モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、トヨタ ハリアーの購入を検討しているものの、「ハリアーは燃費が悪い」という評判が気になっているのではないでしょうか。私も実際にハリアーを所有し、日々そのパフォーマンスを体感しているので、気になる気持ちはよくわかります。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)
デザインや乗り心地は気に入っているけど、日々の維持費に直結する燃費性能は妥協したくない、というのは当然のことです。
ご安心ください。この記事を読み終える頃には、トヨタ ハリアーの燃費に関するあらゆる疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- ハリアーのカタログ燃費とリアルな実燃費の差
- 街乗りと高速道路における燃費性能の検証
- ライバルSUVとの客観的な燃費データ比較
- 今日から実践できるプロ推奨の燃費改善テクニック

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
トヨタ ハリアーの燃費は本当に悪い?カタログスペックと実燃費を徹底比較
「ハリアーは燃費が悪い」という噂は、果たして本当なのでしょうか。このセクションでは、公式発表されているカタログ燃費と、オーナーたちが記録しているリアルな実燃費を多角的に比較・分析し、その真相に迫ります。
引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)
まずは基本から!トヨタ ハリアーのカタログ燃費(WLTCモード)をグレード別に解説
車の燃費性能を比較する上で最も基本的な指標となるのが、メーカーが公表しているカタログ燃費です。現在、燃費の公式な指標として使われているのは「WLTCモード」。これは「市街地」「郊外」「高速道路」という3つの走行モードを平均的な使用時間配分で構成した、より実態に近い国際的な測定方法です。
ハリアーには大きく分けて「ガソリン」「ハイブリッド」、そして外部からの充電が可能な「プラグインハイブリッド(PHEV)」の3つのパワートレインが存在し、それぞれに前輪駆動の「2WD」と四輪駆動の「4WD」が設定されています。当然ながら、これらの組み合わせによって燃費性能は大きく異なります。
まずは、現行型(80系)ハリアーのグレード別カタログ燃費(WLTCモード)を一覧表で確認してみましょう。
パワートレイン | グレード | 駆動方式 | 燃費(WLTCモード) |
---|---|---|---|
ガソリン | S, G, Z | 2WD | 15.4 km/L |
S, G, Z | 4WD | 14.7 km/L | |
ハイブリッド | S, G, Z | 2WD (E-Four) | 22.3 km/L |
S, G, Z | 4WD (E-Four) | 21.6 km/L | |
PHEV | Z | 4WD (E-Four) | 20.5 km/L |
※PHEVの燃費はハイブリッド走行時の数値
この表を見ると、まずハイブリッドモデルの燃費性能の高さが際立っていることがわかります。特に2WDモデルでは22.3km/Lと、このクラスのSUVとしては驚異的な数値を記録しています。一方で、ガソリンモデルも15.4km/L(2WD)と、決して悪い数値ではありません。車重が1.6トン前後あるミドルサイズSUVであることを考えれば、むしろ健闘していると言えるでしょう。
PHEVモデルは、ハイブリッド走行時の燃費こそ20.5km/Lとハイブリッドモデルに若干劣りますが、その真価はEV走行にあります。満充電の状態で実に93kmもの距離を電気だけで走行可能です。つまり、日常的な通勤や買い物など、1日の走行距離が93km以内であれば、ガソリンを一切使わずに電気自動車として運用できるのです。
みんなの評価は?トヨタ ハリアーのリアルな実燃費データ
カタログ燃費が実態に近いWLTCモードになったとはいえ、実際の燃費はドライバーの運転スタイルや交通状況、天候など様々な要因に影響されます。そこで重要になるのが、実際にハリアーを所有しているオーナーたちが記録した「実燃費」のデータです。
燃費記録サイト「e燃費」や「みんカラ」に投稿された膨大なデータを集計すると、ハリアーのリアルな燃費性能が見えてきます。
パワートレイン | 駆動方式 | カタログ燃費 | 実燃費(平均) | 達成率 |
