モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、レクサスLSの購入を検討しつつも、「本当に買って後悔しないだろうか?」という不安を抱えていることと思います。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
私も実際にLSを所有し、ネットやSNSで囁かれる様々な意見を目にしてきましたので、その気になる気持ちはよくわかります。高額な買い物だからこそ、失敗はしたくないですよね。
この記事を読み終える頃には、レクサスLSにまつわる様々な噂の真相と、購入後に後悔しないための判断基準が明確になっているはずです。
記事のポイント
- オーナーが語るリアルな不満点
- 維持費や運転のしやすさの現実
- 盗難リスクと具体的な対策
- レクサスLMとの徹底比較

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
レクサスLSで後悔する可能性のある8つのデメリット
レクサスブランドのフラッグシップセダンとして、常に最高峰の品質と性能を追求してきたLS。しかし、どんなに素晴らしい車でも、オーナーになって初めて見えてくる側面があるのも事実です。ここでは、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性のあるポイントを、私自身の経験と多くのオーナーから寄せられた声を基に、徹底的に解説していきます。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
① 内装が安っぽいと言われる理由と実態
「現行LSは内装が安っぽくなった」という声、特に先代モデルを知る方から時折耳にします。これは一体どういうことなのでしょうか。結論から言うと、これは「デザインの方向性の変化」と「一部の素材感」に起因する誤解だと私は考えています。
デザインコンセプトの変更
先代までのLSが、いわゆる「高級車」の象徴であるウッドパネルを多用し、重厚でクラシカルな空間を演出していたのに対し、現行LSは「アバンギャルド(前衛的)」をテーマに、モダンで芸術的なアプローチを取り入れています。例えば、ドアトリムには職人が手作業で折り上げた「L-ANILINE本革プリーツ」や、日本の伝統工芸である切子ガラスをモチーフにした「切子調カットガラス」など、これまでの自動車内装の常識を覆すような素材が採用されています。
これらの意匠は、初めて見た人にとっては斬リ新すぎるがゆえに、従来の「高級感」とは異質に感じられ、「安っぽい」という評価に繋がってしまった側面があるのです。しかし、実際に乗り込み、その細部にまで込められた職人のこだわりや、光の当たり方で表情を変える素材の美しさを体感すれば、決して安っぽいどころか、むしろ他のどの車にもない、極めて高いレベルのクラフトマンシップを感じ取れるはずです。
プラスチック素材の質感
一方で、一部のスイッチ類やパネルにプラスチック素材が使われていることも事実です。特に、ステアリングスイッチやパワーウィンドウのスイッチ周りなど、頻繁に手が触れる部分の質感が、メルセデス・ベンツ SクラスやBMW 7シリーズといった欧州のライバルと比較すると、やや物足りないと感じる方がいるのも無理はありません。
ただし、これもレクサスの思想の表れと捉えることができます。レクサスは、耐久性や操作の確実性を非常に重視します。華飾な金属やピアノブラックのパネルは、見た目は美しいですが、指紋が付きやすく、長年の使用で傷が目立つこともあります。その点、レクサスの採用するスイッチ類は、節度感があり、長期間にわたって安心して使える信頼性が確保されています。見た目の華やかさよりも、実用性や耐久性を重んじる、日本的な「用の美」がそこにはあるのです。
② タイヤサイズと高額な維持費の現実
LSの購入を検討する上で、避けては通れないのが維持費の問題です。特に、タイヤにかかる費用は、多くの方が懸念するポイントでしょう。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
大径タイヤの価格
現行LSは、標準でも19インチ、上位グレードやオプションでは20インチの大径タイヤを装着しています。タイヤは車の乗り心地や静粛性、走行性能を左右する非常に重要なパーツであり、LSにはその性能を最大限に引き出すため、ブリヂストン製のランフラットタイヤが標準装備されています。
このランフラットタイヤが、高額な維持費の要因の一つです。パンクしても一定距離を走行できる安全性と引き換えに、通常のタイヤよりも高価になります。具体的に、20インチのタイヤを4本交換する場合の費用を見てみましょう。
