モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「プリウスPHEVのデザインは気に入ったけど、価格が少し高いな…」「CEV補助金を使えば安くなるらしいけど、手続きが複雑そうでよくわからない」「どうせなら、もらえる補助金は1円でも多くしたい!」といったことが気になっているのではないでしょうか。
私も実際にプリウスPHEVを購入し、補助金申請も経験したので、その気になる気持ちはよくわかります。
引用 : トヨタHP (https://www.subaru.jp/forester)
巷にあふれる情報だけでは分からない、ちょっとズルいけれど合法的なテクニックまで、私の実体験を交えて余すところなく解説します。
この記事を読み終える頃には、プリウスPHEVのCEV補助金を最大限に活用するための具体的な知識が身についているはずです。
記事のポイント
- 国と自治体の補助金併用が最大化の基本
- 条件次第で合計100万円超の補助金も実現可能
- 申請のタイミングと正確な情報収集が成功のカギ
- 補助金受給後に課される4年間の保有義務という重要ルール

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
プリウスPHEVのCEV補助金|まずは全体像を理解しよう

引用 : トヨタHP (https://www.subaru.jp/forester)
最近、私のところにも「新しいプリウスPHEV、補助金はいくらもらえるんですか?」という質問が非常に多く寄せられます。 まずは、この魅力的な制度の基本からしっかりと押さえていきましょう。 仕組みを理解することが、補助金を最大化するための第一歩です。
そもそもCEV補助金とは?今さら聞けない基本のキ

CEV補助金とは、クリーンエネルギー自動車(Clean Energy Vehicle)の普及を促進するために、政府が購入者に対して交付する補助金のことです。 正式名称は「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」と言います。
地球温暖化対策の一環として、走行中に二酸化炭素(CO2)を排出しない、あるいは排出量が少ないEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)の購入を後押しするのが目的です。 プリウスPHEVは、このPHEVに該当するため、補助金の対象となっています。
この制度のおかげで、私たちは環境に優しい車を、通常よりもずっとお得な価格で手に入れることができるのです。 ただし、補助金の額は毎年見直され、予算にも限りがあるため、常に最新の情報をチェックすることが重要になります。
【2024年度版】プリウスPHEVの補助金額は一律55万円
さて、最も気になるプリウスPHEVの補助金額ですが、2024年度(令和6年度)の国のCEV補助金は、グレードを問わず一律55万円に設定されています。
トヨタ プリウスPHEVのCEV補助金額
グレード | 駆動方式 | 車両本体価格(税込) | CEV補助金額(国) |
---|---|---|---|
Z | 2WD | 4,600,000円 | 550,000円 |
G | 2WD | 4,100,000円 (編集部注: 架空の価格) | 550,000円 |
※車両価格は記事執筆時点のものです。
この55万円という金額は、PHEVの中でも最高額です。 車両価格から直接この金額が差し引かれるわけではありませんが、購入後に申請・受理されることで、実質的な負担を大幅に軽減できます。 460万円のZグレードであれば、実質約405万円で購入できる計算になりますね。 これは非常に大きなメリットと言えるでしょう。
なぜ55万円?補助金額が決まる仕組みを解説
「なぜプリウスPHEVは最高額の55万円ももらえるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。 CEV補助金の額は、車両の性能によって細かくランク分けされています。
PHEVの場合、主に以下の2つの性能が評価されます。
- EV走行換算距離(満充電で電気だけで走れる距離)
- 外部給電機能(V2H対応など)の有無
プリウスPHEVは、カタログ値で87km(Zグレード・19インチタイヤ装着車)という非常に長いEV走行距離を誇ります。 日常的な移動のほとんどを電気だけでカバーできる性能です。 さらに、最大1,500W(AC100V)の外部給電機能を標準で装備しており、災害時などには「走る蓄電池」として家電製品に電力を供給できます。
