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クラウンスポーツは加速性能にガッカリすると言われる真相|名前負けのSUV

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、トヨタ クラウンスポーツの「走行性能」について、特にその加速力やハンドリングが本当に”スポーツ”の名にふさわしいのか、気になっていることでしょう。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)

「名前はスポーティだけど、所詮はSUVだから走りは大したことない」「GR86やスープラのような本物のスポーツカーと比べたら、加速でがっかりするのでは?」といった声が聞こえてくるのも事実です。 私自身、このクラウンスポーツを所有しており、その評判と実態のギャップを日々感じているため、皆様が不安に思う気持ちはよくわかります。

この記事を読み終える頃には、クラウンスポーツの走行性能の真実と、走行性能を期待して購入すると裏切られるという噂の真相、そしてあなたが本当にこの車を選ぶべきかが明確になっているはずです。

記事のポイント

  • クラウンスポーツの走行性能の核心はDRSとパワートレイン
  • ライバル不在?国産スポーツモデルとの明確な立ち位置の違い
  • 加速性能はPHEVで激変するHEVとの埋めがたい差
  • 所有してわかる真価 スポーツカーにはない魅力と購入前の注意点
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クラウンスポーツの走行性能は低いのか?ネットの評判と実態を徹底解剖

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)

「クラウンスポーツ」という、伝統と革新を両立させたようなネーミング。 その名を聞けば、誰もが胸のすくようなスポーティな走りを期待するでしょう。 しかし、インターネット上では「走行性能が期待外れ」「名前負けしている」といった厳しい意見も散見されます。

なぜ、このような評価が生まれるのでしょうか。 ここでは、その原因を深掘りしつつ、パワートレインやシャシー性能といった技術的な側面から、クラウンスポーツの走りの実態に迫ります。 私自身の所有経験も交えながら、客観的なデータと主観的なフィーリングの両面から徹底的に解剖していきましょう。

なぜ「走行性能が低い」と言われるのか?その原因を探る

クラウンスポーツの走行性能についてネガティブな評判が立つ背景には、主に3つの誤解と期待のズレが存在すると私は分析しています。

原因1:「クラウン」という名前からくる伝統的な乗り心地への期待

長年、日本の高級車の代名詞であった「クラウン」には、「静かで快適、後席のためのショーファーカー」というイメージが強く根付いています。 その伝統的なクラウンをイメージして試乗すると、21インチの大径タイヤがもたらす硬質で引き締まった乗り心地に「これがクラウン?」と驚く方も少なくありません。 この「伝統的なクラウン像」とのギャップが、「乗り心地が悪い」ひいては「走行性能が低い」という評価に繋がっている一因です。

原因2:「スポーツ」という名前からくるピュアスポーツカーとの比較

次に、「スポーツ」という単語が引き起こす誤解です。 この言葉から、多くの人がトヨタのGR86やGRスープラのような、軽量・高出力・後輪駆動のピュアスポーツカーを連想します。 当然ながら、車両重量が1.8トンを超え、ハイブリッドシステムを搭載するSUVであるクラウンスポーツが、それらのクルマと同じ土俵で0-100km/h加速やサーキットのラップタイムを競えば、見劣りするのは物理的に当然です。 この「比較対象のズレ」が、「スポーツの名に偽りあり」「加速が遅い」という短絡的な評価を生み出しているのです。

原因3:HEV(ハイブリッド)モデルのスペックがもたらす印象

クラウンスポーツには大きく分けてHEV(ハイブリッド)とPHEV(プラグインハイブリッド)の2種類が存在します。 先行して発売されたHEVモデルのシステム最高出力は234ps。 これは、1.8トンを超える車体を動かすには十分なパワーですが、「スポーツ」を名乗るには少し物足りなく感じる数字かもしれません。 特に、アクセルを深く踏み込んだ際にエンジン音が先行し、後から速度がついてくるようなハイブリッド特有のフィーリングが、「ダイレクト感に欠ける」という印象を与え、走行性能への疑問符に繋がっています。

これらの原因は、クラウンスポーツが「伝統的なセダン」でも「純粋なスポーツカー」でもない、全く新しいジャンルのクルマであることへの理解が追いついていないことから生じる、いわばコミュニケーションの齟齬と言えるでしょう。

