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中古トヨタハリアー購入は後悔すると言われる噂の真相|選ぶ際の注意ポイント

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、「中古のハリアーが欲しいけど、”後悔する”という声を聞いて不安…」「古いモデルは故障が多いんじゃないか?」といった点が気になっていると思います。私自身、複数のハリアーを乗り継いできたオーナーとして、その気になる気持ちはよくわかります。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)

高級SUVの代名詞ともいえるハリアーは、中古車市場でも絶大な人気を誇る一方、その人気ゆえに様々な状態の車両が流通しているのも事実です。この記事を読み終える頃には、中古ハリアーにまつわる噂の真相と、後悔しないための具体的な選び方についての疑問が解決しているはずです。

記事のポイント
  • ハリアーが後悔すると言われる理由の徹底分析
  • 世代別・パワートレイン別の故障しやすい箇所
  • 後悔しないためのプロが教えるチェックリスト
  • オーナーだからこそ語れるハリアーの真の魅力
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Contents
  1. なぜ中古ハリアーは「後悔する」と言われるのか?噂の真相を徹底解剖
    1. 理由1:想像以上に高額な維持費
    2. 理由2:燃費性能が現代の基準では見劣りするモデルも
    3. 理由3:質の悪い中古車(修復歴車・冠水車)の存在
    4. 理由4:古さを感じる内外装や装備
    5. 理由5:高級SUVならではの部品代の高さ
  2. 【世代別】トヨタハリアーの故障ポイントと注意点
    1. ハリアーの歴史とモデルチェンジの概要
    2. 3代目(60系:2013年-2020年)に多い故障とチェックポイント
    3. 4代目(80系:2020年-)に多い故障とチェックポイント
  3. 後悔しない中古ハリアーの選び方【プロが教える10のチェックリスト】
    1. Point 1:信頼できる販売店を選ぶ(認定中古車 vs 一般中古車店)
    2. Point 2:修復歴の有無を徹底的に確認する
    3. Point 3:走行距離と年式のバランスを見極める
    4. Point 4:必ず試乗して五感でチェックする
    5. Point 5:内装の状態から使われ方を推測する
    6. Point 6:電装系の動作確認を怠らない
    7. Point 7:下回りを覗き込み、サビやオイル漏れを確認する
    8. Point 8:整備記録簿(メンテナンスノート)で過去の整備履歴を遡る
    9. Point 9:タイヤの状態と製造年を確認する
    10. Point 10:複数の個体を比較検討する
  4. オーナーだからこそ語れる!ハリアーの魅力と賢い付き合い方
    1. 時代を超えて愛される唯一無二のデザイン
    2. 上質な乗り心地と静粛性
    3. おすすめのグレードとオプションは?
    4. 購入後の維持費を抑えるコツ
  5. まとめ

なぜ中古ハリアーは「後悔する」と言われるのか?噂の真相を徹底解剖

まず、なぜ「中古のハリアーは後悔する」という声が聞こえてくるのでしょうか。これは、ハリアーという車の品質が低いからでは決してありません。むしろ、トヨタが誇る高い品質と信頼性を持つ車種です。

では、なぜ後悔というネガティブな言葉が出てくるのか。それは主に、購入前の期待と購入後の現実との間に生じるギャップが原因です。私もオーナーとして、またジャーナリストとして多くの事例を見てきましたが、原因は大きく5つに分類できます。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)

理由1:想像以上に高額な維持費

後悔する理由として最も多いのが、維持費の見積もりの甘さです。ハリアーはトヨタブランドの中でも高級車に位置づけられます。車両本体価格が中古で安くなっていたとしても、維持にかかる費用は新車時と変わりません。

税金・保険料

まず、自動車税です。モデルによって排気量が異なるため、税額も変わってきます。

パワートレイン 排気量 年間自動車税
2.0L ガソリン 1,986cc 36,000円
2.5L ハイブリッド 2,493cc 43,500円
2.4L ガソリン (旧型) 2,362cc 45,000円
3.5L ガソリン (旧型) 3,456cc 58,000円