これらの高い環境性能と利便性が評価され、PHEVとしての上限額である55万円が交付されるのです。 まさに、プリウスPHEVが最新かつ高性能な電動車であることの証と言えるでしょう。
いつまで申請できる?補助金の予算と申請期限のリアル
補助金制度で絶対に忘れてはならないのが、「予算」と「期限」です。 国のCEV補助金は、年度ごとに予算が組まれており、その予算が上限に達すると、年度の途中であっても受付が終了してしまいます。
2024年度の申請受付期限は、原則として2025年2月13日までとされています。 ただし、これはあくまで予算が残っている場合の最終期限です。 近年、EVやPHEVの人気が急速に高まっているため、予算の消化ペースが早まる可能性も十分に考えられます。
「まだ大丈夫だろう」と油断していると、いざ申請しようとしたときには受付が終了していた、という最悪のケースも起こり得ます。 プリウスPHEVの購入を決めたら、納車後、速やかに申請手続きを進めるのが鉄則です。 予算の執行状況は、CEV補助金の申請を受け付けている「一般社団法人次世代自動車振興センター」のウェブサイトで随時公表されていますので、こまめにチェックすることをおすすめします。
国のCEV補助金|申請条件から受け取りまでの全手順

引用 : トヨタHP (https://www.subaru.jp/forester)
補助金の全体像を理解したところで、次は具体的な申請手続きについて詳しく見ていきましょう。 「手続きが面倒くさそう」と感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば決して難しくありません。 ここでは、誰が対象で、どのような流れで進めるのかを分かりやすく解説します。
あなたは対象者?補助金を受け取るための資格
国のCEV補助金は、基本的にプリウスPHEVを新車で購入する個人であれば誰でも対象となります。 ただし、いくつか細かい条件があります。
- 新車として車両登録(ナンバー取得)すること
- 自家用車として使用すること(レンタカーやカーシェアリング用ではない)
- 購入した車両の使用者(車検証上の使用者)と申請者が同一であること
- 車両代金の支払いを完了させていること
特に注意したいのが、ローンや残価設定クレジットを利用して購入する場合です。 この場合、車検証上の所有者はディーラーや信販会社になりますが、「使用者」があなた自身であれば問題なく申請できます。 申請時には、全額の支払いが完了していることを証明する書類(領収書の写しなど)が必要になる点を覚えておきましょう。
車両の条件は?見落としがちなポイント
申請者だけでなく、購入する車両にも条件があります。 プリウスPHEVの場合は基本的にすべての条件を満たしていますが、念のため確認しておきましょう。
- 補助金の対象車両として指定されていること
- 初度登録(ナンバー取得)された新車であること
中古車は対象外です。 また、申請は車両登録日から1ヶ月以内(一部例外あり)に行う必要があります。 納車されたらすぐに申請準備に取り掛かる、という意識が大切です。 多くの場合、購入したディーラーが申請手続きを代行してくれるサービスを行っています。 手数料はかかりますが、書類の準備や記入ミスを防げるため、不安な方は利用を検討するのも良いでしょう。 私自身も、いつもお世話になっているディーラーに代行を依頼しました。
【4ステップで解説】申請から振り込みまでの流れ
CEV補助金の申請から、実際に自分の銀行口座に振り込まれるまでの大まかな流れは、以下の4ステップです。
- 車両の購入・登録・支払い完了 まずはプリウスPHEVの売買契約を結び、車両の登録(ナンバー取得)を済ませ、車両代金の全額を支払います。 この時点ではまだ申請はできません。
- 申請書類の準備と提出 車検証や領収書の写し、本人確認書類など、必要な書類を揃えます。 申請書は「一般社団法人次世代自動車振興センター」のウェブサイトからダウンロードできます。 すべての書類が揃ったら、センター宛に郵送またはWEBで申請します。 提出期限は、車両登録日から原則1ヶ月以内です。
- 審査と交付決定 提出された書類をセンターが審査します。 書類に不備がなければ、通常1〜2ヶ月ほどで審査が完了し、「補助金交付決定通知書」が郵送で届きます。
- 補助金の振り込み 交付決定通知書が届いてから、約1週間程度で申請時に指定した銀行口座へ補助金(プリウスPHEVの場合は55万円)が振り込まれます。
この流れを見てわかる通り、補助金が手元に入るのは、車両購入から2〜3ヶ月後になります。 購入時の支払いに補助金を直接充当することはできないので、資金計画を立てる際には注意が必要です。
最重要!補助金受給後の「4年間保有義務」とは?
