昨今の九州地方の豪雨被害は、レクサスオーナーである私にとっても他人事ではありません。

もしも愛車が水没してしまったら、保険は使えるのか?使えないとしたらどんな理由があるのか?
この記事では、レクサスオーナーの皆さんが抱えるそんな不安を解消すべく、車両保険の仕組みと注意点について詳しく解説していきます。
記事のポイント
- 車両保険の「一般型」と「エコノミー型」は水害に対する補償が異なる
- 水没の原因によっては、車両保険が適用されない場合がある
- もしもの水没に備えるための保険の選び方を解説
- 水没した際に絶対にしてはいけない行動と、正しい対処法を紹介

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
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水没したレクサスに保険は使える?車両保険の基本を徹底解説
多くのオーナーさんがまず気になるのは、「水没したら車両保険は使えるのか?」という点でしょう。結論から言うと、車両保険に加入していれば、多くのケースで補償対象となります。しかし、その補償範囲は加入している保険の種類や契約内容によって大きく異なります。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
そもそも車両保険とは?水害に強い保険の種類
車両保険は、自分の車が事故や災害で損害を受けた場合に、その修理費用や買い替え費用を補償してくれる保険です。大きく分けて、「一般型」と「エコノミー型」の2種類があります。
一般型車両保険:ほぼすべての事故や災害をカバー 一般型は、自損事故(電柱にぶつけた、車庫入れでぶつけたなど)、当て逃げ、盗難、火災、自然災害など、幅広いリスクを補償してくれます。水害もこの補償範囲に含まれます。保険料はエコノミー型に比べて高くなりますが、その分、安心感は格段に高いと言えるでしょう。私の所有しているレクサスLSやRXのような高額な車両は、この一般型車両保険に加入していることが多いですね。
エコノミー型車両保険:補償範囲を限定して保険料を抑える エコノミー型は、自損事故や当て逃げなど、一部の補償範囲を限定することで保険料を安く設定したタイプです。ただし、台風や洪水、高潮といった自然災害による損害は、基本的に補償対象に含まれています。つまり、九州で頻発するような豪雨による水没は、エコノミー型でもカバーできるケースが多いということです。
水没の原因別にみる保険適用範囲の真実
「水没」と一言で言っても、その原因は様々です。車両保険が適用されるかどうかは、その原因によって判断されます。
台風・洪水・高潮 これらは、エコノミー型を含むほとんどの車両保険で補償されます。近年の気候変動による豪雨災害の増加を考えると、この補償は非常に重要です。
地震・津波 これは特に重要な注意点です。自動車保険は、地震や津波による損害を原則として補償しません。 したがって、地震による津波でレクサスが水没してしまっても、車両保険は適用されないのが一般的です。これは、津波による被害が甚大で、保険会社の経営に大きな影響を及ぼす可能性があるためです。この点を理解せずに契約しているオーナーさんは少なくないと思います。
運転中の冠水 台風や豪雨時の冠水道路を走行中にエンジンに水が入り、エンジンが故障(ウォーターハンマー現象)した場合も、車両保険は適用されます。ただし、故意に深い水たまりに突っ込んだと判断されるような場合は、補償の対象外となる可能性もゼロではありません。
豪雨による水没!レクサスの場合はどうなる?