---|---|---|---|---|
ガソリン | 2WD | 15.4 km/L | 11.5 km/L | 約 74.7% |
4WD | 14.7 km/L | 10.8 km/L | 約 73.5% | |
ハイブリッド | 2WD | 22.3 km/L | 17.8 km/L | 約 79.8% |
4WD | 21.6 km/L | 17.1 km/L | 約 79.2% |
このデータから読み取れるのは、やはりハイブリッドモデルの実燃費の優秀さです。街乗りから高速まで幅広いシーンで安定して17km/L台を記録しており、カタログ燃費に対する達成率も約80%と非常に高い水準です。
対してガソリンモデルは、平均すると11km/L前後。特に渋滞の多い都心部などでは10km/Lを下回るケースも報告されており、このあたりが「ハリアーは燃費が悪い」というイメージに繋がっているのかもしれません。しかし、これも冷静に考えてみてください。同クラスのガソリンSUVと比較して、極端に悪い数値というわけではありません。
【オーナーが語る】私のハリアーの燃費はこうだ!実体験レビュー
さて、ここからは私自身の愛車であるハリアー(ハイブリッド Zグレード・2WD)の燃費データについてお話ししましょう。ジャーナリストという仕事柄、都内の移動から長距離の高速走行まで、非常に幅広いシーンで車を使用します。そんな私のハリアーの平均実燃費は、約18.5km/Lです。
これは先ほどの全国平均データ(17.8km/L)をやや上回る数値ですが、特別なことをしているわけではありません。後述する燃費改善テクニックを少し意識している程度です。
印象的なのは、季節による燃費の変動です。特に冬場は、暖房の使用やバッテリー性能の低下により、燃費が16km/L台まで落ち込むことがあります。逆に、エアコンの使用が少ない春や秋には、コンスタントに20km/Lを超えることも珍しくありません。このように、実燃費は様々な要因で変動するということを理解しておくことが重要です。
トヨタ ハリアーの燃費が「悪い」と言われる3つの理由
実燃費データを見ると、ハイブリッドモデルは非常に優秀で、ガソリンモデルもクラス標準レベルであることがわかりました。では、なぜ「ハリアーは燃費が悪い」というイメージがつきまとうのでしょうか。その理由は、主に以下の3つが考えられます。
1. SUV特有の物理的ハンディキャップ
ハリアーは、その流麗なデザインから忘れがちですが、紛れもないSUVです。セダンやコンパクトカーと比較して車高が高く、車両重量も重いため、物理的に燃費性能では不利になります。特に空気抵抗と重量は燃費に直接影響するため、同じパワートレインを搭載したセダン(例えばカムリ)と比較すれば、燃費が悪くなるのは当然のことです。
2. ガソリンモデルの燃費イメージ
ハリアーの販売比率を見ると、ハイブリッドモデルが圧倒的な人気を誇ります。しかし、中古車市場や一部のレビューでは、価格の安いガソリンモデルの燃費データが目に付きやすい傾向があります。前述の通り、ガソリンモデルの実燃費は11km/L前後。この数値を単体で見ると「燃費が悪い」と感じるユーザーがいても不思議ではありません。
3. 旧型ハリアーのイメージ
ハリアーは長い歴史を持つ人気車種です。特に初代や2代目のハリアーは、大排気量のV6エンジンを搭載したモデルもあり、燃費性能は決して良いものではありませんでした。その頃の「高級SUV=燃費が悪い」というイメージが、現行モデルにも引き継がれてしまっている可能性も否定できません。
結論!トヨタ ハリアーの燃費評価はパワートレインで大きく変わる
ここまで分析してきた結果をまとめると、**「トヨタ ハリアーの燃費評価は、どのパワートレインを選ぶかで180度変わる」**というのが私の結論です。
- ハイブリッドモデル: クラストップレベルの低燃費を誇り、経済性を重視するなら間違いなく「買い」。
- PHEVモデル: 自宅で充電できる環境があるなら、最も維持費を抑えられる最強の選択肢。
- ガソリンモデル: 燃費性能は平凡だが、車両価格が安いため、初期費用を抑えたい人や年間走行距離が少ない人にとっては合理的な選択。
このように、ハリアーの燃費を語る際は、どのモデルを指しているのかを明確にする必要があります。「燃費が悪い」という漠然とした評判に惑わされず、ご自身のライフスタイルや予算に合ったパワートレインを選ぶことが、ハリアーとのカーライフを成功させる鍵と言えるでしょう。
【シーン別】トヨタ ハリアーの燃費を徹底検証!街乗りと高速道路でどう変わる?
