モータージャーナリスト兼コンサルタントの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「ベンツVクラスが気になっているけれど、乗り心地が悪いって本当？」「小さな子供を乗せても大丈夫？」といった点が気になっているのではないでしょうか。
引用 : メルセデス HP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/van/v-class/overview.html)
私も実際にVクラスを所有し、家族と長距離ドライブを何度も経験したので、そのお気持ちはよくわかります。特に、商用車がベースと聞くと、乗り心地に不安を感じてしまいますよね。
この記事を読み終える頃には、ベンツVクラスの乗り心地に関する疑問が解決し、ご自身のファミリーカーとして最適かどうかを判断できるようになっているはずです。
記事のポイント
- Vクラスの乗り心地が悪いと言われる構造的理由
- 実際のオーナーが語るリアルな評価
- 競合車種アルファードとの徹底比較
- 家族が快適に乗るための具体的な改善策
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ベンツVクラスの乗り心地は本当に悪いのか？噂の真相を徹底解剖
メルセデス・ベンツが誇るプレミアムミニバン、Vクラス。その圧倒的な存在感と室内の広さ、そしてスリーポインテッドスターが輝くフロントグリルは、多くのファミリーユーザーの憧れの的です。
引用 : メルセデス HP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/van/v-class/overview.html)
しかし、その一方で絶えないのが「乗り心地が悪い」という噂。特に、小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、車の振動が成長に与える影響なども気になるところでしょう。
ここでは、自動車コンサルタントとして、そして一人のVクラスオーナーとして、なぜそのような噂が立つのか、その真相を構造的な側面や実際のオーナーの声、競合車種との比較を交えながら、多角的に解説していきます。
なぜVクラスは「乗り心地が悪い」と言われるのか？商用車ベースという宿命
Vクラスの乗り心地を語る上で避けて通れないのが、その成り立ちです。Vクラスは、元々「ビアノ」という名称で販売されており、そのベースとなっているのは「Vito（ヴィト）」という商用バンです。
商用車は、乗用車とは設計思想が根本的に異なります。最も重視されるのは、多くの荷物を積んだ状態でも安定して走行できる「積載能力」と、過酷な使用環境にも耐えうる「耐久性」です。
積載を前提とした硬い足回り
重い荷物を積載すると、車体は大きく沈み込みます。それに耐えるため、商用車のサスペンション（路面からの衝撃を吸収する装置）は、乗用車に比べて非常に硬く、頑丈に設計されています。
この「硬い足回り」が、乗り心地に大きく影響します。荷物を積んでいない、あるいは乗車人数が少ない状態（軽積載時）では、サスペンションが十分に沈み込まず、路面の凹凸による衝撃を吸収しきれません。その結果、ゴツゴツとした硬い乗り心地や、細かな振動として乗員に伝わってしまうのです。これが「Vクラスは乗り心地が悪い」と言われる最大の理由です。
FR（後輪駆動）レイアウトの影響
現在の国産ミニバンの主流がFF（前輪駆動）であるのに対し、VクラスはFR（後輪駆動）レイアウトを採用しています。FRは、加速性能やハンドリングの自然さに優れるというメリットがありますが、乗り心地の面ではデメリットになる側面もあります。
FF車はエンジンと駆動輪が前方に集中しているため、フロントヘビーになりがちですが、その分、走行安定性は高くなります。一方、FR車はプロペラシャフトが床下を通るため、床が高くなりやすく、低床設計が主流の国産ミニバンに比べると、重心が高くなる傾向があります。重心が高いと、カーブや車線変更時にボディが左右に揺すられる「横揺れ」が発生しやすく、後部座席に乗っている方は車酔いをしやすいと感じることがあります。
オーナーのリアルな声：SNSやレビューサイトでの評価は？
