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TESLA

テスラの年間維持費の内訳|従来のガソリン車より安価になる理由を解説

モータージャーナリスト兼コンサルタントの二階堂仁です。今回も多く寄せられている質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、「テスラって格好いいけど、実際の維持費はどれくらいかかるんだろう?」「EVはガソリン車より維持費が安いって聞くけど、本当なの?」といった点が気になっていると思います。私も実際にテスラ モデル3を所有しているので、そのように具体的なコストを心配される気持ちはよくわかります。

引用 : 価格コム HP (https://kakaku.com/item/K0001215150/)

メディアではEVのメリットばかりが強調されがちですが、実際に所有して初めてわかるコストや、ガソリン車との違いも確かに存在します。この記事を読み終える頃には、テスラを所有した場合のリアルな年間維持費と、それがなぜガソリン車やハイブリッド車(HV車)よりも安価になるのか、その理由についての疑問が明確に解決しているはずです。

記事のポイント
  • テスラの実質的な年間維持費を項目別にシミュレーション
  • ガソリン車・HV車との5年間の総維持費を徹底比較
  • 維持費が安くなる税金・燃料・メンテナンスの仕組みを解説
  • オーナーだからこそわかる維持費以外の隠れたメリットと注意点
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テスラの年間維持費はいくら?モデル3を例にシミュレーション

「結局、年間でいくらかかるの?」という疑問に答えるため、まずは日本で最も人気のあるテスラ「モデル3 RWD」を例に、具体的な年間維持費をシミュレーションしてみましょう。比較対象として、同クラスのガソリン車(1.8Lセダン)とハイブリッド車(1.8Lセダン)のケースも併記します。

引用 : 価格コム HP (https://kakaku.com/item/K0001215150/)

※年間走行距離10,000km、任意保険は30歳・ゴールド免許・車両保険ありで試算。 ※ガソリン価格は170円/L、電気料金は31円/kWhで計算。

自動車税(種別割):テスラは大幅に優遇

自動車税は、毎年4月1日時点の車の所有者に課される税金で、エンジンの排気量によって税額が決まります。エンジンを搭載しないテスラのような電気自動車(EV)は、排気量1,000cc以下の区分となり、最も安い25,000円が適用されます。

さらに、多くのEVは購入翌年度に「グリーン化特例」が適用され、税額が約75%減税されます。つまり、初年度の自動車税はわずか約6,500円になるのです。

車種 排気量 年間税額 グリーン化特例適用後(翌年度)
テスラ モデル3 – (EV) 25,000円 約6,500円
ガソリン車 1.8L 36,000円
HV車 1.8L 36,000円

この税金だけでも、毎年1万円以上の差が生まれることがわかります。

自動車重量税:購入時と初回車検時が免税

自動車重量税は、その名の通り車両の重さに応じて課される税金で、通常は新車購入時と車検の際に支払います。

テスラを含むEVは「エコカー減税」の対象となり、新車購入時と初回車検時の2回分が全額免税されます。これは非常に大きなメリットです。

車種 車両重量 税額(3年分/購入時) 初回車検時(2年分) 2回目以降車検時(2年分)
テスラ モデル3 約1,760kg 0円(免税) 0円(免税) 32,800円
ガソリン車 約1,500kg 49,200円 32,800円 32,800円
HV車 約1,500kg 0円(免税) 0円(免税) 15,000円(減税)

2回目以降の車検(購入から5年後)からは課税対象となりますが、それまでの5年間でガソリン車と比較して8万円以上の税金を節約できる計算になります。

自賠責保険料:車種による差はなし

自賠責保険は、すべての自動車に加入が義務付けられている強制保険です。この保険料は車種による違いはなく、自家用乗用車であればテスラもガソリン車も同額です。

参考までに、2025年現在の保険料は以下の通りです。

  • 24ヶ月契約:17,650円
  • 25ヶ月契約:18,160円(車検時に次の車検満了期間をカバーするため)

