モータージャーナリスト兼コンサルタントの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、「メルセデス・マイバッハは一般人には買えないって本当?」「どんな人が乗っているんだろう?」といった点が気になっていると思います。
引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/saloon/mercedes-maybach-s-class/overview.html)
私も実際にマイバッハを所有し、その世界観を体験してきたからこそ、皆様が抱く特別な興味や疑問はよくわかります。選ばれた人しか乗れないという噂も耳にしますが、果たしてその真相はどうなのでしょうか。
この記事を読み終える頃には、メルセデス・マイバッハの購入に関するあなたの疑問がすべて解決しているはずです。
記事のポイント
- マイバッハの歴史と現在の立ち位置
- 購入条件の噂と現在の真実
- 現行モデルのラインナップと価格
- 具体的な購入方法と知っておくべき注意点

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
メルセデス・マイバッハとは|高級車の頂点の歴史
メルセデス・マイバッハとは? – 超高級車ブランドの歴史

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/saloon/mercedes-maybach-s-class/overview.html)
まず、「マイバッハ」が何なのか、その歴史から紐解いていきましょう。
もともとマイバッハは、ダイムラー社でゴットリープ・ダイムラーと共にエンジン開発を手がけた天才技術者、ヴィルヘルム・マイバッハとその息子カール・マイバッハによって1909年に設立されたエンジン製造会社が起源です。
第一次世界大戦後、航空機用エンジンの製造が禁止されたことをきっかけに、1921年から自動車製造を開始。その卓越した技術力から生み出される車両は、当時から王侯貴族や大富豪に愛される「超高級車」として、世界にその名を轟かせました。
しかし、第二次世界大戦の影響で乗用車の生産は中止。その後、長い沈黙の期間に入ります。
かつての独立ブランド「マイバッハ」 – 伝説の57と62
長い沈黙を破り、マイバッハが自動車市場に復活したのは2002年のこと。ダイムラー・クライスラー(当時)が、ロールスロイスやベントレーといった英国の超高級車ブランドに対抗すべく、独立したブランドとして復活させたのです。
この時に登場したのが、伝説的なモデル「マイバッハ57」と「マイバッハ62」です。
車名の数字は、それぞれ全長が約5.7m、約6.2mであることを示しており、その巨体と豪華絢爛な内外装、そして圧倒的な静粛性と快適性は、まさに「走る最高級ホテル」と呼ぶにふさわしいものでした。価格も5,000万円前後からと、まさに桁違い。この時代のマイバッハは、購入に際して厳しい審査があったとも言われ、「選ばれた人物しか所有できない」というイメージが定着しました。
しかし、販売台数は伸び悩み、残念ながら2012年にブランドは再び休止となってしまいます。
メルセデス・ベンツとの統合 – サブブランド化の背景
独立ブランドとしての復活は成功したとは言えませんでしたが、メルセデス・ベンツはその「マイバッハ」という名前が持つ、究極のラグジュアリーという価値を高く評価していました。
そこで、2014年、メルセデス・ベンツは新たな戦略を打ち出します。それが、マイバッハをメルセデス・ベンツのサブブランドとして再定義することでした。
こうして誕生したのが「メルセデス・マイバッハ」です。
メルセデス・ベンツのフラッグシップモデルであるSクラスをベースに、ホイールベースを延長し、内外装にマイバッハ専用の最高級素材とデザイン、そして特別な装備を惜しみなく投入。Sクラスのさらに上を行く、究極の快適性とステータス性を備えたモデルとして生まれ変わりました。
この戦略は見事に成功し、メルセデス・マイバッハは富裕層から絶大な支持を受け、現在に至る地位を確立したのです。
メルセデスAMGとの違い – ラグジュアリーとハイパフォーマンス