車の燃費は、走行するシチュエーションによって大きく変動します。ここでは、多くの人が日常的に走行する「街乗り」と、遠出の際に利用する「高速道路」を中心に、ハリアーの燃費がどのように変化するのかを、私の実体験も交えながら詳しく解説していきます。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)
ストップ&ゴーが多い「街乗り」でのトヨタ ハリアーの燃費
信号や渋滞が多く、発進と停止を繰り返す「街乗り」は、車にとって最も燃費が悪化しやすい過酷な環境です。
ハイブリッドモデルの独壇場
このような状況で真価を発揮するのが、ハイブリッドモデルです。トヨタ自慢のハイブリッドシステム「THS II」は、発進時や低速走行時にモーターの力を積極的に活用します。特に、アクセルを軽く踏んで発進する際には、エンジンを始動させずにモーターだけで静かにスルスルと走り出すことができます。
さらに、減速時には「回生ブレーキ」が作動。これまで熱として捨てられていた運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、バッテリーに充電します。この電気を再び発進・加速時に利用するため、燃料の消費を最小限に抑えることができるのです。
私のハリアー(ハイブリッド・2WD)の場合、都内での平均的な街乗り燃費は15〜17km/Lといったところです。もちろん、大渋滞にはまれば12km/L程度まで落ち込むこともありますが、それでもこのクラスのSUVとしては非常に優れた数値です。
ガソリンモデルの奮闘
一方、ガソリンモデルにとって街乗りは厳しい戦いになります。約1.6トンの車体を発進させるためには、相応のエネルギーが必要となり、その都度燃費が悪化します。実燃費データを見ると、街乗り中心のユーザーでは8〜10km/L程度になることが多いようです。
ただし、現行ハリアーに搭載されている2.0Lダイナミックフォースエンジンは熱効率に優れており、アイドリングストップ機能も備わっているため、旧世代のガソリンエンジン車と比較すれば格段に進歩しています。
巡航で燃費が伸びる「高速道路」でのトヨタ ハリアーの燃費
一定の速度で走り続けることが多い高速道路は、一般的に燃費が最も伸びるステージです。
ガソリンモデルも本領発揮
高速巡航では、エンジンの最も効率の良い回転域を維持しやすいため、ガソリンモデルでも燃費が大きく向上します。実燃費データでは14〜16km/Lを記録することも珍しくありません。これはカタログ燃費(15.4km/L)に迫る、あるいは超えるほどの好成績です。
ハイブリッドモデルの安定感
ハイブリッドモデルももちろん好燃費を記録します。高速走行中は主にエンジンで走行しますが、緩やかな加速時などにはモーターがアシストを行い、エンジン負荷を軽減します。私のハリアーでは、法定速度で淡々と巡航した場合、21〜23km/Lという驚異的な燃費を叩き出します。これはもはや、コンパクトカー並みの経済性と言えるでしょう。
ACC(アダプティブクルーズコントロール)の活用
ハリアーには、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロール(ACC)が標準装備されています。これを活用すると、車が自動でアクセルとブレーキを制御してくれるため、人間が操作するよりも無駄のないスムーズな加減速が可能になります。結果として、疲労軽減だけでなく燃費向上にも大きく貢献してくれる賢い機能です。高速道路ではぜひ積極的に活用したい装備の一つです。
意外と燃費が良い?トヨタ ハリアーの「郊外路」での燃費
街乗りと高速道路の中間にあたるのが、信号が少なく、比較的スムーズに流れている郊外路です。実は、このシチュエーションがハリアー(特にハイブリッド)にとって最も得意なステージかもしれません。
適度な加減速があることで回生ブレーキが効率よく作動し、かつストップ&ゴーが少ないため、バッテリーの充電とモーター走行のバランスが最適化されます。私の経験上、郊外路を落ち着いて走行すると、燃費計は24km/Lを超える数値を表示することも頻繁にあります。
シーン別実燃費まとめ【私のハリアー実測値】
私のハリアー(ハイブリッド Zグレード・2WD)における、各シーンでの実燃費をまとめてみました。あくまで一個人のデータですが、一つの目安として参考にしてください。
走行シーン | 実燃費(目安) |
---|---|
街乗り(渋滞多め) | 12 〜 15 km/L |
街乗り(スムーズ) | 15 〜 18 km/L |
郊外路 | 20 〜 24 km/L |
高速道路 | 21 〜 23 km/L |
総合平均 | 約 18.5 km/L |
ライバル車種と徹底比較!トヨタ ハリアーの燃費はどのレベル?
