モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「日産車、特にセレナのようなミニバンは、高速道路などで高級車に煽られやすいのではないか?」という漠然とした不安をお持ちなのではないでしょうか。私自身も日産のセレナを所有しており、購入前には同様の噂を耳にしたこともあったので、その気になる気持ちはよくわかります。

引用 : 日産公式HP (https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/ariya-details/interior.html)
結論から言うと、車種だけで煽られるかどうかが決まるわけではありませんが、そこには複雑な要因が絡み合っているのも事実です。この記事では、長年のジャーナリストとしての知見と、一人のセレナオーナーとしての実体験を基に、その噂の真相を徹底的に解き明かしていきます。
この記事を読み終える頃には、日産車が煽られやすいという噂の真相と、安心してカーライフを楽しむための具体的な方法についての疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- 日産車が煽られる噂の多角的な分析
- 煽るドライバーの心理と煽られる側の傾向
- 競合車種VOXY/ノアとの徹底比較
- 今日からできる煽られないための具体的な対策

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
日産車が「煽られやすい」「下に見られる」と言われる噂の真相
「日産車は煽られやすい」という都市伝説のような噂。特に、新車の購入を検討している方にとっては、無視できない不安要素でしょう。このセクションでは、なぜこのような噂が立つのか、その背景にある複数の要因を一つひとつ丁寧に解き明かしていきます。
引用 : 日産公式HP (https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/ariya-details/interior.html)
結論:車種だけで煽られるわけではないが、複数の要因が絡み合っている
まず大前提として、煽り運転は100%煽る側に非がある犯罪行為です。特定のメーカーや車種に乗っているからといって、煽られて良い理由にはなりません。しかし、現実問題として「煽られやすい車種」「煽られにくい車種」といったイメージが存在することも事実です。
私が多くの車に乗り、様々なドライバーを見てきた経験から言うと、「日産だから」という単純な理由で煽られるケースは稀です。むしろ、**「ブランドイメージ」「車種カテゴリーへの偏見」「道路状況」「ドライバーの運転スタイル」**といった複数の要因が複雑に絡み合った結果、煽り運転のターゲットにされやすくなる、と考えるのが妥当でしょう。
つまり、原因は一つではないのです。この複雑な背景を理解することが、噂の真相に近づく第一歩となります。
要因1:日産のブランドイメージの変遷と現状
車のブランドイメージは、時にその車の評価を大きく左右します。日産というブランドが、世間からどのような目で見られてきたのか、そして現状はどうなのかを見ていきましょう。
引用 : 日産HP (https://history.nissan.co.jp/ELGRAND/E52/1008/)
過去の経営問題が与えたネガティブな印象
残念ながら、90年代後半から2000年代にかけての経営不振や、近年の経営陣にまつわる一連の報道は、日産のブランドイメージに少なからずネガティブな影響を与えました。一部のユーザーからは「技術は良いのに、経営が…」「昔の日産は輝いていたのに」といった声が聞かれることもあり、こうしたイメージが「日産は格下」という一部の歪んだ認識に繋がってしまった可能性は否定できません。
車はステータスシンボルの一面も持ち合わせています。特に車にこだわりを持つ層からすれば、ブランドの背景も評価の対象となるため、過去のネガティブなイメージが、路上でのマナーの悪さとして現れる一因になったとも考えられます。
近年の技術革新とブランド回復への取り組み
一方で、現在の日産は技術面で目覚ましい進化を遂げています。モーターの力で走る「e-POWER」は、他のハイブリッドシステムとは一線を画す静粛性と滑らかな加速フィールで高い評価を得ています。また、運転支援技術「プロパイロット」は、高速道路での疲労を劇的に軽減してくれる先進的なシステムです。
特に最新のセレナに搭載されている「プロパイロット2.0」は、一定条件下でハンズオフ(手放し運転)を可能にするなど、世界的に見てもトップクラスの技術です。