クラウンスポーツの心臓部 2つのパワートレインを乗り比べる

クラウンスポーツの走行性能を語る上で、HEVとPHEV、2つのパワートレインの違いを理解することは絶対に欠かせません。 この2つは、単なる燃費や環境性能の違いだけでなく、走りのキャラクターが全く異なります。 はっきり言って、別のクルマです。

HEV(2.5Lハイブリッド):日常をジェントルにこなす優等生

システム最高出力234psを発揮する2.5Lハイブリッドモデル(SPORT Z)。 日常的なシーンでの走りは、非常にスムーズで洗練されています。 モーターアシストにより発進は静かで力強く、街中でのストップ&ゴーも得意です。 高速道路での巡航も余裕があり、静粛性の高さと相まって快適なロングドライブを約束してくれます。 しかし、ペルソナの方が懸念するように、ワインディングロードでアクセルを全開にするようなシーンでは、やや物足りなさを感じるのも事実。 エンジンが唸りを上げるものの、期待するほどの爆発的な加速感は得られにくいかもしれません。 あくまで「快適で扱いやすい、上質なSUV」というのがHEVモデルの偽らざる評価です。

PHEV(2.5Lプラグインハイブリッド):スポーツの名を体現する狼

一方、システム最高出力306psを誇るPHEVモデル(SPORT RS)は、まさに「羊の皮をかぶった狼」です。 大容量バッテリーと高出力モーターの恩恵により、その加速はHEVとは別次元。 アクセルを踏んだ瞬間から、タイムラグなく最大トルクが立ち上がり、巨体が静かに、しかし猛烈に押し出されます。 その感覚は、もはや上質なEVスポーツ。 エンジンが始動してからも、モーターによる強力なアシストは続き、速度とエンジン回転数がリニアに上昇していくため、HEVで感じられたようなラバーバンドフィール(エンジン回転と速度のズレ)は皆無です。 約180万円という価格差は決して小さくありませんが、クラウンスポーツに「スポーツ」の名にふさわしい動力性能を求めるのであれば、PHEVは唯一無二の選択肢と言えるでしょう。

数値で見る加速性能【0-100km/h】ライバル車との比較

「理屈はわかった。 では、実際のところどれくらい速いのか?」という声が聞こえてきそうです。 そこで、0-100km/h加速タイムを公称値や実測データを元に比較してみましょう。 あくまで参考値ですが、動力性能の客観的な指標となります。

車種名 パワートレイン 0-100km/h 加速タイム(参考値)
クラウンスポーツ RS (PHEV) 2.5L PHEV 約6.0秒
トヨタ GR86 (AT) 2.4L 自然吸気エンジン 約6.8秒
トヨタ GRスープラ (SZ-R) 2.0L ターボエンジン 約5.2秒
トヨタ GRスープラ (RZ) 3.0L ターボエンジン 約4.1秒
クラウンスポーツ Z (HEV) 2.5L HEV 約7.5秒~8.0秒
トヨタ ハリアー (PHEV) 2.5L PHEV 約6.0秒
マツダ CX-60 (PHEV) 2.5L PHEV 約5.8秒

この表から読み取れることは明確です。

  • クラウンスポーツPHEVは、GR86を上回り、GRスープラ SZ-Rに迫る非常に優れた加速性能を持っています。
  • クラウンスポーツHEVは、スポーツカーと比較すると見劣りしますが、一般的なSUVとしては十分な性能です。

注目すべきは、クラウンスポーツPHEVが、より軽量なFRスポーツであるGR86を凌駕している点です。 もちろん、中間加速やサーキットでの速さは別の話になりますが、「信号グランプリ」のようなゼロ発進加速で負けたくない、という気持ちには十分応えてくれる実力があると言えます。 しかし、このタイム比較は、クラウンスポーツの魅力のほんの一端しか示していません。 このクルマの真価は、直線加速の”点”の速さではなく、コーナーが連続する”線”の走りにあるのです。

SUVの常識を覆すコーナリングの秘密 DRS(ダイナミックリアステアリング)の効果

クラウンスポーツの走行性能を語る上で、PHEVのパワートレインと並んで最も重要な技術が、この**DRS(ダイナミックリアステアリング)**です。 簡単に言えば「後輪も曲がる」四輪操舵システムですが、その効果は絶大で、クラウンスポーツの走りを唯一無二のものにしています。

DRSの仕組みとは?