※新車登録から13年を超えると重課されます。

これに加えて、車検時に支払う自動車重量税や自賠責保険料、そして任意保険料がかかります。特に任意保険は、車両保険を付けると等級や年齢にもよりますが年間10万円を超えるケースも珍しくありません。カローラやアクアといった大衆車からの乗り換えを検討している方は、この維持費の差に驚くことが多いようです。

メンテナンス費用

タイヤ交換一つとっても、ハリアーは18インチや19インチといった大径タイヤが標準装備されることが多く、交換費用は10万円以上かかることもあります。オイル交換やバッテリー交換などの定期的なメンテナンス費用も、使用する部品が上級なものであるため、一般的なコンパクトカーよりも高くなる傾向にあります。

理由2:燃費性能が現代の基準では見劣りするモデルも

燃費性能も、後悔につながりやすいポイントです。特に、初代(10系)や2代目(30系)のガソリンモデル、そして3代目(60系)の前期ガソリンモデルは、現代のSUVと比較すると燃費が良いとは言えません。

モデル パワートレイン カタログ燃費 (JC08モード) 実燃費(市街地)
3代目 (60系) 2.0L ガソリン 16.0km/L 8〜10km/L
3代目 (60系) 2.5L ハイブリッド 21.8km/L 14〜16km/L
2代目 (30系) 2.4L ガソリン 11.0km/L 6〜8km/L
4代目 (80系) 2.5L ハイブリッド 22.3km/L (WLTC) 17〜19km/L

通勤やレジャーで毎日乗ることを想定している場合、この燃費の差は月々のガソリン代に大きく響いてきます。「憧れのハリアーを手に入れたはいいが、燃費が悪くて気軽に遠出できない」となっては本末転倒です。特に2代目以前のV6 3.5Lモデルなどは、そのパワフルさと引き換えに、市街地では5〜7km/L程度まで落ち込むことも覚悟する必要があります。

理由3:質の悪い中古車(修復歴車・冠水車)の存在

人気車種の宿命ともいえますが、中古車市場には残念ながら状態の悪い車両も紛れ込んでいます。特に注意したいのが「修復歴車」と「冠水車」です。

  • 修復歴車: 車の骨格(フレーム)部分を修理・交換した車のことです。骨格部分にダメージが及ぶほどの事故を経験しているため、見た目は綺麗に直っていても、走行安定性に問題が出たり、後々不具合が発生したりするリスクが非常に高いです。
  • 冠水車: 豪雨や洪水などで室内やエンジンルームまで水に浸かってしまった車です。電気系統に深刻なダメージを負っている可能性が高く、いつどんなトラブルが起きるか予測できません。カビや異臭の原因にもなります。

これらの車両は相場よりも不自然に安く販売されていることが多く、知識がないと価格の安さに釣られて手を出してしまいがちです。購入後に重大な欠陥が見つかり、「安物買いの銭失い」になってしまうケースは、後悔する典型的なパターンです。

理由4:古さを感じる内外装や装備

4代目(80系)の洗練された内外装を見てから古い世代のハリアーを見ると、どうしても古さを感じてしまう部分があります。

例えば、3代目(60系)の前期型(2013年〜2017年)は、メーカーオプションのナビでも画面サイズが小さく、最新のスマートフォン連携機能(Apple CarPlayやAndroid Auto)には対応していません。また、安全装備についても、後期型で標準装備となった「Toyota Safety Sense P」が前期型ではオプション設定、あるいは装備されていません。

「ハリアーならどれでも最新の豪華装備が付いているはず」という思い込みがあると、購入後に「思ったより装備がしょぼい…」「安全装備がなくて不安…」といった不満につながる可能性があります。

理由5:高級SUVならではの部品代の高さ

「トヨタ車だから部品は安いだろう」と考えていると、思わぬ出費に驚くことがあります。ハリアーは高級車であり、使われている部品も高品質で高価なものが少なくありません。