タイヤの種類 | サイズ | 1本あたりの参考価格 | 4本セットの参考価格 |
---|---|---|---|
純正ランフラットタイヤ | 245/45RF20 | 約80,000円~120,000円 | 約320,000円~480,000円 |
非ランフラットタイヤ | 245/45R20 | 約40,000円~70,000円 | 約160,000円~280,000円 |
このように、純正のランフラットタイヤを4本交換すると、工賃を含めて40万円を超えることも珍しくありません。乗り心地の改善やコスト削減のために、非ランフラットタイヤを選択するオーナーもいますが、その場合は別途パンク修理キットを搭載する必要があることを忘れてはいけません。
その他の消耗品と税金
タイヤ以外にも、オイル交換やブレーキパッド交換などの定期的なメンテナンス費用がかかります。レクサスディーラーでのメンテナンスは、質の高いサービスを受けられる反面、費用は一般的な国産車よりも高額になる傾向があります。
また、自動車税も大きな負担となります。LS500h(3.5Lハイブリッド)とLS500(3.5Lガソリンターボ)の年間の自動車税は以下の通りです。
- LS500h / LS500: 57,000円(3,001cc~3,500cc)
車両価格だけでなく、こうした維持費を長期的な視点でシミュレーションし、自身のカーライフの予算と照らし合わせることが、購入後の後悔を防ぐ上で非常に重要です。
③ 大きすぎるボディサイズと運転の難しさ
全長5,235mm、全幅1,900mmという堂々たるボディサイズは、LSの魅力であると同時に、多くのドライバーにとって懸念材料となります。特に、日本の道路環境では、その大きさが運転のしづらさに直結する場面も少なくありません。
狭い道での取り回し
都心部の路地裏や、地方の昔ながらの道では、対向車とのすれ違いに気を遣う場面が増えるでしょう。また、ホイールベース(前輪と後輪の間の距離)が3,125mmと非常に長いため、内輪差が大きくなります。そのため、交差点を曲がる際や車庫入れの際には、後輪が縁石に乗り上げたり、壁に接触したりしないよう、通常よりも大回りすることを意識する必要があります。
最小回転半径も5.6m(FR車)と、決して小さいとは言えません。Uターンできる場所が限られたり、駐車場での切り返しが増えたりすることも覚悟しておくべきです。
運転支援機能の活用
しかし、レクサスもその点は十分に考慮しています。LSには、その大きなボディを巧みに操るための先進的な運転支援機能が多数搭載されています。
- パノラミックビューモニター: 車を真上から見下ろしたような映像をディスプレイに表示し、死角になりやすい周囲の状況を直感的に把握できます。駐車時や狭い道でのすれ違いに絶大な効果を発揮します。
- レクサスチームメイト アドバンストパーク: スイッチ操作一つで、駐車に必要なステアリング、アクセル、ブレーキ、シフト操作を車がアシストしてくれます。白線がない場所でも、事前に駐車位置を登録しておけば、正確に駐車を完了させることができます。
- ブラインドスポットモニター(BSM): 車線変更時に、隣の車線を後方から接近する車両を検知すると、ドアミラーのインジケーターを点灯させて注意を促します。
これらの機能を積極的に活用することで、ボディサイズに対する不安は大幅に軽減できるはずです。購入前に、ディーラーでこれらの機能を実際に試してみることを強くお勧めします。
④ 夫婦での共用に潜む課題と解決策
「夫は運転が好きでLSに乗りたいけれど、運転が苦手な妻が使いこなせるか心配」という声は、非常によく耳にします。フラッグシップセダンを夫婦で共用する際には、いくつかの課題が生じる可能性があります。
運転感覚のギャップ
まず、普段コンパクトカーやSUVを運転している方にとって、LSの長いノーズと低い着座位置は、車両感覚を掴むのに時間がかかるかもしれません。特に、フロントの見切りは決して良いとは言えず、狭い場所での幅寄せなどには慣れが必要です。
また、アクセルやブレーキのフィーリングも、一般的な車とは異なります。特にハイブリッドモデルは、回生ブレーキの独特な感覚に戸惑う方もいるでしょう。
解決策:マイセッティング機能と事前の練習
こうした課題を解決するために、LSには「マイセッティング機能」が備わっています。これは、スマートキーと連動して、ドライバーごとにシートポジション、ステアリング位置、ドアミラーの角度などを自動で調整してくれる機能です。夫婦でキーを使い分ければ、乗り込むたびにポジションを調整する手間が省け、常に最適な運転姿勢を確保できます。