このように、アリアやエクストレイル、新型セレナといった魅力的な新型車を次々と市場に投入し、技術力でブランドイメージを回復させようという強い意志が感じられます。しかし、こうした新しい日産の姿が、世間一般に浸透するにはまだ時間がかかるのかもしれません。
要因2:「ミニバン」という車種カテゴリーへの偏見
日産車の中でも特にセレナのようなミニバンが煽られやすいと言われる背景には、この「ミニバン」という車種カテゴリー自体に向けられた偏見が存在します。

引用 : 日産HP (https://history.nissan.co.jp/ELGRAND/E52/1008/)
「ファミリーカーだから、運転が不慣れな女性やサンデードライバーが乗っているに違いない」 「車体が大きいから、動きが鈍重で遅いだろう」
残念ながら、一部のドライバーはこのようなステレオタイプな見方をしています。実際には、ミニバンを日常的に運転している方は車両感覚に優れ、運転が上手なケースが多いのですが、偏見というものは厄介なものです。
特に高速道路の追い越し車線などで、ミニバンが少しでも流れより遅い速度で走っていると、「早くどけ」とばかりに車間を詰めてくる高級セダンやSUVを見かけることがあります。これは、ミニバンというだけで「運転が遅い」と決めつけ、不寛容になっている典型的な例と言えるでしょう。この傾向は、日産セレナに限らず、トヨタのヴォクシー/ノアやホンダのステップワゴンなど、全てのミニバンに共通する課題です。
要因3:煽り運転をするドライバーの心理的背景
ここで、煽る側の心理についても深く掘り下げてみましょう。彼らはなぜ、他者を威嚇するような危険な運転をするのでしょうか。
優越感と自己顕示欲
ドイツ御三家(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ)やレクサスといった高級車に乗るドライバーの一部には、高価な車に乗っていることで「自分は偉い」「他の車より優れている」という歪んだ優越感を抱いている人がいます。
彼らにとって、自分の前を走る大衆車、特にファミリー向けのミニバンは「格下の存在」であり、道を譲るのが当然だと考えています。自分の思い通りに走れないとプライドが傷つけられたと感じ、攻撃的な運転でその存在を誇示しようとするのです。これは、車の性能ではなく、自身のコンプレックスの裏返しとも言えるでしょう。
「自分は正しい」という思い込みと、他者への不寛容
煽り運転をする人は、総じて視野が狭く、「自分の運転が絶対的に正しい」と思い込んでいる傾向があります。例えば、自分が120km/hで走りたいと思っている時に、前を100km/hで走る車がいると、「ルール違反でもないのに、なぜ流れを妨害するんだ」と一方的に腹を立てます。
交通の流れは、様々な速度で走る車が混在することで成り立っています。しかし、彼らには他者のペースを尊重するという考えがなく、自分以外の車を「障害物」としか見ていません。この他者への不寛容さが、車間距離を詰めたり、パッシングをしたりといった危険な行為に繋がるのです。
私の体験談:セレナ(C28)オーナーとして実際に感じること
では、実際にセレナのオーナーである私はどう感じているのか。包み隠さずお話しします。
私が所有しているのは、現行モデルであるC28型のセレナ e-POWERです。結論から言うと、「セレナだからという理由で執拗に煽られた」と感じた経験は、今のところ一度もありません。
もちろん、高速道路で追い越し車線を走行中に、後ろから速いペースの車が来て、道を譲るということは日常的にあります。しかし、それは車間距離を適切に取って合図を待ってくれる紳士的なドライバーがほとんどです。
むしろ、セレナ e-POWERの静かで力強いモーター加速は、高速道路での合流や追い越しを非常にスムーズにしてくれます。流れに乗りたい場面で瞬時に必要な速度まで加速できるため、後続車にストレスを与えることが少ないのかもしれません。また、プロパイロットを活用することで、常に一定の車間距離を保ってくれるため、無意識に後続車をイライラさせるような運転になりにくいという側面もあります。
「ミニバンは動きが遅い」という偏見は、このセレナ e-POWERに乗れば良い意味で裏切られるはずです。そのくらい、走行性能には余裕があります。
SNSやネット上の口コミ調査で見えたリアルな声
私の体験だけでなく、より客観的な意見も見てみましょう。SNSや口コミサイトで「日産 煽られる」といったキーワードで検索すると、実に様々な意見が見つかります。
