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メルセデス

ベンツディーラーへYouTube撮影のために試乗できるのか|マナーと常識

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、YouTubeの企画でメルセデス・ベンツの試乗動画を撮影したいけれど、購入意思がないのにディーラーへ行っていいものか、気になっているのではないでしょうか。

私もチャンネル運営のために様々なメーカーのディーラーへ伺うので、そのお気持ちはよくわかります。特に高級車ブランドとなると、少し敷居が高く感じてしまいますよね。

ご安心ください。この記事を読み終える頃には、ベンツディーラーへYouTube撮影のために試乗しに行く際の疑問や不安が解決しているはずです。

記事のポイント

  • ディーラーへの事前交渉が成功の鍵
  • 購入意思がない場合の正直な伝え方
  • 撮影許可を得るための具体的なマナーと交渉術
  • 断られた場合のスマートな対応と次の選択肢
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ベンツディーラーでのYouTube撮影、その是非と実情

結論から言うと、メルセデス・ベンツのディーラーでYouTube撮影のために試乗することは「条件付きで可能」です。しかし、そのためにはディーラー側の事情を理解し、然るべき手順を踏む必要があります。ここでは、ディーラー側の本音や、あなたが取るべき最適なアプローチについて、私の経験を交えながら解説していきます。

Lexury Motors Journal イメージ

結論:条件付きで可能!ただし事前交渉が全て

まず大前提として、無断で撮影を行うことは絶対にNGです。ディーラーの店舗は私有地であり、車両も大切な商品です。撮影を希望する場合は、必ず事前にアポイントメントを取り、明確に「YouTube動画の撮影を目的とした試乗」であることを伝え、許可を得なければなりません。

「購入を匂わせて、当日いきなり撮影を始める」といった行為は、ディーラーとの信頼関係を著しく損ないます。最悪の場合、撮影の中止を求められるだけでなく、今後の出入りを禁止される可能性もゼロではありません。誠実な対応こそが、成功への唯一の道だと心得てください。

なぜディーラーは撮影を許可する場合があるのか?

ディーラー側にも、撮影に協力するメリットが存在します。それは、あなたのYouTubeチャンネルが持つ「宣伝効果」です。

  • 新規顧客層へのアプローチ: テレビCMや雑誌広告ではリーチできない、若い世代や特定の興味を持つ層へ車両の魅力を届けられます。
  • リアルなユーザー目線の情報発信: ディーラーが発信する公式情報とは異なり、第三者によるリアルなレビューは視聴者の共感を得やすく、高い訴求力を持ちます。
  • 費用対効果の高い広告: ディーラー側が広告費を支払うことなく、自社の車両や店舗を宣伝してもらえる可能性があります。

あなたのチャンネルがある程度の規模であったり、質の高いコンテンツを制作していたりする場合、ディーラーは「広告塔」としての価値を見出し、協力的になってくれる可能性が高まります。

なぜディーラーは撮影を嫌がるのか?

一方で、ディーラーが撮影を躊躇する、あるいは断るのには正当な理由があります。彼らが懸念するリスクを理解しておくことも、交渉をスムーズに進める上で重要です。

  • 他のお客様への迷惑: 撮影機材が場所を取ったり、スタッフが長時間拘束されたりすることで、一般の購入希望者への対応が疎かになることを懸念します。
  • 情報の誤発信: 車両の性能や価格、サービスについて誤った情報が発信され、ブランドイメージを損なうリスク。
  • ネガティブな内容への懸念: 批判的な内容や、不適切な方法で車両が扱われることへの不安。
  • セキュリティとプライバシー: 店舗のセキュリティ情報や、他の顧客、スタッフの顔が意図せず映り込んでしまうプライバシーの問題。
  • 「冷やかし」との判断: 購入意思がなく、単に動画のネタとして車両を利用したいだけだと判断された場合、協力するメリットがないと見なされます。

これらのリスクをいかに払拭し、ディーラー側に「協力するメリットがある」と感じてもらえるかが、交渉の鍵となります。

購入意思がないことは正直に伝えるべきか?