メルセデス・ベンツには、もう一つ有名なサブブランド「メルセデスAMG」があります。よく混同される方もいらっしゃるので、ここで違いを明確にしておきましょう。
- メルセデス・マイバッハ: 「究極のラグジュアリー」を追求。後席に乗るオーナー(ショーファードリブン)の快適性を最優先に考え、最高級の素材、静粛性、乗り心地を提供するブランド。
- メルセデスAMG: 「究極のハイパフォーマンス」を追求。自らハンドルを握るオーナー(ドライバーズカー)のために、レーシングテクノロジーをフィードバックした高性能エンジンや足回りを備え、圧倒的な走行性能を提供するブランド。
簡単に言えば、後席でくつろぐのがマイバッハ、運転を楽しむのがAMGと覚えておくと良いでしょう。もちろん、マイバッハも運転して楽しい車ですが、その本質は後席の快適性にあります。
マイバッハが象徴するもの – 究極のステータスと快適性
メルセデス・マイバッハを所有することは、単に移動手段を手に入れること以上の意味を持ちます。それは、成功の証であり、究極のステータスシンボルです。
ツートーンの特別なボディカラー、威風堂々としたフロントグリル、そして随所に輝く「MAYBACH」のエンブレム。その佇まいだけで、周囲の車とは一線を画す存在感を放ちます。
しかし、マイバッハの真価はその内側にあります。一歩足を踏み入れれば、そこは外界の喧騒から完全に遮断されたプライベートな空間。最高級のナッパレザーで仕立てられたシートは、まるでファーストクラスのよう。リクライニングさせ、足を伸ばし、シャンパングラスを傾ける…そんな非日常的な体験が、日常になるのです。
私が所有するマイバッハSクラスでも、後席に乗って移動する時間は、仕事の疲れを癒やす最高のリラクゼーションタイムになっています。
なぜ富裕層に選ばれるのか – ショーファードリブンの最高峰
企業の経営者や役員など、多忙を極めるエグゼクティブにとって、移動時間は単なる移動ではありません。電話会議をしたり、資料に目を通したり、あるいは束の間の休息を取ったりと、非常に重要な時間です。
マイバッハは、そんな彼らの要求に完璧に応える「ショーファードリブン(専属運転手が運転する車)」として開発されています。
- 圧倒的な静粛性: 分厚いガラスや吸音材により、車内は驚くほど静か。重要な電話もクリアな音声で会話できます。
- 極上の乗り心地: 電子制御サスペンションが路面の凹凸を瞬時に吸収し、車体の揺れを最小限に抑制。シャンパンを注いでもこぼれない、とまで言われるほどです。
- 広大な後席空間: ベースのSクラスからさらに延長されたホイールベースにより、足を組んでも有り余るほどのスペースが確保されています。
- 充実した快適装備: リクライニングやマッサージ機能付きのシート、格納式テーブル、冷蔵庫など、まるでプライベートジェットのような装備が満載です。
これらの要素が組み合わさることで、マイバッハは移動時間を最高に効率的で快適な「価値ある時間」に変えてくれるのです。これが、世界中の富裕層から選ばれ続ける理由です。
日本を代表する企業の社長も愛用 – 有名なオーナーたち
メルセデス・マイバッハは、そのステータス性から、日本を代表する大企業の創業者や経営者にも愛用されてきました。
例えば、ZOZOの創業者である前澤友作氏が、特注カラーのマイバッハ「S650 Pullman」を所有していたことは有名です。これは全長6.5mにも及ぶリムジンで、まさに走るVIPルームと言えるでしょう。
また、ソフトバンクグループの孫正義氏や、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正氏なども、過去にマイバッハを社用車や個人所有で利用していたと言われています。
企業のトップがマイバッハを選ぶのは、単なる見栄や贅沢だけではありません。国内外の重要なゲストを送迎する際の「おもてなし」の心を示すため、そして自社のブランドイメージを高めるための重要なツールでもあるのです。
芸能人の所有者は?キムタクの噂の真相
企業の経営者だけでなく、多くの芸能人や著名人もマイバッハを愛車にしています。
テレビ番組などでたびたび話題になるのは、お笑い界の大御所であるビートたけし(北野武)さんや、明石家さんまさん。彼らがマイバッハで移動する姿は、その成功を象徴しているかのようです。