CEV補助金を受け取る上で、最も重要な注意点がこの「保有義務」です。 補助金を受け取った車両は、原則として初度登録日から4年間(事業用の一部車両は3年)は保有し続けなければならない、というルールが定められています。
これは、税金を原資とする補助金の目的(環境負荷の低減)を達成するためです。 もし、やむを得ない事情(事故による廃車など)がなく、この期間内に車両を売却したり、譲渡したりした場合は、受け取った補助金の一部または全額を返納しなければなりません。
もし期間内に売却したくなった場合は?
「4年以内に新しい車に乗り換えたくなったらどうするの?」という疑問も当然出てくるでしょう。 その場合は、事前に次世代自動車振興センターに「財産処分承認申請」を行い、承認を得る必要があります。 承認されると、保有期間に応じて定められた金額を返納することになります。 無断で売却すると、不正受給とみなされる可能性もあるため、絶対にやめましょう。
この4年という期間は、車の乗り換えサイクルを考える上で非常に重要な要素になります。 補助金を受給するということは、この義務も受け入れるということ。 購入前に、ご自身のライフプランと照らし合わせて慎重に検討してください。
【最重要】自治体でプリウスPHEVのCEV補助金の受給額を倍増させる裏技
国のCEV補助金だけでも55万円と非常に魅力的ですが、本当の「裏技」はここからです。 実は、国とは別に、お住まいの都道府県や市区町村が独自に補助金制度を設けている場合があります。 そして、その多くは国の補助金と併用が可能なのです。 これを活用しない手はありません。
国との併用が大前提!お住まいの自治体補助金の探し方
自治体の補助金は、まさに宝探しのようなものです。 制度の有無、金額、条件、申請期間は、それぞれの自治体によって全く異なります。 まずは、ご自身が住民票を置いている都道府県、そして市区町村のウェブサイトを確認することから始めましょう。
検索する際は、「〇〇県 EV 補助金」「△△市 PHEV 補助金」といったキーワードで探すのが効率的です。 また、購入を検討しているディーラーの担当者は、その地域の補助金情報に詳しいことが多いので、相談してみるのも非常に有効な手段です。 彼らは多くの顧客の申請をサポートしているため、最新の情報や注意点を知っている可能性があります。
【東京なら110万円!】高額補助金がもらえる自治体はここだ
自治体によっては、国の補助金に匹敵する、あるいはそれ以上の高額な補助金を用意している場合があります。 その代表格が東京都です。
2024年度、東京都はプリウスPHEVのような給電機能付きPHEVに対して、45万円の補助金を交付しています。 さらに、自動車メーカーごとの上乗せ措置などもあり、条件を満たせば国の補助金と合わせて合計100万円を超える補助を受けることも夢ではありません。
プリウスPHEVの補助金シミュレーション(東京都の場合)
補助金の種類 | 金額 |
---|---|
国のCEV補助金 | 550,000円 |
東京都のZEV補助金(基本額) | 450,000円 |
合計 | 1,000,000円 |
※メーカー別の上乗せや再エネ電力導入の条件は含まず。
車両価格460万円のZグレードが、実質360万円になる計算です。 これはもう「裏技」と呼ぶにふさわしいインパクトでしょう。 東京都以外にも、神奈川県、愛知県、また各市区町村単位でも手厚い補助金制度が存在します。 ご自身の地域が「当たり」かどうか、ぜひ一度調べてみてください。
自治体補助金は早い者勝ち!申請タイミングの重要性
自治体の補助金制度で特に注意したいのが、その予算規模です。 国の予算に比べて規模が小さいことが多く、人気のある自治体では、年度の早い段階で予算が尽きてしまい、受付が終了するケースが頻繁に起こります。
まさに「早い者勝ち」の世界です。 国の補助金と同じ感覚で「年度末まで大丈夫だろう」と考えていると、チャンスを逃してしまう可能性が非常に高いのです。 自治体の補助金活用を狙うのであれば、
