モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、ホンダから待望の復活を遂げた「新型プレリュード」が、なぜこんなにも手に入りにくいのか、その真相が気になっていることでしょう。 私も発表直後からこの車に注目し、実際にディーラーへ足を運んで情報を集め、その希少性を肌で感じてきましたので、皆さんの気になる気持ちはよくわかります。

引用 : HONDA HP (https://global.honda/jp/news/2025/4250731.html)
この記事を読み終える頃には、新型プレリュードが購入困難と言われる理由から、具体的な購入戦略、そしてこの車が持つ真の価値まで、全ての疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- 新型プレリュードが購入困難な理由の徹底解説
- ジャーナリストが作成したリアルな見積もりを公開
- 購入を勝ち取るための具体的な戦略と注意点
- 歴代モデルとの比較とライバル車に対する優位性

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
新型プレリュードが「買えない」と言われる深刻な理由
多くの往年のホンダファン、そして新たなスペシャリティクーペを待ち望んでいたドライバーたちが、新型プレリュードの登場に歓喜しました。 しかし、その喜びも束の間、「欲しくても買えない」という声が各所で聞かれます。 なぜ、これほどまでに注目される車が、簡単には手に入らない状況なのでしょうか。 その背景には、いくつかの複合的な要因が存在します。

引用 : HONDA HP (https://global.honda/jp/news/2025/4250731.html)
理由1:衝撃的に少ない初期生産台数と月間販売目標
まず、最大の理由として挙げられるのが、その絶対的な供給量の少なさです。 ホンダが公式に発表した情報によると、新型プレリュードの初期ロット生産台数は、わずか2,000台。 さらに、月間の販売目標台数は300台に設定されています。
この数字がどれほど少ないか、他の人気車種と比較してみましょう。
車種名 | 2023年 月間平均販売台数(参考) |
---|---|
新型プレリュード(目標) | 300台 |
ホンダ N-BOX | 約19,000台 |
ホンダ ヴェゼル | 約5,000台 |
トヨタ ヤリスクロス | 約8,000台 |
もちろん、軽自動車やコンパクトSUVとスペシャリティクーペでは市場規模が全く異なります。 しかし、全国に約2,200店舗あるホンダの正規ディーラー(Honda Cars)に行き渡る台数を考えると、単純計算で1店舗あたり月に1台も入ってこない計算になります。 これでは、希望者が殺到すれば瞬く間に在庫がなくなり、「買えない」状況が生まれるのは必然と言えるでしょう。 この極端な供給不足が、購入のハードルを著しく高くしているのです。
理由2:ディーラーごとに異なる販売方針(抽選・先着順・条件付き)
供給台数が限られているため、その販売方法は各地域の販売会社(ディーラー)の裁量に委ねられています。 これが事態をさらに複雑にしています。 全国一律のルールはなく、以下のように様々な販売方式が取られているのが現状です。
- 抽選販売: 期間内に申し込みを受け付け、厳正な抽選によって購入者を決定する方式。最も公平性が高いと言えますが、運に左右されます。
- 先着順販売: 発売日や特定の時間から受付を開始し、文字通り早い者勝ちで契約が決まる方式。情報戦となり、受付開始と同時にディーラーに駆け込む必要があります。
- 条件付き販売: これまでそのディーラーとの取引実績が豊富な顧客や、メンテナンスパックへの加入、指定のコーティング施工などを条件とする方式。
- 既存顧客への優先案内: 新規顧客(一見客)への案内は行わず、長年の付き合いがある優良顧客にのみ声をかけるケース。