そして、よく噂されるのが「キムタク」こと木村拓哉さんです。 結論から言うと、木村拓哉さんがマイバッハを所有しているという確かな情報はありません。しかし、なぜこのような噂が広まったのでしょうか。
これは、彼が出演したドラマやCMでメルセデス・ベンツに乗る機会が多かったことや、彼の持つスタイリッシュで高級なイメージが、マイバッハのブランドイメージと結びついたためだと考えられます。
噂の真偽はともかく、それだけマイバッハが「トップスターにふさわしい車」として世間に認識されている証拠と言えるでしょう。
マイバッハの購入条件と方法
「一般人は購入不可」は本当? – 噂の出どころと現在の状況
さて、ここからが本題です。「マイバッハは一般人には買えない」「購入には審査がある」という噂は本当なのでしょうか。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/saloon/mercedes-maybach-s-class/overview.html)
この噂の出どころは、主に2002年に独立ブランドとして復活した「マイバッハ57/62」の時代にあります。当時、マイバッハはブランドイメージを非常に重視しており、誰にでも販売するわけではありませんでした。
購入希望者には、その社会的地位やマイバッハを所有するにふさわしい人物かどうかの審査があったと言われています。これは公式に発表されたわけではありませんが、ディーラー側で顧客を選んでいたのは事実のようです。
では、現在の「メルセデス・マイバッハ」はどうなのでしょうか。 状況は大きく変わりました。
過去に存在した厳しい購入条件とは – 審査の実態
かつてのマイバッハ57/62の時代には、以下のような点が考慮されたと言われています。
- 社会的地位: 企業の経営者、医師、弁護士、著名人など、高い社会的信用があること。
- 収入: 車両価格に見合う、あるいはそれ以上の安定した高収入があること。
- 過去のメルセデス・ベンツ購入歴: これまでメルセデス・ベンツの上位モデルを乗り継いできた優良顧客であること。
- 反社会的勢力との関係: 当然ながら、反社会的勢力との関わりがないこと。
これらは、ブランドの価値を維持し、オーナーの質を担保するための措置でした。しかし、この厳しい条件が販売不振の一因となったとも言われています。
現在のマイバッハに購入条件はあるのか – ディーラーに直撃
現在のメルセデス・マイバッハに、過去のような厳しい購入条件や審査は存在するのでしょうか。
私もコンサルタントとして、複数のメルセデス・ベンツ正規ディーラーの担当者と情報交換をしていますが、結論から言うと、**「過去のような厳格な審査は存在しない」**というのが共通した見解です。
もちろん、数千万円という高額な車両ですから、支払い能力の確認は行われます。ローンを組むのであれば、信販会社の審査は必須です。また、反社会的勢力でないことの確認(表明・確約)も当然求められます。
しかし、これはマイバッハに限らず、高額商品を購入する際にはごく一般的な手続きです。職業や社会的地位によって購入を断られる、ということは基本的にありません。
誰でも買える?結論から言うと…
結論です。メルセデス・マイバッハは、**「支払い能力があれば誰でも購入できる」**と言えます。
「一般人には買えない」というのは、もはや過去の話です。もちろん、車両価格が3,000万円を超える非常に高価な車ですから、経済的に「誰でも買える」わけではありません。しかし、そのハードルをクリアできるのであれば、職業や家柄などで差別されることなく、オーナーになることが可能です。
夢のある話だと思いませんか?努力して成功を収めれば、かつては王侯貴族しか手にできなかった究極のラグジュアリーカーのオーナーになれる道が開かれているのです。
新車で購入する具体的なステップ – 正規ディーラーでの流れ
では、実際に新車でマイバッハを購入する場合、どのような流れになるのでしょうか。
- ディーラー訪問・相談: まずは最寄りのメルセデス・ベンツ正規ディーラーに連絡し、マイバッハの購入を検討している旨を伝えます。マイバッハは専門のトレーニングを受けたスタッフが在籍する店舗でないと扱えない場合もあるため、事前の確認がおすすめです。
