レクサスLBXは、同ブランドの中で最小サイズながら、高級感や走行性能をしっかり感じられるコンパクトSUVです。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/lbx/)
一方で「レクサスらしさが足りない」という声もあり、購入前に迷う方も多いでしょう。
本レビューでは、実際にLBXを所有・試乗した経験をもとに、走行性能や静粛性、内装の質感、価格面での評価、そして後悔しないためのポイントを徹底解説します。
記事のポイント
- 1.5Lハイブリッドでも十分な走行性能と静粛性
- UXよりも上質と感じる部分が多い
- 高級感ある内装デザインと素材の質
- 後部座席の狭さや価格の高さは要注意

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
LBXはレクサスに相応しいのか|走行性能と静粛性
コンパクトながら十分なパワー
LBXは1.5リッター3気筒ハイブリッドエンジンを搭載し、132馬力・約180Nmのトルクを発揮します。一見すると数値は控えめですが、車重が軽く、モーターアシストの効きが自然でスムーズなため、街乗りや郊外の一般道では十分な加速感を得られます。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/lbx/)
市街地での加速感
信号待ちからの発進や短い加速区間でもレスポンスが良く、エンジン回転数を過度に上げずにスムーズな加速が可能です。モーターのトルクが低回転域からしっかり立ち上がるため、ストップ&ゴーの多い市街地でもストレスを感じません。
坂道や合流時の余裕
登坂路や高速道路の合流など、一時的にパワーを必要とする場面でも、軽いボディとハイブリッドシステムの組み合わせで余裕のある走りを見せます。エンジン音の侵入も抑えられており、加速時の質感もレクサスらしさを保っています。
高速道路でのポテンシャル
まだ高速走行は未経験ながら、60km/h程度の巡航では静かで安定感が高く、これなら長距離移動でも疲労を感じにくいだろうと予想されます。パワー不足を心配する声もありますが、実用域では十分な性能といえます。
静粛性の高さ
二重ガラスやボディ剛性の高さにより、ロードノイズの侵入はUXよりも少なく感じられます。特に市街地や整った路面ではレクサスらしい静けさを体感できます。
遮音の作り込みと音の質
単に音量を下げるだけでなく、耳障りな高周波成分がうまく抑え込まれており、聞こえる音の“質”が上品です。風切り音はAピラー周辺の整流が効いており、一定速度巡航時でも会話がしやすい環境が保たれます。
エンジン音・モーターノイズの制御
発進〜中速域ではモーターアシストが効くためエンジンの主張は控えめ。踏み増した際も音の立ち上がりが滑らかで、回転上昇に対して音圧が過度に膨らまないチューニングです。混雑路での再加速が続いても騒々しさを感じにくいのが魅力。
タイヤと路面のマッチング
整った路面では非常に静かですが、粗いアスファルトではトレッドパターン由来のゴロゴロ感がわずかに顔を出します。タイヤ銘柄や空気圧のセッティングで印象が変わる領域で、快適性を重視するなら静粛系タイヤへの交換が相性良好です。
雨天・荒れた路での印象
雨粒がタイヤで跳ねる音やウォータースプレー音の侵入が抑えられており、悪天候時でも落ち着いた室内会話が可能。ワイパー作動音も耳障りでなく、長時間ドライブの疲労軽減に寄与します。
モード切替による音の変化
ECOではエンジン始動頻度が下がり、電動アシスト中心で静けさが際立ちます。NORMALは静粛と反応のバランスが良好。SPORTでは加速時のエンジン回転が高まり音の存在感は増しますが、不快なこもり音は抑えられています。
アイドリング停止とEV走行の静けさ
信号待ちや低速域ではエンジン停止が素早く、再始動も振動・音ともに穏やか。住宅街や立体駐車場のスロープなどではEV走行が長く続くため、深夜・早朝の出入りでも周囲への配慮がしやすい印象です。
ガラス・遮音材の体感
前席周りのガラスは厚みを感じさせ、ドアシールの当たりも均一。床下やホイールハウスの遮音が効いており、砂利の跳ね音やチップシール路面でも室内の音が尖りません。
競合との体感比較(UX/ヤリスクロス)
市街地の一定速ではLBXがUXより一段しっとり。荒れた路面での低周波ゴロつきも巧みに抑えられます。ベース車とされがちなヤリスクロスと比べると、ドアシールの密閉感とフロアの制振が明確に異なり、同じ速度でも会話音量を上げずに済みます。
長距離ドライブ時の会話・オーディオ
70〜90km/h帯でポッドキャストの子音が聞き取りやすく、音量を上げなくても内容が入ってきます。低域が路面ノイズに埋もれにくく、音楽再生時の厚みも保たれます。