レクサスは、そのブランドイメージにふさわしい上質な内装と、高度な電装システムが特徴です。これらが水没によってどうなるのか、具体的に考えてみましょう。
豪華な内装のダメージ
レクサスのシートやフロアマットには、上質なレザーやファブリックが使用されています。これらが水没すると、シミやカビ、異臭が発生し、再利用は困難になります。修理費用は、内装のほとんどを交換する必要があるため、非常に高額になるでしょう。
高度な電装システムの故障
レクサスの魅力の一つである、大型のディスプレイオーディオや、先進運転支援システム(ADAS)のセンサー類は、水に非常に弱いです。これらの部品が水没すると、コンピューターがショートし、車両の制御システム全体に影響を及ぼす可能性があります。修理には、電子制御ユニット(ECU)やハーネス、各種センサーの交換が必要となり、これもまた高額な費用がかかります。
ハイブリッドシステムの危険性
レクサスにはハイブリッドモデルが多く、高電圧バッテリーやモーターが搭載されています。これらが水没すると、感電の危険性があるだけでなく、システムの全交換が必要になることもあります。ハイブリッドシステムの修理は専門的な知識と技術が必要なため、一般的なガソリン車よりも修理費用が高くなる傾向にあります。
保険が使えないケースとその理由
車両保険は万能ではありません。特定の状況下では、補償の対象外となるケースがあります。
契約者または被保険者の故意または重大な過失
例えば、水害の危険が迫っていることを知っていながら、あえて車を安全な場所に移動させず、放置したようなケースです。または、わざと冠水した道路に車を進入させ、水没させた場合もこれに該当します。この場合は、保険金が支払われない可能性があります。
地震や津波による損害
前述の通り、地震や津波を原因とする水没は、車両保険の原則的な補償範囲外です。これは、多くの保険会社が共通して設けているルールです。
契約内容による補償の限定
「限定補償」と呼ばれる、特定の災害のみを補償するプランに加入している場合、その範囲外の損害は補償されません。ご自身の保険がどのような補償内容になっているか、今一度確認しておくことが重要です。
「全損」と「半損」?水没時の車両価値の判断
水没した車が保険で補償される場合、「全損」か「半損」かの判断が重要になります。
全損とは
全損には、「物理的全損」と「経済的全損」の2種類があります。
- 物理的全損: 車が修理不可能な状態、または修理しても車の機能が完全に回復しない場合を指します。
- 経済的全損: 修理費用が、車両の時価額(または協定保険価額)を上回る場合を指します。
水没の場合、修理費用が高額になるケースが多く、特にレクサスのような高級車は修理費用が車両価値を上回る「経済的全損」と判断されることがほとんどです。全損と判断された場合は、保険契約で定められた金額が支払われ、車は保険会社に引き取られることになります。
半損とは
半損は、修理費用が車両の時価額を下回る場合を指します。この場合、修理費用が保険金として支払われます。
豪雨で水没した車を勝手に動かすのはNG!
もしも愛車が水没してしまったら、まず「エンジンをかけないこと」が鉄則です。
ウォーターハンマー現象の危険
水没した車は、エンジン内部に水が浸入している可能性があります。この状態でエンジンをかけると、水を圧縮しようとして、コンロッドが曲がったり、エンジンが破壊されたりする「ウォーターハンマー現象」が起こります。この損傷は非常に深刻で、エンジンの載せ替えが必要になることもあります。
電装系のショート
水没した車は、電装系がショートしている可能性があります。キーを回したり、バッテリーに触れたりすると、感電したり、火災の原因になることもあります。
水没被害に遭った際の具体的な行動フロー
豪雨でレクサスが水没してしまった際の、正しい対処法と手順を解説します。
- 安全の確保: まず、自身の安全を最優先に考えましょう。冠水した場所から離れ、安全な場所に避難します。
- 車両の状況確認: 安全な場所から、車両の被害状況を確認します。エンジンをかけたり、むやみにドアを開けたりしないようにしましょう。
- 保険会社への連絡: 契約している保険会社の事故受付センターに連絡し、水没した状況を正確に伝えます。この際、保険証券を手元に用意しておくとスムーズです。
- ロードサービスの手配: 保険会社に、レッカー移動などのロードサービスの手配を依頼します。水没した車を無理に自走させるのは絶対に避けましょう。
- 保険会社による損害調査: 後日、保険会社のアジャスター(損害調査員)が車両を調査し、被害状況と修理費用を査定します。
- 修理または買い替え: 査定結果に基づき、修理するか、全損として買い替えるかを判断します。