- 「煽られた」という声:
- 「古いマーチに乗っていたら、黒いベンツにベタ付けされた」
- 「高速の追い越し車線を走っていたら、SUVにパッシングされた」
- 「合流でモタついたら、クラクションを鳴らされた」
- 「煽られない」という声:
- 「エクストレイルに乗ってるけど、煽られたことない。むしろ道を譲ってもらえる」
- 「スカイラインだけど、むしろ周りが避けていく感じがする」
- 「セレナで普通に走っていれば、何も問題ない」
これらの声を見ていくと、一つの傾向が浮かび上がります。それは、「煽られた」という経験談の多くが、**「追い越し車線を走り続けた」「合流で手間取った」「流れより明らかに遅い速度で走っていた」**など、何らかのきっかけがあるケースが多いということです。
もちろん、それが煽って良い理由にはなりませんが、日産車という点だけでなく、運転の仕方にも一因がある可能性は考慮すべきでしょう。
なぜドイツ御三家やレクサスは「煽る側」のイメージが強いのか
一方で、「煽る側」として名前が挙がりやすいのが、ドイツ御三家やレクサスといった高級車です。全てのオーナーがそうではないことは大前提ですが、なぜこのようなイメージが定着してしまったのでしょうか。
高価格帯=社会的地位の高さという誤った認識
人間は、持ち物で相手を判断してしまうことがあります。数百万、時には1,000万円を超える高級車は、多くの人にとって成功や富の象徴です。
一部のドライバーは、この「高価な車に乗っている自分」を「社会的地位が高い自分」とイコールで結びつけてしまいます。そして、自分よりも安価な車を「格下」と見なし、道を譲らせたり、威圧したりすることが当然の権利であるかのように振る舞うのです。これは、車そのものの性能ではなく、価格によって生まれる歪んだヒエラルキー意識が原因です。
走行性能の高さがもたらす「心の余裕」と「不寛容」
ドイツ車やレクサスは、走行性能、特に高速域での安定性が非常に高いという特徴があります。100km/hで巡航していても、まるで60km/hで走っているかのような安定感と静粛性を備えています。
この性能の高さは、ドライバーに「心の余裕」をもたらす一方で、時として「不寛容」さを生み出します。自分たちの車が余裕でこなせる速度域で、前の車が少しでも不安定な挙動を見せたり、速度が落ちたりすると、「なぜこれくらいの速度でまともに走れないんだ」とイライラを募らせてしまうのです。
彼らは、自分たちの車の性能が基準になってしまっているため、他の車の性能や、そのドライバーが感じているであろう緊張感を想像することができません。この想像力の欠如が、無用なプレッシャーを前の車に与える行為に繋がります。
「威圧感」を与えるエクステリアデザインの影響
近年の高級車のデザイントレンドも、煽るイメージを助長している一因かもしれません。大きく開口したフロントグリル、睨みつけるようにシャープなLEDヘッドライト、筋肉質で張り出したフェンダーライン。これらのデザインは、車に存在感と迫力を与える一方で、見る人によっては「威圧感」や「攻撃性」を感じさせます。
特に、バックミラー越しにこうした顔つきの車が迫ってきたら、多くのドライバーはプレッシャーを感じてしまうでしょう。デザイナーが意図しているかどうかにかかわらず、結果的に「煽っている」かのような印象を与えてしまっているのです。
全ての高級車オーナーが煽るわけではないという事実
ここで改めて強調しておきたいのは、高級車に乗っている全てのオーナーの運転マナーが悪いわけでは決してないということです。むしろ、運転に余裕があり、非常に紳士的でスマートな運転をするオーナーの方が圧倒的多数です。
高速道路でスムーズに道を譲れば、サンキューハザードでスマートに挨拶をしてくれる。合流で入れてあげれば、丁寧にお礼をしてくれる。そうした素晴らしいドライバーもたくさんいます。
問題なのは、ごく一部の心無いドライバーの悪質な行為が目立ってしまうことで、全体のイメージが悪化しているという点です。私たちは、「高級車=煽る車」という短絡的なレッテル貼りをせず、一台一台の車の挙動を冷静に見る必要があるでしょう。
【徹底比較】日産 セレナ vs トヨタ ヴォクシー/ノア
さて、セレナの購入を検討している方が最も気になるライバルといえば、やはりトヨタのヴォクシー/ノアでしょう。ここでは、「煽られやすさ」という少し変わった視点も含め、両者を徹底的に比較していきます。

引用 : 日産HP (https://history.nissan.co.jp/ELGRAND/E52/1008/)
「煽られやすさ」のイメージ比較