- モデル・仕様の決定: Sクラス、GLS、EQS SUVの中からベースモデルを選びます。その後、ボディカラー(ツートーンも選択可)、内装の素材や色、オプション装備などを決めていきます。選択肢が非常に多いため、ここで数時間かかることも珍しくありません。
- 見積もり・契約: 仕様が確定したら、正式な見積もりが提示されます。内容に納得すれば、注文書にサインし、契約となります。この際、手付金(申込金)が必要になるのが一般的です。
- 生産・納車: マイバッハは基本的に受注生産となるため、契約から納車までには数ヶ月から1年以上かかることもあります。特に、MANUFAKTUR(マヌファクトゥーア)と呼ばれる特別な内外装色を選ぶと、納期は長くなる傾向にあります。気長に待つ時間も、楽しみの一つと捉えましょう。
- 残金決済・納車: 車両が日本に到着する目処が立つと、ディーラーから連絡が入ります。残金を支払い、いよいよ納車の日を迎えます。ディーラーでの納車式は、きっと忘れられない体験になるはずです。
中古車でマイバッハを手に入れる選択肢 – メリットとデメリット
新車は高価で手が出ない、あるいは長い納期を待てないという方には、中古車という選択肢もあります。
メリット:
- 価格: 新車に比べてリーズナブルな価格で手に入れることが可能です。特に先代モデルであれば、かなり現実的な価格帯になっていることもあります。
- 即納: 中古車は現物があるため、契約から比較的短期間で納車されます。
デメリット:
- 品質の見極めが難しい: 高額な車両だけに、修復歴や機関の状態などを慎重に見極める必要があります。信頼できる販売店を選ぶことが非常に重要です。
- 維持費: 年式が古くなるほど、故障のリスクや部品交換の費用は高くなる傾向にあります。購入後のメンテナンス費用も考慮しておく必要があります。
- メーカー保証: メーカーの新車保証が切れている車両がほとんどです。販売店独自の保証内容をよく確認しましょう。
中古車を選ぶ際は、メルセデス・ベンツの厳しい基準をクリアした「サーティファイドカー(認定中古車)」を選ぶのが最も安心できる方法と言えるでしょう。
マイバッハの驚くべき維持費 – 税金・保険・メンテナンス
マイバッハのオーナーになるには、車両価格だけでなく、その後の維持費も考慮しなければなりません。これは決して安くはありません。
項目 | 年間費用の目安 | 備考 |
---|---|---|
自動車税 | 110,000円 | 6.0L V12エンジンの場合 |
自動車重量税 | 24,600円/年 | 車検時に2年分(49,200円)を納付 |
自賠責保険 | 約10,000円/年 | 車検時に24ヶ月分を納付 |
任意保険 | 200,000円~ | 車両保険の金額が高いため、保険料も高額に |
車検費用 | 300,000円~ | 交換部品があればさらに高額に |
メンテナンス費用 | 100,000円~ | オイル交換だけでも数万円 |
燃料代 | 300,000円~ | 燃費は約5~7km/L。走行距離による |
駐車場代 | 地域による | 全長5.4m超のため、駐車場を選ぶ |
合計(年間) | 約1,000,000円~ |
※上記はあくまで目安です。
特に注意したいのが、任意保険料とメンテナンス・修理費用です。車両価格が高いため車両保険の料率が高く、また、一つ一つの部品が非常に高価なため、万が一の故障や事故の際の修理費用は数百万円単位になることもあります。
マイバッハを所有するということは、こうした維持費を余裕をもって支払い続けられる経済力が求められるということです。
購入前に知っておきたい注意点 – リセールバリューと故障リスク
最後に、購入前に知っておくべき注意点を2つお伝えします。
リセールバリューについて
リセールバリュー(再販価値)は、一般的にあまり高いとは言えません。特に新車からの値下がり率は大きく、3年で半値近くになることも珍しくありません。
これは、中古車市場での需要が限られていることや、高額な維持費が敬遠されることが理由です。マイバッハは「資産」として購入するのではなく、その価値を体験するための「究極の消費」と捉えるべきでしょう。