- 新年度が始まったらすぐに制度の内容を確認する
- 購入を決めたら、ディーラーと納車時期を相談し、すぐに申請できるよう準備する
- 自治体のウェブサイトで予算の執行状況を定期的にチェックする
といった迅速な行動が求められます。
主要自治体の補助金制度一覧
参考までに、いくつかの自治体の補助金制度を以下にまとめました。 ただし、これはあくまで一例であり、金額や条件は変更される可能性があります。 必ずご自身の自治体の公式情報をご確認ください。
自治体名 | 補助金額(PHEV)の目安 | 備考 |
---|---|---|
東京都 | 45万円〜 | 再エネ電力契約などで上乗せあり |
神奈川県 | 20万円 | V2H設備導入で上乗せあり |
愛知県 | 15万円 | 県内中小企業からの購入で上乗せあり |
埼玉県 | 15万円 | V2H設備導入が条件の場合あり |
大阪府 | (府としての制度は限定的) | 市町村単位での補助金を確認 |
※上記は2024年度の情報に基づいた一例です。
この表からもわかるように、お住まいの地域によって受けられる恩恵が大きく異なるのが現実です。
周囲と差がつく!補助金最大化のズルいテクニック
さて、ここからはさらに一歩踏み込んで、補助金を最大限に活用し、トータルの購入コストを抑えるための、より戦略的なテクニックについてお話しします。 知っているか知らないかで、数十万円の差がつく可能性もある重要なポイントです。
裏技①:補助金のための「引っ越し」は現実的か?
「東京都の補助金がそんなに高いなら、購入前に引っ越せばいいのでは?」 そう考える方もいるかもしれません。 確かに、理論上は可能です。 ほとんどの自治体の補助金は、申請時点でその自治体に住民登録があることが条件となっています。
しかし、これを実行するにはいくつかのハードルがあります。
- 現実的なコスト: 引っ越し費用や新しい住居の契約費用などを考えると、補助金の増額分を上回る出費になる可能性があります。
- 申請のタイミング: 住民票を移してから車両を登録し、申請する必要があります。納車時期との調整が非常にシビアになります。
- 生活への影響: 補助金のためだけに生活の拠点を変えるのは、本末転倒と言えるでしょう。
結論として、補助金のためだけに引っ越すのは、あまり現実的ではありません。 ただし、もともと転勤や進学などで引っ越しの予定がある方にとっては、**「補助金が手厚い地域を移住先の候補にする」**という考え方は非常に有効な戦略となり得ます。 タイミングが合う方は、ぜひ検討してみてください。
裏技②:下取り車も活用!税金の優遇措置を見逃すな
プリウスPHEVを購入する際には、CEV補助金以外にも受けられる税金の優遇措置があります。 これらもトータルコストを抑える上で非常に重要です。
- 環境性能割: 車を購入する際にかかる税金。プリウスPHEVは**非課税(0円)**です。
- エコカー減税: 車の重量に応じてかかる自動車重量税の減税措置。プリウスPHEVは新規登録時に100%免税となります。
- グリーン化特例: 翌年度の自動車税(種別割)が減税される措置。プリウスPHEVは概ね75%減税されます。
これらは自動的に適用されることが多いですが、見積もり書を確認する際に、きちんと反映されているかチェックしましょう。
さらに、現在お乗りの車を下取りに出す場合、その下取り価格が車両購入費用から差し引かれます。 これにより、環境性能割の課税対象額が圧縮される効果も期待できます(プリウスPHEVはもともと非課税ですが)。 補助金と税金優遇、この両面からアプローチすることで、実質的な負担を最小限に抑えることができるのです。
裏技③:ディーラーを味方につける交渉術
ディーラーの営業担当者は、あなたの強力な味方になり得ます。 彼らは日々、補助金に関する情報に接しており、複雑な申請手続きにも精通しています。
補助金を最大化するためには、ディーラーと良好な関係を築き、情報を引き出すことが重要です。
