します。
予想価格は30万~50万円アップか
これだけの進化を遂げるため、車両価格の上昇は避けられないでしょう。 現行モデルと比較して、30万円から50万円ほど高くなると予想されています。
- ガソリンモデル: 180万円 ~ 235万円程度
- ハイブリッドモデル: 215万円 ~ 245万円程度
価格は上がりますが、燃費性能の向上による燃料代の節約や、先進装備の充実度を考えれば、十分に納得感のある価格設定と言えるでしょう。
なぜ現行ルーミーはリセールバリューが高いのか?
新型の解説に入る前に、なぜ現行ルーミーがこれほどまでに高いリセールバリューを維持しているのか、その理由をジャーナリストの視点で徹底的に分析します。 この理由を理解することが、新型のリセールを予測する上で非常に重要になります。

引用 : トヨタ HP 現行ルーミー
理由①:ライバル不在の「絶妙なサイズ感」
最大の理由は、この「絶妙なサイズ感」にあります。 軽スーパーハイトワゴンでは少し手狭で、高速走行に不安を感じる。 しかし、シエンタやフリードといったコンパクトミニバンでは大きすぎるし、価格も高い。 この「軽とミニバンの中間」という、ありそうでなかったポジションを確立したのがルーミーなのです。 特に都市部での取り回しの良さと、いざという時には大人5人が乗れる室内空間の両立は、他の車種にはない大きな魅力です。
理由②:子育て世代に絶大な支持を得る「両側スライドドア」
このクラスで「両側パワースライドドア」を備えている点は、リセールバリューを支える非常に強力な要素です。 狭い駐車場での子供の乗り降りや、大きな荷物の出し入れなど、その利便性は一度味わうと手放せません。 中古車市場において、子育て世代からの指名買いが非常に多く、需要が常に高い状態を維持しているのです。
理由③:圧倒的な「トヨタブランド」の信頼性
ルーミーはダイハツが開発・生産するOEM車ですが、トヨタのエンブレムを付けて販売されていることが、リセールバリューに大きく貢献しています。 「トヨタの車なら壊れにくく、何かあっても安心」というブランドイメージは、中古車を購入するユーザーにとって絶大な安心感に繋がります。 全国に広がる販売網によるメンテナンス性の高さも、中古車としての価値を支えています。
理由④:幅広い層にマッチする高い実用性
ルーミーの需要は子育て世代に限りません。 広大な荷室空間は、アウトドアレジャーや車中泊を楽しむ層にも人気です。 また、運転がしやすく乗り降りが楽なため、シニア層のダウンサイジング需要にも見事に応えています。 このように、様々なライフスタイルにフィットする汎用性の高さが、中古車市場での幅広い需要を生み出し、価格を下支えしているのです。
理由⑤:カスタムグレードの存在
標準モデルに加えて、エアロパーツなどを装着した「カスタム」グレードの存在もリセールに大きく影響しています。 中古車市場では、よりスタイリッシュで所有満足度の高いカスタム系の人気が非常に高く、標準グレードよりも高値で取引される傾向にあります。 この選択肢の広さが、より多くのユーザーを惹きつけています。
新型ルーミー フルモデルチェンジでリセールバリューはどうなる?
現行モデルが高いリセールを維持している理由を踏まえた上で、フルモデルチェンジ後の新型ルーミーのリセールバリューがどうなるのかを予測していきます。 結論から言えば、**「条件付きで、現行モデル以上に高くなる」**と私は考えています。

引用 : トヨタ HP 現行ルーミー
リセールがさらに高まると予測されるプラス要因
新型ルーミーには、リセールバリューをさらに押し上げる強力なプラス要因がいくつも存在します。
プラス要因①:ハイブリッド追加による圧倒的な商品力向上
待望のハイブリッドモデルが追加されることは、リセールにおいて最大のプラス要因です。 近年のガソリン価格高騰を背景に、中古車市場でも燃費の良いハイブリッド車への需要は非常に高まっています。 クラストップレベルの燃費性能を実現する新型ルーミーのハイブリッドモデルは、中古車市場でも人気が集中することは間違いありません。 維持費を抑えたいと考えるユーザーにとって、これ以上ない魅力的な選択肢となるでしょう。
プラス要因②:先進安全装備の標準化と充実
ブラインドスポットモニターや全車速追従ACCなど、これまで上級車種にしか搭載されていなかった先進安全装備が充実することも、リセール価値を高めます。 安全性を重視するファミリー層や、運転に不慣れなユーザー、高齢のドライバーなど、中古車を購入する際にも安全装備の有無を気にする層は年々増加しています。 「トヨタセーフティセンス」に準ずる高い安全性能は、大きな付加価値となります。
プラス要因③:内外装の質感向上による満足度の高さ
10.5インチの大型ディスプレイや電子パーキングブレーキの採用など、内装の質感が大幅に向上することも見逃せません。 車は移動の道具であると同時に、所有する喜びを感じるものでもあります。 見た目の高級感や使い勝手の良さは、中古車として再販される際の大きなアピールポイントとなり、査定額にもプラスに働きます。
