モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、新型ハリアーを購入検討中、あるいは既にオーナーで、「走行中にテレビやYouTubeが見られたらもっと快適なのに…」と感じているのではないでしょうか。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)
私もハリアーを所有しており、長距離ドライブや家族での移動中に同乗者から同じようなリクエストを受けた経験があるので、そのお気持ちはよくわかります。純正ナビの制限をどうにかしたい、具体的な製品や方法を知りたい、という方も多いでしょう。
この記事を読み終える頃には、あなたのハリアーで走行中にテレビやYouTubeといった動画コンテンツを楽しむための具体的な方法と、それに伴うメリット・デメリット、注意点についての疑問がすべて解決しているはずです。
記事のポイント
- ハリアーで走行中に映像が消える理由の解説
- 走行中のテレビ視聴を可能にする具体的な方法
- 走行中のYouTube視聴を実現する最新アイテム
- 各方法のメリット・デメリットと注意点の完全網羅

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
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ハリアーの純正ディスプレイオーディオで走行中に映像は視聴できる?
ハリアーでの映像視聴について解説する前に、まずは車両に標準装備されている「ディスプレイオーディオ」の性能や機能について正しく理解しておくことが重要です。
特に80系ハリアーは、マイナーチェンジによってディスプレイオーディオの仕様が大きく変更されています。ご自身のハリアー、あるいは購入を検討しているモデルがどちらに該当するのかを把握することで、最適な方法を選択できます。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)
なぜ走行中にテレビが映らない?安全を最優先するトヨタの思想
多くの方が最初に疑問に思うのが、「なぜ走行中にテレビが映らなくなってしまうのか」という点でしょう。これは故障ではなく、自動車メーカーが意図的に設定している安全機能です。
道路交通法第71条5の5では、運転者が走行中にカーナビゲーション装置や携帯電話などの画面を注視することが禁止されています。これに違反した場合、「ながら運転」として厳しい罰則が科せられます。
トヨタをはじめとする自動車メーカーは、この法律を遵守し、運転者の安全を確保するために、車速が一定以上になると映像が消え、音声のみに切り替わるように設計しています。また、ナビゲーションの一部機能(目的地設定など)も、停車中(具体的にはパーキングブレーキがかかっている状態)でなければ操作できないように制限されています。
この制限はあくまで「運転者」の安全を守るためのものです。しかし、助手席や後部座席の同乗者にとっては、長時間のドライブで退屈してしまう原因にもなり得ます。本レビューで紹介する方法は、こうした同乗者のための快適性向上を目的としたものであることを、まずご理解ください。
80系ハリアーのディスプレイオーディオ:前期型と後期型の違い
80系ハリアーは2022年10月のマイナーチェンジ(一部改良)を境に、搭載されるディスプレイオーディオが大きく進化しました。それぞれの特徴を見ていきましょう。
前期型(2020年6月~2022年9月モデル)
前期型ハリアーでは、グレードに応じて2種類のディスプレイオーディオが設定されていました。
- Z “Leather Package” / Z / G “Leather Package” / Gに標準装備: 8インチディスプレイオーディオ+6スピーカー
- Sに標準装備: 8インチディスプレイオーディオ+6スピーカー
- オプション: T-Connect SDナビゲーションシステム+JBLプレミアムサウンドシステム(12.3インチディスプレイ)
この世代の特徴は、テレビ視聴やナビ機能のフル活用に「T-Connectナビキット」や「TVオプション」といった有償オプションの契約が必要だった点です。つまり、オプションを付けなければ、そもそもテレビを見ること自体ができませんでした。