例えば、LEDヘッドライトが球切れ(正確には基盤の故障)した場合、ユニットごとの交換となり片側だけで10万円以上の修理費がかかることもあります。その他にも、乗り心地を左右するショックアブソーバーや、ハイブリッドシステムの部品など、故障した際にかかる費用はカローラクラスの数倍になることも珍しくありません。こうした万が一の出費を考慮に入れておかないと、維持していくことが困難になり、手放さざるを得ない状況に陥るかもしれません。

【世代別】トヨタハリアーの故障ポイントと注意点

「後悔する理由」は、主に購入者の期待値や知識不足に起因するものでした。しかし、車である以上、経年劣化による故障は避けられません。ここでは、中古車市場で主流となっている3代目(60系)と4代目(80系)を中心に、世代別の具体的な故障ポイントとチェックすべき箇所を、私の経験も交えながら解説していきます。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)

ハリアーの歴史とモデルチェンジの概要

まずは、ハリアーの歩みを簡単におさらいしておきましょう。

  • 初代 (10系/1997-2003年): 「高級サルーンの乗り心地と快適性を兼ね備えたSUV」という新たなジャンルを切り開いたパイオニア。
  • 2代目 (30系/2003-2013年): 初代のコンセプトを昇華させ、より高級感を高めたモデル。V6 3.5Lエンジンやハイブリッドが追加された。
  • 3代目 (60系/2013-2020年): 国内専用モデルとして開発。ダウンサイジングされた2.0Lエンジンやターボエンジンを搭載し、内外装の質感が飛躍的に向上。中古市場の最多価格帯。
  • 4代目 (80系/2020年-): 流麗なクーペフォルムに磨きをかけ、最新のプラットフォーム(TNGA)と安全装備を採用した現行モデル。

3代目(60系:2013年-2020年)に多い故障とチェックポイント

中古ハリアーを探す上で、最も多くの人が検討するのがこの60系でしょう。私も前期・後期ともに所有してきましたが、非常に完成度の高いモデルである一方、いくつか”泣き所”ともいえるウィークポイントが存在します。

電動パーキングブレーキの不具合

60系ハリアーのウィークポイントとして最も有名なのが、電動パーキングブレーキ(EPB)の不具合です。ブレーキペダルを踏んでシフトを「P」に入れると自動で作動する便利な機能ですが、内部のモーターが故障することがあります。故障するとメーターに警告灯が点灯し、パーキングブレーキが解除できなくなったり、逆に効かなくなったりします。私のハリアーも7万kmを過ぎたあたりでモーター作動音が大きくなり、保証期間内に交換した経験があります。修理にはリアのブレーキキャリパーごと交換する必要があり、保証が切れていると5万円以上の高額な修理費がかかります。 【チェックポイント】: 試乗時にパーキングブレーキの作動・解除を数回繰り返し、作動音に異常な「キーキー」音や「ガー」といった異音がないか確認しましょう。

前期型のLEDクリアランスランプ(デイライト)の不点灯・黄ばみ

前期型(2017年6月まで)のヘッドライトに内蔵されているL字型のLEDクリアランスランプは、経年で内部の基盤が故障し、部分的に不点灯になったり、点滅したりするトラブルが多発しています。また、レンズが黄ばんでしまう個体も少なくありません。これもヘッドライトユニットごとの交換となり、片側10万円以上と非常に高額です。 【チェックポイント】: エンジンをかけてヘッドライトを点灯させ、左右のクリアランスランプが均一に、そして全て点灯しているかを入念に確認してください。日中の明るい場所でも点灯状態は確認できます。

ハイブリッドシステムの駆動用バッテリー劣化

ハイブリッドモデルの場合、走行距離が10万kmを超えてくると駆動用バッテリーの劣化が気になるところです。バッテリーの性能が低下すると、燃費の悪化やモーター走行できる領域が狭まるといった症状が現れます。トヨタは駆動用バッテリーに対して「新車から5年または10万km」の特別保証を設けていますが、中古車で購入する際は保証が切れている場合がほとんどです。交換費用は工賃込みで20万円前後かかります。【チェックポイント】: 試乗時にエネルギーモニターを表示させ、バッテリーの充電・放電がスムーズに行われているか、EV走行が極端に短くないかを確認します。可能であれば、販売店にハイブリッドシステムの診断を依頼できないか交渉してみるのも良いでしょう。