任意保険料:車両価格の高さが影響するもEV専用プランも

任意保険料は、年齢、等級、運転者限定の有無、そして最も重要な「車両保険」の金額によって大きく変動します。

テスラは車両本体価格が比較的高価なため、同クラスの国産ガソリン車に比べて車両保険の金額が上がり、結果として保険料も高くなる傾向にあります。私のモデル3も、国産の同サイズセダンよりは年間で2〜3万円ほど高くなっています。

しかし、最近ではイーデザイン損保の「&e(アンディー)」のように、EV専用の保険プランも登場しています。これらはバッテリーの故障や充電中のトラブルに対応する特約が付帯している場合があり、EVオーナーにとっては心強い選択肢です。

保険料は個人差が非常に大きい項目ですが、一般的な傾向として以下のようなイメージです。

車種 年間保険料(目安) 特徴
テスラ モデル3 70,000円〜120,000円 車両価格が高いため、車両保険も高額になりがち
ガソリン車 50,000円〜80,000円 一般的な保険料水準
HV車 50,000円〜80,000円 ガソリン車と同等

テスラを検討する際は、購入前に必ず複数の保険会社から見積もりを取り、ご自身の条件に合ったプランを見つけることが重要です。

燃料費(電気代):ガソリン代との差は歴然

ここが維持費において最も大きな差が生まれるポイントです。テスラはガソリンを一切使わず、電気で走行します。充電方法は主に「自宅での普通充電」と「外出先での急速充電(スーパーチャージャーなど)」の2種類です。

自宅充電が基本で圧倒的に安い

テスラオーナーの多くは、電気料金が安くなる深夜帯に自宅で充電します。これが最も経済的な運用方法です。

  • テスラ モデル3 RWDの電費: 約7km/kWh(1kWhで7km走行可能)
  • 年間10,000km走行に必要な電力量: 10,000km ÷ 7km/kWh = 約1,428kWh
  • 深夜電力の料金単価(仮): 25円/kWh
  • 年間の自宅充電コスト: 1,428kWh × 25円/kWh = 35,700円

ガソリン車・HV車との燃料費比較

一方、ガソリン車とHV車の燃料費を計算してみましょう。

  • ガソリン車(燃費15km/L)の場合:
    • 必要なガソリン量: 10,000km ÷ 15km/L = 約667L
    • 年間ガソリン代: 667L × 170円/L = 113,390円
  • HV車(燃費25km/L)の場合:
    • 必要なガソリン量: 10,000km ÷ 25km/L = 400L
    • 年間ガソリン代: 400L × 170円/L = 68,000円
車種 年間燃料費(10,000km走行)
テスラ モデル3(自宅充電) 約35,700円
ガソリン車 約113,390円
HV車 約68,000円

表を見れば一目瞭然ですが、燃料費だけでガソリン車とは年間約7.7万円、HV車と比べても約3.2万円もの差が生まれます。走行距離が長くなればなるほど、この差はさらに拡大していきます。

メンテナンス・車検費用:構造がシンプルだから安い

テスラの維持費が安いもう一つの大きな理由は、メンテナンス費用の安さです。

エンジン関連の消耗品が一切不要

ガソリン車には、定期的な交換が必要な部品が数多く存在します。

  • エンジンオイル(3,000〜5,000kmごと)
  • オイルフィルター
  • スパークプラグ
  • タイミングベルト
  • マフラー

テスラには、これらの部品が一切存在しません。そのため、これらの交換費用や手間が完全になくなります。これは長期的に見て非常に大きなコスト削減に繋がります。

テスラが推奨する定期交換部品

もちろん、テスラも全くメンテナンスが不要なわけではありません。テスラが推奨している定期交換部品は以下の通りです。

  • エアコンフィルター: 2年ごと
  • ブレーキフルード: 2年ごと(状態を点検し必要に応じて交換)
  • タイヤ: 摩耗状態に応じて(ガソリン車と同様)

車検の際の基本的な点検費用はガソリン車と変わりませんが、交換部品が少ないため、結果的に車検費用は安く済む傾向にあります。私の経験でも、ディーラーでの車検で交換部品がほとんどなく、法定費用と基本工賃のみで完了したことがあります。