自然災害発生でも安心してレクサスに乗るための保険選び
ここからは、私の経験を踏まえた、水害に強い車両保険の選び方についてレビューします。
車両保険の「一般型」と「エコノミー型」の違いを再考
前述の通り、水害に備えるならエコノミー型でも十分なケースが多いです。特に、運転歴が長く、自損事故のリスクが低いと考えるオーナーさんには、エコノミー型は有力な選択肢となるでしょう。ただし、当て逃げやいたずらなど、自損事故以外のリスクにも備えたい場合は、やはり一般型が安心です。
エコノミー型を選ぶメリットとデメリット
- メリット:
- 保険料が安く抑えられる。
- 台風、洪水などの自然災害は補償されるケースが多い。
- デメリット:
- 自損事故や当て逃げは補償されない。
- 補償範囲が限定されるため、契約内容の確認が重要。
運転に自信があるベテランオーナーでも「エコノミー型」をおすすめする理由
私自身、様々な車両を乗り継いできましたが、運転に自信があるベテランオーナーほど、車両保険の必要性を軽視しがちです。しかし、水害や自然災害は、どんなベテランドライバーでも防ぎようがありません。
近年の気候変動を考慮すると、豪雨による浸水リスクは誰もが抱えています。自分の運転技術に関係なく起こりうる水没という事態に備えるために、最低でもエコノミー型の車両保険に加入しておくことを強くおすすめします。特に九州のような豪雨災害が多い地域に住んでいるオーナーさんには、この備えは必須だと考えています。
万が一の「全損」に備える「新価特約」のメリット
レクサスを新車で購入した場合、ぜひ検討してほしいのが「新価特約」です。
新価特約の仕組み
新価特約は、新車で加入した車両が、事故や災害で全損と判断された場合に、保険契約で定めた金額を上限として、新車を再取得するための費用を補償してくれる特約です。
例えば、車両価格が800万円のレクサスを新車で購入し、新価特約を付帯していたとします。もし、契約から一定期間内に豪雨による水没で全損になってしまった場合、通常は「時価額」が保険金として支払われますが、新価特約が付帯していれば、800万円を上限として新車の再取得費用が補償されるのです。
ローンが残っている場合の安心感
新車購入時には、ローンを組むオーナーさんも多いでしょう。新車ローンが残っている状態で車が全損になってしまうと、車がなくてもローンだけが残ってしまうという「車両ローン地獄」に陥る可能性があります。新価特約があれば、新車の買い替えと同時にローンも完済できるため、このリスクを回避することができます。
保険料を抑えるための「免責金額」設定の落とし穴
「免責金額」とは、損害が発生した際に、契約者が自己負担する金額のことです。免責金額を高く設定すれば、その分保険料は安くなりますが、注意が必要です。
免責金額が高額だと、保険を使うのをためらう
例えば、免責金額を10万円に設定していた場合、15万円の修理費用がかかったとしても、自己負担が10万円になるため、保険を使うメリットを感じにくいかもしれません。水没による修理費用は非常に高額になることが多いため、免責金額が高すぎると、結局保険を使わずに自己負担で対応することになりかねません。
全損時の免責は適用されないケースが多い
ただし、水没で全損と判断された場合は、免責金額は適用されず、全額が補償されるケースがほとんどです。この点を理解した上で、免責金額を設定するかどうかを判断しましょう。
「限定補償」は水害に特化しているが注意が必要
車両保険には、水害や火災、盗難などのリスクに限定して補償する「限定補償」というプランも存在します。これは、エコノミー型よりもさらに補償範囲を絞ることで、保険料を安くするものです。
限定補償のメリットとデメリット
- メリット:
- 保険料が非常に安く抑えられる。
- 水害などの自然災害には対応している。
- デメリット:
- 自損事故、当て逃げ、他車との事故などは補償されない。
- 「保険に入っている安心感」は薄くなる。
地震・津波による水没は車両保険の対象外
これは、何度でもお伝えしたい重要なポイントです。地震や津波を原因とする水没は、車両保険の対象外です。 もし地震や津波への備えも考えているのであれば、別途、自動車保険の特約として「地震・噴火・津波危険補償特約」を付帯する必要があります。
地域特性を考慮した賢い保険の選び方
九州に住むレクサスオーナーである皆さんには、地域の特性を考慮した保険選びをおすすめします。
豪雨や台風に備える
九州は、毎年のように豪雨や台風による被害に見舞われる地域です。そのため、車両保険に加入する際は、台風・洪水・高潮による損害が補償対象に含まれているか、改めて確認しましょう。エコノミー型でも十分対応できるケースが多いので、保険料を抑えたい方はエコノミー型を検討するのも良いでしょう。