ただし、限定モデルや希少な仕様の車両は、将来的に価値が上がる可能性もゼロではありません。
故障リスクについて
メルセデス・ベンツのフラッグシップだけあり、基本的な信頼性は非常に高いです。しかし、電子制御の塊であり、数多くの快適装備が搭載されているため、国産車に比べると細かな電気系統のトラブルが発生する可能性は高くなります。
特に、乗り心地を制御するエアサスペンションやE-ACTIVE BODY CONTROLといった複雑な機構は、故障すると修理費用が非常に高額になります。
中古車を購入する場合はもちろん、新車であってもメーカー保証が切れた後のことを考え、メンテナンス費用としてある程度の予算を確保しておくことを強くお勧めします。
現行メルセデス・マイバッハのラインナップを徹底解説
現在、日本で購入可能なメルセデス・マイバッハの主要ラインナップは3つです。それぞれの特徴を見ていきましょう。

引用 : メルセデスベンツHP (https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/saloon/mercedes-maybach-s-class/overview.html)
究極のセダン – メルセデス・マイバッハ Sクラス
マイバッハの代名詞とも言えるモデルです。メルセデス・ベンツSクラスのロングボディをさらに180mm延長し、その後席空間のすべてを快適性のために捧げています。
現行モデルは「S 580 4MATIC」と、V12エンジンを搭載するトップグレード「S 680 4MATIC」の2種類。静粛性、乗り心地、豪華さ、そのすべてが世界のセダンの頂点に君臨しています。ショーファードリブンとして利用するなら、これ以上の選択肢はないでしょう。
至高のSUV – メルセデス・マイバッハ GLS
メルセデス・ベンツの最上級SUV「GLS」をベースにしたモデルが「GLS 600 4MATIC」です。
セダンの快適性と、SUVならではの広い視界、悪路走破性を兼ね備えています。車高が高いため乗り降りがしにくいのでは、と思われがちですが、ドアを開けると自動でステップが出てくる「電動ランニングボード」が装備されており、乗り降りも非常にスムーズ。
後席は2座の独立シートが標準で、広大な空間と豪華な装備はSクラスに勝るとも劣りません。アクティブなライフスタイルを送る富裕層から絶大な人気を誇ります。
次世代のラグジュアリー – メルセデス・マイバッハ EQS SUV
マイバッハブランド初の電気自動車(BEV)が「EQS 680 SUV」です。
電気自動車ならではの圧倒的な静粛性と、モーターによる滑らかで力強い加速は、マイバッハが追求する「究極の快適性」と非常に高い親和性を持っています。
内外装のデザインも、伝統的なラグジュアリーと未来的なデジタル要素が融合した独特の世界観を表現。特に、助手席まで広がる一枚のガラスパネル「MBUXハイパースクリーン」は圧巻です。環境意識の高い次世代のエグゼクティブに向けた、新しいマイバッハの形と言えます。
各モデルのスペックと価格を比較
モデル名 | パワートレイン | 全長 | 新車価格(税込) |
---|---|---|---|
マイバッハ S 580 4MATIC | 4.0L V8ツインターボ + ISG | 5,470mm | 30,900,000円~ |
マイバッハ S 680 4MATIC | 6.0L V12ツインターボ | 5,470mm | 36,400,000円~ |
マイバッハ GLS 600 4MATIC | 4.0L V8ツインターボ + ISG | 5,210mm | 31,430,000円~ |
マイバッハ EQS 680 SUV | デュアルモーター (BEV) | 5,125mm | 34,550,000円~ |
※価格は2024年現在のメーカー希望小売価格であり、オプションによって変動します。
マイバッハならではの豪華装備 – インテリアと後席空間
マイバッハの真骨頂は、後席の豪華な装備にあります。
- エグゼクティブリアシート: 最大43.5度までリクライニング可能で、ふくらはぎを支えるオットマンも装備。まさに飛行機のファーストクラスです。