そして何より重要なのが、事前の練習です。納車されたら、まずは交通量の少ない広い場所で、車庫入れや幅寄せ、Uターンなどを繰り返し練習しましょう。パノラミックビューモニターなどの支援機能を使いながら、車の動きを体に覚えさせることが大切です。最初は不安かもしれませんが、数回運転すれば、その滑らかな走りや静粛性の虜になり、運転が楽しくなってくるはずです。
⑤ 依然として高い盗難リスクとその対策
レクサス車、特にLXやLSといった上位モデルは、残念ながら車両盗難のターゲットになりやすいという現実があります。最新の盗難手口は巧妙化しており、従来の対策だけでは不十分なケースも増えています。
最新の盗難手口「CANインベーダー」
近年、最も警戒すべきなのが「CAN(キャン)インベーダー」と呼ばれる手口です。これは、車のバンパー内などにあるCAN(Controller Area Network)と呼ばれる車両の神経網に直接アクセスし、ドアの解錠やエンジンの始動を不正に行うというものです。スマートキーのリレーアタック対策だけでは防ぐことができません。
オーナーが実践すべき具体的な対策
愛車を盗難から守るためには、複数の対策を組み合わせることが不可欠です。
- 物理的なロックの追加:
- ハンドルロック: ステアリングホイールを物理的に固定し、運転できないようにします。視覚的な防犯効果も高く、比較的安価で導入しやすい対策です。
- タイヤロック: ホイールを固定し、車両の移動を防ぎます。取り付けに手間はかかりますが、非常に強力な盗難防止策です。
- デジタルセキュリティの強化:
- 指紋認証スタートスイッチ: LSには、指紋認証システムを搭載したグレードがあります。登録された指紋が一致しない限りエンジンを始動できないため、CANインベーダー対策として極めて有効です。
- デジタルキー: スマートフォンを車両のキーとして使用できる機能です。物理的なキーを持ち歩く必要がなく、リレーアタックのリスクを低減できます。
- 駐車環境の見直し:
- 防犯カメラやセンサーライトの設置: 自宅駐車場に設置することで、不審者の接近を記録・威嚇します。
- シャッター付きガレージでの保管: 最も確実な方法の一つです。車両を外部から完全に遮断することができます。
これらの対策を講じることで、盗難リスクを大幅に低減させることができます。高価な車だからこそ、防犯への投資は惜しまないようにしましょう。
⑥ 期待を上回らない燃費性能
LSは、その車格と性能を考えれば決して燃費が悪いわけではありません。しかし、「ハイブリッドだから燃費が良いだろう」と過度な期待をすると、裏切られる可能性があります。
カタログ燃費と実燃費の乖離
LS500h(ハイブリッドモデル)のカタログ燃費(WLTCモード)は12.6km/L~13.6km/Lです。しかし、実際の燃費は運転スタイルや走行環境に大きく左右されます。
私の経験では、都心部の渋滞路が中心だと7~9km/L程度、高速道路を巡航するような走り方で12~14km/L程度というのが実情です。これは、2.3トンを超える車重を動かすためには、やはり相応のエネルギーが必要だからです。
一方、LS500(ガソリンターボモデル)のカタログ燃費は9.5km/L~10.2km/L。実燃費は市街地で5~7km/L、高速道路で10~12km/L程度です。ハイブリッドモデルとの価格差(約150万円)を燃料代で回収するのは、かなりの長距離を走らない限り難しいでしょう。
LSのハイブリッドシステムは、燃費性能の追求というよりも、モーターアシストによる静かで滑らかな加速フィールや、エンジン停止による静粛性の向上に重きが置かれていると理解するべきです。
⑦ 先進安全装備の使い勝手と過信の危険性
LSには、世界トップレベルの先進安全・運転支援システム「Lexus Safety System +A」が搭載されています。しかし、その機能が100%完璧というわけではなく、時にはドライバーを戸惑わせることもあります。
例えば、レーントレーシングアシスト(LTA)は、高速道路など白線が明確な場面では非常に高精度に車線中央を維持してくれますが、カーブが連続する場面や、雨で白線が見えにくい状況では、アシストが不安定になることがあります。
また、プリクラッシュセーフティ(PCS)は、非常に優秀なシステムですが、稀に道路脇の看板や駐車車両に過敏に反応し、意図しない場面で警告音が鳴ったり、軽いブレーキがかかったりすることがあります。
これらのシステムは、あくまで「運転を支援する」ものであり、運転の主体は常にドライバーにあるということを忘れてはいけません。機能を過信せず、その特性を正しく理解した上で活用することが、安全で快適なドライブに繋がります。
⑧ リセールバリューの動向と将来性