このように、どの販売方式になるかはお住まいの地域のディーラー次第です。 そのため、「プレリュードください」とディーラーに飛び込んでも、「申し訳ありません、当社の割り当て分はすでに終了しました」「今回は抽選になります」といった対応をされる可能性が非常に高いのです。
理由3:既存ホンダオーナーが優先される暗黙のルール
前述の条件付き販売とも関連しますが、特に人気の限定車や生産台数の少ない車種では、これまでホンダ車を乗り継いできた既存オーナーが優先される傾向が強くあります。 これは、ディーラー側からすれば当然の判断とも言えます。 長年にわたり店舗を支えてくれた顧客への恩返しであり、今後の付き合いも考えれば、新規顧客よりも既存顧客を大切にしたいと考えるのは自然なことです。
特に、「Honda Total Care」というホンダ独自のメンバーシップサービスへの加入歴が長いユーザーは、それだけホンダへのロイヤリティが高いと判断され、優先順位が上がる可能性があります。 実際に、後述するオンライン限定モデルでは、この会員歴が購入条件の一つとして明記されました。 初めてホンダ車を購入しようと考えている方にとっては、非常に高い壁となるのが実情です。
歴代ファンも唸る!新型プレリュードが持つ唯一無二の魅力
では、なぜそこまでして人々は新型プレリュードを欲しがるのでしょうか。 価格は決して安くなく、他にも魅力的なスポーツカーは存在します。 それでもなお人々を引きつけてやまないのは、この車が持つ独特の魅力と、ホンダが込めた強いメッセージがあるからです。

引用 : HONDA HP (https://global.honda/jp/news/2025/4250731.html)
伝統と革新が融合した流麗なエクステリアデザイン
新型プレリュードのデザインは、まさに「美しい」の一言に尽きます。 ロングノーズ&ショートデッキというクーペの王道スタイルを踏襲しつつ、低く伸びやかなシルエットは、かつて「デートカー」として一世を風靡した歴代プレリュードのエレガンスを現代に蘇らせています。
フロントマスクは、最近のホンダ車に共通する水平基調の薄型ヘッドライトを採用し、シャープで知的な印象を与えます。 一方で、滑らかに隆起するボンネットフードから、流れるようにリアエンドへと続くサイドのキャラクターラインは、非常に官能的です。 リアのデザインも秀逸で、左右一文字に繋がったテールランプがワイド&ローなスタンスを強調しています。
奇をてらった過度な装飾はなく、面の美しさで魅せるデザイン。 これは、大人のためのスペシャリティクーペにふさわしい、洗練された佇まいと言えるでしょう。 私も数々の車を見てきましたが、この価格帯でこれほどまでに流麗で所有欲を満たすデザインの車は、そう多くはありません。
シビックタイプR譲りのシャシー性能と専用セッティング
新型プレリュードの走りの実力は、その美しい見た目だけではありません。 実は、その骨格には、世界中のサーキットでFF最速の名を欲しいままにしてきた「シビックタイプR(FL5)」のシャシーがベースとして用いられています。
これは驚くべき事実です。 ピュアスポーツの頂点を目指して開発されたタイプRのプラットフォームを、スペシャリティクーペに採用する。 ホンダの本気度が伝わってきます。
もちろん、ただ流用しただけではありません。 プレリュード専用に、乗り心地とハンドリング性能を両立させるための特別なセッティングが施されています。
- アダプティブ・ダンパー・システム: 路面状況や運転操作に応じて、四輪それぞれのダンパーの減衰力をリアルタイムで緻密に制御。これにより、快適な乗り心地と、スポーティな走行時の安定性を高次元で両立させます。
- brembo(ブレンボ)製 大容量フロントブレーキ: 高い制動力と優れたコントロール性能で定評のあるブレンボ製ブレーキを標準装備。ハイパワーな走りを受け止める、絶対的な安心感を提供します。
- 専用19インチアルミホイール: ノイズリデューシング機能を持つ高剛性な19インチホイールを採用。静粛性とデザイン性、そして走行性能を高いレベルでバランスさせています。
これらの装備からもわかるように、新型プレリュードは単なる「雰囲気の良いクーペ」ではなく、走りにおいても一切の妥協がない本格派なのです。