後期型(2022年10月~現行モデル)
後期型では、ディスプレイオーディオが「コネクティッドナビ」対応の新しい世代へと進化し、全グレードで仕様が統一・向上しました。
- Z “Leather Package” / Zに標準装備: 12.3インチディスプレイオーディオPlus+JBLプレミアムサウンドシステム(11スピーカー)
- Gに標準装備: 12.3インチディスプレイオーディオPlus
- Sに標準装備: 8インチディスプレイオーディオ
後期型の最大のポイントは、車載ナビゲーション機能とテレビ(フルセグ)が全グレードで標準装備になったことです。T-Connectの基本サービス「T-Connect Standard」を5年間無料で利用でき、センター通信型のコネクティッドナビが使えます。これにより、オプション契約なしでもテレビ視聴が可能になりましたが、「走行中の視聴制限」は前期型と同様にかかっています。
比較項目 | 前期型 (~2022/9) | 後期型 (2022/10~) |
---|---|---|
標準ディスプレイ | 8インチ (S, G, Z) | 8インチ (S), 12.3インチ (G, Z) |
ナビ機能 | オプション (T-Connectナビキット) | 標準装備 (コネクティッドナビ) |
テレビ機能 | オプション (TVオプション) | 標準装備 (フルセグ) |
T-Connect | 初回登録から3年間無料 | 初回登録から5年間無料 |
その他 | CD/DVDデッキのオプション設定あり | CD/DVDデッキのオプション設定なし |
このように、ご自身のハリアーが前期型か後期型かによって、テレビ視聴の前提条件が異なる点を覚えておきましょう。
Apple CarPlayとAndroid Autoでできること・できないこと
現在のハリアーには、スマートフォンをUSBケーブルで接続することで、スマホ内の対応アプリをディスプレイオーディオ上で操作できる「Apple CarPlay」および「Android Auto」が標準で搭載されています。
主な対応アプリ
- 地図アプリ: Googleマップ、Yahoo!カーナビ、Wazeなど
- 音楽アプリ: Apple Music, Spotify, YouTube Music, Amazon Musicなど
- メッセージアプリ: LINE, WhatsApp, SMSなど(音声アシスタントによる送受信)
これらの機能により、スマートフォンの使い慣れたナビアプリや音楽アプリを大画面で安全に操作でき、非常に便利です。
動画再生アプリの制限
しかし、重要な点として、Apple CarPlayとAndroid Autoは、安全上の理由からYouTube、Netflix、Amazon Prime Videoといった動画再生アプリには公式に対応していません。 そのため、標準機能のままでは、走行中はもちろん停車中であっても、これらのサービスをディスプレイオーディオで視聴することは不可能です。
CDやDVDは再生できる?メディアスロットの有無
意外と見落としがちなのが、CDやDVDの再生機能です。 前期型の80系ハリアーでは、ディーラーオプションとしてCD/DVDデッキを追加することが可能でした。しかし、後期型(2022年10月以降)のモデルからはCD/DVDデッキのオプション設定が廃止され、物理的なディスクメディアを再生する手段がなくなりました。
音楽はスマートフォンやUSBメモリ経由で楽しむのが主流となり、映像コンテンツも同様にデータ形式での視聴が前提となっています。もし、お子様向けのアニメDVDなどを車内で楽しみたいと考えている場合は、別途ポータブルDVDプレイヤーなどを用意する必要があります。
ハリアーで走行中にテレビを見るための具体的な方法
ここからは、同乗者のために走行中のテレビ視聴制限を解除する具体的な方法について、詳しく解説していきます。最も一般的で確実な方法は「テレビキャンセラー(TVキット)」と呼ばれる製品を取り付けることです。
最も一般的な方法「テレビキャンセラー」とは?