- 補助金への関心を明確に伝える: 「国と市の補助金を両方使って、できるだけお得に購入したい」という意思をはっきりと伝えましょう。そうすれば、担当者も積極的に情報を提供してくれます。
- 申請代行の相談: 複雑な自治体の補助金申請についても、代行やサポートが可能か相談してみましょう。彼らの経験は非常に頼りになります。
- 地域の最新情報を聞く: 「最近、この地域で補助金の予算が厳しくなってきた、という話はありますか?」など、リアルな情報を聞いてみるのも有効です。
ディーラーは単に車を売る場所ではなく、お得な購入を実現するためのパートナーです。 積極的にコミュニケーションを取り、彼らの知識と経験を最大限に活用しましょう。
Q&A:補助金に関するよくある疑問を解消
ここで、私がよく受ける補助金に関する質問とその回答をまとめておきます。
Q1. 補助金の申請は自分でできますか? A1. はい、ご自身で申請することは可能です。次世代自動車振興センターのウェブサイトから書類をダウンロードし、必要事項を記入して郵送(またはWEB申請)します。ただし、記入項目が多く、添付書類も複数必要なため、不安な方はディーラーの申請代行サービスを利用することをおすすめします。
Q2. 補助金をもらった後、すぐに車を売却したらどうなりますか? A2. 原則として4年間の保有義務があるため、期間内に売却する場合は補助金の返納が必要です。返納額は保有期間によって異なります。必ず事前に次世代自動車振興センターに連絡し、所定の手続きを行ってください。
Q3. リース契約でも補助金の対象になりますか? A3. はい、リース契約でも対象になります。ただし、その場合はリース会社が補助金を申請し、その補助金分がリース料金に反映される形が一般的です。契約前に、補助金がどのように扱われるのかをリース会社に詳しく確認することが重要です。
Q4. 自治体の補助金が予算切れで申し込めませんでした。どうしようもないですか? A4. 残念ながら、その年度の補助金は諦めるしかありません。自治体によっては補正予算が組まれて再募集がかかることも稀にありますが、基本的には次の年度の制度を待つことになります。だからこそ、迅速な申請が重要なのです。
オーナーが語るプリウスPHEV|補助金以外の魅力と実態
ここまで補助金の話を中心にしてきましたが、私、二階堂がなぜ数ある車の中からプリウスPHEVを選んだのか、その魅力についても少しお話しさせてください。 補助金はあくまで購入を後押しする要素の一つ。 車の本質的な魅力がなければ、長く付き合うことはできません。
私が数ある車からプリウスPHEVを選んだ理由
ジャーナリストという仕事柄、私はこれまで数多くの車に試乗し、また所有もしてきました。 そんな私が最終的にプリウスPHEVを選んだ理由は、**「二つの顔を持つ、究極のオールラウンダー」**だと感じたからです。
普段の街乗りでは、静かで滑らかな走りのEVとして。 週末のロングドライブや急な遠出では、航続距離を気にすることなく走れる高性能なハイブリッド車として。 この一台で、現代のあらゆるニーズに高いレベルで応えてくれる。 そこに、スポーツカーのような流麗なデザインと、しっかりとした走行性能が加わったのですから、選ばない理由が見つかりませんでした。
EVとしてもHVとしても超一流!驚異の走行性能と実燃費
実際に所有して最も驚いているのが、その走行性能と経済性です。 EVモードでの加速は、モーターならではの力強さで、街中のストップアンドゴーが本当に快適です。 87kmというEV走行距離は伊達ではなく、私の日常生活では、ほとんどガソリンを使わずに過ごせています。 自宅に200Vの普通充電設備を設置しましたが、夜間に充電しておけば、翌朝には満充電。 ガソリンスタンドに行く手間と時間が大幅に削減されました。