  • 低速域(約60km/h以下): ハンドルを切った方向とは**逆向き(逆位相)**に後輪が最大4度切れます。 これにより、車体が驚くほどクイックに内側を向き、最小回転半径は5.4mと、この巨体からは信じられないほどの小回り性能を実現します。
  • 中・高速域: ハンドルを切った方向と**同じ向き(同位相)**に後輪が切れます。 これにより、車体後部の挙動が安定し、高速道路でのレーンチェンジやワインディングロードの高速コーナーで、まるでレールの上を走っているかのような圧倒的な安定感を生み出します。

オーナーが語るDRSの感動体験

このDRSの効果は、様々なシーンで感動をもたらします。

  • 市街地の交差点: ただ交差点をゆっくり曲がるだけで、ステアリング操作に対して車がスッと向きを変える感覚に「おっ」と声が出ます。 ノーズの入りが非常に軽快で、1.8トン超のSUVを運転していることを忘れさせます。
  • 駐車・車庫入れ: 狭い駐車場での切り返しが明らかに少なくなります。 このサイズのSUVとは思えない取り回しの良さは、日常使いでのストレスを大幅に軽減してくれます。
  • ワインディングロード: これこそがDRSの真骨頂です。 コーナーに進入し、ステアリングを切り込むと、まるで自分の運転が上手くなったかのように、車がインに吸い寄せられていきます。 SUV特有の腰高感やロール(車体の傾き)が巧みに抑えられ、狙ったラインを正確にトレースできる快感は、ピュアスポーツカーとはまた違った質の高いドライビングプレジャーです。

DRSは、クラウンスポーツが単なる「速いSUV」ではなく、「運転が楽しいSUV」であることの最大の証明と言えるでしょう。

足回りとブレーキ性能 スポーツと快適性の絶妙なバランス

クラウンスポーツは、全グレードで21インチという大径タイヤを標準装備しています。 通常、これほど大きなタイヤを履くと、路面の凹凸を拾いやすくなり、乗り心地は硬く、突き上げ感が強くなる傾向にあります。 しかし、クラウンスポーツの足回りは、そのネガティブな要素を見事に封じ込めています。

サスペンションは、路面からの入力をしなやかに受け止めつつ、不要な揺れは一発で収束させる絶妙なセッティング。 乗り味は「硬質」ではありますが、決して不快な硬さではありません。 例えるなら、高級な革靴のような、しっかりとした剛性感とフィット感を伴う上質な乗り心地です。 もちろん、伝統的なクラウンのようなフワフワとした乗り心地を期待すると裏切られますが、これは明確に「走るため」の足回りです。

さらにPHEVモデルには、フロントに専用設計された対向6ピストンの大型ブレーキキャリパーが奢られます。 これは、306psというパワーと、HEVより約200kg重い車体を確実に受け止めるための専用装備。 ブレーキペダルのタッチも剛性感が高く、踏力に応じてリニアに制動力が立ち上がるため、速度コントロールが非常にしやすい点も、スポーツ走行を楽しむ上での安心感に繋がっています。

【徹底比較】クラウンスポーツは他のスポーツカーに劣るのか?

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)

ここまでクラウンスポーツ単体の走行性能について解説してきましたが、やはり気になるのは他のスポーツモデルとの比較でしょう。 ここでは、読者の方が気にされているGR86とGRスープラを俎上に載せ、クラウンスポーツがどのような立ち位置にいるのかを明らかにします。

vs トヨタ GR86/スバル BRZ 軽量FRスポーツとの対決

  • 勝っている点(クラウンスポーツ):
    • 内外装の圧倒的な質感と先進性
    • 全天候型の走行安定性(AWD)
    • 静粛性と快適性
    • 先進安全装備の充実度
    • PHEVモデルの直線加速性能
  • 劣っている点(クラウンスポーツ):
    • 軽快感、人馬一体感
    • コーナリングのヒラヒラ感
    • エンジンサウンドや振動といった官能性能
    • 絶対的なコストパフォーマンス