新時代の走り「S-PLUS SHIFT」を備えた2モーターハイブリッド
新型プレリュードの心臓部は、現代のホンダを象徴する2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」です。 しかし、シビックやヴェゼルに搭載されているものとは一線を画す、全く新しい体験を提供してくれます。 その鍵となるのが、ホンダが世界で初めて採用する新技術「S-PLUS SHIFT(エスプラスシフト)」です。
これは、モーター駆動でありながら、あたかも8速の有段ギアがあるかのような変速フィールを擬似的に作り出す技術です。 アクセルを踏み込めば、エンジン回転数が高まり、それに同期してスピーカーから迫力あるサウンドが響き渡る。 そして、シフトチェンジのような回転数の落ち込みと、ダイレクトな加速感が得られるのです。
従来のハイブリッドカーにありがちだった、エンジン回転と車速がリンクしない「ラバーバンドフィール」を完全に払拭し、ドライバーの操作にリニアに反応する人馬一体の感覚を目指しています。 さらに、コンセプトである「UNLIMITED GLIDER(アンリミテッド・グライダー)」が示すように、グライダーのように滑空する(コースティング走行)モードも備えており、爽快な走りと優れた燃費性能を両立させている点も注目です。 これは、電動化時代における「走る喜び」に対するホンダの新たな回答であり、非常に興味深い試みです。
【見積もり公開】新型プレリュードの価格と賢いオプション選び
さて、気になるのはやはり価格です。 新型プレリュードは、潔いワングレード展開。 FFのみで、車両本体価格は 6,179,800円(消費税込) となっています。 シビックタイプR(5,489,000円)よりも高価であり、まさにホンダのフラッグシップクーペにふさわしい価格設定です。

引用 : HONDA HP (https://global.honda/jp/news/2025/4250731.html)
私も実際にディーラーへ赴き、購入を想定したリアルな見積もりを作成してもらいましたので、ここで公開します。
私が作成した見積もり(2025年9月時点)
項目 | 金額(円) | 備考 |
---|---|---|
車両本体価格 | 6,179,800 | FF / ワングレード |
メーカーオプション | 82,500 | ボディカラー:ムーンリットホワイト・パール |
ディーラーオプション合計 | 428,230 | |
フロアカーペットマット(プレミアム) | 82,280 | |
ドライブレコーダー(前後) | 72,600 | |
ETC2.0車載器セットアップ | 3,300 | |
ボディコーティング(グランデ Wセット) | 192,500 | |
撥水ブレードセット | 5,550 | コーティング施工車用ワイパー |
諸費用合計 | 142,470 | ハイブリッドのため環境性能割・重量税は免税 |
自動車税(登録翌月〜3月分) | 22,500 | |
自賠責保険料(37ヶ月) | 24,190 | |
その他(手数料、リサイクル料など) | 95,780 | |
メンテナンスパック(希望) | 82,100 | 点検パック(30ヶ月) |
合計支払額 | 6,832,900 |
ご覧の通り、乗り出し価格は700万円に迫る勢いです。 もちろん、ここからコーティング(約19万円)やメンテナンスパック(約8万円)を外すことで、660万円程度に抑えることは可能です。 しかし、決して気軽に購入できる価格帯でないことは間違いありません。
注意すべきボディカラーと内装色の組み合わせ
購入を検討する上で、非常に重要な注意点があります。 それは、ボディカラーと内装色の組み合わせに厳しい制約があることです。
ボディカラー(全4色)
- ムーンリットホワイト・パール(有料色:82,500円)
- メテオロイドグレー・メタリック(有料色:38,500円)
- クリスタルブラック・パール(無償色)
- フレームレッド(無償色)
内装カラー(全2色)
- ブルー&ホワイト