では、実際にVクラスを所有しているオーナーは、乗り心地についてどのように感じているのでしょうか。SNSや自動車レビューサイトを調査すると、肯定的な意見と否定的な意見の両方が見られます。
肯定的な意見
- 「高速道路での安定性は抜群。長距離運転でも疲れない」
- 「ディーゼルエンジンのトルクが太く、多人数乗車でもストレスなく加速する」
- 「マイナーチェンジ後のモデルは、以前より格段に乗り心地が良くなった」
- 「商用車ベースと聞いていたので覚悟していたが、思ったよりずっと快適」
- 「アルファードのようなフワフワした乗り心地が苦手なので、Vクラスのしっかりした足回りが好み」
否定的な意見
- 「街中の低速走行では、路面の凹凸を拾いやすくゴツゴツする」
- 「2列目、3列目は、1列目に比べて突き上げ感が強い」
- 「段差を乗り越えた後の揺れの収まりが悪い」
- 「ランフラットタイヤが標準装備のモデルは、特に乗り心地が硬い」
- 「静粛性は高いが、ロードノイズやエンジン音はそれなりに聞こえる」
これらの意見から、Vクラスの乗り心地は、走行シーンや乗る人の好みによって評価が大きく分かれることがわかります。特に、高速巡航時の安定性を評価する声が多い一方で、市街地での突き上げ感を指摘する声が目立ちます。
プロが解説！乗り心地に影響を与える3つの構造的要因
オーナーの声にもあったように、Vクラスの乗り心地はいくつかの構造的な要因に起因します。ここでは、専門的な視点から3つのポイントを解説します。
- サスペンション形式とセッティング Vクラスのリアサスペンションは、セミトレーリングアーム式という形式を採用しています。これは、耐久性が高く、荷室スペースを確保しやすいというメリットがある一方で、乗り心地や路面追従性においては、高級セダンなどに採用されるマルチリンク式に一歩譲ります。 さらに、前述の通り、積載を前提とした硬めのセッティングになっているため、特に軽積載時には路面からの入力をいなしきれない傾向があります。
- 車重と重量バランス Vクラスは、車両重量が約2.5トンにも及ぶヘビー級のモデルです。重い車体は、どっしりとした安定感につながる一方で、一度揺れ始めると収束しにくいという特性も持っています。特に、大きなうねりのある路面を通過した際には、船のようなゆったりとした揺れが続くことがあり、これを不快に感じる方もいます。
- タイヤの種類（ランフラットタイヤ） 一部のモデルや年式では、パンクしても一定距離を走行できる「ランフラットタイヤ」が標準装備されています。ランフラットタイヤは、サイドウォール（タイヤの側面）が非常に硬く補強されているため、同じサイズのノーマルタイヤと比較して、乗り心地が硬くなる傾向が顕著です。路面の細かな凹凸を拾いやすく、ザラザラとした感触が伝わりやすいのも特徴です。
特に後部座席の乗り心地は？家族のための最重要チェックポイント
ファミリーカーとしてミニバンを検討する際、最も重要なのが後部座席、特に2列目や3列目の快適性です。運転席では快適でも、後部座席では全く違う乗り心地だった、ということは珍しくありません。
Vクラスの場合、やはり構造的な特性から、後部座席、特に3列目になるほど、路面からの突き上げ感や上下動を大きく感じやすい傾向があります。これは、リアサスペンションの真上に座席が位置することや、車体の後方ほど揺れが増幅されることが原因です。
1歳や3歳といった小さなお子様は、チャイルドシートに座ることになります。チャイルドシートは車両のシートに比べてクッション性が乏しい場合が多く、車の振動がダイレクトに伝わりやすいです。そのため、試乗する際には、必ずご家族と一緒に後部座席に乗り、チャイルドシートを装着した状態での乗り心地を確認することを強くお勧めします。
【徹底比較】競合の帝王アルファード/ヴェルファイアとの乗り心地の違い
日本のミニバン市場で絶対的な王者として君臨するのが、トヨタのアルファード/ヴェルファイアです。Vクラスを検討する方の多くが、比較対象としてアルファードを挙げるでしょう。では、両者の乗り心地にはどのような違いがあるのでしょうか。
| 項目 | メルセデス・ベンツ Vクラス | トヨタ アルファード/ヴェルファイア |
|---|---|---|