まず、ブランドイメージからくる「煽られやすさ」についてです。
- トヨタ ヴォクシー/ノア:
- 良くも悪くも「日本のスタンダード」。圧倒的な販売台数を誇るため、街中で見かけない日はありません。それゆえに、良くも悪くも目立たず、特別な敵意を向けられることは少ないかもしれません。
- ただし、ヴォクシーはカスタムパーツが豊富で、特に若い層を中心に「やんちゃ」なイメージを持つ人もいます。過度なカスタムは、特定の層から挑発の対象にされる可能性もゼロではありません。
- 日産 セレナ:
- 「技術の日産」「e-POWER」といった先進的なイメージと、「家族のためのミニバン」という優しいイメージが共存しています。
- ヴォクシー/ノアに比べると、良くも悪くも「真面目」な印象が強く、攻撃的なイメージとは結びつきにくいかもしれません。
結論として、どちらが煽られにくいかと断言するのは困難です。ノーマル状態で乗る限り、大きな差はないでしょう。しかし、カスタムを楽しみたいのであれば、良くも悪くも目立たないセレナの方が、余計なトラブルに巻き込まれる可能性は低いかもしれません。
基本スペックと価格の比較
車の基本となるスペックと価格を比較してみましょう。ここでは、人気のハイブリッド/e-POWERモデルの上級グレードで比較します。
車種 | 日産 セレナ e-POWER LUXION | トヨタ ヴォクシー HYBRID S-Z |
---|---|---|
全長 | 4,765 mm | 4,695 mm |
全幅 | 1,715 mm | 1,730 mm |
全高 | 1,885 mm | 1,895 mm |
室内高 | 1,415 mm | 1,405 mm |
燃費(WLTC) | 19.3 km/L | 23.0 km/L |
価格(税込) | 4,798,200円 | 3,740,000円 |
【補足】
- セレナは最上級グレード「LUXION」で比較しているため価格が高くなっていますが、同等の装備を持つ「e-POWER ハイウェイスターV」(3,686,100円)で比較すると、価格帯はほぼ同じになります。
- 燃費のカタログスペックではヴォクシーに軍配が上がりますが、e-POWERはモーター駆動ならではの走行フィールが魅力であり、単純な数値だけでは比較できない価値があります。
走行性能と乗り心地の比較(ジャーナリスト視点)
日産 セレナ e-POWER
セレナの最大の武器は、第2世代に進化した「e-POWER」です。エンジンは発電に徹し、100%モーターの力で走行するため、発進から驚くほど静かで滑らかです。アクセルを踏み込んだ際の反応もダイレクトで、ミニバンとは思えないほどの力強い加速をみせます。このスムーズさは、同乗者の車酔いを大幅に軽減してくれるという大きなメリットにも繋がっています。特に、プロパイロット2.0を搭載したLUXIONグレードは、高速道路でのハンズオフ運転が可能で、長距離移動の疲労度はライバルを圧倒します。
トヨタ ヴォクシー/ノア HYBRID
トヨタのハイブリッドシステムは、長年の熟成によって完成度が非常に高く、エンジンとモーターの切り替えも非常にスムーズです。誰が運転しても違和感なく、低燃費で快適に移動できるという、まさに「優等生」な乗り味です。低重心のTNGAプラットフォームを採用しているため、ミニバンにありがちなカーブでのふらつきも少なく、安定した走りを実現しています。突出した個性よりも、全体のバランスと信頼性を重視する方には最適な選択と言えるでしょう。
安全性能と運転支援システムの比較
現代の車選びにおいて、安全性能は最も重要な要素の一つです。
- 日産 プロパイロット:
- 全方位運転支援システム「360°セーフティアシスト」を標準装備。
- 特に注目すべきは、最上級グレードに搭載される「プロパイロット2.0」。ナビ連動ルート走行と組み合わせることで、高速道路の同一車線内でのハンズオフが可能になります。これは、ヴォクシー/ノアにはない、セレナだけの大きなアドバンテージです。
- トヨタセーフティセンス:
- トヨタの予防安全パッケージ。基本的な機能(衝突被害軽減ブレーキ、レーダークルーズコントロールなど)は非常に高いレベルでまとまっています。
- 交差点での右左折時の事故対応や、ドライバーの異常を検知して停車するシステムなど、日常で遭遇しやすいヒヤリハットに対応する機能が充実しています。
どちらも非常に高い安全性能を誇りますが、高速道路を頻繁に利用し、長距離移動が多い方であれば、プロパイロット2.0の恩恵を受けられるセレナの優位性が際立つでしょう。
結局、どちらを選ぶべきか?