結論から言えば、この2台が提供する「楽しさ」の種類は全く異なります。 GR86の魅力は、軽量なFRシャシーと自然吸気エンジンがもたらす、どこまでもピュアでダイレクトな操縦感覚にあります。 クルマとの対話、限界領域でのコントロール性を楽しむためのクルマです。

一方、クラウンスポーツの魅力は、上質な内外装に身を包み、快適な空間を維持したまま、日常のあらゆるシーンで非日常的なスポーティさを味わえる点にあります。 雨の日の高速道路でも不安なく、それでいてワインディングに差し掛かればDRSを駆使して水を得た魚のように走る。 GR86が休日に着るレーシングスーツなら、クラウンスポーツは普段使いできる高性能なオーダースーツと言えるでしょう。

vs トヨタ GRスープラ 本格FRスポーツとの比較

GRスープラ、特に3.0L直列6気筒ターボエンジンを搭載するRZグレードとの比較は、もはや「比較」という行為自体がナンセンスかもしれません。 生まれも育ちも、目指す頂も全く違うクルマです。

スープラは、BMWとの共同開発によって生まれた、トヨタのピュアスポーツの頂点に君臨するモデルです。 その走りは全てがスパルタンで、ドライバーに相応のスキルと集中力を要求する代わりに、公道では味わいきれないほどの圧倒的なパフォーマンスを提供します。

クラウンスポーツは、スープラのような絶対的な速さや刺激性はありません。 しかし、スープラにはないものが数多くあります。 それは、後席の存在であり、実用的なラゲッジスペースであり、ハイブリッドならではの燃費性能であり、そして何より、誰もがリラックスしてその高性能を味わえる懐の深さです。

「スープラに乗りたいけれど、家族も乗せるし、普段使いの利便性も捨てられない…」 そんなジレンマを抱えるドライバーにとって、クラウンスポーツPHEVは、まさに夢のような一台となり得る可能性を秘めています。 「スポーツカー」という枠組みではなく、「高性能なグランドツアラー」あるいは「新時代のスペシャリティSUV」として捉えるべき存在なのです。

vs 高性能SUV(マツダ CX-60, ハリアーPHEV)という選択肢

スポーツカーではなく、同じ高性能SUVという土俵で見てみると、クラウンスポーツの個性はさらに際立ちます。 例えば、マツダ CX-60には直列6気筒エンジンというロマンがあり、ハリアーにはトヨタならではの盤石な高級感と完成度があります。

その中でクラウンスポーツが持つ最大の武器は、やはり他に類を見ない先進的なエクステリアデザインと、DRSがもたらす唯一無二のハンドリング性能です。 ライバルたちが既存のSUVの価値観の中で上質さや力強さを競っているのに対し、クラウンスポーツは「これは本当にSUVなのか?」と思わせるような、未来的なスタイリングと異次元の走りで、全く新しい価値観を提示しています。 性能の優劣ではなく、どの世界観に共感できるか、という感性の領域で選ばれるクルマだと言えるでしょう。

所有して初めてわかるクラウンスポーツの真価と注意点

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/crownestate/)

最後に、オーナーだからこそ語れる、カタログスペックだけでは見えてこないクラウンスポーツの真価と、購入前に知っておくべき注意点について触れておきます。

走行性能を求めるならPHEV一択なのか? HEVの価値とは

ここまで、走行性能面ではPHEVを絶賛してきましたが、ではHEVには価値がないのかというと、決してそんなことはありません。 約180万円という価格差をどう捉えるかがポイントです。

  • PHEVを選ぶべき人:
    • 0.1秒でも速い加速を求める人
    • ハイブリッド特有のフィーリングが苦手な人
    • 自宅に充電環境があり、EV走行のメリットを最大限享受できる人
  • HEVでも満足できる人:
    • クラウンスポーツのデザインに惚れ込み、世界観を所有したい人
    • 日常域でのスムーズさと優れた燃費を重視する人
    • 過度なスポーツ性能は求めず、あくまで上質な移動空間を求める人

