レクサスLX600エグゼクティブは、その圧倒的な存在感と豪華な装備で、多くの人が一度は憧れるフラッグシップSUVです。
引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
周囲に見栄を張れる一台でありながら、ネット上では「燃費が悪い」「維持費が高い」といった声も多く見られます。
そこで本レビューでは、実際のオーナーが長距離ドライブを通じて感じた燃費や走り心地、快適性、そして購入後に気づいた後悔ポイントまで徹底解説します。
記事のポイント
- 実燃費は高速巡行でリッター8.7km程度、街乗りでは大幅に低下
- 長距離ドライブでは静粛性と乗り心地が極めて高く疲れにくい
- 最新の安全装備が一部未搭載で物足りなさも
- 装備アップデートの選択肢が少なく改良に期待

新しい車に乗り換える際、今乗っている愛車をどれだけ高く売却できるかは、次の車の選択肢にも大きく影響します。
私自身、一括見積もりサイトを活用したことで、ホンダヴェゼルからレクサスRXに乗り換えることができました。
レクサスLX600エグゼクティブの実測燃費|長距離ドライブで検証
高速道路での実測燃費
長距離ドライブの結果、高速道路巡行時の燃費は最大で8.7km/Lを記録。この数値は重量級SUVとしては優秀な部類に入り、特に長距離移動を多用するユーザーにとっては嬉しいポイントです。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
回転数と燃費の関係
10速ATと大排気量V6ツインターボの組み合わせにより、120km/hでもエンジン回転数は1700rpm程度と低く抑えられます。低回転での巡行はエンジン負荷を軽減し、結果として燃費の向上に寄与します。
空力と車重の影響
ただしLX600は車高が高く重量もあるため、空気抵抗や慣性による燃費への影響は避けられません。追い風や下り坂などの条件では燃費がさらに改善する一方、向かい風や登坂では数値が落ち込む傾向にあります。
高速道路での実用性
実際の走行では、クルーズコントロールやレーンキープアシストの活用によってアクセル操作が安定し、燃費を維持しやすくなります。また、車内の静粛性や振動の少なさにより、長時間運転しても疲労感が少ないことも、高速移動時の大きな魅力です。
街乗りでの燃費低下
一方、街中走行では重量級ボディと3.5Lターボエンジンの影響で、燃費は5〜6km/L台まで落ち込みます。短距離移動中心の使い方では、給油頻度の高さに不満を感じるオーナーも少なくありません。
低速域で数値が落ちる理由
発進直後は車重を動かすためのエネルギーが大きく、ターボの過給も加わって瞬間燃費が悪化します。10速ATは賢く変速しますが、信号の多い都市部では低いギアに留まる時間が長く、結果として平均燃費が下がります。
渋滞・信号の影響
アイドリング時間と再加速回数が増えると、走行距離の伸びに対して燃料消費が先行します。とくに帰宅ラッシュや短距離の送り迎え用途では、数値の落ち込みが顕著です。
電装負荷と季節要因
夏場のエアコン強冷や冬場の暖房・シートヒーター/ステアリングヒーターは発電負荷を上げ、わずかに燃費を悪化させます。外気温が低い日は暖機時間が延びるため、近距離ほど数値が伸びにくくなります。
タイヤと空気圧の影響
大径ホイールやオールテレーン寄りのトレッドは転がり抵抗と重量が増え、街中の停止・発進で不利になります。指定空気圧を下回るとさらに悪化するため、月1回を目安に点検すると安定します。
数値を安定させる運転のコツ
先読み減速で早めにアクセルオフ→惰性走行を増やす、強い踏み増しを避けて穏やかなスロットル操作を心がける、経路選択で右左折と信号の少ない道を選ぶ——これだけでも市街地で0.5〜1.0km/Lほど改善するケースがあります(走行条件によって差があります)。
市街地の実測目安
渋滞の多い大都市圏では5km/L前後、郊外の流れが良い時間帯なら6km/L台に乗ることが多い印象です。走行距離が短いほど悪化しやすく、ワンストップ10km未満の使い方では5km/Lを下回ることもあります。
燃費と満タン航続距離
満タン時の航続可能距離は約400〜500km。高速巡行を中心にすれば500km近く走れるものの、市街地主体だと400kmを切るケースもあります。