テレビキャンセラーとは、走行中にテレビやDVD(再生機能がある場合)が映るようにするための後付けの電子パーツです。

テレビキャンセラーの仕組み
純正ナビは、車速センサーやパーキングブレーキの信号を検知して、走行中かどうかを判断しています。テレビキャンセラーは、ナビユニットと車両の配線の間に割り込ませる形で取り付け、ナビユニットに対して「常に停車中(パーキングブレーキがかかっている状態)である」という偽の信号を送ります。これにより、ナビユニットは車両が走行していると認識しなくなり、結果として走行中でもテレビ映像が映し出される、という仕組みです。
ナビの操作制限も同様に解除されるため、走行中に同乗者が目的地の変更などを行うことも可能になります。
テレビキャンセラーの種類と選び方のポイント
テレビキャンセラーには、いくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。
種類1:カプラーオンタイプ(常時解除型)
最もシンプルで人気のあるタイプです。製品をディスプレイオーディオの裏側にあるコネクターに割り込ませるだけで、特別な操作をすることなく、エンジンをかければ常にテレビ視聴やナビ操作が可能になります。
- メリット: 取り付け後の操作が不要でシンプル。比較的安価な製品が多い。
- デメリット: 後述するナビの自車位置ズレ問題が発生した際に、機能をOFFにできない。
種類2:スイッチ切り替えタイプ
手元に設置した物理的なスイッチで、テレビキャンセラー機能のON/OFFを任意に切り替えられるタイプです。通常はOFFにしておき、同乗者がテレビを見たい時だけONにする、といった使い方ができます。
- メリット: 必要に応じてノーマル状態に戻せるため、ナビの自車位置ズレなどの問題を回避しやすい。ディーラー入庫時などにOFFにしておけば、後付けパーツの存在を指摘されにくい。
- デメリット: スイッチの設置場所を考える必要がある。配線が少し複雑になる。
種類3:純正ステアリングスイッチ利用タイプ
車両に元々備わっているステアリングスイッチ(ハンドルについているボタン)を特定の操作(例:TALKボタンを2回押しなど)で、テレビキャンセラー機能のON/OFFを切り替えられるタイプです。
- メリット: 後付けのスイッチが不要で、車内のインテリアを損なわない。スマートに操作できる。
- デメリット: 製品価格が比較的高価になる傾向がある。
選び方の結論
私のおすすめは、利便性と確実性のバランスが良い**「スイッチ切り替えタイプ」または「純正ステアリングスイッチ利用タイプ」**です。常時解除型はシンプルで魅力的ですが、万が一のトラブルに対処しにくいというデメリットがあります。機能を任意でOFFにできるタイプを選んでおくのが賢明な判断と言えるでしょう。
【商品レビュー】ハリアーにおすすめのテレビキャンセラー3選
市場には多くのテレビキャンセラー製品が存在しますが、ここでは私が実際に試したり、信頼性が高いと判断したりしたものを3つご紹介します。
- データシステム社製「TV-KITシリーズ」
- 特徴: 業界のリーディングカンパニーであり、品質と信頼性は折り紙付きです。車種ごとの適合情報が豊富で、サポート体制も万全。切り替えタイプやスマートタイプ(ステアリングスイッチ利用)など、ラインナップも豊富です。
- おすすめポイント: 高価ですが、「安物買いの銭失い」をしたくない方、絶対に失敗したくない方には最もおすすめできる選択肢です。取り付け説明書も非常に丁寧で分かりやすいです。
- ビートソニック社製「TVKシリーズ」
- 特徴: データシステム社と並ぶ、カーAVアクセサリーの老舗メーカーです。こちらも高い品質と信頼性を誇ります。独自の技術で、ナビの自車位置ズレを極力抑える工夫がされている製品もあります。
- おすすめポイント: 純正の機能を損なわずに、安定した動作を求めるユーザーから高い評価を得ています。
- エンラージ商事などから販売されているリーズナブルな製品
- 特徴: Amazonや楽天市場で人気の、比較的安価なカプラーオンタイプの製品です。1万円以下で購入できるものも多く、コストを抑えたい場合に魅力的です。
- おすすめポイント: まずは手軽に試してみたい、という方には良い選択肢です。ただし、製品によっては品質にばらつきがある可能性も否定できません。購入する際は、レビューをよく確認し、ハリアーへの適合が明記されているものを選びましょう。