項目 テスラ モデル3 ガソリン車
エンジンオイル交換 不要 必要(年1〜2回)
オイルフィルター交換 不要 必要(年1回程度)
ブレーキパッド摩耗 少ない 普通
車検時費用(目安) 8万円〜12万円 10万円〜18万円

テスラは回生ブレーキ(アクセルを離すとモーターが発電機となり減速する力)が強力なため、物理的なブレーキパッドの消耗が非常に少ないのも特徴です。

【合計】テスラの年間維持費と5年間のトータルコスト

それでは、これまでの項目を合計して、年間の維持費と、車を乗り換える目安となる5年間のトータルコストを比較してみましょう。

年間維持費の比較

項目 テスラ モデル3 ガソリン車 HV車
自動車税 25,000円 36,000円 36,000円
任意保険料 90,000円 65,000円 65,000円
燃料費 35,700円 113,390円 68,000円
メンテナンス費(平均) 20,000円 40,000円 35,000円
年間維持費 合計 170,700円 254,390円 204,000円

※税金は2年目以降の金額で計算。

このシミュレーションでは、テスラはガソリン車より年間約8.3万円、HV車より年間約3.3万円維持費が安いという結果になりました。

5年間の総維持費(車検費用・税金含む)

次に、車検費用や購入時の税金(重量税)も含めた、より長期的な5年間のスパンで見てみましょう。

項目 テスラ モデル3 ガソリン車 HV車
自動車税(5年分) 106,500円 180,000円 180,000円
自動車重量税(5年分) 0円 82,000円 0円
自賠責保険料(5年分) 35,810円 35,810円 35,810円
任意保険料(5年分) 450,000円 325,000円 325,000円
燃料費(5年分) 178,500円 566,950円 340,000円
車検・メンテ費(5年分) 180,000円 280,000円 255,000円
5年間総維持費 合計 950,810円 1,469,760円 1,135,810円

5年間というスパンで見ると、その差はさらに明確になります。ガソリン車とは約51万円、HV車と比べても約18万円もテスラの方が安くなる計算です。車両本体価格の差はありますが、この維持費の安さは購入を後押しする大きな要因になるでしょう。

なぜテスラの維持費は安いのか?項目別に理由を深掘り

シミュレーションで具体的な金額差が見えてきましたが、ここでは改めて「なぜテスラ(EV)の維持費が安くなるのか」その理由を、それぞれの項目で深掘りして解説します。

引用 : 価格コム HP (https://kakaku.com/item/K0001215150/)

税金の優遇措置:国策としてのEV推進

テスラの維持費が安い最大の理由の一つが、手厚い税金の優遇措置です。これは、国がカーボンニュートラル実現に向けてEVの普及を推進しているためです。

  • グリーン化特例: 購入翌年度の自動車税を約75%軽減。
  • エコカー減税: 購入時と初回車検時の自動車重量税を100%免税。

これらの制度は期間限定の特例措置ですが、現在のところ延長が繰り返されています。いつまで続くかは不透明ですが、少なくとも現時点で購入するオーナーにとっては非常に大きな恩恵となっています。

燃料コスト:ガソリン価格に左右されない安定性

前述の通り、電気代はガソリン代に比べて圧倒的に安価です。特に自宅に充電設備を設置し、電力会社の深夜割引プランなどを活用することで、その恩恵を最大限に受けることができます。

また、ガソリン価格は原油価格や為替、国際情勢によって常に変動し、時には急激に高騰するリスクがあります。一方、電気料金は比較的安定しており、家計の見通しを立てやすいというメリットもあります。私自身、ガソリンスタンドに行く手間と費用から解放されたことは、想像以上に快適だと感じています。

メンテナンスコスト:シンプルな構造がもたらす恩恵

テスラの構造は、ガソリン車に比べて驚くほどシンプルです。 ガソリン車が約3万点の部品で構成されているのに対し、EVは約1.5万〜2万点と、部品点数が大幅に少ないと言われています。