走行条件 | 平均燃費 | 航続可能距離 |
---|---|---|
高速巡行 | 8.5〜8.7km/L | 約500km |
市街地 | 5〜6km/L | 約350〜400km |
表示の“癖”を理解する
残走行距離は直近の燃費傾向を学習して計算されるため、街乗り直後は悲観的、長距離後は楽観的に出やすい特性があります。数値が上下しても故障ではなく、走り方の違いが反映されていると捉えると安心です。
給油タイミングの目安
余裕をみて残量1/4〜1/3で給油すると、渋滞や遠回りが発生しても精神的に楽です。機械的にも、極端な低燃料状態を避けることで燃料ポンプの冷却に有利に働きます。
航続距離を伸ばす計画術
100km/h前後の定速巡行、早めのアクセルオフ、不要な荷物やルーフキャリアの撤去、指定空気圧の維持——この4点の積み重ねが効きます。休憩地点に大規模GSの多いSA/PAを組み込むと、給油待ちリスクも低減できます。
レクサスLX600エグゼクティブ|長距離ドライブで感じた快適性
静粛性の高さ
電動パワーステアリングと10速ATの恩恵で、高速巡行時は極めて静か。120km/hでも会話や音楽がクリアに楽しめます。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
遮音設計の効き方
ボディ各部の遮音材や吸音材、合わせガラスの採用などにより、エンジン音とロードノイズが遠くで鳴っているように感じられます。長時間乗っても耳が疲れにくいのが美点です。
風切り音とタイヤノイズ
大柄なスクエアボディでもドアミラー形状やウェザーストリップの最適化で風切り音は良好。タイヤ銘柄・摩耗度・空気圧によって路面騒音の印象が変わるため、静粛志向ならコンフォート寄りの銘柄が相性良しです。
オーディオとの相性
車内S/Nが高いほど音量を上げずに豊かな音場を楽しめます。高速巡行でもボーカルが埋もれにくく、同乗者の会話も自然です。
乗り心地と安定感
アクティブハイトコントロール付きエアサスにより、路面の凹凸を的確に吸収。大柄なボディながらカーブでも安定感が高く、長時間運転でも疲労が軽減されます。
モード別のキャラクター
コンフォートは細かな振動のいなしが柔らかく、ノーマルはフラット感としなやかさのバランス、スポーツ系はロールの立ち上がりが早くなり俊敏さが増します。用途に応じて素直に切り替えるのが得策です。
荒れた路面での質感
荒れた舗装や橋の継ぎ目では一瞬の入力を「トン」と丸めて通過。大きな段差でも収束が速く、後席での上下動が蓄積しにくいのが印象的です。
直進安定性と横風耐性
ホイールベースと車重のアドバンテージに加え、電動パワステの微小舵制御が効いて修正舵が少なめ。横風や追い越し時の空気の巻き込みでも進路が乱れにくい特性です。
室内の快適装備
アンビエントライトや充実した後席装備により、同乗者も快適に過ごせます。夜間ドライブでは柔らかな照明が高級感を一層高めます。

引用 : TOYOTA HP (https://lexus.jp/)
後席で感じる“エグゼクティブ感”
グレード固有の快適機能(リクライニング機能やオットマン、独立温調など)により、長距離でも身体の当たりが優しく、移動時間そのものがくつろぎに変わります。
空調・シートの細かな配慮
マルチゾーン空調やシートベンチレーション/ヒーターの使い分けで、季節を問わず快適。送風量を弱めても体感温度が保てるため、騒音・消費電力の面でも有利です。
電源・インターフェース
USBの規格や数は年式により差があるため、動画機器やスマホ充電の計画をあらかじめ立てると安心です。配線取り回しは乗員の足元干渉に注意します。
レクサスLX600エグゼクティブ|長距離ドライブの不満な点
未搭載の先進機能
現行LX600には「プロアクティブドライビングアシスト」や「アドバンスドライブ」など、最新モデルに搭載されている一部先進安全機能がありません。この点は、新型車と比較した際に物足りなさを感じる部分です。
具体例と体感差
渋滞時の低速追従の滑らかさや、カーブ進入時の自動減速など、最新世代では“ヒヤリ”を一段先回りで潰す制御が進化しています。長距離の疲労や同乗者の安心感に差が出ます。
高速巡行での支援