DIYで挑戦!テレビキャンセラーの取り付け手順
テレビキャンセラーの取り付けは、内装パネルの分解・組立ができれば、DIYでも十分に可能です。ここでは、大まかな手順を解説します。
必要な工具
- 内張りはがし(リムーバー): パネルを傷つけずに外すための必須アイテム。
- プラスドライバー
- マスキングテープ: パネルの縁などを保護し、傷を防ぐために使用。
- タオルや養生シート: 取り外したパネルやコンソールを置く際に、傷を防ぐために敷く。
- (場合によっては)ソケットレンチ: ディスプレイオーディオ本体を固定しているボルトを外す際に必要。
取り付け手順の概要
- バッテリーのマイナス端子を外す(推奨): 作業中のショートを防ぐため、安全策として行います。
- シフトノブ周りのパネルを外す: シフトノブをニュートラルなどに入れ(エンジンOFFで操作できるモードにする)、周辺のパネルを内張りはがしを使って慎重に浮かせていきます。
- エアコン操作パネルを外す: パネルはクリップで固定されているので、これも慎重に手前に引き抜きます。
- ディスプレイオーディオ本体を手前に引き出す: 本体を固定しているボルト(通常は4本)を外し、ゆっくりと手前に引き出します。この際、背面の配線を傷つけないように注意が必要です。
- テレビキャンセラーを割り込ませる: ディスプレイオーディオの背面には、多数のコネクターが接続されています。テレビキャンセラーの取り付け説明書で指定されたコネクターを一旦抜き、キャンセラーのコネクターを間に「カチッ」と音がするまで確実に差し込みます。
- (スイッチタイプの場合)スイッチを配線し、設置する: スイッチの配線を運転席周りの操作しやすい場所まで引き回し、スイッチ本体を貼り付けます。
- 逆の手順で元に戻す: バッテリー端子を接続し、エンジンをかけて動作確認を行います。テレビが映り、ナビの自車位置が正常に動くかなどを確認してから、パネル類をすべて元に戻します。
注意点: パネルの取り外しは、特に冬場など樹脂が硬化している時期は、ツメが割れやすいので慎重に行ってください。自信がない場合は、無理せず専門業者に依頼しましょう。
テレビキャンセラーのメリット・デメリット総まとめ
ここで、テレビキャンセラーを導入するメリットとデメリットを整理しておきましょう。
メリット
- 走行中にテレビやDVD(対応機種の場合)が視聴可能になる。
- 同乗者(特に子供)がドライブ中に退屈しなくなる。
- 走行中に同乗者がナビの目的地設定や機能操作を行えるようになる。
デメリットと注意点
- ナビの自車位置がズレることがある: テレビキャンセラーが「停車中」の偽信号を送っている間、車速センサーからの情報がナビに伝わらなくなるため、GPSの電波が届きにくい場所(トンネル、高層ビル街など)では、自車位置が一時的にズレることがあります。スイッチで機能をOFFにすれば復帰しますが、常時ONのタイプではズレ続ける可能性があります。
- ディーラー保証の対象外となる可能性: 車両の電装系に手を加えることになるため、万が一ナビや電装系に不具合が発生した場合、ディーラーの保証修理を受けられなくなる可能性があります。取り付けは自己責任となります。
- 車検への影響: テレビキャンセラー自体は違法なパーツではないため、装着しているだけで車検に通らないということは基本的にありません。ただし、運転者が走行中に画面を注視できる状態は安全基準に適合しないと判断される可能性もゼロではありません。ディーラーによっては、入庫を断られたり、取り外しを求められたりするケースもあるようです。
- 運転者の視聴は厳禁: 最も重要な点です。運転者が走行中に画面を注視することは法律で固く禁じられています。このカスタムは、あくまで同乗者のためのものであることを絶対に忘れないでください。
ハリアーで走行中にYouTubeや動画配信サービスを楽しむ方法
テレビが見られるようになっても、今の時代、YouTubeやNetflix、Amazon Prime Videoといった動画配信サービスを車内で楽しみたいというニーズは非常に高いです。しかし前述の通り、これらは標準のCarPlay/Android Autoでは利用できません。この夢を叶えるのが「AI Box」と呼ばれる画期的なアイテムです。
究極のアイテム「AI Box」とは?