HEVでも、DRSがもたらすハンドリングの楽しさは十分に味わえます。 ご自身の予算と、クルマに求める性能の優先順位をじっくりと見極めることが重要です。

気になる実燃費は?HEVとPHEVのリアルな数値を公開

私の実体験に基づくリアルな燃費データは以下の通りです。 (運転スタイルや環境によって大きく変動します)

  • HEVモデル:
    • 街乗り中心:16~18km/L
    • 高速道路:19~22km/L
    • 平均:約17km/L
  • PHEVモデル:
    • EV走行のみ:バッテリー満充電で約70~80km走行可能
    • ハイブリッド走行(充電ゼロ時):15~17km/L

PHEVは、片道30km程度の通勤であれば、ほぼガソリンを使わずに電気だけで生活できるポテンシャルを持っています。 ライフスタイルに合致すれば、燃料代を劇的に抑えることが可能です。

走り以外の魅力 内装の質感と居住性

クラウンスポーツの魅力は走りだけではありません。 運転席に乗り込むと、ドライバーを包み込むようなデザインのコクピットが迎えてくれます。 一部で「プラスチックの質感が…」という声もありますが、全体として見れば、アシンメトリーな配色や素材の組み合わせなど、非常にデザインコンシャスで所有満足度の高い空間に仕上がっています。

ただし、注意点として後席の居住性が挙げられます。 流麗なルーフラインのため、身長の高い大人が長時間乗るには、頭上空間にやや圧迫感を感じるかもしれません。 あくまで前席優先のパーソナルな空間と割り切る潔さも必要です。

SUVとしての使い勝手は?荷室容量と実用性

ラゲッジ容量は397Lと、絶対的な広さはありません。 しかし、後席を倒せば長尺物も積載可能で、日常的な買い物から、2人での旅行までなら十分にこなせる実用性は確保されています。 ただし、デザインを優先した結果、開口部の高さや形状にはやや制約があります。 ファミリーでのキャンプなど、積載性を最優先する使い方には向いていないことは理解しておくべきでしょう。

【オーナーだから語れる】意外なメリットとデメリット

  • 意外なメリット:
    • 注目度の高さ: どこへ行っても視線を集めます。 優越感に浸れる瞬間が多いです。
    • DRSによる小回り性能: 見た目からは想像もつかないほど、狭い道での取り回しが楽です。
    • 乗り降りのしやすさ: SUVならではのヒップポイントの高さで、セダンやクーペよりも楽に乗り降りできます。
  • 意外なデメリット:
    • 後方視界: デザイン優先のため、Cピラーが太く、斜め後方の視界は決して良くありません。 ブラインドスポットモニターは必須装備です。
    • 洗車の大変さ: ボディの抑揚が激しく、プレスラインが複雑なため、手洗い洗車はなかなかの重労働です。

まとめ

さて、長々と語ってきましたが、結論を述べましょう。

「クラウンスポーツは、走行性能を期待すると裏切られる」という噂は、半分本当で、半分は全くの誤解です。

GR86やスープラのようなピュアスポーツカーの物差しで測れば、その加速性能や運動性能は期待外れに終わるかもしれません。 その土俵でこのクルマを評価すること自体が、そもそも間違いなのです。

クラウンスポーツの正体、それは**「圧倒的に美しく、官能的なスタイリングをまとった、新時代の高性能スポーティSUV」**です。

SUVならではの実用性と快適性をベースに持ちながら、DRS(ダイナミックリアステアリング)という魔法の杖で、巨体を忘れさせるほどの軽快なハンドリングを実現。 そしてPHEVモデルを選べば、並のスポーツカーを置き去りにするほどの静かで暴力的な加速力まで手に入れることができる。

  • ピュアスポーツカーの刺激も欲しい。
  • でも、高級車としての上質な内外装や快適性も譲れない。
  • AWDの安定性も、いざという時の実用性も必要だ。

そんな、従来のクルマのジャンルでは満たすことのできなかった、欲張りなドライバーの夢を一台で叶えてくれるのが、このクラウンスポーツというクルマです。

走行性能を期待して買うと損をするか? いいえ、正しい期待値を持って購入すれば、これほど満足度の高いクルマは他にないと、私はオーナーとして断言します。 まずは先入観を捨てて、PHEVモデルの試乗をしてみてください。 アクセルを踏み込んだ瞬間、きっとその真価に気づかされるはずです。