季節要因とノイズの出方
外気温が低い朝はタイヤが温まるまでパターンノイズがやや増える傾向。気温が上がるとゴロつきは収まり、全体の静けさが戻ります。空気圧管理でシーズン差を平準化できます。
静粛性をさらに高めるためのコツ
静粛性重視のタイヤ選択、規定値内での空気圧微調整、ドアシールの定期清掃、車内の小物固定(ビビり音対策)が効果的。トランク床のガタつき抑制やフロアマットの厚手化も即効性があります。
注意すべき場面
コンクリート橋の継ぎ目やマンホール通過時は“ドン”という入力が出やすいものの、室内での響きは短く収束。大径ホイール・扁平タイヤほど音の角が立ちやすいため、快適志向なら標準サイズのままが無難です。
安定感のある走り
全長4100mmとコンパクトながら車幅は1825mmあり、直進安定性が高い一方で、取り回しは容易です。街中や狭い駐車場でも扱いやすいサイズ感が魅力です。
重心と姿勢制御
ワイドトレッドと適正な重心位置が効き、車線変更時のロール量は小さめ。切り足しても姿勢の収束が早く、不安感がありません。段差後のピッチングもすぐ収まり、落ち着いた乗り味に繋がっています。
ステアフィールと直進性
中立付近は遊びが少なく、わずかな操舵で穏やかにノーズが入るセッティング。高速寄りの速度域でもステアリングの修正舵は最小限で済み、長距離巡航の疲労が軽減されます。
取り回しと駐車のしやすさ
見切りが良く、サイドの張り出しが少ないため狭い立体駐車場でも扱いやすい感覚。最小回転半径の小ささに加え、カメラ類の補助が実用面を底上げします。
LBXはレクサスに相応しいのか|内装デザインと快適性
高級感ある素材と配色
今回試乗した「リラックス」グレードは本革シートを採用し、程よい張りと高級感のあるキャメル系のサテンブラウン内装が特徴です。UXやヤリスクロスにはない上質さが漂います。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/lbx/)
シートの作りと触感
表皮はきめ細かく、触れた瞬間にしっとりとした質感。座面は適度なコシを保ちつつ、長時間座っても臀部が痛くなりにくい密度バランスです。ステッチのピッチも均一で、視覚的にも緻密。
カラーコーディネートの巧みさ
サテンブラウンにマットな加飾が組み合わさり、派手すぎず落ち着きすぎない大人の雰囲気。夜間は間接照明が素材の陰影を引き立て、価格帯以上の“見た目の満足度”を生みます。
触れる部分の品位
ドアトリムやセンターコンソールの触感は柔らかく、指が触れるエッジも丸められています。日々の操作で差が出る部分こそ上質に仕立てられており、所有満足度に直結します。
操作性と装備
最新のレクサス車と共通するインフォテインメントシステムを搭載し、パドルシフトや本革ステアリングも標準装備。ただし、ステアリングは使用によってテカリが出やすい点は注意が必要です。
画面の見やすさと視線移動
ディスプレイは操作しやすいサイズで反応も俊敏。目線の移動量は最小ではないものの、UIが整理されているため目的操作に迷いにくい設計です。
物理スイッチの適切な残し方
空調など頻度の高い操作は物理ボタンが残され、走行中でも手探りで扱えます。タッチ操作との住み分けが明確で、学習コストが低いのが好印象。
シフト&パドルの触感
新世代のシフトレバーは節度があり、誤操作しにくいガイド形状。パドルはクリック感がはっきりしており、減速時のコントロールがしやすいです。
経年変化への配慮
本革ステアリングのテカリ対策として、定期的なクリーニングや手袋の活用が有効。運転用グローブと相性が良いグリップ形状です。
乗り心地
やや硬めのサスペンション設定で、ふわふわ感よりも安定感を重視した乗り味です。個人的には好印象ですが、柔らかい乗り心地を好む方には向かないかもしれません。
初期入力と収束のバランス
小さな段差では“コツッ”と情報を伝えつつ、その後の揺すられ感を素早く収束。連続する継ぎ目でも揺れが蓄積しにくく、車酔いしにくいキャラクターです。
タイヤ・空気圧の影響
空気圧を高めにすると路面情報が増し、低めにすると角の取れた当たりに。快適重視なら静粛・コンフォート系を選ぶと良好です。
後席の感触
前席よりも路面の影響を受けやすいものの、背もたれと座面の角度が適正で短〜中距離なら問題なし。長距離は休憩を挟むのがおすすめです。
LBXはレクサスに相応しいのか|グレードと価格評価
グレード構成
LBXのグレードは大きく分けて3種類あり、それぞれに明確な特徴と個性があります。最上位に位置する「リラックス」は本革シートを採用し、上質な内装やカラーコーディネートが魅力です。