これは非常に悩ましい問題ですが、私の経験上、「正直に、かつ戦略的に伝える」のが最善です。

嘘をついて購入意思があるように見せかけるのは、後々トラブルの原因になります。一方で、ストレートに「買いません」とだけ伝えてしまうと、協力するメリットがないと判断されかねません。

伝える際のポイント

  • 目的の明確化: 「今回はYouTubeの試乗レビュー動画の撮影が目的ですが、将来的には購入も検討しており、そのための情報収集も兼ねています」というように、長期的な顧客になる可能性を示唆します。
  • チャンネルの価値を提示: 「私のチャンネルでは、特にメルセデス・ベンツのファンが多く、新型〇〇のレビューは多くの視聴者が心待ちにしています」など、ディーラー側のメリットを具体的に伝えます。
  • 誠実な姿勢: 「もちろん、ご迷惑にならないよう、撮影は最小限の機材で、指定されたルールの中で行います」と、配慮の姿勢を明確に示しましょう。

今回のあなたの場合、「過去に正規ディーラーで購入した実績がある」というのは非常に強力な武器になります。その際に担当してくれたセールススタッフの方に連絡を取るのが最もスムーズでしょう。

過去の購入履歴は交渉の武器になるのか?

間違いなく、強力な武器になります。ディーラーにとって、一度でも自社から車を購入してくれた顧客は「優良顧客」です。

  • 信頼関係の構築: 初対面の相手に比べて、身元がはっきりしており、信頼関係の基礎がすでにできています。
  • 再購入への期待: 今回は購入に至らなくても、将来的に乗り換えや増車の可能性があると期待してもらえます。
  • ブランドへの貢献: 既存顧客が情報発信してくれることは、ブランドへのロイヤリティの証明となり、ディーラーとしても歓迎すべき側面があります。

まずは、過去にお世話になった店舗や担当者へ連絡を取ることから始めましょう。「〇〇の際にお世話になりました二階堂です。実は現在YouTubeを運営しておりまして…」と切り出せば、無下に断られる可能性は低いでしょう。

【体験談】私が実際に交渉した際の流れ

私も新しいチャンネルを立ち上げた当初、実績がない中で某ドイツ車メーカーのディーラーへ交渉に伺った経験があります。その際は、以下の流れで進めました。

  1. 担当者への電話: まずは代表番号ではなく、過去に名刺をいただいたセールス担当者個人の携帯電話に直接連絡しました。
  2. 目的の伝達: YouTubeチャンネルの運営と、試乗レビュー動画の撮影許可をいただきたい旨を正直に伝えました。
  3. 企画のプレゼン: チャンネルのコンセプト、ターゲット層、そしてなぜこの車種を取り上げたいのかを熱意をもって説明しました。
  4. ディーラー側のメリットを強調: 「この動画が公開されれば、御社の素晴らしいサービスと車両の魅力を、〇〇人の視聴者に届けられます」と、具体的な数字を交えてメリットを提示しました。
  5. 懸念点の払拭: 撮影は短時間で終えること、他の顧客に配慮すること、公開前に内容を確認してもらうことなどを提案し、相手の不安を取り除くことに徹しました。

結果的に、店長決済が必要とのことでしたが、後日快く許可をいただくことができました。重要なのは、相手の立場を尊重し、Win-Winの関係を築こうとする姿勢です。

ディーラーごとの方針の違い

一口に正規ディーラーと言っても、運営する企業によって方針は異なります。メルセデス・ベンツのディーラーは、ヤナセ系、シュテルン系など、複数の資本グループが存在します。

運営母体 特徴
ヤナセ系 歴史が長く、顧客との長期的な関係を重視する傾向。比較的、格式高いイメージ。
シュテルン系 地域密着型の販売会社が多く、店舗によって方針の柔軟性が高い場合がある。
メーカー直営店 ブランドイメージの管理が厳格で、広報部門の許可が必要など、手続きが複雑になる可能性がある。

一般的に、広報活動に積極的なディーラーや、新しい取り組みに柔軟な若い店長がいる店舗などは、交渉が成功しやすい傾向にあります。もし懇意にしているディーラーがない場合は、複数のディーラーの方針をリサーチしてみるのも一つの手です。