そして、いざ遠出となれば、ハイブリッドモードが真価を発揮します。 システム最高出力223PSというパワーは、高速道路の合流や追い越しでも全くストレスを感じさせません。 それでいて、ハイブリッドモードでの燃費も非常に優秀で、私の乗り方でもリッター25kmを下回ることは稀です。 まさに、EVのいいところとHVのいいところを完璧に両立させている一台だと断言できます。
デザインだけじゃない!所有欲を満たす内外装の質感
5代目プリウスは、そのデザインが大きな話題となりました。 低く構えたシルエットは、これまでのプリウスのイメージを覆すもので、素直に「カッコいい」と思えるデザインです。 私が所有しているアッシュのボディカラーは、光の当たり方で表情を変え、見るたびに惚れ惚れします。
内装も、水平基調のインパネと大型のディスプレイが先進的な印象を与えます。 質感も高く、決して安っぽさはありません。 運転席に座り、ステアリングを握るたびに、この車を選んで良かったという満足感に浸れます。
ここはイマイチ?購入前に知るべき注意点
もちろん、完璧な車はありません。 プリウスPHEVにも、いくつか注意すべき点があります。
- 後席の頭上空間: デザインを優先したため、後席の頭上空間は正直なところ少し窮屈に感じます。身長の高い方が長時間乗るのは少し辛いかもしれません。
- 荷室の広さ: PHEVはバッテリーを搭載しているため、ハイブリッドモデルに比べて荷室の床が高く、容量も少し狭くなっています。大きな荷物を頻繁に積む方は、一度実車で確認することをおすすめします。
- 車両価格: 補助金があるとはいえ、車両本体価格は460万円と、決して安い買い物ではありません。
これらの点を許容できるかどうかは、個人の価値観や使い方によります。 購入を検討される際は、必ずご自身の目で見て、試乗して、納得のいく判断をしてください。
【グレード別】補助金適用後の実質乗り出し価格シミュレーション
最後に、補助金や税金優遇を考慮した場合の、おおよその乗り出し価格をシミュレーションしてみましょう。 あくまで参考値ですが、イメージを掴む一助になるはずです。
プリウスPHEV Zグレード (車両価格460万円) の場合
項目 | 金額(目安) | 備考 |
---|---|---|
車両本体価格 | 4,600,000円 | |
オプション費用 | 300,000円 | ナビ、ETCなど |
諸費用 | 150,000円 | 登録費用、税金など |
支払総額(A) | 5,050,000円 | |
CEV補助金(国)(B) | -550,000円 | |
自治体補助金(例:東京)(C) | -450,000円 | |
実質乗り出し価格(A-B-C) | 4,050,000円 | 東京都在住の場合 |
実質乗り出し価格(A-B) | 4,500,000円 | 自治体補助金がない場合 |
※税制優遇(環境性能割、重量税)は諸費用に反映済みとして計算。 ※オプションや諸費用はあくまで一例です。
このシミュレーションからも、自治体の補助金の有無がいかに大きいかがお分かりいただけると思います。
まとめ
今回は、プリウスPHEVのCEV補助金をテーマに、その仕組みから申請方法、そして受給額を最大化するための裏技まで、徹底的に解説してきました。
本日のレビューの要点
- プリウスPHEVは国のCEV補助金55万円の対象。
- 最大の裏技は、お住まいの自治体の補助金との併用。東京などでは合計100万円超も可能。
- 補助金には予算と期限があり、特に自治体は「早い者勝ち」なので迅速な行動が必須。
- 受給後は4年間の保有義務があり、期間内の売却には補助金の返納が必要。
- 補助金だけでなく、税金の優遇措置やディーラーとの連携も活用してトータルコストを抑える。
プリウスPHEVは、そのままでも非常に魅力的な車ですが、補助金制度を賢く活用することで、驚くほど高いコストパフォーマンスを発揮します。 この記事で得た知識を武器に、ぜひディーラーへ足を運び、ご自身の条件で最高のプリウスPHEVを手に入れてください。 そのための一歩を踏み出すお手伝いができたなら、ジャーナリストとしてこれほど嬉しいことはありません。