- ブルー&ブラック
ここでのポイントは、「ブルー&ブラック」の内装を選ぶためには、ボディカラーで「ムーンリットホワイト・パール」を選択するしかないという点です。 つまり、「黒の内装が好きだから、ボディカラーも黒で」という組み合わせは不可能なのです。 これはリセールバリューにも影響する可能性があり、非常に悩ましい選択を迫られることになります。
購入前に知るべき7つの注意点【ジャーナリスト視点で深掘り】
見積もりや内外装の組み合わせ以外にも、新型プレリュードを契約する前に、必ず知っておくべき注意点がいくつかあります。 これらは、人によっては購入を見送る理由にもなり得る重要なポイントです。 私自身の視点も交えながら、一つずつ深掘りしていきましょう。

引用 : HONDA HP (https://global.honda/jp/news/2025/4250731.html)
①パワーシート/シートベンチレーションは非搭載
600万円を超える価格帯の車として、これは少々寂しいポイントです。 新型プレリュードには、運転席・助手席ともにパワーシートの設定がありません。 また、夏場に快適なシートベンチレーション(シートから冷風が出る機能)も非搭載です。 かつてのプレリュードが「デートカー」として助手席の快適性も重視していたことを考えると、この点は物足りなさを感じる方もいるでしょう。 頻繁にドライバー交代をする使い方や、快適性を最優先する方にとってはマイナスポイントとなり得ます。
②サンルーフ/パノラマルーフの設定は一切なし
往年のプレリュード、特に3代目(BA4/5/7型)では、大型のサンルーフが大きな魅力の一つでした。 開放感あふれるドライブは、まさにスペシャリティカーの醍醐味です。 しかし、新型プレリュードにはオプションを含めてサンルーフやパノラマルーフの設定が一切ありません。 これは、近年の車両剛性の確保や重量増を嫌うトレンドを反映した結果かもしれませんが、サンルーフが必須条件という方には残念なお知らせです。
③マルチビューカメラシステム(360度カメラ)の設定なし
これも価格を考えると意外な点です。 今や軽自動車のN-BOXにさえ搭載されているマルチビューカメラシステム(360度カメラ)が、プレリュードには設定されていません。 ベースとなったシビックにも設定がないため、その影響を受けていると考えられます。 もちろんバックカメラは標準装備されていますが、全長4,600mm、全幅1,855mmというサイズの大きいクーペであり、視界も決して良いとは言えません。 駐車が苦手な方や、狭い道でのすれ違いが多い環境で使う方は、この点を考慮しておく必要があります。
④後部座席はあくまでエマージェンシー用
2ドアクーペである以上、後部座席の実用性に過度な期待は禁物です。 新型プレリュードも例外ではなく、後部座席は大人が長時間快適に過ごせる空間ではありません。 頭上空間、足元空間ともにミニマムで、あくまで短距離の移動や、手荷物を置くためのスペースと割り切るべきです。 2シーターのピュアスポーツカー(例えばマツダ・ロードスターなど)と比べれば、荷物置き場として使えるだけでもありがたい存在ですが、ファミリーユースには全く向いていません。
⑤Google搭載ナビのメリットとデメリット
ナビゲーションシステムは、GoogleのOSを搭載したものが標準装備となります。 これは、常に最新の地図データが利用でき、渋滞情報などの精度も高いという大きなメリットがあります。 しかし、一方で日本の従来のカーナビに慣れている方には、少し戸惑う点もあります。 それは、高速道路走行中のインターチェンジ(IC)やサービスエリア(SA)の案内が、詳細なパネル形式で表示されない可能性が高いことです。 「次のSAまであと〇km」といった情報が瞬時に把握しにくいため、ロングドライブが多い方はストレスを感じるかもしれません。 今後のソフトウェアアップデートで改善される可能性はありますが、現状では注意が必要です。
⑥限定モデル「Honda ON Limited Edition」の存在