ハリアーの燃費性能を客観的に評価するために、同クラスのライバルSUVとカタログ燃費(WLTCモード)を比較してみましょう。ここでは、特に競合となる人気車種をピックアップしました。
車種名 | パワートレイン | 駆動方式 | 燃費(WLTCモード) |
---|---|---|---|
トヨタ ハリアー | ハイブリッド | 2WD | 22.3 km/L |
ガソリン | 2WD | 15.4 km/L | |
トヨタ RAV4 | ハイブリッド | 2WD | 21.4 km/L |
ガソリン | 2WD | 15.8 km/L | |
マツダ CX-5 | ディーゼル | 2WD | 17.4 km/L |
ガソリン | 2WD | 14.6 km/L | |
日産 エクストレイル | e-POWER (ハイブリッド) | 2WD | 19.7 km/L |
ホンダ ヴェゼル | e:HEV (ハイブリッド) | 2WD | 25.0 km/L |
ホンダ ZR-V | e:HEV (ハイブリッド) | 2WD | 22.1 km/L |
スバル クロストレック | e-BOXER (ハイブリッド) | 4WD | 16.4 km/L |
※各車種の代表的なグレードで比較
この表から、ハリアーのハイブリッドモデルの燃費性能が、ライバルと比較してもトップクラスであることが明確にわかります。直接的なライバルであるRAV4やZR-Vとほぼ同等、e-POWERのエクストレイルを上回っています。コンパクトSUVであるヴェゼルには及ばないものの、車格を考えれば驚異的です。
一方、ガソリンモデルの燃費はRAV4やCX-5とほぼ横並びであり、クラスの標準的な性能と言えます。この比較からも、「ハリアーの燃費はパワートレインによって評価が大きく異なる」ということが裏付けられます。
トヨタ ハリアーの燃費を劇的に改善する!プロが教える10のテクニック
ハリアーの燃費性能は、特にハイブリッドモデルにおいて非常に優れていますが、乗り方次第でさらにその能力を引き出すことが可能です。ここでは、私が普段から実践している、誰でも今日から始められる燃費改善テクニックを10個、厳選してご紹介します。

引用 : TOYOTA HP (https://toyota.jp/harrier/)
1. 【基本のキ】アクセルワークで変わる!「ふんわりアクセル」の極意
燃費に最も大きな影響を与えるのが、アクセル操作です。特に発進時は、ガソリンを最も多く消費する瞬間。ここでアクセルをグッと踏み込むのではなく、**「卵を割らないように、そっと踏み込む」**イメージで発進するのが「ふんわりアクセル」の基本です。時間にすれば、5秒かけて時速20kmに到達するくらいの穏やかさが理想です。
ハイブリッド車の場合、この操作を徹底するだけでモーター走行の領域が広がり、劇的に燃費が向上します。
2. 予測運転で無駄をなくす!車間距離の重要性
常に道路の先の状況を予測し、無駄なアクセルやブレーキを減らす「予測運転」も非常に重要です。そのために最も効果的なのが、十分な車間距離を保つことです。
車間距離が詰まっていると、前の車の少しの減速にもブレーキで対応せざるを得ず、再び加速するために余計な燃料を使ってしまいます。車間距離に余裕があれば、前の車が減速してもアクセルを少し戻すだけで対応でき、スムーズで燃費の良い運転が可能になります。
3. エンジンブレーキを使いこなして燃費向上
下り坂や停止位置が予測できる場面では、早めにアクセルを離し、エンジンブレーキ(ハイブリッド車の場合は回生ブレーキ)を積極的に活用しましょう。フットブレーキだけに頼る運転は、せっかくの運動エネルギーを熱として捨ててしまう行為です。
特にハイブリッド車では、この回生ブレーキをいかに上手に使うかが燃費向上の鍵となります。アクセルを離した際の減速Gを意識し、充電量を最大化する運転を心がけましょう。
4. タイヤの空気圧はこまめにチェック!燃費への影響とは
見落としがちですが、タイヤの空気圧は燃費に大きく影響します。空気圧が低下するとタイヤの転がり抵抗が増加し、燃費が2〜4%も悪化すると言われています。
最低でも1ヶ月に1回は、ガソリンスタンドなどで適正な空気圧になっているかを確認する習慣をつけましょう。適正空気圧は、運転席のドアを開けた部分に貼られているシールで確認できます。
5. 無駄な荷物は下ろす!車重と燃費の密接な関係
車の重量が重くなればなるほど、動かすために必要なエネルギーが増え、燃費は悪化します。研究データによれば、100kgの不要な荷物を積んで走行すると、燃費が約3%悪化するとされています。
普段使わないゴルフバッグやキャンプ用品、洗車道具などを積みっぱなしにしていませんか? 車内を整理整頓し、不要な荷物は下ろすだけで、立派な燃費改善策になります。