最適なアプローチ方法:電話か、直接訪問か

基本的には「まず電話でアポイントを取る」のが正解です。いきなり訪問して「撮影させてください」というのは、相手の時間を奪う行為であり、失礼にあたります。

  1. 電話: 担当者(いなければ受付)に連絡し、目的を簡潔に伝えます。「YouTubeの撮影の件でご相談したいのですが、店長様かご担当者様はいらっしゃいますでしょうか」と切り出します。
  2. 訪問: 電話で許可が下りれば、日を改めて訪問します。その際は、後述する企画書などを持参し、改めて詳細を説明します。

電話の段階で感触が悪ければ、深追いせずに別のディーラーを当たる方が賢明です。相手の時間を尊重する姿勢が、信頼獲得の第一歩です。

ベンツディーラーでYoutube撮影許可を得るための完全ガイド|マナーと交渉術

さて、ここからはより実践的な内容に入っていきます。ディーラーから快く撮影許可を得て、お互いに気持ちよくプロジェクトを進めるための具体的なステップと、絶対に避けるべきNG行動について詳しく解説します。

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ステップ1:アポイントメントの取り方(正直に目的を伝える)

前述の通り、まずは電話でアポイントを取ります。その際のトーク例をご紹介します。

「お世話になっております。以前、こちらで〇〇(車種名)を購入させていただきました二階堂と申します。〇〇様(担当者名)はいらっしゃいますでしょうか。 (担当者につながったら) ご無沙汰しております、二階堂です。実は現在、自動車専門のYouTubeチャンネルを運営しておりまして、ぜひ御社の新しい〇〇(試乗したい車種名)の試乗レビュー動画を撮影させていただきたく、ご相談のお時間をいただけないでしょうか。」

ポイントは「既存顧客であること」「目的がYouTube撮影であること」を最初に明確に伝える点です。これにより、相手も話の要点を理解しやすく、スムーズに対応してもらえます。

ステップ2:企画書を用意するメリットと記載内容

電話でアポイントが取れたら、訪問時に簡単な企画書を持参することをおすすめします。これは、あなたの本気度とプロ意識を伝え、相手に安心感を与えるための重要なツールです。

企画書に盛り込むべき内容

  • チャンネル概要:
    • チャンネル名、URL
    • チャンネル登録者数、月間再生回数など(正直に記載)
    • 視聴者の属性(年齢、性別、興味など)
    • チャンネルのコンセプト、テーマ
  • 企画内容:
    • 動画のタイトル(案)
    • 動画の趣旨・目的(例:新型〇〇の魅力を、購入を検討している30代男性に向けて分かりやすく伝える)
    • レビューしたいポイント(デザイン、内装、走行性能など)
  • 撮影計画:
    • 撮影希望日時
    • 撮影スタッフの人数
    • 使用機材(GoPro、一眼レフなど)
    • 撮影場所(店舗内、試乗コースなど)
  • ディーラーへのメリット:
    • 動画による宣伝効果
    • 店舗名や担当者名の紹介(希望する場合)
    • 動画URLの共有、SNSでの拡散など
  • 遵守事項:
    • 店舗のルールを遵守すること
    • 他の顧客やスタッフのプライバシーに配慮すること
    • 公開前に動画内容の確認を依頼できること

A4用紙1~2枚程度にまとめるだけで十分です。これがあるだけで、「しっかりした人物だ」という印象を与え、交渉を有利に進めることができます。

ステップ3:当日の服装と持ち物

人は見た目で判断される側面があります。特にメルセデス・ベンツのような高級車ディーラーに伺う際は、清潔感のある服装を心がけましょう。

  • 服装: Tシャツ、短パン、サンダルのようなラフすぎる格好は避けます。襟付きのシャツやジャケット、ビジネスカジュアルが無難です。高級スーツである必要はありませんが、「ビジネスの相談に来た」という意識が大切です。
  • 持ち物:
    • 企画書(複数部用意)
    • 名刺
    • チャンネルの実績がわかるもの(スマホやタブレットで再生できるようにしておく)
    • 筆記用具