可動部品の少なさ

特に、高温・高圧で複雑な動きをするエンジンや、トランスミッション、排気システムといった故障のリスクが高い部品が存在しません。これにより、定期的なオイル交換が不要になるだけでなく、長期的に見た場合の故障リスクや修理費用を大幅に低減できるのです。

ソフトウェアアップデートによる進化

テスラのもう一つの特徴は、ソフトウェアのアップデートがオンライン(OTA – Over-the-Air)で行われることです。これにより、ナビゲーションシステムや運転支援機能が自動で最新の状態に保たれ、時には新しい機能が追加されることさえあります。

ガソリン車であればモデルチェンジでしか得られないような性能向上が、所有している間に無料で手に入るのです。これは直接的な維持費の削減ではありませんが、車の価値が古びにくいという点で、大きな経済的メリットと言えるでしょう。

維持費以外の経済的メリット:補助金とリセールバリュー

車にかかるトータルコストを考える上では、維持費だけでなく「購入時の補助金」と「売却時のリセールバリュー」も非常に重要です。

購入時に活用できる補助金

テスラをはじめとするEVを購入する際には、国や地方自治体から補助金が交付されます。

  • 国のCEV補助金: 車種やグレードによりますが、2025年現在、テスラ モデル3 RWDであれば65万円の補助金が交付されます。
  • 地方自治体の補助金: お住まいの都道府県や市区町村によっては、国とは別に独自の補助金制度を設けている場合があります。(例:東京都では最大45万円)

これらを活用することで、車両本体価格の高さをある程度相殺することが可能です。

高いリセールバリュー

テスラは中古車市場でも非常に人気が高く、リセールバリュー(再販価値)が高いことでも知られています。これは、継続的なソフトウェアアップデートによって車の機能が陳腐化しにくいことや、ブランドイメージの高さが要因です。

将来的に車を売却する際の価格が高ければ、実質的な所有コストはそれだけ下がることになります。購入時の価格だけでなく、出口戦略まで含めて考えると、テスラの経済合理性はさらに高まります。

注意点:バッテリーの寿命と交換費用

EVを検討する方が最も懸念するのが、「バッテリーの劣化と交換費用」ではないでしょうか。確かに、EVの基幹部品であるバッテリーは高価であり、交換には100万円以上の費用がかかる場合もあります。

しかし、この点について過度に心配する必要は低いと私は考えています。

テスラのバッテリー保証

テスラは、バッテリーに対して非常に手厚い保証を設けています。

  • モデル3 RWDの保証: 8年または16万kmのいずれか早い方まで、バッテリー容量が70%以上を維持することを保証。

通常使用の範囲内で、保証期間内に容量が70%を下回るような急激な劣化が起きた場合は、無償で修理または交換の対象となります。8年という期間は、多くの人が車を乗り換えるサイクルをカバーしており、安心して乗ることができる十分な保証内容と言えるでしょう。

実際に、初期のモデルSなどが10年以上経過した現在でも、多くの車両が大きな問題なく走行しており、バッテリーの耐久性は非常に高いことが証明されています。

まとめ

今回は、テスラの年間維持費について、ガソリン車やHV車と比較しながら詳しく解説しました。

シミュレーションの結果が示す通り、テスラは税金、燃料費、メンテナンス費という3つの主要なコストにおいて、従来のエンジン車よりも大幅に安価になります。5年間のトータルコストで比較すると、その差は数十万円にも及びます。

もちろん、車両本体価格や任意保険料の高さ、自宅に充電設備が必要といった初期投資の側面もあります。しかし、国や自治体の補助金を活用し、長期的な視点でトータルコストを考えれば、テスラは多くの人にとって十分に経済合理性の高い選択肢となり得ます。

私自身、コンサルタントとして、そして一人のオーナーとして、テスラがもたらす維持費の安さと、ガソリンスタンドから解放されるストレスフリーなカーライフには非常に満足しています。

この記事が、あなたのEV選び、そしてテスラという選択肢を検討する上での一助となれば幸いです。ご自身の年間の走行距離やライフスタイルを当てはめて、ぜひ一度具体的なシミュレーションをしてみることをお勧めします。