モータージャーナリスト兼コンサルタントの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、レクサス正規ディーラーで勧められた「レクサスカード」について、その高額な年会費に見合う価値があるのか、入会するべきか迷っているのではないでしょうか。
私も実際にレクサスISを所有し、このカードを日々利用しているので、その気になる気持ちはよくわかります。ステータス性は感じるものの、本当に実用的なのか、シビアに判断したいですよね。
引用 : レクサスカード HP (https://www.xn--navi-ul4c1e8bg9i0h4h.jp/lexuscard/)
ご安心ください。この記事を読み終える頃には、あなたにとってレクサスカードが必要か不要か、そして契約する場合のお得な使い方の疑問が解決しているはずです。
記事のポイント
- レクサスカードの年会費とそれを上回る特典の詳細
- ポイント還元を最大化する具体的な利用シーン
- カードを持つべき人と不要な人の明確な違い
- 他のステータスカードにはない独自のメリット

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
レクサスカードの全貌|年会費から特典まで徹底解剖
まずはレクサスカードが一体どのようなクレジットカードなのか、その基本スペックから特別なサービスまで、全体像を詳しく見ていきましょう。年会費の金額だけで判断するのではなく、その中身をしっかりと理解することが、価値を見極める第一歩です。

引用 : レクサスカード HP (https://www.xn--navi-ul4c1e8bg9i0h4h.jp/lexuscard/)
レクサスカードの年会費と基本スペック
レクサスカードは、トヨタファイナンスが発行するクレジットカードで、レクサスオーナーのみが申し込むことができる特別な一枚です。国際ブランドはVISAとMastercardから選択可能。年会費は本会員が22,000円(税込)、家族会員は1名まで無料で、2人目以降は1名につき3,300円(税込)となっています。
いわゆるプラチナカードに分類されるカードであり、その年会費は決して安くはありません。しかし、その金額に見合う、あるいはそれ以上の価値を提供できるかが、このカードを評価する上での重要なポイントとなります。
項目 | 内容 |
---|---|
年会費(本会員) | 22,000円(税込) |
年会費(家族会員) | 1人目:無料<br>2人目以降:3,300円(税込)/人 |
国際ブランド | VISA / Mastercard |
申込資格 | レクサスオーナー(個人) |
ポイントプログラム | ポイントプラス |
ポイント還元率 | 1.0%~2.0% |
ETCカード | 発行手数料・年会費無料 |
基本的なスペックだけを見ると、一般的なゴールドカードの上位、プラチナカードの下位といった位置づけに見えますが、このカードの真価はレクサスオーナーに特化した特典にあります。
驚きのポイント還元率!その仕組みと貯め方
レクサスカードの最大の魅力の一つが、その高いポイント還元率です。基本的な還元率は1.0%(1,000円利用で10ポイント)ですが、利用先によって大きく変動します。
ポイントプログラム「ポイントプラス」
レクサスカードの利用で貯まるポイントは「ポイントプラス」と呼ばれます。このポイントは、利用額1,000円ごとに計算されます。
利用先で変わる還元率
- 一般の加盟店: 1,000円につき10ポイント(還元率1.0%)
- 特約店(出光SS、ENEOSなど): 1,000円につき15ポイント(還元率1.5%)
- レクサス販売店・トヨタ系販売店: 1,000円につき20ポイント(還元率2.0%)
特筆すべきは、レクサス正規ディーラーでの利用で還元率が2.0%に達する点です。これは、車検や定期点検、部品の購入、アクセサリーの購入など、ディーラーでの支払いがすべて対象となります。例えば、20万円の車検費用をレクサスカードで支払った場合、4,000円相当のポイントが付与される計算です。これは他の高還元率カードと比較しても、極めて高い水準と言えるでしょう。
レクサスオーナーだけの特別な優待サービス
レクサスカードには、ポイント還元以外にもオーナーのカーライフを豊かにする独自の優待サービスが付帯しています。
ETCカードの無料発行と利用メリット
年会費・発行手数料ともに無料でETCカードを発行できます。高速道路の利用料金でももちろんポイントが貯まるため、車での移動が多い方には必須のアイテムです。
JAL・ANAマイルへの交換
貯まったポイントは、1,000ポイント単位でJALまたはANAのマイルに交換可能です。交換レートは「1,000ポイント → 500マイル」となっており、マイルを貯めている方にとっても魅力的です。ディーラーでの高額な支払いで貯めたポイントを、次の旅行の航空券に充当するといった使い方も可能です。
ポイントのキャッシュバック
貯まったポイントは、1ポイント=1.5円として、レクサス正規ディーラーでの支払いに充当できます。例えば、10,000ポイント貯まっていれば、15,000円分の割引として利用できるのです。これは非常に高い交換レートであり、車検やメンテナンス費用を少しでも抑えたいと考えているオーナーにとっては、最大のメリットと言えるかもしれません。
空港ラウンジサービスと充実の付帯保険
プラチナカードクラスとして、旅行関連のサービスも充実しています。
国内・海外の空港ラウンジ
国内の主要空港およびハワイ・ホノルールの空港ラウンジを無料で利用できます。同伴者は有料となりますが、フライト前のひとときを静かな空間で過ごせるのは大きなメリットです。
海外・国内旅行傷害保険
最高1億円の海外旅行傷害保険と、最高5,000万円の国内旅行傷害保険が自動付帯します。利用付帯ではなく自動付帯であるため、カードを持っているだけで保険が適用されるのが特徴です。旅行のたびに保険に加入する手間と費用を考えれば、これだけでも年会費の一部は回収できると考えることもできます。
ショッピング保険
レクサスカードで購入した商品が破損・盗難などの損害を受けた場合、購入日から90日間、年間最高500万円まで補償されます。高価な買い物をする際にも安心感が違います。
レクサスファイナンスデスクの存在
レクサスカード会員専用のデスクが用意されており、カードに関する問い合わせや各種手続きをスムーズに行うことができます。専門のスタッフが対応してくれるため、質の高いサポートが期待できます。
TS CUBIC CARDとの違いは?