ステアリング支援の保持力や制御の緻密さは上位世代ほど自然。現行でも十分実用ですが、比べると介入のタイミングや減速量が保守的に感じられる場面があります。
改良の余地
オンラインアップデートや後付けオプションによる機能追加が望まれます。現状では安全装備の世代差が、購入後の後悔ポイントになりやすいです。
アップデートの考え方
ソフトで改善できる領域(警報タイミングや表示UIなど)と、ハード依存の領域(カメラ・センサー・ECU構成)は分かれます。期待値の置き方を整理しておくと、購入後の不満を抑えられます。
後付け検討時の注意
純正品以外の追加装備は保証や法規適合の観点で配慮が必要です。正規ディーラーで可否と手順を確認し、記録を残しておくと将来の下取り時にも説明しやすくなります。
レクサスLX600エグゼクティブ|装備アップデートの選択肢
イルミネーション強化の事例
レクサスNXではアンビエントライトの照度アップなどの後付けアップデートが可能に。LXでも同様の改良プログラムが用意されれば、所有満足度の向上が期待できます。
期待できる領域
インテリア照明の調光・配色、操作系UIの更新、後席の利便装備追加といった“体験価値”の強化は、年式が進んでも満足度を押し上げます。
注意点
照明の光量や配光は前方視界を妨げないことが最優先。過度な増光は夜間の視認性を下げる場合があるため、適正な設定と施工品質が重要です。
ユーザーからの要望
「有償オプションでも良いから最新装備を後付けしたい」という声は多く、メーカーへの改善要望が高まっています。
現実的なコスト感
安全・快適装備の後付けは、部品代に加えて配線・設定・動作確認の工賃が嵩みがちです。効果と費用を見比べ、リセールへの影響も含めて判断するのが賢明です。
フィードバックの活かし方
不満点を具体的な事例とともに販売店に伝えると、メーカー側の改良検討に反映されやすくなります。
レクサスLX600エグゼクティブ|長距離ドライブで活躍したアイテム
後席の退屈防止にオットキャスト
USB接続だけでAmazonプライムビデオやYouTubeを視聴可能。工事不要で車を乗り換えても使える利便性が魅力です。
使い勝手のポイント
車両側のUSBに挿すだけで起動し、映像アプリを利用できます。長距離では同乗者の体感時間を短くし、休憩間隔の余裕にもつながります(運転者は注視しないこと)。
電源・配線の注意
通信用がType-Aのみの年式では、別電源を確保する二股ケーブルが便利です。配線は足元やシートスライドに干渉しないルートを選び、抜け防止の固定をすると安心です。
接続プラン
スマホのテザリングや車内Wi‑Fiを併用すると安定します。月間データ容量を把握し、長時間視聴時は画質設定を下げると通信量を抑えられます。
アダプティブハイビームの性能
先行車や対向車を的確に検知し、必要な部分だけを遮光。夜間走行の安心感と視認性を大きく向上させます。
実走での挙動
前走車のテール周辺だけをすっと暗くし、標識やガードレールは十分に照らすため、視界の“穴”が少ないのが特徴。長時間の夜間移動でも目の負担が軽くなります。
使用時のコツ
レンズの汚れや悪天候では制御精度が低下します。フロントガラスとヘッドライトの清掃、対向車の多い市街地での過信回避など、基本的な配慮で性能を引き出せます。
まとめ
レクサスLX600エグゼクティブは、圧倒的な存在感と快適性を兼ね備えたフラッグシップSUVです。燃費は重量級SUVとしては健闘しており、高速巡行であれば8.5〜8.7km/Lと意外に走ります。一方で、街乗りでは燃費の低下や給油頻度の高さがネックに。さらに安全装備の世代差や後付け改良の少なさが、長期所有での不満要因になり得ます。
それでも、長距離ドライブでの快適性や静粛性、豪華な室内装備は他車にはない魅力です。購入を検討する際は、燃費や装備差を理解した上で、自分のライフスタイルに合うかどうかを見極めることが重要でしょう。
購入前チェックポイント
主な用途(市街地中心か長距離中心か)、給油サイクルの許容、後席の使用頻度、装備アップデートへの期待度——この4点を整理すると失敗が減ります。
結論
見栄え・快適性・長距離適性を最優先するなら満足度は非常に高い一台。市街地メインで短距離を繰り返すなら、燃費と取り回しの現実を理解したうえで検討するのが賢明です。