| 乗り心地の傾向 | 硬めでしっかり。どっしりとした安定感。 | 柔らかくしなやか。ソファのような快適性。 |
| 得意なシーン | 高速道路、ワインディングロード | 市街地、渋滞路 |
| 不得意なシーン | 荒れた路面、市街地の低速走行 | 高速でのレーンチェンジ、急カーブ |
| 揺れの種類 | ゴツゴツ、コツコツとした突き上げ | フワフワとした上下の揺れ |
| ベース車両 | 商用バン（Vito） | 乗用車（FFプラットフォーム） |
| 駆動方式 | FR（後輪駆動） | FF（前輪駆動） / 4WD |
| サスペンション | 比較的シンプルな構造 | 乗り心地を重視した複雑な構造 |
一言で言えば、**「ドイツ車らしい質実剛健なVクラス」と「日本のおもてなしを体現したアルファード」**という対照的なキャラクターです。
アルファードは、徹底的に後部座席の快適性を追求しており、路面からの衝撃を巧みにいなし、まるで絨毯の上を滑るような滑らかな乗り心地を提供します。特にVIPを送迎するようなシーンでは、この上ない快適性を誇るでしょう。
一方、Vクラスは、アウトバーンを高速で巡航することを想定した、安定性重視のセッティングです。ドライバーの操作に対する応答性が高く、運転する楽しさも感じられます。フワフワとした乗り心地が苦手で、しっかりとした手応えを好む方にはVクラスが適していると言えます。
どちらが良い・悪いというわけではなく、どちらの乗り心地がご自身の好みや使用用途に合っているか、という観点で選ぶことが重要です。
マイナーチェンジで乗り心地は改善されたのか？
現行のVクラス（W447）は、2015年に登場して以来、数度のマイナーチェンジや改良を重ねています。その中で、乗り心地に関しても着実な進化を遂げています。
特に、2019年のマイナーチェンジでは、サスペンションのセッティングが見直され、乗り心地の改善が図られました。初期モデルに比べると、市街地でのゴツゴツ感が緩和され、よりしなやかな足回りになっています。
さらに、オプションで選択可能な**「AGILITY CONTROLサスペンション」**は、走行状況に応じて減衰力を自動で調整する画期的なシステムです。通常走行時はしなやかな乗り心地を提供し、コーナリング時や急な操作時にはダンパーを硬くして車体を安定させます。このサスペンションが装着されたモデルは、標準モデルに比べて乗り心地が格段に向上していると評判です。
中古車を検討する際は、年式だけでなく、どのサスペンションが装着されているかを確認することも重要なポイントになります。
小さな子供への振動の影響は？医学的見地からの考察
「車の振動が子供の成長に悪い影響を与える」という話を耳にして、不安に思われる保護者の方もいらっしゃるでしょう。
結論から言うと、一般的な乗用車で日常的に移動するレベルの振動が、お子様の発育に深刻な悪影響を及ぼすという医学的な根拠は、現時点では明確に示されていません。
人間の体には、振動を吸収・緩和する機能が備わっています。もちろん、極端に激しい振動や、長時間にわたる一定周期の振動は、大人であっても乗り物酔いや不快感、疲労の原因となります。これは、揺さぶられっ子症候群のような意図的で激しい揺さぶりとは全く異なるものです。
Vクラスの乗り心地が「硬い」とは言っても、それはあくまで乗用車としての快適性の話であり、健康被害を心配するレベルの過酷な振動ではありません。
ただし、乗り心地が良いに越したことはありません。お子様が車内で快適に過ごせるよう、後述するような対策を講じることで、より安心してドライブを楽しむことができるでしょう。
私のVクラス体験談：コンサルタントが語るリアルな乗り心地
私自身も、現行Vクラス（W447）のV220d アバンギャルド ロングを所有しています。家族構成は妻と5歳、8歳の子供の4人。まさに、この記事を読んでくださっているあなたと同じようなファミリーユーザーです。
購入前は、やはり乗り心地に関するネガティブな評判が気になり、何度も試乗を重ねました。正直に言うと、初めて市街地を走った時の第一印象は「結構、硬いな」でした。特に、マンホールの蓋や路面の補修跡を通過する際の「ゴツッ」という感触は、それまで乗っていた国産ミニバンとは明らかに違うものでした。