ホンダの公式オンラインストア「Honda ON」では、台数限定の特別仕様車が販売されました。 このモデルは、白と黒の2トーンカラーが特徴で、オンラインでのみ申し込みが可能でした。 しかし、申し込みには厳しい条件がありました。 「申込時点でHonda Total Care会員であり、かつ会員歴が1年以上の方を対象に先着順」というものです。 支払い方法も「現金一括のみ」とされ、ローンや残価設定クレジットは利用できませんでした。 このように、特別なモデルはさらに購入のハードルが高くなるということを示唆しています。
⑦リセールバリューは未知数
最後に、リセールバリュー(数年後に売却する際の価値)です。 シビックタイプRのようなピュアスポーツカーは高いリセールが期待できますが、プレリュードのようなスペシャリティクーペは、その時代の流行に左右されやすい側面があります。 ハイブリッドという点も、数年後の市場でどう評価されるかは未知数です。 もちろん、この圧倒的な希少性から、プレミアが付く可能性も十分に考えられます。 しかし、リセールバリューを過度に期待して購入するのは、少しリスクがあるかもしれません。 純粋にこの車が好きで、長く乗りたいという想いが大切になるでしょう。
【最重要】新型プレリュードの契約を勝ち取るための具体的な5つの戦略
さて、ここからが本題です。 これだけの高いハードルを越えて、新型プレリュードの契約を勝ち取るためには、どのような戦略が必要なのでしょうか。 運も必要ですが、事前の準備と行動が成否を分けます。
戦略1:今すぐ最寄りのHonda Carsへ連絡する
何よりもまず、行動を起こすことが重要です。 この記事を読んでいる今すぐにでも、お近くのHonda Carsに電話をしてみてください。 そして、「新型プレリュードの購入を真剣に検討している」という熱意を伝えます。 その上で、以下の情報を必ず確認しましょう。
- 自分の店舗(販売会社)でのプレリュードの販売方法(抽選、先着、条件など)
- 現在の割り当て状況や今後の入荷予定
- 申し込みに必要な条件(既存顧客である必要があるかなど)
ここで重要なのは、複数のディーラーに問い合わせることです。 同じ県内でも、経営する販売会社が異なれば、販売方針も全く違う可能性があります。 少しでも可能性の高いディーラーを見つけ出すことが、第一歩となります。
戦略2:担当セールスと良好な関係を築く
ディーラーに足を運んだ際は、担当してくれたセールス担当者と良好な関係を築くことが極めて重要です。 単に「プレリュードが欲しい」と伝えるだけでなく、なぜ欲しいのか、歴代モデルへの想い、ホンダというブランドへの愛着などを具体的に語りましょう。 彼らも人間です。 転売目的ではなく、本当にこの車を愛してくれる人に売りたいと思っています。 あなたの熱意が伝われば、「もしキャンセルが出たら、真っ先にご連絡しますね」という展開に繋がるかもしれません。 定期的に連絡を取り、状況を伺うなどのコミュニケーションを欠かさないようにしましょう。
戦略3:「Honda Total Care」への加入を検討する
もし、ご家族などがホンダ車を所有している場合、今からでも「Honda Total Care」に加入できないか相談してみる価値はあります。 前述の通り、この会員歴が優遇条件となる可能性があるからです。 すぐにプレリュードが買えなくても、将来的にホンダ車を購入する際に有利に働くことは間違いありません。 これを機に、ホンダとの長い付き合いを始めるという視点も有効です。
戦略4:キャンセル待ちにエントリーする
多くのディーラーでは、すでに初期の割り当て分は契約済みとなっているでしょう。 しかし、諦めてはいけません。 高額な車両のため、ローンの審査が通らなかったり、家庭の事情でキャンセルが出たりするケースは必ずあります。 「キャンセル待ち」のリストに名前を載せてもらえるよう、強くお願いしてみましょう。 ここでも、戦略2で築いた担当者との関係性が活きてきます。
戦略5:頭金や支払い方法の準備を万全にしておく