- 日産 セレナがおすすめな人:
- モータードライブの静かで新しい走りを体験したい
- 高速道路での運転支援機能を重視する
- 同乗者の車酔いを少しでも減らしたい
- 先進的な機能やデザインが好き
- トヨタ ヴォクシー/ノアがおすすめな人:
- リセールバリュー(売却時の価格)を重視する
- 誰が乗っても安心できる、バランスの取れた車が良い
- トヨタブランドへの絶大な信頼感がある
- 乗り降りのしやすさなど、細やかな使い勝手を重視する
煽られるかどうかという観点で言えば、どちらを選んでも最終的にはドライバーの運転次第です。ぜひ、ご自身の価値観やライフスタイルに合った一台を選んでください。
高級車に煽られないための具体的な自衛策
最後に、車種選びに関わらず、全てのドライバーが実践できる「煽られないための具体的な自衛策」をご紹介します。少し意識を変えるだけで、無用なトラブルを回避することができます。
車種選びでできること
購入時に少し工夫するだけで、車の印象は大きく変わります。
ボディカラーの選択
一般的に、黒や濃紺などの威圧感のある色や、赤や黄色といった派手な色は、良くも悪くも目立ちやすく、攻撃的なドライバーを刺激してしまう可能性があります。一方で、白、シルバー、グレーといった定番色は周囲に溶け込みやすく、穏やかな印象を与えます。煽られにくさを少しでも意識するなら、こうした落ち着いたカラーを選ぶのが無難でしょう。
過度なカスタムは控える
車高を極端に下げたり、大きなマフラーを装着したり、意味のわからないステッカーをたくさん貼ったり…。こうしたカスタムは、一部の層からは「挑発している」と受け取られかねません。車は自己表現のツールでもありますが、他者に威圧感や不快感を与えない範囲で楽しむのが大人のマナーです。
運転中に意識すべきこと
最も重要なのは、日々の運転習慣です。
道路の流れを読み、スムーズな運転を心がける
周囲の車の速度や動きを常に把握し、流れに乗ったスムーズな運転を心がけましょう。急発進、急ブレーキ、急ハンドルは、周囲のドライバーを驚かせ、イライラの原因になります。特にミニバンは車体が大きいので、挙動が穏やかに見えるように、丁寧な操作を意識することが大切です。
追い越し車線を走り続けない
高速道路で最もトラブルの原因になりやすいのが、追い越し車線の走行方法です。追い越しが終わったら、速やかに走行車線に戻る。これは道路交通法で定められた義務です。自分のペースで走り続けたいからといって追い越し車線を占拠するのは、最も嫌われる行為の一つです。
道を譲る勇気を持つ
後ろから明らかに自分より速いペースの車が迫ってきたら、意地を張らずに左に寄せて道を譲りましょう。「先に行かせてあげる」という心の余裕を持つだけで、無用な争いを避けることができます。煽り運転に遭遇する確率を最も効果的に下げられる方法です。
必須装備:ドライブレコーダーのすすめ
もはや現代のカーライフにおける必須装備と言えるのが、ドライブレコーダーです。
- 抑止力としての効果: 「ドライブレコーダー録画中」のステッカーを貼っておくだけで、悪質なドライバーに対する強力な牽制になります。
- 証拠保全: 万が一、煽り運転の被害に遭ったり、事故に巻き込まれたりした際に、客観的な証拠として警察や保険会社に提出できます。
- 選び方のポイント: 前方だけでなく、後方からの追突や煽り運転も記録できる「前後2カメラタイプ」や、側面からの幅寄せなども記録できる「360度タイプ」がおすすめです。
もし煽られてしまった時の対処法
どれだけ気をつけていても、悪質なドライバーに遭遇してしまう可能性はゼロではありません。もし煽られてしまったら、以下のことを徹底してください。
- 絶対に相手にしない: 挑発に乗ってブレーキを踏んだり、速度を上げたりするのは最も危険です。冷静さを保ちましょう。
- 安全な場所に避難する: 高速道路ならサービスエリアやパーキングエリア、一般道ならコンビニや警察署など、人目のある安全な場所に避難します。
- ドアをロックして110番通報: 車から降りずに、すぐに警察に通報しましょう。相手の車種、色、ナンバーなどを伝えられるとベストです。
自分の身の安全を確保することが最優先です。
まとめ
今回は、「日産車は高級車に煽られやすい」という噂の真相について、様々な角度から深く掘り下げてきました。
この記事でお伝えしたかった要点をまとめます。
- 「日産だから」という単純な理由で煽られるわけではなく、「ブランドイメージ」「車種への偏見」「運転スタイル」など複数の要因が絡み合っている。
- 煽り運転の根底には、煽る側の歪んだ優越感や不寛容さがある。
- 日産セレナは、e-POWERやプロパイロット2.0など、ライバルにはない先進技術と魅力を備えた素晴らしいミニバンである。
- 車種に関わらず、最も効果的な自衛策は「流れに乗ったスムーズな運転」と「譲る勇気を持つ」こと。
車のブランドや車種に対するイメージは、時代と共に変化していきます。過去のイメージに囚われるのではなく、ぜひご自身の目で最新の車の実力を見極めてください。
特に、今回取り上げた日産セレナは、試乗すればその静かで力強い走りにきっと驚くはずです。噂や偏見に惑わされず、あなたが本当に「乗りたい」と思える一台を見つけることが、豊かなカーライフへの第一歩です。
どんな車に乗っていても、交通社会の一員であるという自覚を持ち、思いやりと譲り合いの気持ちを忘れずにハンドルを握ること。それこそが、最もスマートで、最も安全な運転術なのかもしれません。