高級セダン、特に国産のフラッグシップモデルは、リセールバリューが下落しやすい傾向にあります。LSも例外ではなく、購入から3年で新車価格の50%~60%、5年で40%~50%程度になるのが一般的です。
これは、高級セダンの主な購買層が法人需要であり、中古車市場での個人需要がSUVやミニバンほど高くないことが原因です。また、モデルチェンジによる価格下落の影響も受けやすくなります。
ただし、レクサス車は全般的に高い品質と信頼性から、他の国産高級セダンと比較すれば、リセールバリューは安定していると言えます。特に、人気のボディカラー(ソニッククォーツやグラファイトブラックガラスフレーク)や、サンルーフ、マークレビンソンオーディオシステムといった人気のオプションを備えた車両は、査定額が高くなる傾向にあります。
短期的な乗り換えを考えている場合は、リセールバリューの下落も考慮に入れた資金計画を立てることが賢明です。
レクサスLSの魅力を再確認|後悔しないための選択
ここまで、LSのデメリットや注意すべき点を詳しく見てきました。しかし、もちろんLSには、それらの懸念点を補って余りある、唯一無二の魅力が溢れています。ここでは、LSがなぜ多くの人々を魅了し続けるのか、その本質的な価値を再確認していきましょう。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
① 世界を魅了する圧倒的な静粛性と乗り心地
LSのドアを閉めた瞬間、外界の喧騒が嘘のように遠ざかります。これこそが、LSの真骨頂である「静粛性」です。徹底した遮音・吸音対策はもちろん、ロードノイズや風切り音の発生源そのものを抑制する設計により、まるで深海にいるかのような静寂な空間が広がります。
そして、その静寂の中で味わう乗り心地は、まさに「魔法の絨毯」のようです。電子制御エアサスペンションは、路面の凹凸を巧みにいなし、常にフラットな姿勢を保ち続けます。後席に乗れば、移動していることを忘れてしまうほどの快適さで、大切なゲストをもてなすショーファードリブンカーとしても、最高のパフォーマンスを発揮します。この異次元の快適性は、他のどの車でも味わうことのできない、LSならではの美点です。
② 余裕と気品に満ちたパワフルな走行性能
LSの走りは、決して速さをひけらかすものではありません。LS500hのマルチステージハイブリッドシステムは、V6 3.5Lエンジンと2つのモーターを組み合わせ、システム最高出力359PSを発生。アクセルを軽く踏み込むだけで、巨体をものともせず、どこまでも滑らかに、そして静かに加速していきます。
一方、LS500に搭載されるV6 3.5Lツインターボエンジンは、最高出力422PSを誇り、よりダイレクトで力強い加速感を味わえます。10速ATとの組み合わせにより、高速巡航ではエンジン回転数を低く抑え、静粛性と燃費に貢献しつつ、いざという時には胸のすくような加速を披露します。どちらのパワートレインも、ドライバーに絶対的な安心感と余裕を与えてくれる、まさにフラッグシップに相応しいものです。
③ 日本の美意識が宿る唯一無二のデザイン
現行LSのデザインは、まさに「動く芸術品」と呼ぶにふさわしいものです。スピンドルグリルから始まる流麗なボディラインは、6ライトキャビンを持つクーペのようなシルエットを描き出し、見る角度によって様々な表情を見せます。
そして、そのディテールには、日本の伝統的な美意識が随所に散りばめられています。前述した切子調カットガラスやプリーツ状のドアトリムに加え、行燈(あんどん)をモチーフにした柔らかな室内照明など、華美な装飾に頼るのではなく、素材そのものの美しさや光と影の移ろいを大切にする、日本ならではの感性が息づいています。この奥ゆかしくも凛とした佇まいは、欧州のライバルたちとは一線を画す、LSだけのアイデンティティです。
④ オーナーだけが享受できるレクサスのおもてなし
レクサス車を所有するということは、単に移動の道具を手に入れるということではありません。それは、レクサスが提供する最高品質のサービスとサポートを享受する権利を得るということです。
新車購入時には、納車式という特別なセレモニーが用意され、専門のスタッフが車両の機能を丁寧に説明してくれます。また、全国のレクサスディーラーには、オーナー専用ラウンジが設けられており、点検の待ち時間などを快適に過ごすことができます。
さらに、24時間365日対応のオーナーズデスクでは、ナビの目的地設定の代行から、急なトラブル時のサポートまで、専任のオペレーターが丁寧に対応してくれます。こうしたきめ細やかな「おもてなし」こそが、レクサスブランドへの高い満足度と信頼に繋がっているのです。
⑤ レクサスLMとの比較:セダンかミニバンか、究極の選択