いざ購入のチャンスが巡ってきたときに、資金の準備ができていなければ話になりません。 特に、現金一括での支払いが可能な状態にあれば、ディーラー側も安心して話を進められます。 ローンを利用する場合でも、事前に仮審査を受けておくなど、スムーズに契約へ進める準備をしておくことで、他の希望者よりも一歩リードすることができます。 「この人なら確実に買ってくれる」という信頼感を与えることが大切です。
ライバル車種と徹底比較!新型プレリュードの独自の立ち位置
最後に、新型プレリュードが市場においてどのような立ち位置にあるのか、ライバルとなるであろう車種と比較して考察します。 これにより、プレリュードを選ぶべき理由がより明確になるはずです。
項目 | ホンダ 新型プレリュード | 日産 フェアレディZ | トヨタ GRスープラ (RZ) | トヨタ GR86 / スバル BRZ |
---|---|---|---|---|
パワートレイン | 2.0L e:HEV (ハイブリッド) | 3.0L V6ツインターボ | 3.0L 直6ターボ | 2.4L 水平対向4気筒 |
駆動方式 | FF | FR | FR | FR |
最高出力 | 非公表 (システム総合) | 405ps | 387ps | 235ps |
トランスミッション | 電気式CVT (S-PLUS SHIFT) | 9AT / 6MT | 8AT | 6AT / 6MT |
乗車定員 | 4名 | 2名 | 2名 | 4名 |
車両本体価格(参考) | 約618万円 | 約540万円〜 | 約731万円 | 約300万円〜 |
特徴 | 時代の最先端を行く電動スポーツ、滑らかな走り、燃費性能 | 伝統的な大排気量FRスポーツ、ピュアな走り | BMWとの共同開発、上質な走りと内外装 | 軽量・コンパクトなFRスポーツ、手の届く価格 |
この表を見ると、新型プレリュードの独自性が際立っているのがわかります。 ライバルたちが皆、純粋なガソリンエンジンを搭載したFR(後輪駆動)のピュアスポーツであるのに対し、プレリュードはFF(前輪駆動)のハイブリッドカーです。
これは、一見するとスポーツカーとしては不利に見えるかもしれません。 しかし、見方を変えれば、これが最大の強みになります。
- 知的な走り: 大排気量ターボのような暴力的な加速ではなく、モーターによるシームレスで力強い加速と、静粛性の高さは、まさに大人のスペシャリティクーペにふさわしい「知的」な走り味です。
- 環境性能と経済性: 日常の足としても使える優れた燃費性能は、他のライバルにはない大きなメリットです。時代にもマッチしています。
- 唯一無二の存在: 電動化が進む現代において、走る喜びをハイブリッドで追求するというホンダの哲学が詰まっています。このコンセプトに共感できるのであれば、他のどの車も代替にはなり得ません。
フェアレディZやスープラが「体育会系の熱血派」だとすれば、プレリュードは「理知的な文化系アスリート」といったところでしょうか。 どちらが優れているという話ではなく、求める価値観が違うのです。 この独自の立ち位置こそが、新型プレリュードが多くの人々を惹きつける核心なのかもしれません。
まとめ
今回は、新型プレリュードがなぜ「買えない」のか、その真相と購入戦略について、私の視点から徹底的にレビューしてきました。
極端に少ない生産台数、ディーラーごとに異なる販売方法、そして既存顧客の優先。 これらの高い壁が、私たちの前に立ちはだかっているのは紛れもない事実です。 しかし、その壁の向こうには、歴代の伝統を受け継ぎながら、電動化時代の新たな「走る喜び」を提示する、唯一無二のスペシャリティクーペが待っています。
購入への道は決して平坦ではありませんが、本気で手に入れたいと願うならば、諦めずに情報を集め、熱意を持って行動し続けるしかありません。 この記事で紹介した7つの注意点を理解し、5つの戦略を実行に移せば、必ず道は開けるはずです。
私も、一人の車好きとして、この魅力的なプレリュードのステアリングを握るべく、エントリーを済ませました。 結果がどうなるかはまだ分かりませんが、このワクワクする時間もまた、車選びの醍醐味なのかもしれません。
このレビューが、あなたのプレリュード購入への一助となれば幸いです。 健闘を祈ります。