※本ページにはプロモーションが含まれる場合があります

レクサス

レクサスNXにマークレビンソンは不要と言われる真相|遮音性の低さがネック

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、レクサスNXの購入を検討していて、オプションのマークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステムを付けるべきか、特にその価値が本当にあるのか気になっているのではないでしょうか。

引用 : レクサス HP (https://lexus.jp/models/nx/features/equipment/)

私も実際にレクサスNXを所有し、マークレビンソンについても深く研究したので、その気になる気持ちはよくわかります。高価なオプションだからこそ、絶対に後悔したくないですよね。

この記事を読み終える頃には、あなたのレクサスNXにおけるオーディオ選びの疑問がスッキリ解決しているはずです。

記事のポイント

  • レクサスNXの遮音性とマークレビンソンの関係性
  • マークレビンソンの真価が発揮される条件
  • 標準オーディオの驚くべきクオリティ
  • コストパフォーマンスで考える最適な選択肢
【一括査定サイト必勝法】ヴェゼルを驚愕の高額査定で売却した方法を徹底解説新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。 私自身、2021年式のホンダ ヴェゼル PLAYを驚愕の高価査定で売却できました。 今回の投稿では、一括査定サイトを利用して高額査定で売却するための必勝法を徹底的に解説しています。...

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。

\筆者おすすめ!一括見積もりサイトはこちら/
CTN

レクサスNXとマークレビンソン|その組み合わせを徹底解剖

レクサスNXは、その洗練されたデザインと高い走行性能で、多くのドライバーを魅了する人気のラグジュアリーSUVです。購入を検討する際、多くの方が頭を悩ませるのが、約25万円という高価なオプション「マークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステム」の選択でしょう。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)

最高の音響体験を求める音楽好きにとって、マークレビンソンの名は非常に魅力的です。しかし、その真価をNXで本当に体感できるのか、冷静に分析する必要があります。

結論:多くのドライバーにとってレクサスNXにマークレビンソンは不要

いきなり結論から申し上げますが、私は「ほとんどのドライバーにとって、レクサスNXにマークレビンソンは不要」だと考えています。もちろん、これはマークレビンソンの性能を否定するものでは決してありません。マークレビンソンは、間違いなく世界最高峰のカーオーディオシステムの一つです。

問題は、オーディオシステム単体の性能ではなく、その性能を最大限に引き出すための「環境」がレクサスNXに整っているかという点にあります。素晴らしい音響システムも、静粛性の低い環境ではその能力を半分も発揮できません。このレビューでは、なぜNXという車においてマークレビンソンが「宝の持ち腐れ」になりがちなのか、オーナーとしての実体験とジャーナリストとしての客観的な視点から深く掘り下げていきます。

レクサスNXの遮音性の実態|オーナーが語る静粛性の限界

レクサスといえば、圧倒的な静粛性をイメージされる方が多いでしょう。しかし、それは主にフラッグシップモデルであるLSやLXなどに当てはまる話です。レクサスNXは、ブランドの中ではエントリーからミドルクラスに位置するモデルであり、コストとのバランスを取る必要があります。そのため、遮音性に関しても上位モデルと比較すると、どうしても簡略化されている部分が見受けられます。

ロードノイズと風切り音の侵入

実際にNXを所有して日常的に運転していると、特に気になるのがロードノイズ風切り音です。

  • ロードノイズ: 速度を上げていくと、「ゴーッ」というタイヤが路面を転がる音がフロア下から着実に侵入してきます。特に荒れたアスファルトや高速道路の継ぎ目を通過する際の音は、決して小さいとは言えません。これは、フロア周りの遮音材・制振材が上位モデルほど重点的に使用されていないことが原因と考えられます。
  • 風切り音: 時速80kmを超えたあたりから、ドアミラー周辺やAピラーから「ヒュー」という風切り音が聞こえ始めます。ドアのウェザーストリップ(ゴム製のシール)がLSのような二重、三重構造になっていないことや、ドア自体の鉄板の厚み、内部の吸音材の量などが影響しているのでしょう。

もちろん、これはあくまでレクサスのラインナップの中での比較であり、同クラスの他の国産・輸入車SUVと比較すれば、NXの静粛性は十分に高いレベルにあります。しかし、「マークレビンソンの繊細な音を心ゆくまで楽しむ」という観点では、この侵入してくる外部ノイズが大きな障壁となるのです。

マークレビンソンとは?その真価が最大限に発揮される条件

では、マークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステムとは、具体的にどのようなオーディオなのでしょうか。その特徴と、性能を発揮するための条件を見ていきましょう。

マークレビンソンの特徴

項目 詳細
スピーカー数 17スピーカー
アンプ 12chフルデジタルClass-Dアンプ
総出力 1800W
特徴技術 Clari-Fi、Quantum Logic Surround (QLS)
価格 約25万円(車種により変動)