ムーンルーフからの雨漏り

開放感のあるパノラミックムーンルーフは人気のオプションですが、雨漏りの報告が散見されます。原因の多くは、雨水を車外へ排出するドレン(排水溝)の詰まりです。詰まりを放置すると、Aピラーや天井の内張り、ラゲッジスペースなどに水が侵入し、シミやカビ、電装系のトラブルを引き起こします。 【チェックポイント】: 天井の内張りにシミがないか、特にサンルーフの四隅を入念にチェックします。フロアカーペットが湿っていないかも確認しましょう。

4代目(80系:2020年-)に多い故障とチェックポイント

現行モデルである80系は、まだ年式が新しいため大きな故障は少ないですが、初期ロットを中心にいくつか特有の不具合が報告されています。

デジタルインナーミラーの不具合

後方の映像をミラーに映し出すデジタルインナーミラーは、夜間でも視界がクリアで便利な装備ですが、「画面が真っ暗になる」「映像が乱れる」といった不具合が報告されています。カメラや配線の接触不良が原因のことが多いようです。 【チェックポイント】: 試乗時に必ずデジタルインナーミラーモードに切り替え、映像が正常に表示されるかを確認します。

ディスプレイオーディオのフリーズや動作不良

80系から標準装備となったディスプレイオーディオですが、起動に時間がかかったり、走行中にフリーズしたり、突然再起動したりといったソフトウェア関連のトラブルが初期モデルで見られました。多くはソフトウェアのアップデートで改善されていますが、確認は必要です。 【チェックポイント】: オーディオの起動、ナビの操作、Bluetooth接続などを一通り試してみて、動作が不安定でないか確認しましょう。

リコール情報の確認の重要性

80系は比較的新しいモデルのため、いくつかのリコールやサービスキャンペーン(改善対策)が発表されています。購入を検討している車両が、これらの対策をきちんと実施済みかどうかの確認は必須です。車台番号が分かれば、トヨタの公式ウェブサイトで確認できます。 【チェックポイント】: 車検証で車台番号を確認し、販売店の担当者に対策済みかどうかを必ず確認しましょう。

後悔しない中古ハリアーの選び方【プロが教える10のチェックリスト】

では、具体的にどのような点に注意して中古車を選べば良いのでしょうか。ここでは、私が実際に中古車を仕入れる際にも実践している、後悔しないための10のチェックリストをご紹介します。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)

Point 1:信頼できる販売店を選ぶ(認定中古車 vs 一般中古車店)

中古車選びは、車そのものを選ぶ前に「店選び」から始まっています。大きく分けて「ディーラー系認定中古車」と「一般の中古車販売店」がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
ディーラー系認定中古車 ・厳しい基準をクリアした高品質な車両が多い<br>・手厚い保証(1年間の無料保証など)<br>・整備記録がしっかりしている安心感 ・価格が相場より高め<br>・カスタムされた車両は少ない
一般中古車販売店 ・価格が比較的安い<br>・豊富な在庫から選べる<br>・カスタムカーなども見つかる ・品質や保証内容が店によってバラバラ<br>・悪質な店も存在するリスク

初心者の方や、車の状態に自信がない方は、多少高くてもトヨタの認定中古車を選ぶのが最も安心です。一方で、車の知識があり、自分で状態を見極められるのであれば、優良な一般店で探すことで、より安く良い車を見つけられる可能性もあります。

Point 2:修復歴の有無を徹底的に確認する

前述の通り、修復歴車は絶対に避けるべきです。車両状態評価書(鑑定書)があれば必ず見せてもらい、「修復歴なし」となっていることを確認します。評価書がない場合は、以下のポイントを自分の目でチェックしましょう。