同じトヨタファイナンスが発行するTS CUBIC CARDにもゴールドカードが存在しますが、レクサスカードはそれとは一線を画す存在です。最も大きな違いは、やはりレクサス正規ディーラーでの還元率と、オーナー限定の優待サービスです。TS CUBIC CARDのディーラーでの還元率は1.5%であるのに対し、レクサスカードは2.0%。この0.5%の差が、年間の利用額によっては大きな違いとなって現れます。
レクサスカードは本当に必要?持つべき人・不要な人を徹底比較
さて、ここまでレクサスカードの魅力的なスペックを見てきましたが、問題は「それが自分にとって本当に必要なのか」という点です。ここからは、私のコンサルタントとしての経験と、一人のオーナーとしての視点から、レクサスカードを最大限に活用できる人と、そうでない人の特徴を具体的に解説していきます。

引用 : レクサスカード HP (https://www.xn--navi-ul4c1e8bg9i0h4h.jp/lexuscard/)
【結論】レクサスカードを持つべき人の特徴5選
以下の項目に3つ以上当てはまる方は、年会費を支払ってでもレクサスカードを持つ価値が十分にあると言えるでしょう。
- 車検や点検をすべてレクサス正規ディーラーに任せている人 これが最も重要なポイントです。前述の通り、ディーラーでの利用は還元率2.0%、さらにポイント利用時は1.5倍の価値になります。年間を通じて数十万円単位の支払いが発生するディーラーでの利用をこのカードに集約すれば、年会費22,000円は容易に回収可能です。
- 出光SSまたはENEOSでの給油が多い人 ガソリン代は車の維持費の中でも大きな割合を占めます。特約店である出光SSやENEOSで給油すれば、1.5%の還元率が適用されます。日常的に車を利用し、給油頻度が高い方ほど、その恩恵は大きくなります。
- 年間150万円以上カード決済をする人 一つの目安として、年間150万円のカード利用があれば、年会費の元は取れる可能性が高いです。
- ディーラー利用 50万円 → 10,000ポイント
- 特約店(ガソリン等) 30万円 → 4,500ポイント
- 一般加盟店 70万円 → 7,000ポイント 合計21,500ポイントとなり、これだけで年会費相当の価値になります。
- 空港ラウンジの利用や旅行保険を重視する人 出張や旅行で飛行機を頻繁に利用する方にとって、空港ラウンジサービスは非常に価値があります。また、最高1億円の自動付帯保険は、万が一の際の大きな安心材料となります。これらのサービスを個別で利用した場合の金額を考えれば、年会費は決して高くないと感じるでしょう。
- レクサスブランドのステータス性を重視する人 レクサスオーナーだけが持てるという特別感、そして洗練されたカードデザインは、所有する満足感を満たしてくれます。会計の際にこのカードを提示することは、レクサスオーナーであることのささやかな証明にもなります。こうしたステータス性に価値を感じる方にもおすすめです。
逆にレクサスカードが不要な人の特徴3選
一方で、以下のような方は、レクサスカードを持っても年会費分のメリットを享受できない可能性があります。
- ディーラーでの支払い額が年間を通して少ない人 車検を知り合いの工場に頼んだり、メンテナンスをカー用品店で行うなど、正規ディーラーの利用頻度が低い場合、このカード最大のメリットである2.0%還元を生かすことができません。
- すでに同等以上のサービスを持つプラチナカードを所有している人 例えば、アメックス・プラチナやJCBザ・クラスなど、より上位のサービス(プライオリティ・パス、コンシェルジュサービスなど)が付帯したカードをメインで利用している場合、レクサスカードのサービスでは物足りなく感じるかもしれません。サービスが重複してしまうため、あえて年会費を払ってまで持つ必要性は低いでしょう。
- とにかく年会費をかけずにポイントを貯めたい人 年会費無料の高還元率カード(楽天カード、PayPayカードなど)は数多く存在します。特定の店舗での利用に特化すれば、1.0%以上の還元率を実現することは難しくありません。あくまでカードの維持費をゼロに抑えたいという考えの方には、レクサスカードは不向きです。
年会費の元は取れる?損益分岐点をシミュレーション
では、具体的に年間いくら利用すれば年会費22,000円(税込)の元が取れるのでしょうか。貯まったポイントをディーラーで「1ポイント=1.5円」で利用することを前提に計算してみましょう。