マークレビンソンの最大の魅力は、その解像度の高さと、原音に忠実なクリアなサウンドです。圧縮音源で失われがちな音のディテールを復元する「Clari-Fi」技術や、ステレオ音源を立体的な7.1chサラウンドに変換する「QLS」技術により、まるでコンサートホールの中心で聴いているかのような没入感を得られます。

性能発揮の絶対条件は「静粛性」

このシステムの真価は、微細な音のニュアンスや、楽器ごとの繊細な音色、息づかいまでも再現する点にあります。しかし、これらの微細な音は、ロードノイズや風切り音といった低周波の騒音にいとも簡単にマスキング(覆い隠)されてしまいます。

例えるなら、最高級の絵画を薄暗い照明の下で鑑賞するようなものです。絵画本来の色彩や筆のタッチを正確に捉えられないのと同じで、車内が騒がしければマークレビンソンが奏でる繊細な音はドライバーの耳に届く前にかき消されてしまうのです。真価を発揮するためには、LSやLXのような、外部からのノイズを徹底的に遮断した「走るリスニングルーム」とも呼べるほどの高い静粛性が不可欠となります。

レクサスNX標準オーディオの性能は?実はかなり優秀

マークレビンソンが不要だと主張するもう一つの大きな理由が、標準装備の「レクサスプレミアムサウンドシステム」が非常に優秀であることです。

  • スピーカー数: 10スピーカー
  • アンプ: 8chフルデジタルアンプ

スピーカー数や出力ではマークレビンソンに劣りますが、その音質は決して侮れません。クリアでバランスの取れたサウンドは、多くの方が「これで十分満足できる」と感じるレベルにあります。低音は豊かに、高音はクリアに鳴り、特定のジャンルに偏ることなく、ポップスからクラシックまで幅広く楽しむことができます。

実際に私のNXで標準オーディオを聴いた友人の多くが、「これが標準なの?」と驚きます。25万円という価格差を考慮すれば、標準オーディオのコストパフォーマンスは極めて高いと言えるでしょう。まずはディーラーの試乗車で、マークレビンソン非搭載の車両の音をじっくりと聴いてみることを強くお勧めします。

静かな環境で聴き比べてみた|NXとLSでの残酷な比較レビュー

ジャーナリストという役得で、静かなガレージ内でNX(マークレビンソン搭載)とLS(マークレビンソン搭載)を同じ音源、同じ音量で聴き比べる機会がありました。これは非常に残酷な比較でした。

  • レクサスLS: 音が鳴った瞬間、目の前にクリアな音像が定位し、ボーカルの息づかいや弦を弾く指の動きまで見えるようです。音がスピーカーから出ているという感覚がなく、空間全体が音楽で満たされる感覚。外部とは完全に遮断された世界がそこにありました。
  • レクサスNX: LSと比較すると、どうしても音がスピーカーから鳴っている感覚が残ります。音の解像度は高いのですが、LSで感じられたような空気感や、微細な音の余韻が薄く感じられます。これはNXのスピーカーやアンプが劣っているというよりは、車内の反響やノイズレベルの違いが大きく影響していると断言できます。

この比較を通じて、マークレビンソンというオーディオシステムは、車の静粛性という土台があって初めて100%の性能を発揮できるのだと再認識させられました。

マークレビンソンの価格と満足度で考えるレクサスNXの最適な選択

オーディオ選びは、最終的にコストと満足度のバランスです。ここでは、より具体的な数字を交えながら、あなたにとって最適な選択肢は何かを考えていきましょう。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)

マークレビンソンの価格と価値|約25万円をどう捉えるか

レクサスNXにおけるマークレビンソンのオプション価格は、約25万円です。この価格をどう捉えるかが重要です。

もし、あなたが差額なしで標準オーディオとマークレビンソンを選べるのであれば、迷わずマークレビンソンを選ぶべきでしょう。しかし、そこには25万円という明確な価格差が存在します。この25万円があれば、他にどのようなことができるでしょうか。例えば、ワンランク上のホイールを選んだり、三眼フルLEDヘッドランプやパノラマルーフといった、見た目の満足度や利便性を大きく向上させるオプションを追加することも可能です。

オーディオの音質向上にかける25万円が、車の静粛性という要因でその効果を十分に得られない可能性があるのであれば、他のオプションに投資した方が総合的な満足度は高くなるかもしれません。

遮音性向上のための後付け対策(デッドニング)とその費用

「それなら、NXの遮音性を後から高めれば良いのでは?」と考える方もいるでしょう。確かに、専門店で「デッドニング」と呼ばれる施工を行えば、静粛性を向上させることは可能です。