豪雪地帯に備える
九州でも山間部などでは、積雪による被害も考えられます。大雪の重みでカーポートが壊れ、車が損傷した場合も、車両保険は適用されるケースが多いです。地域の気候特性に応じて、どのようなリスクに備えるべきかを考えることが大切です。
レクサスオーナーズ保険は入るべきか|自然災害はいつ起きてもおかしくない
レクサスオーナーの中には、通常の自動車保険ではなく、「レクサスオーナーズ保険」を検討している方もいるでしょう。私も複数の車で様々な保険を比較検討してきましたが、レクサスオーナーズ保険には独自のメリットとデメリットがあります。水害に対する備えという観点から、その特徴をより深く解説します。

レクサスオーナーズ保険が選ばれる理由
レクサスオーナーズ保険の最大の魅力は、**「レクサスオーナーのための安心感」**に尽きます。一般の保険とは異なり、事故や災害時の修理はすべて正規ディーラーで、純正部品を使って行われることが大きな特徴です。
ディーラー修理と純正部品の安心感
水没事故の場合、レクサスの高度な電装システムやハイブリッド機構は非常に複雑なため、専門的な知識と技術が必要です。オーナーズ保険であれば、修理は必ずレクサスの専門メカニックによって、専用の診断機器や工具を用いて行われます。また、純正部品が使用されるため、修理後の不具合リスクを最小限に抑えることができます。これは、愛車の価値を維持する上で非常に重要なポイントです。特に、車両の売却を考えた際、正規ディーラーでの修理履歴が残ることは、査定額にも良い影響を与えるでしょう。
オーナーズデスクとの連携
事故や災害時に「オーナーズデスク」に連絡すれば、保険会社とのやり取りも含め、すべてをサポートしてくれる体制が整っています。水没というパニックになりがちな状況でも、専門スタッフが冷静に対応してくれるのは心強いですね。レッカー移動の手配はもちろん、代車の用意、修理状況の報告など、煩雑な手続きをすべて任せられるのは、レクサスオーナーならではの特権と言えるでしょう。
デメリットも理解しておくべき
一方で、レクサスオーナーズ保険にはデメリットも存在します。私も正直に言いますが、保険料は一般的な保険に比べて高くなる傾向があります。
保険料が割高になる傾向
一般の自動車保険と比較して、オーナーズ保険は保険料が割高になる傾向があります。その理由は、レクサスの高度な技術や高価な部品、そしてディーラーでの手厚いサポート体制が、コストとして反映されるからです。例えば、先進安全装備のセンサー類やLEDヘッドライトなどは非常に高価であり、修理費用全体を押し上げる要因となります。この点を理解した上で、保険料と補償内容のバランスを考える必要があります。
補償内容の比較は必須
補償内容は充実していますが、水害に対する補償範囲自体は、一般の車両保険と大きく変わらないケースが多いです。したがって、保険料の安さを優先したい場合は、ご自身の運転歴や車の使用状況に合わせて、複数の保険会社のプランを比較検討することをおすすめします。特に、インターネット保険などでは、同じような補償内容でも保険料がかなり安くなる場合があります。
結論:何に価値を置くかで決める
水害への備えという点で言えば、レクサスオーナーズ保険は「安心」と「車の価値維持」を重視するオーナーさんにとって、非常に優れた選択肢です。特に新車や高額なレクサスを所有している場合、水没による全損時も、純正部品での修理や手厚いサポートを受けられるメリットは計り知れません。私自身、所有している車両によっては、この安心感を重視してオーナーズ保険を選んでいます。
しかし、保険料のコストを重視し、一般の自動車保険でも十分に満足できると考えるオーナーさんもいるでしょう。ご自身の価値観やライフスタイルに合わせて、最適な保険を選ぶことが何より大切です。
まとめ
今回のレビューでは、水没したレクサスに保険が使えるのか、そして万が一に備えるための保険の選び方について解説しました。
重要なポイントは以下の通りです。
- 水没は車両保険の補償対象となることが多いが、契約内容による。 特にエコノミー型でも、台風や豪雨による水没はカバーされるケースがほとんどです。
- ただし、地震や津波による水没は原則として補償対象外です。
- 豪雨による水没は、レクサスの高度な電装システムや内装に甚大な被害をもたらす可能性が高い。 * もし水没してしまったら、絶対にエンジンをかけないこと。 安全を確保し、すぐに保険会社に連絡しましょう。
- 安心してレクサスに乗るためには、自身の運転技術だけでなく、自然災害にも備える必要があります。 このレビューが、大切なレクサスを守るための参考になれば幸いです。ご自身の保険内容を改めて確認し、もし不安な点があれば、保険代理店に相談してみることを強くおすすめします。