しかし、高速道路に入った瞬間、その印象は一変します。矢のように直進し、路面に吸い付くような安定感。時速100kmで巡航していても、車内は驚くほど静かで、隣の席の妻とも普通の声量で会話ができます。この長距離移動の快適さと安心感は、Vクラスならではの大きな魅力だと感じています。
後部座席の子供たちも、長時間のドライブでぐずることはほとんどありません。広大な室内空間で自由に過ごせることの方が、多少のゴツゴツ感よりも嬉しいようです。
結論として、私の個人的な評価は**「シーンによって評価は変わるが、トータルで見れば非常に満足度の高い、唯一無二のファミリーカー」**です。
ベンツVクラスの乗り心地を改善し、家族で快適に乗る方法
「Vクラスの魅力は理解できたけれど、やっぱり乗り心地は少しでも良い方がいい」そう考えるのは当然のことです。
幸い、Vクラスの乗り心地は、いくつかの工夫や対策によって、大きく改善することが可能です。購入時のオプション選びから、納車後のカスタムまで、具体的な方法をご紹介します。
引用 : メルセデス HP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/van/v-class/overview.html)
購入時に選択できる！乗り心地を左右するオプション装備
Vクラスを購入する際に、ぜひ検討していただきたいのがサスペンションのオプションです。
- AGILITY CONTROLサスペンション 前述の通り、走行状況に応じてダンパーの硬さを自動調整してくれる優れものです。乗り心地と操縦安定性という、相反する性能を高次元で両立させます。特に後期モデルでは標準装備されているグレードも多いですが、中古車を狙う場合はこの装備の有無を必ず確認しましょう。これが付いているだけで、乗り心地の印象は劇的に変わります。
- AIRMATICサスペンション（日本未導入のケースが多い） 一部の上級グレードや海外仕様では、空気のバネを使用する「AIRMATICサスペンション」が選択できます。これはメルセデスの高級セダンにも採用されているシステムで、まさに雲の上のような極上の乗り心地を提供します。ただし、日本仕様のVクラスでは導入されていないことが多く、コストも高額になります。
タイヤ交換で劇的に変わる？おすすめのコンフォートタイヤ選び
乗り心地を最も手軽に、そして効果的に改善する方法が「タイヤ交換」です。特に、ランフラットタイヤが装着されている場合は、ノーマルのコンフォートタイヤに交換するだけで、見違えるように乗り心地がマイルドになります。
タイヤ選びのポイントは、「コンフォート性能」を重視することです。各タイヤメーカーから、静粛性や乗り心地の良さを謳った「プレミアムコンフォートタイヤ」が発売されています。
おすすめのタイヤブランド例
- ブリヂストン REGNO（レグノ）シリーズ: 静粛性と乗り心地において、絶対的な評価を得ている定番タイヤ。
- ミシュラン PRIMACY（プライマシー）シリーズ: しなやかな乗り心地と、高いウェット性能を両立。
- ヨコハマ ADVAN dB（アドバン・デシベル）: 静粛性に特化し、ロードノイズを大幅に低減。
タイヤは車の性能を左右する非常に重要なパーツです。専門店でプロに相談し、ご自身の希望に合ったタイヤを選ぶことをお勧めします。ただし、ランフラットタイヤからノーマルタイヤに交換した場合は、パンク修理キットを別途搭載する必要があることを忘れないでください。
シートやクッションの工夫で快適性をアップ
後部座席のお子様のために、振動を吸収してくれるクッションやシートカバーを活用するのも有効な手段です。
- 低反発ウレタンクッション: 体圧を分散し、お尻や腰への負担を軽減します。チャイルドシートの下に敷いたり、ジュニアシートのお子様が使用したりするのに適しています。
- ゲル素材のクッション: 衝撃吸収性に優れており、細かな振動を効果的にカットしてくれます。
- チャイルドシートの選定: チャイルドシート自体にも、衝撃吸収素材を多用したモデルや、リクライニング角度を細かく調整できるモデルなど、快適性を重視した製品があります。車の乗り心地と合わせて、チャイルドシートの性能にもこだわってみてはいかがでしょうか。