年会費22,000円分の価値を得るには、約14,667ポイント(14,667 × 1.5円 ≒ 22,000円)が必要です。
- ケース1:すべてレクサスディーラーで利用した場合(還元率2.0%)
- 14,667ポイント ÷ 2.0% ≒ 733,350円
- 年間の車検やメンテナンス、アクセサリー購入などで約74万円以上利用すれば、年会費の元が取れる計算です。
- ケース2:すべて特約店(ガソリン等)で利用した場合(還元率1.5%)
- 14,667ポイント ÷ 1.5% ≒ 977,800円
- 年間約98万円の利用で元が取れます。
- ケース3:すべて一般加盟店で利用した場合(還元率1.0%)
- 14,667ポイント ÷ 1.0% ≒ 1,466,700円
- 年間約147万円の利用で元が取れます。
実際にはこれらの利用が混在するため、一概には言えませんが、「ディーラーでの利用額」が損益分岐点を大きく左右することがわかります。ご自身の年間のディーラーでの支払い額を一度計算してみることをお勧めします。
ディーラーでの支払いを最大化するお得な使い方
このカードのメリットを最大化する最も効果的な方法は、**「車に関する支払いをすべてレクサスカードに集約させること」**です。 車検、12ヶ月点検、オイル交換、タイヤ交換、アクセサリー購入、自動車保険の支払い(ディーラーで加入している場合)など、考えられるすべての支払いをこのカードで行いましょう。特に、数年に一度の大きな出費である車検のタイミングで大量のポイントを獲得し、それを次のメンテナンス費用に充当するというサイクルを作ることが理想的です。
日常の買い物でポイントをザクザク貯める方法
ディーラーでの利用だけでなく、日常の支払いもレクサスカードにまとめることで、効率的にポイントを貯めることができます。 公共料金、携帯電話料金、保険料、サブスクリプションサービスなどの固定費をレクサスカード払いに設定しましょう。毎月自動的にポイントが貯まっていく仕組みを作ることが重要です。 また、スーパーやコンビニ、ネットショッピングなど、日々の買い物もこのカードで決済することで、取りこぼしなくポイントを獲得できます。
他のステータスカードとの比較
レクサスカードの年会費(22,000円)は、他のカードで言うとゴールドカードとプラチナカードの中間に位置します。代表的なカードと比較してみましょう。
カード名 | 年会費(税込) | 主な特徴 |
---|---|---|
レクサスカード | 22,000円 | レクサスディーラーで還元率2.0%<br>ポイントのキャッシュバックレートが高い |
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード | 31,900円 | 旅行・グルメ系の優待が豊富<br>ステータス性が高い |
JCBゴールド ザ・プレミア | 16,500円 | プライオリティ・パス付帯<br>JCBの上位カードへのインビテーションあり |
三井住友カード ゴールド(NL) | 5,500円<br>(年間100万円利用で永年無料) | コンビニ・飲食店でのタッチ決済で高還元<br>コストパフォーマンスが高い |
このように比較すると、レクサスカードは「旅行」や「グルメ」といった一般的な優待は他のカードに劣るものの、「レクサスオーナーのカーライフ」という一点に特化して、極めて高いパフォーマンスを発揮するカードであることがわかります。ご自身のライフスタイルの中で、何を最も重視するかによって、選ぶべきカードは変わってくるでしょう。
まとめ
今回は、多くのレクサスオーナーが一度は悩む「レクサスカード」について、その価値を多角的にレビューしました。
結論として、レクサスカードは**「正規ディーラーを頻繁に利用し、車に関する支払いを一枚のカードに集約したいと考えているレクサスオーナー」**にとって、年会費を遥かに上回るメリットをもたらす、非常に強力なパートナーとなり得ます。
一方で、ディーラーの利用が少ない方や、すでに他のメインカードをお持ちの方にとっては、その価値を発揮しにくいかもしれません。
ディーラーで入会を勧められた際に、その場で即決する必要はありません。まずはご自身の年間のカーライフコスト、特にディーラーでの支払い額を把握し、この記事で紹介した損益分岐点シミュレーションを参考に、じっくりと検討してみてください。
あなたのレクサスライフがより豊かで、スマートなものになるための一助となれば幸いです。