  • パネルの隙間: ボンネット、ドア、トランクなどの隙間が左右で均等か。
  • 塗装のムラ: 特定のパネルだけ色味が違う、塗装面にブツブツやザラつきがある。
  • ボルトの塗装剥がれ: フェンダーやボンネットを固定しているボルトの頭に、工具で回したような傷や塗装剥がれがないか。

Point 3:走行距離と年式のバランスを見極める

走行距離は少ないに越したことはありませんが、「年式に対して極端に少ない」車両も注意が必要です。長期間動かしていないと、ゴム部品が硬化したり、バッテリーが劣化したりと、逆に不具合が出やすくなることがあります。

目安は「1年あたり8,000km〜12,000km」です。例えば、5年落ちなら4万km〜6万kmが標準的な走行距離となります。これより極端に多い「過走行車」は足回りやエンジン内部の消耗が進んでいる可能性があり、極端に少ない「低走行車」は上記のリスクを考慮する必要があります。最も重要なのは、走行距離に関わらず、定期的にメンテナンスされてきたかどうかです。

Point 4:必ず試乗して五感でチェックする

車の状態を知る上で、試乗に勝るものはありません。必ず販売店に許可をもらい、可能であれば少し速度を出せる道や、段差のある道も走らせてもらいましょう。

  • エンジン: 始動はスムーズか、異音や過大な振動はないか。
  • 加速: アクセルを踏んだ際にスムーズに加速するか、息つきやもたつきはないか。
  • ブレーキ: しっかりと効くか、「キーキー」といった異音や、ペダルに伝わる振動はないか。
  • 足回り: 段差を乗り越えた際に「ゴトゴト」「コトコト」といった異音はしないか。
  • 直進安定性: ハンドルを軽く握った状態でまっすぐ走るか。

Point 5:内装の状態から使われ方を推測する

内装は、前のオーナーが車をどのように扱っていたかが最もよく表れる場所です。

  • 運転席: シートのへたり具合、ステアリングやシフトノブの擦れは走行距離相応か。
  • 臭い: タバコのヤニ臭、ペットの臭い、芳香剤のきつい臭いなどがないか。エアコンをつけた時にカビ臭くないかも重要です。
  • 清潔感: フロアマットの下やシートの隙間にゴミや汚れが溜まっていないか。

Point 6:電装系の動作確認を怠らない

最近の車は電装品のかたまりです。一つでも動かないと修理に高額な費用がかかる場合があります。面倒くさがらずに、全てのスイッチを操作してみましょう。

  • パワーウィンドウ(全席)
  • エアコン(冷房・暖房ともに)
  • ナビ、オーディオ
  • 電動格納ミラー
  • パワーシート
  • サンルーフ
  • 各種ライト(ヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプなど)

Point 7:下回りを覗き込み、サビやオイル漏れを確認する

車の下回りは、普段あまり見ることがないため見落としがちですが、車の健康状態を知る重要な手がかりが隠されています。

  • サビ: 特にマフラーやサスペンションアーム周りに過度なサビがないか。雪国で使われていた車両は融雪剤の影響でサビが進行している場合があります。
  • オイル漏れ: エンジンやトランスミッションの下あたりに、オイルが滲んだり垂れたりした跡がないか。地面にシミができていないかも確認します。

Point 8:整備記録簿(メンテナンスノート)で過去の整備履歴を遡る

整備記録簿は、その車の「カルテ」です。いつ、どこで、どのような整備や部品交換が行われたかが記録されています。定期的にディーラーで点検を受けている車両は、素性がはっきりしており安心感が高いです。特に、オイル交換が適切なタイミングで実施されているかは、エンジンの寿命を左右する重要なポイントです。

Point 9:タイヤの状態と製造年を確認する

タイヤは唯一地面と接している重要なパーツであり、消耗品です。購入してすぐに交換となると、大きな出費になります。

  • 残り溝: スリップサイン(溝の中にある盛り上がった部分)が出ていないか。
  • ひび割れ: タイヤの側面(サイドウォール)に細かいひび割れがないか。
  • 製造年: タイヤの側面に刻印された4桁の数字を確認します。「3522」なら「2022年の35週目」に製造されたことを意味します。製造から5年以上経過しているタイヤは、溝が残っていてもゴムが硬化しているため交換が推奨されます。