最近、「LSとLM、どちらにすべきか」という相談を非常に多く受けます。レクサスのフラッグシップが、セダン(LS)とミニバン(LM)という2つの選択肢になった今、どちらが自分に合っているのか悩むのは当然のことでしょう。
項目 | レクサスLS | レクサスLM |
---|---|---|
コンセプト | オーナー自ら運転を楽しむドライバーズカー | 後席の快適性を最優先したショーファーカー |
主な用途 | 高速長距離移動、ビジネス、フォーマルな場面 | 送迎、家族での旅行、移動中の執務・休憩 |
乗車定員 | 5名 | 4名または6/7名 |
室内空間 | 包まれ感のあるパーソナルな空間 | 広大で解放感のあるリビングのような空間 |
走行性能 | 低重心で安定したスポーティな走り | 穏やかで快適性を重視した走り |
メリット | ・運転する楽しさ ・美しいスタイリング ・フォーマル性が高い | ・圧倒的に広い後席空間 ・多彩なシートアレンジ ・乗り降りのしやすさ |
デメリット | ・後席の広さはLMに及ばない ・乗り降りはややしにくい | ・運転する楽しさはLSに劣る ・全高が高く駐車場所に制約 ・商用車のイメージ |
結論として、 自分で運転する時間が長く、走りそのものを楽しみたい、そしてセダンならではの美しいスタイリングやフォーマル性を重視するのであれば、LSが最適な選択です。
一方で、後席に大切な人を乗せる機会が多く、移動時間を最高にリラックスできる空間として使いたい、あるいは家族での長距離旅行を快適に楽しみたいというニーズが強いのであれば、LMがその期待に応えてくれるでしょう。
どちらが良い悪いではなく、あなたのカーライフにおいて何を最も重視するかで、選ぶべき答えは自ずと見えてくるはずです。
⑥ 後悔しないためのグレード選びのポイント
LSには、大きく分けてハイブリッドの「LS500h」とガソリンターボの「LS500」があり、それぞれに複数のグレードが設定されています。後悔しないためには、それぞれの特性を理解し、自分の使い方に合ったグレードを選ぶことが重要です。
- 静粛性と滑らかさを最優先するなら「LS500h」: モーターによる静かで力強い発進・加速は、ハイブリッドならではの魅力です。特に市街地走行が多い方にお勧めです。
- ダイレクトな加速感とコストを重視するなら「LS500」: ツインターボによるパワフルな走りは、運転好きにはたまりません。車両価格もハイブリッドより安く設定されています。
- 豪華装備を求めるなら「”version L”」または「”EXECUTIVE”」: 後席の快適装備や豪華な内装を重視するなら、これらの上位グレードが満足度を高めてくれます。特に「”EXECUTIVE”」は、後席のオットマンやリラクゼーション機能など、ショーファードリブンとしての機能が充実しています。
- スポーティな走りとデザインを求めるなら「”F SPORT”」: 専用の内外装デザインや、足回りのセッティングにより、LSのスポーティな側面を強調したグレードです。
⑦ 購入前に絶対に試乗すべき3つのポイント
最終的な判断を下す前に、必ず試乗をして、以下の3つのポイントを自身の五感で確かめてください。
- 日常で使う道でのサイズ感: ディーラー周辺の綺麗な道だけでなく、自宅周辺の狭い道や、よく利用する駐車場の使い勝手を実際に試してみましょう。
- 後席の乗り心地: 自分で運転するだけでなく、必ず後席にも乗ってみてください。LSの真価である静粛性と快適性を体感することで、この車が持つ世界観をより深く理解できます。
- パワートレインのフィーリング: LS500hとLS500の両方を乗り比べてみることをお勧めします。静かで滑らかなハイブリッドか、力強いターボか、どちらが自分の感性に合うかを確認しましょう。
まとめ
今回は、レクサスLSの購入で後悔する可能性のあるポイントと、それを上回る魅力について、多角的に解説してきました。
確かに、LSは大きなボディサイズや高額な維持費、盗難リスクなど、購入前に理解しておくべきデメリットが存在します。しかし、それらは先進の運転支援機能や適切な防犯対策、そして周到な資金計画によって、十分に乗り越えることが可能です。
そして何より、LSには、世界トップレベルの静粛性と快適性、日本の美意識が宿るデザイン、そしてオーナーだけが享受できる最高のおもてなしという、他では決して得ることのできない確固たる価値があります。
ネット上の断片的な情報に惑わされることなく、ぜひご自身の目でLSの真価を確かめてみてください。そして、あなたのカーライフにとって、LSが最高のパートナーとなり得るかどうかを、じっくりと見極めていただければと思います。このレビューが、そのための判断材料となれば幸いです。