準備を万全に整えることで、自信をもって交渉に臨むことができます。

ステップ4:試乗・撮影当日の注意点

無事に許可が下り、撮影当日を迎えたら、ディーラーへの感謝の気持ちを忘れず、細心の注意を払って行動しましょう。

撮影時の遵守事項

  • 時間厳守: 約束の時間は絶対に守ります。
  • 挨拶を徹底: 店長や担当者だけでなく、すれ違うスタッフ全員に挨拶をしましょう。
  • ルールの再確認: 撮影を始める前に、改めて撮影可能な範囲や注意事項を担当者と確認します。
  • プライバシーへの配慮: 他の顧客や、撮影許可を得ていないスタッフが映り込まないよう、画角には最大限配慮します。ナンバープレートの処理も必須です。
  • 車両の丁寧な扱い: ドアの開閉、シートの調整など、すべて丁寧に行います。言うまでもなく、試乗中は安全運転を徹底してください。
  • 迅速な撤収: 撮影が終わったら、速やかに機材を片付け、長居しないようにします。

「撮らせてもらって当たり前」という態度は禁物です。常に「協力していただいている」という謙虚な姿勢が、次の機会につながります。

【NG行動】これだけは避けたい!ディーラーに嫌われる行為5選

  1. アポなし突撃&無断撮影: 論外です。信頼関係を築く以前の問題です。
  2. 横柄な態度・過度な要求: 「有名YouTuberだから」というような態度は最も嫌われます。試乗時間の延長や、通常とは異なるコースの走行など、無理な要求も避けましょう。
  3. 車両の雑な扱い・危険運転: 商品である車を傷つけるような行為や、荒い運転は絶対にやめましょう。
  4. ネガティブな点ばかりを強調するレビュー: 公平なレビューは大切ですが、批判ばかりの内容になることを匂わせると、協力を得ることは難しくなります。
  5. 約束を守らない: 撮影時間、公開前の内容確認、店舗名のクレジット表記など、事前に交わした約束を破る行為は、業界全体の信用を失わせることにもつながります。

もし断られた場合のスマートな対応方法

交渉がうまくいかず、撮影を断られてしまうケースも当然あります。その際に、感情的になったり、食い下がったりするのは得策ではありません。

「お忙しい中、ご検討いただきありがとうございました。御社のポリシーとのこと、承知いたしました。また別の機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。」

このように、相手の決定を尊重し、感謝の言葉を述べて潔く引き下がりましょう。丁寧な対応をしておくことで、「今回はダメだったが、また何かあれば相談に乗ろう」と思ってもらえるかもしれません。縁を次に繋げることも、ビジネスでは重要です。

撮影後のディーラーとのお付き合い

撮影・動画公開後も、ディーラーとの良好な関係を維持するためのフォローアップを忘れないようにしましょう。

  • 公開の報告とお礼: 動画を公開したら、必ず担当者へ連絡し、URLを共有してお礼を伝えます。
  • 成果の報告: 動画の再生回数や、視聴者からのポジティブなコメントなどを報告すると、ディーラー側も協力した価値を感じ、喜んでくれるでしょう。
  • 定期的なコンタクト: 新型車が出たタイミングなどで、情報交換を兼ねて連絡を取るなど、継続的な関係を築くことができれば、将来的にはメーカーからの広報車貸し出しなど、より大きなチャンスに繋がる可能性もあります。

一度きりの関係で終わらせないことが、YouTuberとして長期的に活動していく上で非常に重要です。

まとめ

今回は、「ベンツディーラーへYouTube撮影のために試乗するのはアリか」というテーマについて、自動車コンサルタントの視点から詳しく解説しました。

結論として、誠実な姿勢で然るべき手順を踏めば、撮影目的での試乗は可能です。重要なのは、ディーラー側のメリットとリスクを理解し、Win-Winの関係を築こうと努力することです。特に、あなたのように過去の購入実績がある場合は、それを最大限に活用し、まずは懇意にしている担当者へ相談することから始めてみてください。

万が一、交渉がうまくいかなくても、メーカー主催の試乗イベントやレンタカーを利用するなど、レビュー動画を作成する方法は他にもあります。今回のレビューで解説したマナーや交渉術は、他のメーカーやディーラーと接する際にも必ず役立つはずです。

あなたの素晴らしいレビュー動画が公開されることを、私も一人のクルマ好きとして楽しみにしています。