Point 10:複数の個体を比較検討する

どんなに条件が良い車に見えても、1台目で即決するのは避けましょう。最低でも2〜3台、できれば異なる販売店で同程度の条件のハリアーを見ることで、価格の相場観や、個体ごとのコンディションの違いがわかるようになります。焦らずじっくり比較検討することが、後悔しないための最大の秘訣です。

オーナーだからこそ語れる!ハリアーの魅力と賢い付き合い方

ここまで、中古車選びの注意点や故障のリスクについて詳しくお話ししてきましたが、それを補って余りあるのがハリアーという車の魅力です。私がなぜこの車を愛し、乗り継いでいるのか、その理由をお伝えしたいと思います。

時代を超えて愛される唯一無二のデザイン

ハリアーの最大の魅力は、なんといってもその流麗で美しいデザインにあります。SUVでありながらクーペのようなエレガントなフォルムは、他のどの車にもない独自の存在感を放ちます。特に、夕暮れ時の都会の風景に佇むハリアーの姿は、所有する喜びを心の底から感じさせてくれます。これはスペックや数字では表せない、感性に訴えかける価値です。

上質な乗り心地と静粛性

ドアを閉めた瞬間に訪れる静寂、そして走り出した瞬間にわかる滑らかな乗り心地。ハリアーは単なる移動手段ではなく、上質な移動空間を提供してくれます。路面の凹凸をしなやかにいなし、高速道路では矢のようにまっすぐ走る安定感は、長距離のドライブでも疲れを感じさせません。この快適さは、同乗者からも非常に評価が高いポイントです。

おすすめのグレードとオプションは?

中古でハリアーを狙うなら、満足度とリセールバリュー(再販価値)の観点から、おすすめのグレードがあります。

  • 60系なら「PREMIUM」以上: ファブリックとレザーのコンビシートやパワーシート、パワーバックドアなど、ハリアーらしい豪華装備が充実しており、満足度が非常に高いグレードです。
  • 80系なら「Z “Leather Package”」: 本革シートや大画面ナビ、JBLプレミアムサウンドシステムなど、最上級の装備が満喫できます。リセールバリューも非常に高いです。

また、モデリスタやGRスポーツといったエアロパーツが装着されたカスタムモデルは中古市場でも人気が高く、見た目の迫力も増すためおすすめです。

購入後の維持費を抑えるコツ

賢くハリアーと付き合っていくためには、維持費を抑える工夫も大切です。

  • 信頼できる整備工場を見つける: 車検や修理はディーラーが最も安心ですが、費用は高めです。腕が良く、良心的な価格の整備工場を見つけておくと、維持費を大きく節約できます。
  • 消耗品は社外品の優良パーツを使う: タイヤやバッテリー、ブレーキパッドなどの消耗品は、純正品だけでなく高品質な社外品も多く存在します。性能を比較検討し、賢く選ぶことでコストを抑えられます。
  • 急のつく運転を避ける: 急発進、急加速、急ブレーキを避けるエコドライブを心がけるだけで、燃費は1〜2割向上します。

まとめ

「中古のトヨタハリアーを購入すると後悔する」という噂は、半分本当で半分嘘、というのが私の見解です。 正確に言うならば、「知識なく、状態の悪い中古ハリアーを、維持費を考えずに購入すると後悔する」が正しいでしょう。

ハリアーは、トヨタが長年培ってきた技術の粋を集めた、非常に信頼性が高く魅力的な車です。しかし、それは適切なメンテナンスを受け、大切に乗られてきた個体であることが大前提です。

今回ご紹介した「後悔する理由」を理解し、「世代別の故障ポイント」を把握した上で、「プロが教える10のチェックリスト」を実践すれば、中古車購入のリスクを大幅に減らすことができます。そしてその先には、美しく、快適で、所有する喜びにあふれた素晴らしいハリアーライフが待っています。

この記事が、あなたの最高のパートナーとなる一台を見つけるための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。