デッドニングの主な施工内容と費用目安

施工箇所 内容 費用目安
ドア 内張りを剥がし、制振材・吸音材を貼り付ける 1枚あたり3万円~
フロア シートや内装を全て剥がし、フロア全面に施工 15万円~
ルーフ(天井) 天井の内張りを剥がし、施工。雨音などに効果的 8万円~
タイヤハウス タイヤハウス内に遮音材を施工。ロードノイズに効果的 5万円~

ご覧の通り、車全体の静粛性を本格的に向上させようとすると、合計で30万円以上の費用がかかることも珍しくありません。 マークレビンソンの25万円と合わせると、実に55万円以上の投資となります。そこまで費用をかけるのであれば、初めからワンランク上の車種(例えばRX)を検討した方が、静粛性だけでなく、走行性能や内外装の質感など、総合的な満足度で上回る可能性が高いと言えるでしょう。

差額で選べる魅力的な他のオプション

マークレビンソンを選ばなかった場合に浮く約25万円で、どのようなオプションが選択可能になるか見てみましょう。これは、あなたのカーライフをより豊かにするための重要な判断材料になります。

  • 三眼フルLEDヘッドランプ & AHS: 夜間の視認性と安全性を劇的に向上させます。見た目の精悍さも大きくアップします。
  • パノラマルーフ: 開放感あふれる室内空間を演出し、同乗者にも喜ばれる人気の装備です。
  • “F SPORT”専用オレンジブレーキキャリパー: スポーティな足元を演出し、所有満足度を高めます。
  • デジタルインナーミラー: 後席に人や荷物が乗っていても、クリアな後方視界を確保できます。

これらのオプションは、音質のように個人の感性に大きく左右されるものではなく、誰が使っても明確なメリットを感じられるものばかりです。どちらに価値を見出すかはあなた次第ですが、冷静に比較検討することをお勧めします。

リセールバリューへの影響は?

中古車市場において、マークレビンソンがプラス査定になることは事実です。しかし、オプション価格の25万円がそのまま上乗せされるわけではありません。数年後の査定額で、数万円から10万円程度の差が付くかどうか、というのが現実的なところでしょう。

リセールバリューを主目的にマークレビンソンを選ぶのは、得策とは言えません。それよりも、パノラマルーフや”F SPORT”といった、中古車市場で人気の高い他のオプションやグレードを選んだ方が、結果的に高いリセールを期待できるケースも多いです。

こんな人にはマークレビンソンをおすすめできる

ここまで「不要論」を中心に展開してきましたが、もちろん全ての人に不要だというわけではありません。以下のような方であれば、マークレビンソンを選ぶ価値は十分にあるでしょう。

  1. とにかく最高の音響システムを搭載したい方: 車の静粛性云々よりも、「マークレビンソンを所有している」という事実そのものに価値を見出す方。ステータス性を重視するならば、選ぶべきです。
  2. 停車中の利用がメインの方: 主に停車中や、静かな郊外路をゆっくり走る際に音楽を楽しむ方。走行ノイズの影響が少ない状況であれば、その繊細なサウンドを堪能できます。
  3. ご自身でデッドニング施工をする予定の方: 費用をかけてでも静粛性を追求し、理想のオーディオ環境を構築する情熱と覚悟がある方。

これらの条件に当てはまらないのであれば、やはり標準オーディオで十分な満足感が得られる可能性が高い、というのが私の見解です。

まとめ

今回は、レクサスNXにマークレビンソンは必要なのか、というテーマについて、オーナーとしての視点から徹底的にレビューしました。

  • レクサスNXは上位モデルに比べ、ロードノイズや風切り音が侵入しやすく、静粛性には限界がある。
  • マークレビンソンの真価である「繊細で解像度の高いサウンド」は、高い静粛性という土台があって初めて100%発揮される。
  • NXの環境では、外部ノイズによってマークレビンソンの繊細な音がマスキングされ、性能を活かしきれない可能性が高い。
  • 標準のレクサスプレミアムサウンドシステムが非常に優秀で、多くの人が満足できる音質を持っている。
  • 約25万円の価格差を考慮すると、他のオプション(三眼LED、パノラマルーフ等)に投資した方が、総合的な満足度が高まる可能性がある。

最終的な判断は、もちろんあなたの価値観次第です。しかし、高価なオプションだからこそ、その価値を冷静に見極める必要があります。ぜひ一度、マークレビンソン非搭載のNXと、搭載されているNX、そしてもし機会があればLSやLXといった上位モデルの静粛性と音響を、ご自身の耳でじっくりと聴き比べてみてください。そうすれば、きっとあなたにとっての最適な答えが見つかるはずです。

このレビューが、あなたの後悔のないレクサスNX選びの一助となれば幸いです。