「クール」はスウェード調素材を用いたスポーティな雰囲気が特徴で、価格と見た目のバランスが取れています。そして「エレガント」はエルテックスシートを採用し、必要な装備を備えながら価格を抑えた実用重視の選択肢です。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/models/lbx/)
また、限定モデルとして「ビスポークビルド」も存在し、個性的な仕様を求めるユーザーに向けた特別な選択肢となっています。
ポイント
- リラックス:本革シートと上質内装
- クール:スウェード調素材でスポーティ
- エレガント:価格を抑えた実用型
- ビスポークビルド:限定仕様
選び方の指針
本革の触感とカラーコーデを重視するならリラックス、スポーティな見た目とコストのバランスならクール、価格を抑えつつ必要装備を満たすならエレガントが狙い目です。インテリア色の選択肢がグレードで分かれるため、実車で色味を確認したうえで選ぶのが失敗しないコツ。
価格帯
最安のエレガントは約420万円から、リラックスやクールは470万円前後からスタート。試乗車仕様では乗り出し価格が540万円に達します。価格的にはNXの低グレードとも競合するため、購入時には比較検討が必要です。
グレード | 車両価格(約) | 主な特徴 |
---|---|---|
エレガント | 420万円〜 | エルテックスシート、価格を抑えた実用型 |
クール | 470万円〜 | スウェード調素材、スポーティな雰囲気 |
リラックス | 470万円〜 | 本革シート、上質な内装デザイン |
試乗車仕様例 | 540万円 | フルオプション装備 |
支払いイメージを具体化
頭金・月々の支払い・ボーナス加算の3点を先に固定すると、オプションの取捨選択がスムーズ。ナビや安全装備はリセールにも効くため優先度は高めに設定すると後悔しにくいです。
競合比較の視点
同価格帯のNXベースグレードと比べる場合、装備内容とサイズ感、維持費、使い方(2人中心かファミリーか)を軸に整理すると結論が出しやすいです。
LBXはレクサスに相応しいのか|実用性と注意点
後部座席の狭さ
全長の短さから、後席はUXよりもさらに狭く、4人で長距離移動するのは厳しいです。2人での利用が快適なサイズ感です。
着座姿勢とスペース感
膝周りのクリアランスは大人2名で“可”レベル。座面長は十分で太ももの支えは悪くない一方、背の高い方は頭上に余裕が少なめ。短距離の送迎用途が中心なら許容できます。
乗り降りのしやすさ
ドア開口は十分ですが、後席足元のスペースがタイトなため靴の大きい方はコツが必要。チャイルドシートの取り付けは可能ですが、ドア側での作業性はやや制限されます。
収納と利便性
ラゲッジスペースは日常使いには十分ですが、大きな荷物を頻繁に積む用途には不向きです。
ラゲッジの実用度
開口部が四角く、週末のまとめ買いや折りたたみベビーカー程度なら余裕。床面はやや高めで、重い荷物を持ち上げる際は腰に負担がかかりやすいので注意。
シートアレンジ
6:4分割可倒により、長尺物を積む際は片側だけ倒して2名乗車を維持可能。積載優先の場面と普段使いの切り替えが容易です。
レクサスLBXの購入判断と総合評価
高評価ポイント
LBXの強みを“なぜそう感じるのか”まで掘り下げます。
走行性能と静粛性のバランス
小排気量+ハイブリッドでも余力を感じさせ、遮音の作り込みで上質な移動空間を実現。日常域での快適性が際立ちます。
内装の仕立て
触れる・見る・操作するのすべてで上質に感じられる設計。価格に見合う満足度が得られます。
取り回しの良さ
ワイドで安定しつつも小回り性能は良好。都市部での使い勝手が高く、所有後の満足につながります。
- 走行性能と静粛性のバランスが良い
- 内装の質感が高く、レクサスらしい世界観を味わえる
- コンパクトながら安定感のある走り
気になるポイント
納車後に「想定外」を減らすため、弱点の体感についても具体的に把握しておきましょう。
後席スペース
4人フル乗車での長距離は現実的ではありません。ファミリーメインなら上級車種の検討余地あり。
価格と装備の釣り合い
装備内容は充実する一方、価格は一段高め。用途に対して“過不足ない装備”に絞ると満足度が高まります。
- 後席の狭さ
- 価格が同クラスの他モデルより高め
総合評価としては★3.5〜4.0程度。価格に納得できれば満足度は高く、ヤリスクロスとは一線を画す高級コンパクトSUVと言えます。
まとめ
レクサスLBXは、コンパクトSUVながら走行性能・静粛性・内装の質感で高い満足度を提供します。価格や後席スペースの制約はあるものの、「2人でゆったり乗れる高級感ある日常車」を求める方にはおすすめできる一台です。NXやUXと比較しながら、自分のライフスタイルに合った選択をすることが後悔しない購入の鍵となります。