- リアエンターテインメントシステム: 前席のヘッドレスト背面には大型ディスプレイが設置され、テレビや映画鑑賞が楽しめます。
- シャンパングラス&クーリングボックス: アームレストには、専用のシャンパングラスを収納するスペースと、ボトルを冷やしておくためのクーリングボックスが備わります。(オプション)
- アクティブロードノイズキャンセレーション: タイヤから伝わる不快なノイズを、逆位相の音波で打ち消すシステム。車内は異次元の静けさに包まれます。
- MBUXインテリア・アシスタント: 乗員のジェスチャーを認識し、読書灯の点灯やサンシェードの開閉などを自動で行います。
これらの装備が、単なる移動を最高のおもてなし空間へと昇華させるのです。
究極の乗り心地を実現するテクノロジー – E-ACTIVE BODY CONTROLとは
マイバッハの乗り心地を語る上で欠かせないのが、「E-ACTIVE BODY CONTROL」というサスペンションシステムです。(Sクラスにオプション設定)
これは、4輪それぞれを個別に電子制御する非常に高度なシステムで、以下のような驚きの機能を持っています。
- ロードサーフェススキャン: 前方のカメラで路面の凹凸をスキャンし、サスペンションが通過する前に最適な状態に制御。まるで魔法の絨毯のような乗り心地を実現します。
- ダイナミックカーブ機能: コーナリング時に、車体がバイクのように内側に傾くことで、乗員にかかる遠心力を軽減します。
こうした最先端技術が、マイバッハの究極の快適性を足元から支えているのです。
自分だけの一台を創る – MANUFAKTURプログラム
メルセデス・マイバッハでは、「MANUFAKTUR(マヌファクトゥーア)」と呼ばれる特別なカスタマイズプログラムが用意されています。
これは、カタログにはない特別な内外装色や、最高級の素材、特別な刺繍などを選択できるオーダーメイドシステムです。
例えば、歴史的な名車に使われたボディカラーを再現したり、インテリアのウッドパネルをピアノラッカー仕上げにしたりと、その組み合わせは無限大。まさに世界に一台だけの、自分だけのマイバッハを創り上げることができます。
もちろん、価格も納期も通常よりかかりますが、究極の個性を求めるオーナーにとっては、この上ない魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ライバル車種との比較 – ロールスロイス・ゴーストやベントレー・フライングスパー
メルセデス・マイバッハが競合するのは、言わずと知れた超高級車ブランドです。
- ロールスロイス・ゴースト: 「静粛性の王様」とも呼ばれ、その圧倒的な静かさと滑るような乗り心地は唯一無二。伝統と格式を重んじるブランドイメージが魅力です。価格帯は4,000万円台から。
- ベントレー・フライングスパー: 英国車らしいスポーティーな走りと、職人技が光る豪華な内装を両立。自分で運転する楽しみも追求したい富裕層に人気です。価格帯は2,000万円台後半から。
これらのライバルと比較した際のマイバッハの強みは、最先端のデジタル技術と快適装備、そしてメルセデス・ベンツブランドが持つ信頼性とディーラーネットワークにあると言えます。伝統的なラグジュアリーに、現代的な利便性と安心感を求めるなら、マイバッハは非常にバランスの取れた選択肢です。
まとめ
今回は、メルセデス・マイバッハは誰でも買えるのか、という疑問を中心にお答えしてきました。
結論として、現在のメルセデス・マイバッハに厳格な購入審査はなく、支払い能力さえあれば誰でもオーナーになることが可能です。かつての「選ばれた人しか乗れない」というイメージは、もはや過去のものとなりました。
しかし、その価格は3,000万円を超え、年間の維持費も100万円以上かかることを忘れてはいけません。マイバッハを所有するということは、その価値を享受するための相応の覚悟と経済力が求められるということです。
Sクラス、GLS、そしてEQS SUVと、多様なラインナップが揃ったメルセデス・マイバッハ。それは単なる移動手段ではなく、移動時間を最高に価値あるものに変え、人生を豊かにしてくれる究極のパートナーです。
この記事が、あなたのマイバッハに対する理解を深め、購入を検討する上での一助となれば幸いです。