リセールにおける注意点・懸念材料
一方で、手放しで喜んでばかりはいられません。 リセールを考える上での注意点も存在します。
懸念材料①:車両価格そのものの上昇
最大の懸念は、新車価格が30万円~50万円程度上昇することです。 リセールバリューは「残価率(新車価格に対する売却額の割合)」で評価されますが、元の価格が高くなれば、その分、数年後の価格下落「額」は大きくなる可能性があります。 とはいえ、それを補って余りある商品力向上があるため、残価「率」自体は高い水準を維持するでしょう。
懸念材料②:パワートレインによるリセール格差
ハイブリッド、ターボ、自然吸気の3つのパワートレイン間で、リセールバリューに差が生まれることは確実です。 最も高くなるのは、やはりハイブリッドモデルでしょう。 次いで、高速走行での力強さが魅力のターボモデル。 自然吸気モデルは、新車価格が最も安い分、売却額もそれなりになると予想されます。 ただし、初期投資を抑えたい層からの中古車需要も根強くあるため、極端に値崩れすることはないと考えられます。
損しない!リセールを最大化する新型ルーミーの選び方
最後に、ジャーナリストとして、そして一人のオーナーとして、リセールバリューを最大化するための具体的な車種選びのポイントを伝授します。 新車購入時に少し意識するだけで、数年後の売却額が数十万円変わることも珍しくありません。
グレード選びの鉄則は「カスタム」系
迷うことなく「カスタム」系のグレードを選ぶべきです。 中古車市場では、標準グレードよりもエアロパーツでドレスアップされたカスタム系の人気が圧倒的に高く、常に高値で取引されています。 新車時の価格差は、売却時には十分に回収できると考えて間違いありません。 特に最上級グレードの「カスタムG-T」や、ハイブリッドの最上級グレードは鉄板の選択となるでしょう。
ボディカラーは「白」と「黒」が王道
リセールバリューを最も左右すると言っても過言ではないのがボディカラーです。 定番ですが、最も高値が期待できるのは「パールホワイト」と「ブラック」です。 この2色は老若男女問わず人気が高く、中古車市場での需要が安定しています。 個性的な色も魅力的ですが、リセールを最優先するなら、この2色のどちらかを選んでおくのが最も賢明な選択です。
絶対に外せないメーカーオプション3選
ディーラーオプションは後からでも装着できますが、メーカーオプションは新車購入時にしか選べません。 以下の3つは、リセールに大きく影響するため、必ず装着することをおすすめします。
①大型ディスプレイオーディオ
もはや必須装備です。 ナビ機能だけでなく、オーディオやスマートフォン連携など、車内での快適性を大きく左右します。 中古車市場でもディスプレイオーディオの有無は査定の大きなポイントになります。
②パノラミックビューモニター(360°カメラ)
車を真上から見たような映像で周囲の状況を確認できるパノラミックビューモニターは、特に運転が苦手な方や、狭い場所での駐車が多いユーザーに絶大な人気を誇ります。 安全装備としての価値も高く、査定額アップに直結する人気オプションです。
③両側パワースライドドア
グレードによっては片側が標準の場合もありますが、必ず「両側」をパワースライドドアにしてください。 ファミリー層からの需要を考えると、これは必須中の必須オプションです。 片側だけだと、それだけで査定が下がってしまう可能性があります。
購入後のメンテナンスも忘れずに
当然のことながら、購入後の乗り方もリセールに影響します。 定期的な点検やオイル交換をディーラーでしっかり行い、記録簿を残しておくこと。 内外装を綺麗に保ち、禁煙車として使用すること。 こうした日々の積み重ねが、最終的な査定額にプラスに働きます。
まとめ
今回は、2025年以降に登場が期待される新型ルーミーのフルモデルチェンジ、特に皆さんが気になるであろうリセールバリューについて、徹底的に解説してきました。
新型ルーミーは、待望のハイブリッド搭載による圧倒的な低燃費、先進安全装備の充実、内外装の質感向上など、全方位にわたって大きな進化を遂げます。 現行モデルが持つ「絶妙なサイズ感」や「両側スライドドアの利便性」といった美点はそのままに、商品力が劇的に高まることで、そのリセールバリューは現行モデル以上に高い水準で維持されると予測します。
もちろん、そのためには、
- 人気の「カスタム」グレードを選ぶこと
- ボディカラーは「パールホワイト」か「ブラック」を選ぶこと
- パノラミックビューモニターなどの必須オプションを装着すること
といった、賢い車種選びが重要になります。
新車価格は上昇しますが、それに見合うだけの価値と、将来的なリターンが期待できる一台であることは間違いありません。 この記事が、あなたの後悔しない車選びの一助となれば幸いです。