AI Boxとは、車両のCarPlay対応USBポートに接続するだけで、純正ディスプレイオーディオの画面上でAndroid OSを動作させることができる小型のアダプターです。 「オットキャスト(Ottocast)」などのブランドが有名で、カーライフを劇的に変化させる可能性を秘めたアイテムとして注目を集めています。
AI Boxの仕組み
AI Boxは、車両側には「自分はApple CarPlayまたはAndroid Autoのデバイスである」と認識させます。そして、ディスプレイオーディオの画面表示とタッチ操作の権限を使い、AI Boxに内蔵されたAndroid OSの画面を映し出し、操作できるようにする、という仕組みです。
これにより、純正ディスプレイオーディオが、まるでAndroidタブレットのように機能するようになります。
【徹底レビュー】話題の「Ottocast P3」を使ってみた
数あるAI Boxの中でも、最新モデルとして非常に評価が高いのが「Ottocast P3」です。私も実際にハリアーに接続して使用してみましたので、そのリアルな使用感をレビューします。

接続と初期設定
- 接続: 非常に簡単です。ハリアーのセンターコンソール内にあるUSB-Aポート(データ通信対応側)に、付属のUSBケーブルでOttocast P3を接続するだけ。
- 初回起動: エンジンをかけると、ディスプレイオーディオがデバイスを認識し、数秒〜数十秒でOttocastのホーム画面が立ち上がります。
- インターネット接続: Ottocast P3本体には通信機能がないため、インターネットへの接続が必要です。スマートフォンの「テザリング」機能を使うか、車載用のWi-Fiルーターを利用します。設定画面からWi-Fiに接続し、パスワードを入力すれば完了です。
- Googleアカウント設定: YouTubeやGoogle Playストアを利用するために、お持ちのGoogleアカウントでログインします。
初期設定はこれだけで、一度設定してしまえば、次回からはエンジンをかけると自動的にWi-Fiに接続され、すぐに使える状態になります。
操作性とパフォーマンス
- 動作速度: 最新のクアルコム社製8コアCPUと大容量メモリを搭載しているだけあり、動作は非常にサクサクです。アプリの起動や切り替え、動画の読み込みなどでストレスを感じることはほとんどありませんでした。
- 画質と音質: ハリアーの12.3インチ高精細ディスプレイに映し出される映像は非常にクリアで、画質は申し分ありません。音声も車両のスピーカーから出力されるため、臨場感のあるサウンドを楽しめます。
- 操作感: 純正ディスプレイのタッチ操作に完全対応しており、スマートフォンのように直感的に操作できます。ホーム画面のカスタマイズも可能で、よく使うアプリを配置しておくと便利です。
- 画面分割機能: 地図アプリと動画アプリを同時に表示する画面分割機能も搭載しており、ナビを使いながら助手席で動画を楽しむ、といった使い方も可能です。
Ottocastでできること一覧
Ottocastを導入することで、ハリアーの車内エンターテイメントは無限の可能性が広がります。
- 動画配信アプリの視聴: YouTube, Netflix, Amazon Prime Video, Hulu, Disney+など、Google Playストアから好きなアプリをインストールして視聴可能。
- オンライン地図アプリのフル活用: GoogleマップやYahoo!カーナビを、常に最新の地図情報で利用できる。
- ワイヤレスCarPlay/Android Auto: Ottocastには、有線のCarPlay/Android Autoをワイヤレス化する機能も内蔵されています。スマートフォンをケーブルに繋ぐ煩わしさから解放されます。
- MicroSDカード/USBメモリの動画・音楽再生: 本体にMicroSDカードスロットやUSBポートを備えているモデルなら、保存しておいたメディアファイルを再生することもできます。
Ottocast購入前に知っておくべき注意点