運転の仕方で乗り心地は変わる？同乗者に優しい運転テクニック
意外と見落とされがちですが、ドライバーの運転操作も、同乗者の快適性を大きく左右します。特にVクラスのような大きな車体をスムーズに走らせるには、少しコツが必要です。
- 丁寧なアクセル・ブレーキ操作:「急」のつく操作（急発進、急加速、急ブレーキ）は、車体を大きく揺らし、同乗者に不快感を与えます。先の交通状況を予測し、余裕を持った плавらかな (スムーズな) 操作を心がけましょう。
- スムーズなステアリング操作: カーブを曲がる際は、ステアリングをゆっくりと切り始め、ゆっくりと戻すことで、横揺れを最小限に抑えることができます。
- 路面状況の把握: 路面の凹凸やマンホールを完全に避けることはできませんが、事前に察知して速度を落とすだけでも、車体への衝撃は大きく変わります。
同乗者への思いやりを持った運転を心がけることが、最高の乗り心地改善策と言えるかもしれません。
それでも気になるなら試したい！社外サスペンションという選択肢
より根本的に乗り心地を改善したい、というこだわり派の方には、社外品のサスペンションキットに交換するという選択肢もあります。
Vクラス専用に開発された車高調（車高調整式サスペンション）やショックアブソーバーが、様々なメーカーから販売されています。これらの製品は、純正の硬さを解消し、しなやかな乗り心地を実現することを目的に設計されているものが多く、交換することで乗り心地を劇的に向上させることが可能です。
ただし、数十万円単位の費用がかかることや、製品によっては乗り心地以外の性能（操縦安定性など）が変化する場合もあるため、実績のある専門ショップでよく相談した上で検討することをお勧めします。
試乗で乗り心地を確認する際の5つの重要チェックポイント
カタログスペックやレビューだけでは、本当の乗り心地はわかりません。最終的な判断は、必ずご自身の感覚で確かめるべきです。後悔しないために、試乗の際には以下の5つのポイントを重点的にチェックしてください。
- 家族全員で乗る: ドライバーだけでなく、奥様やお子様にも後部座席に乗ってもらい、それぞれの感想を聞きましょう。
- チャイルドシートを持ち込む: 実際に使用しているチャイルドシートを設置させてもらい、お子様を乗せた状態での乗り心地を確認します。
- 様々な路面を走る: ディーラーの周りの綺麗な道だけでなく、あえて少し荒れた路面や段差のある場所、バイパスの継ぎ目などを走らせてもらいましょう。
- 市街地と高速道路の両方を試す: Vクラスの乗り心地は、速度域によって印象が大きく変わります。可能であれば、両方のシーンを試しましょう。
- 後部座席にも座ってみる: 運転をディーラーの担当者に任せ、ご自身で2列目、3列目に座ってみてください。運転席との違いに驚くかもしれません。
まとめ
今回は、多くの方が気にされている「ベンツVクラスの乗り心地」について、様々な角度から深く掘り下げてきました。
引用 : メルセデス HP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/van/v-class/overview.html)
Vクラスの乗り心地が硬めであることは事実であり、それには商用車ベースという構造的な理由があります。しかし、それは決して「欠点」ではなく、高速走行時の圧倒的な安定性や、多人数乗車時の信頼性といった「美点」と表裏一体の関係にある「特性」です。
フワフワとした乗り心地を好む方には、正直なところアルファードをお勧めします。しかし、しっかりとした走り応え、長距離移動の疲労の少なさ、そしてメルセデス・ベンツを所有する満足感を求めるのであれば、Vクラスは他に代えがたい魅力を持った一台です。
特に、AGILITY CONTROLサスペンションの登場や、コンフォートタイヤへの交換といった改善策によって、乗り心地はオーナーの好みに合わせて大きく向上させることが可能です。
噂や評判だけで判断するのではなく、ぜひ一度、ご家族と一緒にVクラスを実際に体験してみてください。その広大な空間と確かな走りが、あなたの家族にとってかけがえのないパートナーになる可能性は十分にあるはずです。
このレビューが、あなたの最適なファミリーカー選びの一助となれば幸いです。