6. エアコンの使い方一つで燃費は変わる
特に夏場のエアコン使用は、燃費を悪化させる大きな要因です。コンプレッサーを動かすためにエンジンの力を使うため、燃費が10%以上悪化することもあります。
対策としては、車内の温度が十分に下がったら、A/Cスイッチをオフにして送風に切り替える、外気導入と内気循環をうまく使い分ける、といった工夫が有効です。また、冬場の暖房はエンジンの排熱を利用するため燃費への影響は少ないですが、A/Cスイッチがオンになっていると除湿のためにコンプレッサーが作動することがあるので注意が必要です。
7. ドライブモードを賢く選択!ECOモードの効果的な使い方
ハリアーには、「ECO」「NORMAL」「SPORT」の3つのドライブモードが搭載されています。燃費を優先するなら、もちろん「ECOモード」一択です。
ECOモードに設定すると、アクセル操作に対する出力が穏やかになり、エアコンの効きもマイルドになるなど、車全体が燃費優先の制御になります。急加速が抑制されるため、自然とエコな運転が身につくというメリットもあります。ただし、高速道路の合流など、力強い加速が必要な場面では無理せず「NORMAL」や「SPORT」に切り替える柔軟さも大切です。
8. 定期的なメンテナンスが燃費維持の鍵
車のコンディションを良好に保つことも、燃費性能を維持する上で欠かせません。特に重要なのが、エンジンオイルの定期的な交換です。劣化したオイルは潤滑性能が低下し、エンジン内部の摩擦抵抗を増大させ、燃費を悪化させます。
その他にも、エアクリーナーエレメントの清掃や交換も燃費に影響します。メーカー推奨のスケジュールに従って、きちんとメンテナンスを行いましょう。
9. 燃費記録アプリを活用して運転を「見える化」する
日々の燃費を記録することは、燃費改善へのモチベーションを維持する上で非常に効果的です。給油ごとにかかった費用や燃費を記録できるスマートフォンアプリなどを活用し、自分の運転の成果を「見える化」してみましょう。
「今回はふんわりアクセルを意識したから燃費が伸びたな」「高速道路を走ったらこんなに記録が良かった」といった発見が、エコドライブを続ける楽しみに繋がります。
10. 【裏技】ルート選択も燃費改善の一つ
目的地まで複数のルートがある場合、少し遠回りでも渋滞が少なく、信号の少ない道を選ぶ方が結果的に燃費が良くなることがあります。また、高低差の激しいルートを避けることも有効です。
カーナビアプリの中には、距離や時間だけでなく、燃費を優先したルートを提案してくれるものもあります。こうしたツールも活用しながら、賢くドライブプランを立てることも、上級者の燃費改善テクニックと言えるでしょう。
燃費だけじゃない!トヨタ ハリアーの維持費と総合的なコストパフォーマンス
車を所有するには、燃料費以外にも税金や保険料、メンテナンス費用など様々なコストがかかります。ここでは、ハリアーを所有した場合の年間維持費をシミュレーションし、その総合的なコストパフォーマンスについて考察します。特に、ハリアーの強みである「リセールバリュー」は必見です。
年間のガソリン代はいくら?トヨタ ハリアーの燃料費シミュレーション
年間走行距離を10,000kmと仮定し、パワートレイン別の年間のガソリン代を計算してみましょう。(レギュラーガソリン価格:175円/Lで計算)
パワートレイン(2WD) | 実燃費(目安) | 年間消費ガソリン量 | 年間ガソリン代 |
---|---|---|---|
ガソリン | 11.5 km/L | 約 870 L | 約 152,250 円 |
ハイブリッド | 17.8 km/L | 約 562 L | 約 98,350 円 |
このシミュレーション結果を見ると、ガソリンモデルとハイブリッドモデルでは、年間のガソリン代に約54,000円もの差が出ることがわかります。月々に換算すると約4,500円。これは非常に大きな差と言えるでしょう。
自動車税・重量税は?トヨタ ハリアーの税金まとめ
毎年支払う自動車税と、車検ごとに支払う自動車重量税についても確認しておきましょう。
- 自動車税(種別割):
- ガソリン(2.0L):36,000円/年
- ハイブリッド/PHEV(2.5L):43,500円/年
- 自動車重量税:
- ハリアーは全グレードで車両重量が1.5t〜2.0tの区分に該当します。
- 本来は32,800円(2年)ですが、ハリアーはエコカー減税の対象となるため、グレードに応じて減税・免税が適用されます。
- ハイブリッド/PHEV:免税(初回車検時)
- ガソリン:50%減税(新規登録時)
税金面ではハイブリッドモデルの方が優遇されていますが、自動車税に関しては排気量の大きいハイブリッドモデルの方が若干高くなります。
車検費用やメンテナンス費用はどのくらい?