非常に魅力的なOttocastですが、導入前には以下の点を理解しておく必要があります。
- インターネット接続が必須: 前述の通り、単体では通信できません。スマートフォンのテザリングを利用する場合、データ通信量を消費します。動画を高画質で長時間視聴すると、スマートフォンの通信プランによっては速度制限にかかる可能性があるので注意が必要です。
- 発熱: 高性能なCPUを搭載しているため、長時間の使用で本体が熱を持つことがあります。特に夏場の車内など、高温になる環境では、動作が不安定になる可能性も考えられます。直射日光が当たる場所や、熱がこもりやすい場所への設置は避けましょう。
- 相性問題: 基本的にCarPlay搭載車であればほとんどの車種で動作しますが、ごく稀に車両との相性で正常に動作しないケースもあるようです。信頼できる販売店から購入し、万が一の場合の保証やサポートが受けられるかを確認しておくと安心です。
- ファームウェアアップデート: 製品の性能向上や不具合修正のために、定期的にファームウェアのアップデートが提供されます。オンラインで簡単にアップデートできるので、常に最新の状態を保つことをお勧めします。
もう一つの方法「ミラーリング」のメリット・デメリット
AI Box以外に、スマートフォンの画面をそのままナビに映し出す「ミラーリング」という方法もあります。
ミラーリングとは?
有線(HDMIケーブルなど)または無線(Wi-Fi)でスマートフォンと車載モニターを接続し、スマートフォンの画面をリアルタイムで複製表示する技術です。
- メリット: スマートフォンで表示できるものなら、基本的に何でも(動画、写真、ゲーム、SNSなど)ナビ画面に映せる。AI Boxのような高価な機器が不要な場合もある。
- デメリット:
- 著作権保護(HDCP): NetflixやAmazon Prime Videoなど多くの動画配信サービスは、不正コピーを防ぐための著作権保護技術(HDCP)に対応しており、ミラーリングでは映像が映らない(黒い画面になる)ケースがほとんどです。
- 操作はスマートフォン側で行う必要がある: ナビ画面はあくまで映像を映すだけで、タッチ操作はできません。操作のたびにスマートフォンを手に取る必要があり、安全面で問題があります。
- ハリアーには標準でHDMI入力端子がない: 後期型ハリアーにはHDMI入力端子がないため、ミラーリングを実現するには、別途インターフェースの追加など、より専門的なカスタムが必要となり、現実的ではありません。
結論として、現在のハリアーで動画配信サービスを楽しむなら、操作性・機能性・安定性のすべての面で「AI Box(Ottocastなど)」が最善の選択肢と言えるでしょう。
まとめ
今回は、トヨタハリアーで走行中にテレビやYouTubeなどの動画コンテンツを楽しむための具体的な方法を、私の実体験を交えながら詳しく解説しました。
- 走行中のテレビ視聴には「テレビキャンセラー」の取り付けが必須。
- 任意でON/OFFできる「スイッチ付き」のタイプが、ナビの自車位置ズレ対策やディーラー入庫時の観点から最もおすすめです。
- 取り付けは自己責任となり、ディーラー保証に影響が出る可能性があることを理解しておく必要があります。
- YouTubeや動画配信サービスの視聴には「AI Box(Ottocastなど)」の導入が最適解。
- USBポートに接続するだけで、純正ディスプレイがまるでAndroidタブレットのように進化します。
- スマートフォンのテザリングなど、インターネット接続環境が別途必要になります。
これらのアイテムを活用することで、ハリアーでのドライブは、運転者だけでなく、すべての同乗者にとってより快適で楽しい時間へと変わるはずです。
ただし、繰り返しになりますが、これらのカスタムはすべて同乗者のためのものです。運転者が走行中に画面を注視する行為は、重大な事故につながる極めて危険な行為であり、法律で固く禁じられています。安全運転を第一に、素晴らしいカーライフをお送りください。
この記事が、あなたのハリアーをさらに快適な一台にするための一助となれば幸いです。