車検費用は、依頼する業者(ディーラー、車検専門店、ガソリンスタンドなど)によって大きく異なりますが、法定費用(重量税、自賠責保険料、印紙代)に加えて、点検・整備費用として5万円〜10万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
メンテナンス費用としては、エンジンオイル交換が半年に1回または5,000km走行ごとに約5,000円〜10,000円。タイヤは走行距離にもよりますが、4〜5年で交換時期を迎え、10万円前後の出費となります。ハイブリッドモデルは、駆動用バッテリーの寿命を心配される方もいますが、トヨタは「新車から5年間または10万km走行時点」のいずれか早い方までの保証を付けており、通常の使用で早期に交換が必要になるケースは極めて稀です。
トヨタ ハリアーのリセールバリューは高い?
ここがハリアーを語る上で非常に重要なポイントです。ハリアーは、圧倒的なブランド力と人気の高さから、非常にリセールバリュー(再販価値)が高い車種として知られています。
つまり、車を売却する際に、他の車種よりも高く買い取ってもらえる可能性が極めて高いのです。一般的に、3年後の残価率(新車価格に対する買取価格の割合)は50%あれば良い方とされていますが、ハリアーの人気グレードでは70%を超えることも珍しくありません。
これは、数年後に車を乗り換える際に、次の車の購入資金を大きく助けてくれることを意味します。
【結論】トヨタ ハリアーのトータルコストは本当に高いのか?
燃費や税金だけを見ると、ハイブリッドモデルはガソリンモデルに対して車両本体価格が高いというデメリットがあります。この価格差(約60万円)をガソリン代の差額だけで元を取ろうとすると、計算上は約11年(年間1万km走行の場合)かかることになります。
しかし、ここに**「高いリセールバリュー」**という要素を加えると、話は大きく変わります。数年後の売却価格は、ハイブリッドモデルの方がガソリンモデルよりも高くなる傾向が強く、車両価格の差が売却時にある程度相殺されるのです。
したがって、目先の燃費や車両価格だけでなく、売却時のことまで含めた**「トータルコスト」**で考えた場合、ハリアーは非常に賢い選択肢となり得ます。特にハイブリッドモデルは、日々の経済性と将来的な資産価値を両立した、極めてコストパフォーマンスの高い一台だというのが私の評価です。
まとめ
今回は、トヨタ ハリアーの燃費性能について、様々な角度から徹底的に掘り下げてきました。
「ハリアーは燃費が悪い」という漠然としたイメージは、主にガソリンモデルの街乗り燃費や、過去のモデルの印象から来ているものであり、現行のハイブリッドモデルに関しては、クラストップレベルの優れた燃費性能を誇るということがお分かりいただけたかと思います。
もちろん、車の性能を最大限に引き出すためには、ドライバーの乗り方も重要です。今回ご紹介した10の燃費改善テクニックを実践すれば、カタログ燃費に迫る、あるいはそれを超える数値を記録することも夢ではありません。
そして何より、ハリアーの魅力は燃費性能だけではありません。見る者を魅了する美しいデザイン、上質な乗り心地、そして高いリセールバリュー。これらすべてを総合的に評価すれば、ハリアーがこれほどまでに多くの人々から愛され続ける理由が見えてきます。
このレビューが、あなたの賢いクルマ選びの一助となれば幸いです。